0.8 定冠詞と太陽文字・月文字 — 書いてあるのに読まない字 — Epoché
この 課 か でできるようになること 定冠詞 ていかんし を 見つけ みつけ 、その 語 ご が「 定まっ さだまっ ている」ことを 読み取れる よみとれる 。 太陽文字 たいようもじ と 月文字 つきもじ を 見分け みわけ 、 定冠詞 ていかんし のラームを 読む よむ か 読ま よま ないかを 決め きめ られる。 綴り つづり に 現れ あらわれ ない 音 おと の 変化 へんか があることを、 実例 じつれい で 説明 せつめい できる。 前提 ぜんてい : 0.7(ハムザとアリフの 諸 もろ 形 がた 、 丸い まるい ターゥ、 点 てん の 無い ない ヤーゥ) 字 じ を 覚える おぼえる 編 へん の 最後 さいご に、 綴り つづり と 音 おと がずれる 場面 ばめん をひとつ 通し とおし ておきます。 定冠詞 ていかんし です。 仕組み しくみ そのものは 単純 たんじゅん で、アリフとラームの 2 字 じ を 語 ご の 頭 あたま に 付ける つける だけ。ところが 読み よみ 方 かた は 後ろ うしろ の 字 じ によって 変わり かわり 、その 変化 へんか は 綴り つづり に 現れ あらわれ ません。 定冠詞 ていかんし は 2 字 じ を 頭 あたま に 付ける つける だけ 0.2 課 か で、 語末 ごまつ のタンウィーンは「 定まっ さだまっ ていない」ことを 示す しめす と 言い いい ました。その 逆 ぎゃく 、 定まっ さだまっ ている ことを 示す しめす のが 定冠詞 ていかんし です。 書き かき 方 かた はアリフとラームを 語 ご の 頭 あたま に 付ける つける だけで、 語 ご そのものは 変わり かわり ません。 日本語 にほんご には 冠詞 かんし がないので、 感覚 かんかく を 掴む つかむ には 英語 えいご を 思い出す おもいだす のが 早道 はやみち です。「ある 本 ほん 」と「その 本 ほん 」の 違い ちがい に 当たり あたり ます。ただしアラビア 語 ご の 定冠詞 ていかんし は 英語 えいご より 広く ひろく 使わ つかわ れ、 総称 そうしょう にも 固有 こゆう 名詞 めいし にも 付き つき ます。「 本 ほん というもの 一般 いっぱん 」も 定冠詞 ていかんし 付き つき で 言い いい ます。 定冠詞 ていかんし が 付く つく と、 語末 ごまつ のタンウィーンは 消え きえ ます。 定冠詞 ていかんし とタンウィーンは 同時 どうじ に 現れ あらわれ ません 。どちらか 一方 いっぽう だけです。この 対立 たいりつ は 型 かた 編 へん で 名詞文 めいしぶん を 組み立てる くみたてる ときの 土台 どだい になります。 定まっ さだまっ ていない 形 かたち 定まっ さだまっ た 形 かたち 意味 いみ كِتَابٌ キターブン الْكِتَاب アル・キターブ 本 ほん بَيْتٌ バイトゥン الْبَيْت アル・バイト 家 いえ وَلَدٌ ワラドゥン الْوَلَد アル・ワラド 男の子 おとこのこ ラームを 読ま よま ない 語 ご がある ここからがこの 課 か の 本題 ほんだい です。 定冠詞 ていかんし のラームは、 いつも 読ま よま れるわけではありません 。 後ろ うしろ に 来る くる 字 じ によっては、ラームの 音 おと が 消え きえ て、 代わり かわり に 後ろ うしろ の 字 じ が 2 回 かい ぶんの 長 なが さになります。 たとえば 太陽 たいよう を 意味 いみ する 語 ご に 定冠詞 ていかんし を 付ける つける と、 綴り つづり はアリフ・ラーム・シーン・ミーム・スィーンですが、 読み よみ 方 かた は アッ・シャムス です。ラームのラの 音 おと がどこにもありません。 代わり かわり にシーンが 2 回 かい ぶん、 日本語 にほんご の 促音 そくおん のように 詰まっ つまっ て 聞こえ きこえ ます。 いっぽう 月 がつ を 意味 いみ する 語 ご では、 綴り つづり どおり アル・カマル と 読み よみ ます。ラームがそのまま 鳴り なり ます。 この 二 ふた つの 語 ご が、そのまま 用語 ようご になりました。ラームが 消える きえる 字 じ を 太陽文字 たいようもじ 、 消え きえ ない 字 じ を 月文字 つきもじ と 呼び よび ます。アラビア 語 ご の 文法 ぶんぽう 用語 ようご がそのまま 日本語 にほんご に 訳 やく されて 使わ つかわ れています。 どの 字 じ が 太陽文字 たいようもじ か 太陽文字 たいようもじ は 14 字 じ 、 月文字 つきもじ も 14 字 じ で、ちょうど 半分 はんぶん ずつです。 