8.16 Reading Without a Dictionary — 読み方のまとめ — Epoché
この篇でできるようになること 英語だけで書かれた 350 語の文章を、辞書を引かずに最後まで読める。 知らない語に出会っても止まらず、行の終わり、それでも分からなければページの終わりまで進んでから戻れる。 第 1 期の読み物十六篇で何をどれだけ読んだのかを、数で言える。 350 語を 1 分あたり 120 語(2 分 55 秒)で読み切れる。 前提 : 8.15 まで。 読編「読」の第 16 篇、第 1 期の読み物の最後です。350 語あって、十六篇のうちいちばん長い篇になります。第 1 篇は 251 語でしたから、99 語ぶん長くなりました。語り手はこれまでと同じケンで、こんどは 読むことそのもの を書きます。 この篇で宣言した帯の外の語は 6 語だけです。うち 2 語が題の語—— dictionary ・ page 。残りの 4 語は前の篇で宣言した語の引き継ぎです—— 8.3 読編 から park ・ bridge 、 8.5 読編 から English 、 8.14 読編 から Japanese 。350 語のうち帯の外にあるのは 6 語ですから、読み手にとって本当に新しい語は全体の 1.7% です。百語に二語も無い、ということです。 この篇にはもう一つ役目があります。第 1 期の読み物はここで終わるので、 十六篇で何を読んだのかを数えて ふりかえります。下のほうに「十六篇のふりかえり」という節を置きました。そこに出てくる数字は、どれも十六篇の原文と語彙表から数えたものです。読み方の規則そのもの——どこで切るか——は 7.1 訳編 にあるので、ここでは教え直しません。この篇がするのは、 実際に何ができるようになったかを確かめること です。 page en 帯の順位 652 番 カタカナとの差 — When a word does not come to me, I read to the end of the page and then go back. 語が出てこないときは、そのページの終わりまで読んでから戻ります。 I read that book to the end, so I could tell him about the whole of it, not about the first ten pages. わたしはその本を終わりまで読んでいたので、はじめの十ページのことではなく、全体のことを話せました。 park en 帯の順位 657 番 カタカナとの差 パーク → ● (3 拍を 1 音節に) I read it in the park on the other side of the bridge, and it took me four nights. 橋の向こう側の公園で読んで、四晩かかりました。 May I park my car here? [1] ここに車をとめてもよろしいですか。 bridge en 帯の順位 1,546 番 カタカナとの差 ブリッジ → ● (4 拍を 1 音節に) I read it in the park on the other side of the bridge, and it took me four nights. 橋の向こう側の公園で読んで、四晩かかりました。 dictionary en 帯の順位 順位なし カタカナとの差 ディクショナリ → ●○○○ (5 拍を 4 音節に) There was a test every month, so I stopped at every word I did not know and looked for it in a dictionary. 毎月テストがあったので、知らない語が出るたびに止まって、辞書で引きました。 There were six words on it that I did not know, and I did not open a dictionary. そこには知らない語が六つありましたが、辞書は開きませんでした。 English en 帯の順位 順位なし カタカナとの差 — On Saturday the woman who teaches English at my mother's school came in with a small book. 土曜に、母の学校で英語を教えている女の人が、小さな本を持って店に来ました。 It was in English, and she said that children read it in her country. 英語で書かれた本で、自分の国では子どもが読む本だ、と言いました。 Japanese en 帯の順位 順位なし カタカナとの差 — There is one way to read a book, in Japanese and in English: go on to the end. 本の読み方は、日本語でも英語でも一つきりです——終わりまで進むこと。 Japanese is hard, isn't it? [2] 日本語、難しいね。 読む前に 語り手はケン、二十歳。山にはさまれた小さな市で母・父と三人で住み、駅から川へ下りていく通りの本屋で働いています( 8.1 読編 〜 8.15 読編 の続きです)。母は町の学校の先生、父は隣の市の会社へ電車で通っています。ケンは学校の英語の時間が得意ではありませんでした( 8.5 読編 )。 起こることはこれだけです。父はケンに一度だけ、読むことについて何かを言った。学校でのケンは、その通りには読んでいなかった。いまは違うやり方で読んでいて、そのやり方が店の仕事にも効いている。そして先週、英語を教えている人が英語の本を持ってきた( 8.14 読編 の人です)。ケンはそれを読み通します。 読みどころは 時の見分け です。この篇には read が九回出てきます。英語のこの語は、現在と過去で 綴りがまったく同じ です。 open なら opened 、 learn なら learned と形が変わりますが、 read は変わりません。変わるのは音だけで、紙の上では何も変わりません。ですから、どちらで読むかはまわりの語が決めます。五か所が過去、四か所が現在です。どこがどちらかを、読みながら決めてみてください。 もう一つ、この篇には 問いが一つもありません 。前の篇 8.15 読編 は問いだらけで、問いの形が答えの長さを決めることをそこで見ました。その篇は、ある女の人が「何を読むのか」と訊いて、ケンが 10 分しゃべった、というところで終わっています。この篇は、その答えの続きにあたります。訊かれたことに答える篇の次に、誰にも訊かれずに自分で決めたことを一篇ぶん書く篇が来る——という並びです。使われている型は型編の 8 課の範囲だけです。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。6 段落・24 文・350 語です。冒頭はこう始まります。 