0.2 母音 ① a e i o u の長短 — Epoché
この 課 か でできるようになること 五 いつ つの 母音 ぼいん a e i o u を、 長い ながい 読み よみ と 短い みじかい 読み よみ の 十 じゅう の 音 おと として 出し だし 分け わけ られる。 長い ながい e と o で 口 くち を 狭く せまく 、 短い みじかい e と o で 口 くち を 広く ひろく 開ける あける 、という 日本語 にほんご に 無い ない 切り替え きりかえ ができる。 弱く よわく 読む よむ e ( Name 、 haben の e )を、はっきり 読む よむ e と 区別 くべつ できる。 前提 ぜんてい : 0.1( 音節 おんせつ ・ 強勢 きょうせい ・ 長短 ちょうたん の 綴り つづり ) 0.1 で、 長い ながい か 短い みじかい かは 綴り つづり で 決まる きまる ことを 確かめ たしかめ ました。この 課 か では、その 長短 ちょうたん が 音 おと そのものをどう 変える かえる か を 母音 ぼいん ごとに 見 み ます。ドイツ 語 ご の 母音 ぼいん の 骨組み ほねぐみ は 日本語 にほんご と 同じ おなじ 五 いつ つですが、 長い ながい 読み よみ と 短い みじかい 読み よみ で 口 くち の 形 かたち が 変わる かわる ものがあり、そこが 日本語話者 にほんごわしゃ の「 惜しい おしい 発音 はつおん 」の 出どころ でどころ です。 なぜ 日本語話者 にほんごわしゃ はここでつまずくのか ドイツ 語 ご の a e i o u は、 日本語 にほんご の「ア・エ・イ・オ・ウ」とほぼ 同じ おなじ 場所 ばしょ にあります。だから 多く おおく の 学習 がくしゅう 者 しゃ は 母音 ぼいん を「 問題 もんだい なし」と 決め きめ て 素通り すどおり します。 実際 じっさい 、 通じ つうじ ないほど 違う ちがう 母音 ぼいん はありません。ただし、 三つ みっつ のずれが「 日本語 にほんご なまり」を 作り つくり ます。 長短 ちょうたん で 口 くち の 形 かたち まで 変わる かわる 。 長い ながい e は 日本語 にほんご の「エ」より 狭く せまく 、 短い みじかい e は「エ」より 広い ひろい 。 長い ながい o は「オ」より 唇 くちびる をすぼめ、 短い みじかい o は 口 くち を 大きく おおきく 開ける あける 。 日本語 にほんご の「エ」「オ」はちょうどその 中間 ちゅうかん なので、どちらに 出し だし ても「 惜しい おしい 」 音 おと になります。 日本語 にほんご の「ウ」は 唇 くちびる を 丸め まるめ ない。 ドイツ 語 ご の u は 長く ながく ても 短く みじかく ても 唇 くちびる を 丸め まるめ ます。 日本語 にほんご の「ウ」のまま 出す だす と、 gut (よい)が 力 ちから の 抜け ぬけ た 音 おと になります。 弱い よわい e がある。 強勢 きょうせい の 無い ない 音節 おんせつ の e は、 口 くち を 軽く かるく 開け あけ ただけの 曖昧 あいまい な 音 おと です。 Name ( 名前 なまえ )の 語末 ごまつ 、 haben ( 持つ もつ )の -en 。これを「エ」とはっきり 読む よむ と、 全部 ぜんぶ の 音節 おんせつ が 同じ おなじ 重さ おもさ になって 強勢 きょうせい が 消え きえ ます。 逆 ぎゃく に、 英語 えいご の 癖 くせ で 語末 ごまつ の e を 読ま よま ずに「ネーム」と 言っ いっ てしまう 人 ひと もいます。ドイツ 語 ご では 語末 ごまつ の e は 必ず かならず 読み よみ ます 。 五 いつ つの 母音 ぼいん 、 十 じゅう の 音 おと まず 長い ながい 読み よみ を 並べ ならべ ます。 日本語 にほんご の 長音 ちょうおん 「ー」で 写せる うつせる ものと、 口 くち の 形 かたち を 直す なおす ものを 分け わけ てあります。 母音 ぼいん 口 くち の 形 かたち 例 れい a ( 長 ちょう ) [aː] 日本語 にほんご の「アー」と 同じ おなじ 。 口 くち を 大きく おおきく Glas (ガラス、コップ) e ( 長 ちょう ) [eː] 「エー」より 狭く せまく 。「イ」に 寄せ よせ た「エ」。 唇 くちびる を 横 よこ に 引く ひく Lehrer ( 教師 きょうし ) i ( 長 ちょう ) [iː] 「イー」と 同じ おなじ 。 