丸 まる 暗記 あんき する 必要 ひつよう はありません。 舌先 したさき を 使っ つかっ て 出す だす 音 おと が 太陽文字 たいようもじ という、 音声 おんせい の 理屈 りくつ があります。 ラームは 舌先 したさき を 上 うえ の 歯ぐき はぐき につけて 出す だす 音 おと です。 同じ おなじ 場所 ばしょ か 近い ちかい 場所 ばしょ で 出る でる 音 おと が 続く つづく と、 舌 した の 位置 いち を 保っ たもっ たまま 次 つぎ の 音 おと へ 移る うつる ほうが 楽 らく なので、ラームが 後ろ うしろ の 音 おと に 飲み込ま のみこま れます。 日本語 にほんご でも「あんない」を 早口 はやくち で 言う いう と「あんない」の「ん」が「な」に 寄っ よっ ていくのと 同じ おなじ 現象 げんしょう です。 種類 しゅるい 字 じ 音 おと の 出し だし かたと 定冠詞 ていかんし の 読み よみ 太陽文字 たいようもじ ت ث د ذ ر ز س ش ص ض ط ظ ل ن 舌先 したさき を 上 うえ の 歯 は や 歯ぐき はぐき の 近く ちかく で 使う つかう 。ラームが 消え きえ 、 後ろ うしろ の 字 じ が 2 回 かい ぶんになる 月文字 つきもじ ا ب ج ح خ ع غ ف ق ك م ه و ي 唇 くちびる ・ 喉 のど ・のどびこなど、 舌先 したさき から 遠い とおい 場所 ばしょ で 出す だす 。ラームをそのまま 読む よむ 表 ひょう を 眺める ながめる と、 太陽文字 たいようもじ は 0.3 課 か から 0.5 課 か で 覚え おぼえ た 字 じ にかたまっているのが 分かり わかり ます。 小さな ちいさな 歯 は の 組 くみ 、 三日月 みかつき と 波 なみ の 組 くみ 、 三つ みっつ の 山 やま と 強勢音 きょうせいおん の 組 くみ 。いっぽう 月文字 つきもじ は、0.4 課 か の 釣り針 つりばり の 組 くみ と 0.6 課 か の 9 字 じ にかたまっています。 字 じ を 覚え おぼえ た 順序 じゅんじょ と、 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ がおおよそ 一致 いっち している からです。 綴り つづり は 変わら かわら ない この 課 か でいちばん 大切 たいせつ なのは 次 つぎ の 一 いち 点 てん です。 太陽文字 たいようもじ の 同化 どうか は、 綴り つづり にまったく 現れ あらわれ ません。 アッ・シャムスと 読む よむ 語 ご も、 綴り つづり はアリフ・ラームで 始まり はじまり ます。ラームは 書い かい てあるのに 読ま よま ない。 書い かい てある 字 じ を 読ま よま ないという 経験 けいけん は、 日本語 にほんご にはあまりありません。 助詞 じょし の「は」を「わ」と 読む よむ のが 近い ちかい 例 れい でしょうか。 母音記号 ぼいんきごう を 全部 ぜんぶ 付け つけ た 表記 ひょうき では、 手がかり てがかり があります。 読ま よま ないラームには 母音記号 ぼいんきごう が 付か つか ず 、 後ろ うしろ の 太陽文字 たいようもじ には シャッダが 付き つき ます 。0.2 課 か で 覚え おぼえ たシャッダが、ここで 働き はたらき ます。ただし 実際 じっさい の 文章 ぶんしょう は 無母音 むぼいん なので、この 手がかり てがかり も 見え みえ ません。 結局 けっきょく は 太陽文字 たいようもじ か月 かげつ 文字 もじ かを 字 じ で 判断 はんだん する ことになります。 語 ご 読み よみ 理由 りゆう الشَّمْس 綴り つづり どおりならアル・シャムス、 実際 じっさい はアッ・シャムス シーンは 太陽文字 たいようもじ النُّور 綴り つづり どおりならアル・ヌール、 実際 じっさい はアン・ヌール ヌーンは 太陽文字 たいようもじ الدَّرْس 綴り つづり どおりならアル・ダルス、 実際 じっさい はアッ・ダルス ダールは 太陽文字 たいようもじ الْقَمَر 綴り つづり どおりならアル・カマル、 実際 じっさい はアル・カマル カーフは 月文字 つきもじ الْبَيْت 綴り つづり どおりならアル・バイト、 実際 じっさい はアル・バイト バーゥは 月文字 つきもじ 定冠詞 ていかんし のアリフは 消える きえる 0.7 課 か で「 語頭 ごとう のアリフは 音 おと を 持た もた ない 台 だい 」と 言い いい ました。 定冠詞 ていかんし のアリフがまさにこれです。 