6.7 Le Lièvre et la Tortue(うさぎとかめ・翻案) — Epoché
この 篇 へん でできるようになること 三 さん 人称 にんしょう で 語ら かたら れる 短い みじかい 物語 ものがたり を、 地 ち の 文 ぶん と 会話 かいわ の 行 ぎょう を 区別 くべつ して 読める よめる 。 Je vais vite. ・ Tu es lente. ・ Je ne dors pas. のように、 性格 せいかく や 状態 じょうたい を aller ・ être ・ 否定 ひてい で 言う いう 文 ぶん を、 登場 とうじょう 人物 じんぶつ ごとに 追える おえる 。 Il ne voit plus la tortue. ・ Elle ne dit rien. の ne と plus ・ ne と rien を 物語 ものがたり の 中 なか で 読める よめる 。 前提 ぜんてい : 6.6( Au marché ) この 文章 ぶんしょう について 七 なな 篇 へん 目 め は 寓話 ぐうわ です。ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ(1621〜1695)の『 寓話 ぐうわ 』 第 だい 六 ろく 巻 かん にある「うさぎとかめ」を、 既習 きしゅう 語 ご だけで 書き直し かきなおし た 翻案 ほんあん です。 原詩 げんし は 韻文 いんぶん で、 第 だい 1 期 き の 語彙 ごい では 読め よめ ません。ここでは 筋 すじ だけを 借り かり 、 文 ぶん は 全部 ぜんぶ 書き直し かきなおし ました。 原詩 げんし は 読 どく 編 へん C 段 だん で 改めて あらためて 読み よみ ます。 内容 ないよう は 日本 にほん でも 知ら しら れている 筋 すじ です。 足 あし の 速い はやい うさぎが、のろまなかめを 笑う わらう 。かめが 競走 きょうそう を 申し出る もうしでる 。きつねが 審判 しんぱん 。うさぎは 走っ はしっ てすぐ 先 さき に 行き いき 、 余裕 よゆう で 花 はな を 食べ たべ 、 水 みず を 飲み のみ 、 木 き の 下 もと で 眠る ねむる 。かめは 歩き あるき 続け つづけ 、 眠る ねむる うさぎの 前 まえ を 通り とおり 、 先 さき に 木 き に 着く つく 。きつねの 一言 ひとこと で 終わり おわり ます。 作品 さくひん 辞書 じしょ に 五 ご 語 ご を 入れ いれ ました。 lièvre ( 野うさぎ のうさぎ 。 男性 だんせい )・ tortue (かめ。 女性 じょせい )・ renard (きつね。 男性 だんせい )・ course ( 競走 きょうそう 。 女性 じょせい )・ arbre ( 木 き 。 男性 だんせい )。 動物 どうぶつ の 性 せい がそのまま 代 だい 名詞 めいし になるので、 il はうさぎ、 elle はかめ、と 読み分け よみわけ られます。 文法 ぶんぽう メモ この 文章 ぶんしょう の 型 かた は 活 かつ 編 へん と 型 かた 編 へん 4.1〜4.6 の 範囲 はんい です。 物語 ものがたり の 語り かたり 方 かた の 型 かた が 集まっ あつまっ ています。 il ・ elle は 名詞 めいし の 性 せい ( 型 かた 編 へん 2 課 か )— le lièvre は 男性 だんせい なので il 、 la tortue は 女性 じょせい なので elle 。 人 ひと でなくても 同じ おなじ 。この 文章 ぶんしょう では il と elle が 二 に 匹 ひき を 指し さし 分ける わける 。 本文 ほんぶん では Il court très vite がその 形 かたち です。 aller と être の 対比 たいひ ( 活 かつ 編 へん 1 課 か )— 「 速い はやい 」を Je vais vite. ( 速く はやく 行く いく 。 aller + 副詞 ふくし )、「 遅い おそい 」を Tu es lente. ( être + 形容 けいよう 詞 し 、 女性形 じょせいけい )と 言い分け いいわけ ている。 