8.45 オズの魔法使い(5)— 別れと、黄色いれんがの道 — Epoché
この篇でできるようになること ★ 助言の場面に命令文が集まる ことに気づける。 大文字だけの文が 書かれたもの を表すと分かる。 別れの場面の作り(しるし・言いつけ・退場)を追える。 第 2 章を通して読み、筋をまとめられる。 前提 : 8.44 まで。型は 3.24 まで。語は 4.36 まで。 読む前に ドロシーは銀の靴を家に持ちこみ、それからマンチキンたちのところへ戻って 帰り道を尋ねます 。四人とも首を振ります。東・南・西には砂漠があり、北は魔女の住む国です。 北の魔女は帽子を鼻の上に置き、数を数えます。すると帽子が石板に変わり、そこに文字が現れます。 この一行が、物語の行き先を決めます 。 固有名詞 何を指すか Quadlings クワドリング。南の国の人々 Winkies ウィンキー。西の国の人々 Emeralds エメラルド。 City of Emeralds で都の名 Oz オズ。大魔法使い Toto トト 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。全部で 654 語、段落は 24 つです。 Dorothy carried the shoes into the house and placed them on the table. まず 最後まで通して 読んでください。会話が続くので、 誰が話しているか だけ追えば足ります。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 ドロシーは靴を家の中へ運んで、テーブルの上に置きました。それからまたマンチキンたちのところへ出てきて、こう言いました。 「わたし、おばさんとおじさんのところへ早く帰りたいんです。きっとわたしのことを心配しているにちがいないから。帰り道を見つけるのを手伝ってもらえませんか?」 マンチキンたちと魔女は、まず顔を見合わせ、それからドロシーを見て、首を横に振りました。 「東のほう、ここからそう遠くないところに」と一人が言いました。「大きな砂漠があって、だれも生きて渡ることはできません。」 「南も同じです」ともう一人が言いました。「わたしは行って、この目で見てきましたから。南はカドリングの国です。」 「聞くところによると」と三人目の男が言いました。「西も同じだそうです。そして、ウィンキーの住むその国は西の悪い魔女が支配していて、その魔女の通り道を通りかかろうものなら、あなたを奴隷にしてしまうでしょう。」 「北はわたしの住むところです」と老婦人が言いました。「そして、その端には、このオズの国を取り囲んでいるのと同じ大きな砂漠があります。かわいそうだけれど、あなたはわたしたちといっしょに暮らすしかないようですね。」 これを聞いて、ドロシーはすすり泣きはじめました。見知らぬ人たちばかりの中で、さびしくなったのです。その涙は心のやさしいマンチキンたちを悲しませたようで、彼らはすぐにハンカチを取り出して、いっしょに泣きはじめました。小さな老婦人はというと、帽子を脱いで、そのとがった先を鼻の頭の上に立ててバランスをとり、おごそかな声で「一、二、三」と数えました。すると、たちまち帽子は石板に変わり、そこには白いチョークの大きな字で、こう書かれていました。 「ドロシーをエメラルドの都へ行かせよ」 小さな老婦人は鼻から石板を取り、そこに書かれた言葉を読むと、たずねました。「あなたの名前はドロシーというのですか?」 「はい」と子どもは、顔を上げて涙をふきながら答えました。 「それなら、エメラルドの都へ行かなければなりません。オズが助けてくれるかもしれません。」 「その都はどこにあるのですか?」とドロシーはたずねました。 「この国のちょうどまんなかにあって、さっき話したオズ、あの大魔法使いが治めています。」 「その人はいい人なのですか?」と少女は心配そうにたずねました。 「よい魔法使いですよ。人間かどうかは分かりません。わたしは会ったことがないのです。」 「どうしたらそこへ行けますか?」とドロシーはたずねました。 「歩いて行かなければなりません。長い旅になりますよ。ときには気持ちのいい、ときには暗くて恐ろしい土地を通っていくのです。でも、わたしの知っているかぎりの魔法を使って、あなたが危ない目にあわないようにしてあげましょう。」 「いっしょに来てはくださらないのですか?」と少女はたのみました。この小さな老婦人を、ただ一人の友だちと思うようになっていたのです。 「いいえ、それはできません」と老婦人は答えました。「でも、あなたにわたしの口づけをあげましょう。北の魔女に口づけされた者に、害を加えようとする者などいませんからね。」 老婦人はドロシーのそばに寄り、その額にそっと口づけをしました。くちびるが少女に触れたところには、丸く光るしるしが残りました。ドロシーはそのことに、まもなく気づきました。 「エメラルドの都へ行く道は、黄色いれんがで舗装されています」と魔女は言いました。「ですから、迷うことはありません。オズのところに着いたら、こわがらずに、身の上を話して、助けてくれるようたのみなさい。さようなら、いい子ね。」 三人のマンチキンは魔女に深くおじぎをし、楽しい旅を、と祈ってから、木々のあいだを歩いて去っていきました。魔女はドロシーに親しげに小さくうなずくと、左のかかとでくるくると三回まわり、たちまち消えてしまいました。小さなトトはたいそう驚き、魔女がいなくなると、その後ろに向かってさんざんほえたてました。魔女がそばに立っているあいだは、こわくてうなることさえできなかったのです。 けれどもドロシーは、相手が魔女だと分かっていたので、ちょうどそんなふうに消えるだろうと思っていました。ですから、少しも驚きませんでした。 語釈 帯の外の語は 52 語です。下に 全部 出します。大文字だけの語が二つあるのは、 石板に書かれた文字 だからです。 語(品詞) 意味 注 DOROTHY en 名 ドロシー(石板の大文字) Dorothy en 名 ドロシー EMERALDS en 名 エメラルド(石板の大文字) Emeralds en 名 エメラルド Munchkins en 名 マンチキン Oz en 名 オズ Quadlings en 名 クワドリング。南の国の人々 Toto en 名 トト Wicked en 形 悪い Winkies en 名 ウィンキー。西の国の人々 Witch en 名 魔女 Wizard en 名 魔法使い anxious en 形 気がかりな。〜したくてたまらない The boy felt anxious while waiting for his exam results. その少年は試験の結果を待つ間、気がかりな気持ちでした。 anxiously en 副 気づかわしげに She anxiously watched the door, waiting for her son to return. 彼女は息子が帰ってくるのを気づかわしげにドアを見つめていました。 