My father reads the news every night, and I read books. 先に原文だけを、辞書も訳も見ずに最後まで読んでください。分からないところがあっても止まらず、最後まで行ってから戻ります。それが済んでから、下の「語釈」「構文の骨」「訳」を見ます。この篇にかぎっては、その順を守ること自体が題材です。語り手が学校でやっていたのは、まさに逆の順だからです。 語釈 この篇に範囲外の語は 0 語です。下の表のはじめの 6 語は 宣言した語 (帯 600 の外にあるので、読み手にとって本当に新しいのはここだけ)、残りの 12 語は 知っているのに文の中で意味が動く語 で、どれも帯 600 の中にあります。 dictionary en 名詞 辞書。この篇の題の語で、 I did not open a dictionary は「辞書を開かなかった」。ケンが学校ではずっと開いていて、いまは開かないもの。この篇の骨がこの一語にある There was a test every month, so I stopped at every word I did not know and looked for it in a dictionary. 毎月テストがあったので、知らない語が出るたびに止まって、辞書で引きました。 There were six words on it that I did not know, and I did not open a dictionary. そこには知らない語が六つありましたが、辞書は開きませんでした。 page en 名詞 ページ。紙の片面のこと。 the first page で「最初のページ」、 the first ten pages で「はじめの十ページ」。この篇では、読んで進む単位としてくり返し出てくる I opened it and read the first page. わたしは開いて、最初のページを読みました。 I'd like to page someone. [3] 呼び出しをお願いします。 English en 名詞 英語。言葉の名なので順位がない。 8.5 読編 で宣言した語の引き継ぎで、この篇では a book in English (英語で書かれた本)として出てくる On Saturday the woman who teaches English at my mother's school came in with a small book. 土曜に、母の学校で英語を教えている女の人が、小さな本を持って店に来ました。 It was in English, and she said that children read it in her country. 英語で書かれた本で、自分の国では子どもが読む本だ、と言いました。 Japanese en 名詞 日本語。 in Japanese and in English は「日本語でも英語でも」。 8.14 読編 からの引き継ぎで、ここでは国ではなく言葉のほうを指している There is one way to read a book, in Japanese and in English: go on to the end. 本の読み方は、日本語でも英語でも一つきりです——終わりまで進むこと。 park en 名詞 公園。 in the park on the other side of the bridge で「橋の向こう側の公園で」。 8.3 読編 で宣言した町の語で、ケンが本を持っていく場所 I read it in the park on the other side of the bridge, and it took me four nights. 橋の向こう側の公園で読んで、四晩かかりました。 bridge en 名詞 橋。町の川に架かっている橋で、店から公園へ行く道にある。 8.3 読編 で宣言した語。この篇でも最後の段落に出てくる I read it in the park on the other side of the bridge, and it took me four nights. 橋の向こう側の公園で読んで、四晩かかりました。 read en 動詞 読む。この篇に九回出てくる。綴りは一つだが、現在と過去で音が変わる——現在は see と同じ母音、過去は said と同じ母音になる。どちらで読むかは、まわりの語が決める My father reads the news every night, and I read books. 父は毎晩、新聞を読みます。わたしは本を読みます。 That was the only thing he ever told me about reading. 父が読むことについてわたしに言ったのは、それだけです。 way en 名詞 やり方。 I read in another way は「別のやり方で読んでいた」で、道のことではない。 one way to read a book も同じ At school I read in another way. 学校では別のやり方で読んでいました。 That's the way life is. [4] 人生なんてそんなもんよ。 line en 名詞 行。 the end of the line は「その行の終わり」で、線でも列でもない。 the next line tells me は「次の行が教えてくれる」 I take the words in groups of three or four and go on to the end of the line. 語を三つか四つずつの束で受け取って、行の終わりまで進みます。 Most of the time I do not go back, because the next line tells me. たいてい、戻ることにはなりません。次の行が教えてくれるからです。 group en 名詞 束。 in groups of three or four で「三つか四つずつのまとまりで」。人の集まりだけでなく、語のまとまりにも使う I take the words in groups of three or four and go on to the end of the line. 語を三つか四つずつの束で受け取って、行の終わりまで進みます。 take en 動詞 受け取る。 I take the words in groups は「語を束のまま受け取る」で、持ち去るという意味ではない。同じ篇の it took me four nights は「四晩かかった」で、こちらは時間のほう I take the words in groups of three or four and go on to the end of the line. 語を三つか四つずつの束で受け取って、行の終わりまで進みます。 come en 動詞 出てくる。 a word does not come to me は「語が出てこない」