本文 ほんぶん では Toi, tu es lente がその 形 かたち です。 ne と plus 「もう〜ない」 ( 型 かた 編 へん 3 課 か )— le lièvre ne voit plus la tortue (うさぎにはもうかめが 見え みえ ない)。 plus は「プリュ」。 本文 ほんぶん では le lièvre ne voit plus la tortue がその 形 かたち です。 ne と rien ( 型 かた 編 へん 3 課 か )— Elle ne dit rien. ( 何 なん も 言わ いわ ない)。 rien が pas の 代わり かわり 。 本文 ほんぶん では Elle ne dit rien がその 形 かたち です。 繰り返し くりかえし の 強調 きょうちょう ( 型 かた 編 へん 5 課 か )— Elle marche, elle marche, elle marche. —— 同じ おなじ 文 ぶん を 三 さん 度 ど 。フランス 語 ご の 物語 ものがたり でよく 使う つかう 強調 きょうちょう で、 日本語 にほんご の「 歩き あるき 、 歩き あるき 、 歩い あるい た」に 当たる あたる 。 本文 ほんぶん では Elle marche, elle marche, elle marche がその 形 かたち です。 命令 めいれい の vous ( 活 かつ 編 へん 2 課 か )— Un, deux, trois, partez ! ( 一 いち 、 二、三 にさん 、 出発 しゅっぱつ !)。 partir の vous の 形 かたち partez を 主語 しゅご なしで。 二 に 匹 ひき に 向け むけ た 命令 めいれい 。 本文 ほんぶん では partez ! がその 形 かたち です。 対訳 たいやく うさぎとかめは 友達 ともだち です。でもうさぎはよくしゃべります。 「 僕 ぼく は 速い はやい 」とうさぎは 言い いい ます。「とても 速い はやい 。きみは 遅い おそい 。とても 遅い おそい 。」 「ええ、 私 わたくし は 遅い おそい 」とかめは 答え こたえ ます。「でも 私 わたくし はいつも 歩い あるい ている。 競走 きょうそう をしませんか?」 「 競走 きょうそう ? きみと? でも、いいよ、やろう。」 きつねがそこにいます。きつねは 言い いい ます。 「よし。 競走 きょうそう はここ、 広場 ひろば から 始まる はじまる 。あそこ、 大きな おおきな 木 き の 下 もと で 終わり おわり 。 一 いち 、 二、三 にさん 、 出発 しゅっぱつ !」 うさぎは 走り はしり ます。とても 速く はやく 走り はしり ます。かめは 歩き あるき ます。 歩き あるき ます、 走り はしり ません。 一 いち 分 ふん 後 ご 、うさぎにはもうかめが 見え みえ ません。 「かめはとても 小さい ちいさい 」とうさぎは 言い いい ます。「 時間 じかん がある。 暑い あつい 。 少し すこし 疲れ つかれ た。」 うさぎは 花 はな を 食べ たべ ます。 水 みず を 飲み のみ ます。それから 小さな ちいさな 木 き の 下 もと で 眠り ねむり ます。 かめは 歩き あるき ます。 話し はなし ません。 食べ たべ ません。 眠り ねむり ません。 歩き あるき 、 歩き あるき 、 歩き あるき ます。うさぎが 見え みえ ます。うさぎは 眠っ ねむっ ています。かめは 何 なん も 言い いい ません。 歩き あるき ます。 うさぎは 目 め を 開け あけ ます。かめが 見え みえ ます。かめはもう 大きな おおきな 木 き の 下 した にいます! 「うそだ!」とうさぎは 言い いい ます。「 本当 ほんとう じゃない!」 走り はしり ます、 走り はしり ます、でも 遅 おそ すぎます。かめが 一番 いちばん に 着き つき ます。 「あなたは 速い はやい 」とかめは 言い いい ます。「でも 私 わたくし は 眠ら ねむら ない。」 きつねは 笑い わらい ます。きつねは 言い いい ます。 「おまえは 速く はやく 走る はしる が、 眠る ねむる 。 