唇 くちびる をしっかり 横 よこ に 引く ひく viel (たくさん) o ( 長 ちょう ) [oː] 「オー」より 唇 くちびる をすぼめる 。「ウ」に 寄せ よせ た「オ」 Brot (パン) u ( 長 ちょう ) [uː] 「ウー」より 唇 くちびる を 丸め まるめ て 突き出す つきだす gut (よい) 次 つぎ に 短い みじかい 読み よみ です。 短い みじかい だけでなく、 e i o u の 四つ よっつ は 口 くち の 力 ちから が 抜け ぬけ て 広がり ひろがり ます 。 母音 ぼいん 口 くち の 形 かたち 例 れい a ( 短 たん ) [a] 「ア」と 同じ おなじ 。 短く みじかく 切る きる Stadt ( 町 まち ) e ( 短 たん ) [ɛ] 「エ」より 広く ひろく 。 口 くち を 開け あけ た「エ」 Wetter ( 天気 てんき ) i ( 短 たん ) [ɪ] 「イ」と「エ」の 間 あいだ 。 唇 くちびる を 引か ひか ない Tisch ( 机 つくえ ) o ( 短 たん ) [ɔ] 「オ」より 口 くち を 大きく おおきく 開ける あける 。「ア」に 寄せ よせ た「オ」 Sonntag ( 日曜 にちよう 日 ひ ) u ( 短 たん ) [ʊ] 「ウ」と「オ」の 間 あいだ 。 唇 くちびる は 軽く かるく 丸める まるめる Hund ( 犬 いぬ ) まとめると、 長い ながい 読み よみ は 口 くち を 狭く せまく 緊張 きんちょう させ、 短い みじかい 読み よみ は 口 くち を 広く ひろく 緩める ゆるめる 。 a だけは 長短 ちょうたん で 質 しつ が 変わり かわり ません。あとの 四つ よっつ は、 長い ながい ときに 日本語 にほんご より「 閉じ とじ 」、 短い みじかい ときに 日本語 にほんご より「 開き ひらき 」ます。 日本語 にほんご の 母音 ぼいん がちょうど 真ん中 まんなか にあるので、どちらへ 寄せる よせる かを 意識 いしき するだけで 音 おと が 変わり かわり ます。 母音 ぼいん ごとの 作り つくり かた a — いちばん 簡単 かんたん 。 長 なが さだけ 口 くち の 形 かたち は 日本語 にほんご の「ア」のままでよく、 長い ながい か 短い みじかい かだけを 守り まもり ます。 Glas (ガラス)は「グラース」、 Stadt ( 町 まち )は「シュタット」。 日本語話者 にほんごわしゃ が 外す はずす のは、 Name ( 名前 なまえ )や haben ( 持つ もつ )の a を 短く みじかく 言っ いっ てしまうことです。0.1 の 規則 きそく ④ のとおり、 子音 しいん 一 ひと つの 後ろ うしろ の a は 長い ながい 。「ナーメ」「ハーベン」と 伸ばし のばし ます。 e — 長けれ ながけれ ば 狭く せまく 、 短けれ みじかけれ ば 広く ひろく 長い ながい e は、「イ」を 言う いう つもりで 口 くち を 横 よこ に 引き ひき 、そこから 少し すこし だけ 開け あけ た 音 おと です。 Lehrer ( 教師 きょうし )、 lesen ( 読む よむ )、 leben ( 生きる いきる )。 日本語 にほんご の「エー」で 言う いう と、ドイツ 語 ご 話者 わしゃ には ä の 長い ながい 音 おと (0.3 で 扱い あつかい ます)に 聞こえ きこえ ます。 短い みじかい e は 逆 ぎゃく に、 口 くち を「ア」に 寄せ よせ て 開け あけ ます。 Wetter ( 天気 てんき )、 essen ( 食べる たべる )、 Bett (ベッド)。こちらは 日本語 にほんご の「エ」よりも 大きく おおきく 口 くち を 開ける あける つもりでちょうどよくなります。 i — 長い ながい 側 がわ は 日本語 にほんご と 同じ おなじ 、 短い みじかい 側 がわ は 緩める ゆるめる 長い ながい i は 日本語 にほんご の「イー」で 問題 もんだい ありません。 綴り つづり は 0.1 の 規則 きそく ③ のとおり ie か、 ih ( ihn )で 書か かか れます。 短い みじかい i は 唇 くちびる を 引か ひか ず、「イ」と「エ」の 中間 ちゅうかん で 軽く かるく 出し だし ます。 Tisch ( 机 つくえ )、 Kind ( 子ども こども )、 Winter ( 冬 ふゆ )、 bitte (どうぞ)。 