1.4 のどびこの音 — カーフ・ハーゥ・ガイン — Epoché
この 課 か でできるようになること のどびこのあたりで 出す だす 3 つの 子音 しいん を、それぞれ 出せる だせる 。 こもったカーフとふつうの カ行 かぎょう を、 意味 いみ の 変わる かわる 語 ご の 対 たい で 区別 くべつ できる。 うがいのような 2 つの 音 おと が、 有声 ゆうせい と 無声 むせい の 対 たい であることを 説明 せつめい できる。 前提 ぜんてい : 1.3( 強勢音 きょうせいおん ) 口 くち の 奥 おく に、もうひとつの 段 だん がある 1.2 課 か で、 日本語 にほんご の 子音 しいん のいちばん 奥 おく は カ行 かぎょう だと 言い いい ました。 カ行 かぎょう は 舌 した の 奥 おく を 上あご うわあご の 奥 おく ( 軟 なん 口蓋 こうがい )につけて 出し だし ます。その さらに 奥 おく 、のどびこのあたり にもうひとつ 調音 ちょうおん の 場所 ばしょ があります。 ここで 作ら つくら れる 子音 しいん が 3 つあります。 舌 した の 奥 おく をのどびこにつけて 離す はなす カーフ、そこを 狭め せばめ て 息 いき を 通す とおす ハーゥ、 同じ おなじ 狭め せばめ に 声 こえ を 乗せ のせ たガインです。あとの 2 つは、うがいをするときに 鳴らす ならす 場所 ばしょ そのものです。 3 つのうち、 日本語話者 にほんごわしゃ を 最も もっとも 困ら こまら せるのはカーフ です。 日本語 にほんご の カ行 かぎょう と 場所 ばしょ が 近く ちかく 、カタカナではどちらも「カ」と 書く かく しかありません。しかもアラビア 語 ご にはこの 2 つで 分かれる わかれる 語 ご の 対 たい がいくつもあり、そのうちのひとつが 犬 いぬ と 心臓 しんぞう です。 取り違える とりちがえる と 通じ つうじ ないだけでなく、まったく 違う ちがう 意味 いみ になります。 いっぽうハーゥとガインは、 日本語 にほんご に 近い ちかい 音 おと が 無い ない ぶん 覚え おぼえ やすい 音 おと です。 近い ちかい 音 おと が 無けれ なけれ ば 代用 だいよう もできないので、 最初 さいしょ から 新しい あたらしい 音 おと として 練習 れんしゅう することになり、かえって 定着 ていちゃく します。 出し だし 方 かた 3 つとも 同じ おなじ 場所 ばしょ で 作り つくり ます。まずその 場所 ばしょ を 見つける みつける ところから 始め はじめ ます。 場所 ばしょ を 見つける みつける 口 くち を 開け あけ て「アー」と 言い いい ながら、 鏡 かがみ で 喉 のど の 奥 おく を 見 み ます。 上 うえ から 垂れ下がっ たれさがっ ている 小さな ちいさな 突起 とっき がのどびこです。 軽く かるく うがいをしてみてください。 水 みず が 震え ふるえ ているあたり が、この 課 か で 使う つかう 場所 ばしょ です。 水なし みずなし で、うがいの 音 おと だけを 出し だし てみます。 舌 した の 奥 おく がのどびこに 近づい ちかづい て、そこで 空気 くうき が 震え ふるえ ます。 カーフ — こもった k 日本語 にほんご の「カ」を 出し だし ます。 舌 した の 奥 おく が 上あご うわあご の 奥 おく につきます。 その 接触 せっしょく 点 てん を、 そのまま 奥 おく へずらします 。のどびこに 触れる ふれる ところまで 下げ さげ ます。 そこで 息 いき を 止め とめ て、 離し はなし ます。ふつうの カ行 かぎょう より こもった、 重い おもい 音 おと が 出 で ます。 続く つづく 母音 ぼいん も 沈み しずみ ます。 強勢音 きょうせいおん のときと 同じ おなじ で、アがオに 近く ちかく 響き ひびき ます。 ハーゥとガイン — うがいの 音 おと うがいの 構え かまえ を 作り つくり ます。 舌 した の 奥 おく がのどびこに 近づい ちかづい た、 狭い せまい 状態 じょうたい です。 息 いき だけを 通す とおす と、かすれた 擦れる すれる 音 おと になります。これがハーゥです。 同じ おなじ 構え かまえ で 声 こえ を 出す だす と、のどびこが 震え ふるえ ます。これがガインです。 喉 のど に 手 て を 当て あて て、 震える ふるえる かどうかで 2 つを 分け わけ ます。1.2 課 か の 2 つと 同じ おなじ 関係 かんけい です。 カーフが 出 で ているかどうかは、 続く つづく 母音 ぼいん の 色 いろ で 確かめ たしかめ られます。