公正な分配をどう考えるか――ロールズとノージック — Epoché
解説 制度の原理を、公正な条件で選ぶ ロールズは、憲法や経済など、人生を大きく左右する社会の基本制度を問う。原初状態という思考実験では、自分の生まれや境遇を知らない代表者が原理を選ぶ。特定の境遇だけを有利にする交渉を避けるためである。 現実の契約や、知識を全て失った人々の会合ではない。自由で平等な市民の協力を考えるモデルである。 出典2 自由と機会を、所得と交換しない 平等な基本的自由を優先し、同じ才能と意欲を持つ人の機会が出身階層に左右されないようにする。その上で所得や富の格差は、最も不利な人々に最大の利益をもたらす場合に認める。 いつでも全員を同じ所得にする説ではない。基本的自由や公正な機会を、所得増加のために犠牲にもしない。 出典2 どんな履歴で、持ち分を得たか ノージックは、持ち分を量の形だけでなく、正当な取得・移転・不正の是正という履歴から考える。正当な持ち分を自由に移せば分配の形は変わる。形を絶えず戻すことは、認めたはずの処分の自由への干渉ではないかと批判した。 今ある所有を全て正当化する説ではなく、原理の詳細には未定の点もある。ロールズ側は毎日の財産の形でなく、生涯の見通しを支える制度を評価すると応答でき、決着済みではない。 出典1 観点 主に問うこと ロールズ 自由と機会、最も不利な人の制度上の見通し ノージック 個々の持ち分の取得・移転・是正の履歴 平等と自由の単純な二択ではない。対象と基準を区別する。 参考文献 [1] Mack, Eric「Robert Nozick’s Political Philosophy」。 出典 [2] Wenar, Leif「John Rawls」。 出典