文 ぶん の 途中 とちゅう で 前 まえ の 語 ご から 続け つづけ て 読む よむ とき、 このアリフのアの 音 おと は 消え きえ ます 。 だから「その 家 いえ の 中 なか に」のような 句 く では、アル・バイトのアが 落ち おち て、 前 まえ の 語 ご の 母音 ぼいん と 直接 ちょくせつ つながります。 改まっ あらたまっ た 朗読 ろうどく ではこの 落とし おとし 方 かた をきちんと 守り まもり 、 日常 にちじょう の 会話 かいわ でも 自然 しぜん にそうなります。 文 ぶん の 頭 あたま に 立つ たつ ときだけアの 音 おと が 現れ あらわれ ます。 この 消える きえる アリフをワスラと 呼び よび 、 印 しるし を 乗せ のせ て 示す しめす ことがあると 0.7 課 か で 触れ ふれ ました。 実際 じっさい の 文章 ぶんしょう では 書か かか れないので、 「 定冠詞 ていかんし のアは、 文 ぶん の 頭 あたま でだけ 鳴る なる 」と 覚え おぼえ てください 。 日本語話者 にほんごわしゃ がつまずくところ ラームをいつも 読ん よん でしまう。 いちばん 多い おおい 誤り あやまり です。 太陽文字 たいようもじ を 覚える おぼえる までは、 綴り つづり に 引きずら ひきずら れてアル・シャムスと 読ん よん でしまいます。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい を 聞い きい て、 詰まる つまる 音 おと を 耳 みみ で 覚え おぼえ てください。 詰まり つまり を 短く みじかく 発音 はつおん する。 アッ・シャムスの 詰まり つまり は、 日本語 にほんご の 促音 そくおん と 同じ おなじ 長 なが さです。1 拍 はく ぶんきちんと 詰め つめ ないと、ラームを 落とし おとし ただけの 音 おと に 聞こえ きこえ ます。 定冠詞 ていかんし とタンウィーンを 両方 りょうほう 付ける つける 。 この 二 ふた つは 同時 どうじ に 現れ あらわれ ません。 定冠詞 ていかんし を 付け つけ たらタンウィーンは 消え きえ 、タンウィーンがあれば 定冠詞 ていかんし は 付い つい ていません。 書く かく ときに 気 き をつける 点 てん です。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 太陽文字 たいようもじ か月 かげつ 文字 もじ か 次 つぎ の 語 ご に 定冠詞 ていかんし を 付け つけ たとき、ラームを 読み よみ ますか、 読み よみ ませんか。 読み よみ 方 かた をカタカナで 答え こたえ てください。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 شَمْس ( 太陽 たいよう ) كِتَاب ( 本 ほん ) طَبِيب ( 医者 いしゃ ) وَلَد ( 男の子 おとこのこ ) نَهْر ( 川 かわ ) 練習 れんしゅう 2 — 書き取り かきとり アッ・シャムス、アル・カマル、アン・ヌールの 3 語 ご を、 定冠詞 ていかんし を 付け つけ た 形 かたち で 書き写し かきうつし てください。 読ま よま ないラームにも 字 じ はきちんと 書き かき ます。 母音記号 ぼいんきごう を 付ける つける 段階 だんかい で、 太陽文字 たいようもじ にシャッダを 乗せる のせる ことを 忘れ わすれ ないでください。 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 次 つぎ の 5 語 ご を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 太陽文字 たいようもじ の 語 ご では 詰まり つまり を 1 拍 はく ぶんはっきり 取り とり ます。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい と 自分 じぶん の 声 こえ を 聞き比べ ききくらべ て、 詰まり つまり の 長 なが さを 合わせ あわせ てください。 الشَّمْس / الْقَمَر / النُّور / الْبَيْت / الدَّرْس この 課 か のまとめ 定冠詞 ていかんし はアリフとラームを 語 ご の 頭 あたま に 付ける つける 。 語 ご そのものは 変わら かわら ない。 定冠詞 ていかんし が 付く つく と 語末 ごまつ のタンウィーンは 消える きえる 。 二 ふた つは 同時 どうじ に 現れ あらわれ ない。 太陽文字 たいようもじ 14 字 じ の