日本語話者 にほんごわしゃ は 短い みじかい i を 日本語 にほんご の「イ」で 強く つよく 言い いい すぎる 傾向 けいこう があるので、 力 ちから を 抜く ぬく ことを 意識 いしき してください。 o — 長けれ ながけれ ば 唇 くちびる をすぼめ、 短けれ みじかけれ ば 口 くち を 開ける あける 長い ながい o は 唇 くちびる を「ウ」の 形 かたち にすぼめてから「オ」を 出し だし ます。 Brot (パン)、 Sohn ( 息子 むすこ )、 Rose (バラ)。 日本語 にほんご の「オー」のままだと 少し すこし 開き ひらき すぎです。 短い みじかい o は 反対 はんたい に 口 くち を 大きく おおきく 開け あけ 、「ア」に 寄せ よせ ます。 Sonntag ( 日曜 にちよう 日 ひ )、 kommen ( 来る くる )、 oft (しばしば)。 Ofen (オーブン)と offen ( 開い ひらい ている)の 違い ちがい は、 長 なが さと 同時 どうじ にこの 口 くち の 開き ひらき の 違い ちがい でもあります。 u — 唇 くちびる を 丸める まるめる 日本語 にほんご の「ウ」は 唇 くちびる を 丸め まるめ ずに 出す だす 音 おと で、ドイツ 語 ご の u とはここが 違い ちがい ます。 長い ながい u は 唇 くちびる を 丸め まるめ て 前 まえ に 突き出し つきだし 、「ウー」と「オー」の 間 あいだ くらいの 深い ふかい 音 おと にします。 gut (よい)、 Schule ( 学校 がっこう )、 Uhr ( 時計 とけい )。 短い みじかい u は 丸め まるめ を 軽く かるく し、「ウ」と「オ」の 間 あいだ で 短く みじかく 切り きり ます。 Hund ( 犬 いぬ )、 Butter (バター)、 Bus (バス)、 und (そして)。 弱い よわい e — 強勢 きょうせい の 無い ない 音節 おんせつ 強勢 きょうせい の 無い ない 音節 おんせつ に 来る くる e は、 上 うえ の 表 ひょう のどちらでもなく、 口 くち を 軽く かるく 開け あけ ただけの 曖昧 あいまい な 音 おと になります。 発音 はつおん 記号 きごう では 下 した の 表 ひょう の Name の 最後 さいご の 音 おと がそれです。 出 で てくる 場所 ばしょ は 決まっ きまっ ています。 場所 ばしょ 例 れい 日本語話者 にほんごわしゃ の 癖 くせ 語末 ごまつ の -e Name [ˈnaːmə] ( 名前 なまえ ) 英語 えいご の 癖 くせ で 読ま よま ない(「ネーム」) 語末 ごまつ の -e bitte [ˈbɪtə] (どうぞ) 「ビッテー」と 伸ばす のばす -en haben [ˈhaːbn̩] ( 持つ もつ ) 「ハーベン」と e をはっきり 読む よむ -el Apfel [ˈapfl̩] (リンゴ) 「アプフェル」と e を 足す たす 弱い よわい 前つづり まえつづり be- ge- bekommen [bəˈkɔmən] (もらう) 「ベ」を 強く つよく 読む よむ -en と -el では、 母音 ぼいん がほとんど 消え きえ て n や l だけが 残り のこり ます( haben は「ハーブン」に 近い ちかい )。これを「ハーベン」と 読む よむ と 通じ つうじ ないわけではありませんが、 強勢 きょうせい のある ha- との 差 さ が 縮まり ちぢまり 、 平ら たいら な 日本語 にほんご なまりになります。 弱い よわい 音節 おんせつ は 短く みじかく 曖昧 あいまい に、 強い つよい 音節 おんせつ ははっきり ——0.1 の 強勢 きょうせい を、 母音 ぼいん の 側 がわ から 言い いい 直したのがこの 表 ひょう です。 綴り つづり が 変わる かわる 最小対 さいしょうつい 母音 ぼいん ごとに、 長短 ちょうたん だけが 違う ちがう 組 くみ です。すべて 綴り つづり が 違う ちがう ので、 音読 おんどく の 判定 はんてい で 別々 べつべつ の 語 ご として 返っ かえっ てきます。 長い ながい 短い みじかい Staat ( 国家 こっか ) Stadt ( 町 まち ) Rate ( 分割 ぶんかつ 払い はらい の 一 いち 回 かい 分 ぶん ) Ratte (ネズミ) Beet ( 花壇 かだん ) Bett (ベッド) beten ( 祈る いのる ) Betten (ベッド( 複数 ふくすう )) bieten ( 提供 ていきょう す