1.3 課 か の 強勢音 きょうせいおん と 同じ おなじ で、カーフの 隣 となり のアはオに 寄り より ます。「カルブ」と 読ん よん で 母音 ぼいん が 浅い あさい ままなら、まだ 日本語 にほんご の カ行 かぎょう です。 エジプトなど 多く おおく の 地域 ちいき の 口語 こうご では、 このカーフを 声門 せいもん 閉鎖 へいさ 音 おん で 読み よみ ます 。カイロの 人 ひと が「アルブ」のように 言う いう のはそれで、 標準 ひょうじゅん 語 ご の 発音 はつおん を 知ら しら ないわけではありません。 口 くち 編 へん の 口語 こうご 編 へん で 扱い あつかい ます。 最小 さいしょう の 対 たい この 課 か の 対 たい は、この 課程 かてい でいちばん 聞き分け ききわけ にくいものです。 カタカナでは 書き分け かきわけ られません 。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい を 何 なん 度 ど も 聞い きい て、 耳 みみ で 覚え おぼえ てください。 この 課 か の 音 おと まぎれる 音 おと 意味 いみ قَلْب カルブ كَلْب カルブ 心臓 しんぞう 、 心 こころ / 犬 いぬ قَلَم カラム كَلَام カラーム ペン/ 話 はなし 、 言葉 ことば خَال ハール حَال ハール 母方 ははかた のおじ/ 状態 じょうたい 、 様子 ようす غَرَبَ ガラバ عَرَب アラブ ( 日 ひ が) 沈ん しずん だ/アラブ 人 にん 心臓 しんぞう と 犬 いぬ の 対 たい は、アラビア 語 ご を 学ぶ まなぶ 人 ひと が 必ず かならず 教わる おそわる 例 れい です。「あなたの 心 こころ は 美しい うつくしい 」と 言う いう つもりで「あなたの 犬 いぬ は 美しい うつくしい 」と 言っ いっ てしまう—— 実際 じっさい に 起きる おきる 間違い まちがい で、 笑い話 わらいばなし として 語り継が かたりつが れています。 母方 ははかた のおじと 状態 じょうたい の 対 たい は、1.2 課 か で 覚え おぼえ た 喉 のど の 奥 おく のハーゥとの 区別 くべつ です。 のどびこか、その 下 した の 喉 のど の 奥 おく か という 一段 いちだん の 違い ちがい で、 日本語話者 にほんごわしゃ にはどちらも「ハ」に 聞こえ きこえ ます。 語 ご で 通す とおす この 3 つの 音 おと を 含む ふくむ 頻出 ひんしゅつ 語 ご です。 母音 ぼいん の 色 いろ がどう 変わる かわる かも 添え そえ ました。 語 ご 意味 いみ 注 ちゅう قَلْب ar カルブ 心臓 しんぞう 、 心 こころ 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ アがオに 寄っ よっ て「コルブ」に 近い ちかい لقد حفظ القصيدة عن ظهر قلب. [1] 彼 かれ は 詩 し を 暗記 あんき した。 شعرت بأن قلبي يخفق بسرعة. [2] 心臓 しんぞう が 速く はやく 鼓動 こどう しているのを 感じ かんじ た。 سُوق ar スーク 市場 しじょう 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語末 ごまつ 。ウーが 奥まっ おくまっ て 響く ひびく قَهْوَة ar カフワ コーヒー 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 日本語 にほんご や 英語 えいご の「コーヒー」の 語源 ごげん إنه يحب القهوة من دون سكر. [3] 彼 かれ は 砂糖 さとう を 入れ いれ ないコーヒーが 好き すき だ。 لا أفضّل القهوة. [4] 私 わたくし はコーヒーを 好ま このま ない。 خُبْز ar フブズ パン 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語頭 ごとう のうがいの 音 おと أُخْت ar ウフト 姉妹 しまい 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。 母音 ぼいん を 持た もた ないので 短く みじかく 擦る する إنها جميلة مثل أختها الكبيرة تماما. [5] 彼女 かのじょ は 姉 あね 同様 どうよう きれいだ。 ذهبت أختي إلى كوبي بالأمس. [6] 妹 いもうと は 昨日 きのう 神戸 こうべ へ 行っ いっ た。 صَغِير ar サギール 小さい ちいさい 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。 