aunt en 名 おば My aunt always bakes cookies when we visit her house. 私のおばは私たちが家に行くといつもクッキーを焼いてくれます。 barked en 動 (犬が)ほえた The dog barked loudly at the stranger near the gate. その犬は門の近くの見知らぬ人に向かって大きくほえました。 bowed en 動 おじぎをした The actor bowed deeply as the audience clapped for him. その俳優は観客が拍手する中、深くおじぎをしました。 brick en 名 れんが They built the small house with red brick and wood. 彼らは赤いれんがと木でその小さな家を建てました。 bye en 間 good-bye で「さようなら」 She waved and said bye before running to catch the bus. 彼女は手を振ってさようならと言い、バスに乗るために走っていきました。 cap en 名 ふちなし帽 He wore a blue cap to protect his eyes from the sun. 彼は日差しから目を守るために青いふちなし帽をかぶっていました。 chalk en 名 白墨(はくぼく) The teacher wrote the answer on the board with white chalk. 先生は白い白墨で黒板に答えを書きました。 dare en 動 思いきって〜する I dare not open that old, locked door alone. 私は一人であの古い、鍵のかかったドアを開ける勇気がありません。 desert en 名 砂漠 The travelers crossed a wide, dry desert under the hot sun. 旅人たちは暑い日差しの下、広く乾いた砂漠を渡りました。 dorothy en 名 ドロシー( Dorothy と同じ語) forehead en 名 ひたい A drop of sweat rolled slowly down his forehead. 汗のしずくが彼のひたいをゆっくりと伝い落ちました。 gently en 副 そっと The mother gently placed the sleeping baby into the crib. 母親は眠っている赤ちゃんをそっとベビーベッドに寝かせました。 grieve en 動 悲しませる The whole village continued to grieve after the old man's death. 村人たちはその老人の死後も深く悲しみ続けました。 growl en 動 うなる A low growl came from the shadows near the old barn. 古い納屋の近くの暗がりから低いうなり声が聞こえました。 handkerchiefs en 名 ハンカチ(複数) She folded the clean handkerchiefs neatly and placed them in the drawer. 彼女はきれいなハンカチをきちんとたたんで引き出しにしまいました。 harm en 名 害 The little dog meant no harm; it only wanted to play. その小さな犬に害を与えるつもりはなく、ただ遊びたかっただけでした。 heel en 名 かかと A small stone got stuck under her shoe near the heel. 小さな石が彼女の靴のかかとの近くに挟まりました。 injure en 動 傷つける Careless drivers can easily injure pedestrians crossing the busy street. 不注意な運転手は忙しい通りを渡る歩行者を簡単に傷つけることがあります。 inquired en 動 尋ねた The customer inquired politely about the price of the old lamp. その客はその古いランプの値段について丁寧に尋ねました。 lips en 名 くちびる Her lips trembled slightly as she tried to hold back tears. 彼女は涙をこらえようとして、くちびるが少し震えました。 lonely en 形 ひとりぼっちの The old man felt lonely after his wife passed away. その老人は妻が亡くなった後、ひとりぼっちの寂しさを感じました。 loudly en 副 大きな声で The children laughed loudly while playing in the summer rain. 子どもたちは夏の雨の中で遊びながら大きな声で笑いました。 magic en 名 魔法 The young boy believed in magic long after he grew up. その少年は大人になってからも魔法を信じ続けていました。 nod en 名 うなずき He gave a small nod to show that he understood. 彼は理解したことを示すために小さくうなずきました。 nose en 名 鼻 The puppy sniffed the ground eagerly with its wet nose. その子犬はぬれた鼻で熱心に地面のにおいをかぎました。 paved en 動 (道が)敷かれている A narrow, paved path led straight to the old church. 細く敷かれた道がまっすぐに古い教会へと続いていました。 pleaded en 動 せがんだ The little girl pleaded with her father to buy the toy. その小さな女の子はそのおもちゃを買ってほしいと父にせがみました。 pleasant en 形 感じのよい We had a pleasant walk through the quiet garden this morning. 私たちは今朝、静かな庭を感じのよい散歩をしました。 shining en 形 光っている The shining stars filled the clear night sky above the lake. 光っている星々が湖の上の澄んだ夜空を埋め尽くしていました。 slate en 名 石板。字を書いて消せる板 The old schoolhouse still kept a small slate for writing lessons. その古い校舎には授業用の小さな石板が