見取り:ミレトスの探究/エレア派とゼノン/多元論と原子論のつながり — Epoché
解説 自然を説明する出発点 ミレトスの探究を二例で見る。タレスは水を原理としたと伝えられる。アナクシマンドロスは、水などに性質を限定しないアペイロンを原理に置く。原理とは、自然の成り立ちを説明する出発点。 タレスが水を選んだ理由は、アリストテレスの推測を含む。本人の断片・後代の証言・研究上の解釈を分ける。 Presocratic Philosophy 「あるもの」は生じるか パルメニデスの詩で女神は、「ないもの」は把握も指示もできないと説く。確信の道では、無からの生成を退け、「あるもの」を生じず滅びず、動かないものとして論じる。 詩には宇宙論もあり、感覚的世界をすべて幻としたと断定しない。両部分の関係には解釈の違いがある。 Parmenides 動きの前提を問い直す ゼノンの逆説は、動きや多数性の普通の前提を問い直す議論。二分法では、終点の前に中間点、その前にも中間点が必要となる。「無限個の点を有限時間で通れない」と置くと、移動できないという結論になる。 アリストテレスの報告に基づく再構成で、移動不能の実証ではない。パルメニデス擁護が本人の確定した意図だったとも断定しない。 Zeno of Elea 残るものと、変わる組合せ エンペドクレスは火・土・空気・水の四根を置き、愛による結合と争いによる分離で変化を説明する。デモクリトスらは分割できない原子と、移り入れる場所である空虚を認め、原子の組替えで変化を説明する。 空虚は動きの条件として認めた、と事典は再構成する。根と原子は区別し、愛・争いを人間の感情と同一視しない。現代物理や一直線の進歩へ結ばない。デモクリトスの説は後代の伝承から知られる。 Democritus ・ Empedocles 自然・変化・存在をめぐる見取り 観点 問いの置き方 ミレトスの二例 自然を説明する原理 パルメニデス あるものの生成を問う ゼノン 動き・多数性の前提を問う 多元論・原子論 基本的なものと組合せ 共有する問いで比べた編集上の見取り。同じ一問への対立や、人物間の直接対決を示す図ではない。 参考文献 Berryman, Sylvia「Democritus」。 出典 Parry, Richard「Empedocles」。 出典 John Palmer「Parmenides」。 出典 Patricia Curd「Presocratic Philosophy」。 出典 John Palmer「Zeno of Elea」。 出典