声 こえ を 乗せ のせ た 濁っ にごっ たうがいの 音 おと ماتت أمي عندما كنت صغيراً. [7] 母 はは は 私 わたくし が 小さかっ ちいさかっ た 頃 ころ に 亡くなり なくなり ました。 هذا البطريق الصغير جميل جداً! [8] この 赤ちゃん あかちゃん ペンギンとっても 可愛い かわいい ! لُغَة ar ルガ 言語 げんご 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。ガインは 濁っ にごっ た 音 おと أي لغة يتحدثون بها في أميركا؟ [9] アメリカでは 何語 なにご が 話さ はなさ れていますか。 هذه أول مرة أكتب باللغة العربية. [10] アラブ 語 ご で 書い かい たのは 初めて はじめて です。 مَغْرِب ar マグリブ 日没 にちぼつ 、 西方 せいほう 音 おと の 出る でる 場所 ばしょ 語中 ごちゅう 。モロッコの 国名 こくめい も 同じ おなじ 語 ご 日本語話者 にほんごわしゃ がつまずくところ カーフをふつうの カ行 かぎょう で 代用 だいよう する。 いちばん 多い おおい 癖 くせ です。 通じる つうじる ことも 多い おおい のですが、 犬 いぬ と 心臓 しんぞう のような 対 たい では 意味 いみ が 変わり かわり ます。 舌 した の 接触 せっしょく 点 てん を 奥 おく へずらす 感覚 かんかく を、 意識 いしき して 作っ つくっ てください。 ガインを ガ行 がぎょう で 代用 だいよう する。 日本語 にほんご の ガ行 がぎょう は 舌 した の 奥 おく を 上あご うわあご につけて 離す はなす 音 おと で、ガインは 狭め せばめ て 震わせる ふるわせる 音 おと です。 止める とめる か 震わせる ふるわせる かの 違い ちがい なので、 慣れる なれる と 自分 じぶん で 聞き分け ききわけ られます。 のどびこのハーゥと 喉 のど の 奥 おく のハーゥを 混ぜる まぜる 。 1.2 課 か の 音 おと とこの 課 か の 音 おと は、 一段 いちだん 違う ちがう 場所 ばしょ で 出 で ます。カタカナではどちらも「ハ」です。 母方 ははかた のおじと 状態 じょうたい の 対 たい で、 何 なん 度 ど も 確かめ たしかめ てください。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 聞き分ける ききわける 次 つぎ の 2 語 ご を 続け つづけ て 読み上げ よみあげ ます。そのうち、のどびこのあたりで 出す だす ほうはどちらですか。 読み上げ よみあげ の 音声 おんせい を 聞い きい てから 答え こたえ てください。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 قَلْب، كَلْب خَال، حَال غَرَبَ، عَرَب قَلَم، كَلَام 練習 れんしゅう 2 — 音読 おんどく 次 つぎ の 5 語 ご を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。カーフを 含む ふくむ 語 ご では、 続く つづく 母音 ぼいん まで 沈め しずめ ます。うがいの 音 おと は、 実際 じっさい にうがいをするつもりで 喉 のど の 奥 おく を 震わせ ふるわせ てください。 قَلْب / سُوق / قَهْوَة / خُبْز / لُغَة この 課 か のまとめ のどびこのあたりに、 日本語 にほんご には 無い ない 調音 ちょうおん の 場所 ばしょ がある。 そこで 止め とめ て 離せ はなせ ばカーフ、 狭め せばめ て 息 いき を 通せ とおせ ばハーゥ、 声 こえ を 乗せれ のせれ ばガイン。 カーフはふつうの カ行 かぎょう とまぎれる。 心臓 しんぞう と 犬 いぬ 、ペンと 話 はなし —— 意味 いみ が 変わる かわる 対 たい がある。 カーフの 隣 となり の 母音 ぼいん も 沈む しずむ 。 強勢音 きょうせいおん と 同じ おなじ 手がかり てがかり が 使える つかえる 。 エジプトなどの 口語 こうご では、このカーフを 声門 せいもん 閉鎖 へいさ 音 おん で 読む よむ 。 次 つぎ の 課 か へ 第 だい 1.5 課 か では、 舌先 したさき を 上 うえ の 歯 は にあてて 出す だす 3 つの 子音 しいん と、 語末 ごまつ の 母音 ぼいん を 落とす おとす 読み よみ 方 かた を 扱い あつかい ま