彼女 かのじょ は 歩く あるく が、 眠ら ねむら ない。」 読み よみ どころ この 文章 ぶんしょう の 読み よみ どころは、 短い みじかい 文 ぶん の 並び ならび で 物語 ものがたり が 進む すすむ ことです。 Le lièvre court. Il court très vite. La tortue marche. —— 主語 しゅご ・ 動詞 どうし だけの 文 ぶん が 続く つづく 。 副詞 ふくし は vite 一 いち 語 ご 。それでも 速 はや さと 遅 おそ さが 対比 たいひ されて 見え みえ ます。 既習 きしゅう 語 ご 451 語 ご で 寓話 ぐうわ が 一 ひと つ 語れる かたれる 、というのが 第 だい 1 期 き の 到達 とうたつ 点 てん です。 il と elle の 読み分け よみわけ を 確かめ たしかめ てください。 lièvre は 男性名詞 だんせいめいし 、 tortue は 女性名詞 じょせいめいし 。だから 地 ち の 文 ぶん の Il court. はうさぎ、 Elle marche. はかめ。 日本語 にほんご なら「うさぎは」「かめは」と 毎回 まいかい 名前 なまえ を 言う いう ところを、フランス 語 ご は 性 せい の 違う ちがう 代 だい 名詞 めいし で 済ま すま せています。 二 に 匹 ひき が 同じ おなじ 性 せい だったら( le lièvre と le chien )、この 書き かき 方 かた はできません。 名詞 めいし の 性 せい が、 文章 ぶんしょう の 読み よみ やすさに 直接 ちょくせつ 効く きく 例 れい です。 会話 かいわ の 行 ぎょう の 中 なか の tu と toi も 見 み てください。 Toi, tu es lente. —— toi は 強勢 きょうせい 形 けい (4.2)で「きみは、だけど」と 相手 あいて を 際立た きわだた せ、 tu が 主語 しゅご 。 日本語 にほんご の「きみは 遅い おそい 」の「きみは」を 強く つよく 言う いう のに 当たり あたり ます。 Avec toi ? (きみと?)の toi は 前置 ぜんち 詞 し の 後ろ うしろ の 形 かたち 。4.17 で 代 だい 名詞 めいし の 全体 ぜんたい を 扱う あつかう 前 まえ に、 強勢 きょうせい 形 けい の 二 ふた つの 働き はたらき を 見 み ておいてください。 原詩 げんし の 結び むすび は「 走っ はしっ ても 無駄 むだ 、 時 とき に 遅れ おくれ ず 出発 しゅっぱつ することだ」という 一行 いっこう で、これは 第 だい 1 期 き の 語彙 ごい の 外 そと です。この 翻案 ほんあん では、きつねの 台詞 せりふ Tu cours vite, mais tu dors. Elle marche, mais elle ne dort pas. に 置き換え おきかえ ました。 原詩 げんし を 読む よむ 楽しみ たのしみ は 6.3 に 残し のこし てあります。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 読み取る よみとる 原文 げんぶん を 読ん よん で、 次 つぎ に 答え こたえ てください。 競走 きょうそう はどこから 始まり はじまり 、どこで 終わり おわり ますか。 うさぎは 走っ はしっ たあと、 何 なん をしますか。 三 みっ つ 答え こたえ てください。 かめは 眠っ ねむっ ているうさぎを 見 み て、 何 なん と 言い いい ますか。 最後 さいご に、きつねは 何 なん と 言い いい ますか。 練習 れんしゅう 2 — 音読 おんどく 原文 げんぶん の 文書 ぶんしょ を 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。うさぎの 台詞 せりふ は 速く はやく 高く たかく 、かめの 台詞 せりふ はゆっくり 低く ひくく 。 Elle marche, elle marche, elle marche. は 三 さん 度 ど とも 同じ おなじ 調子 ちょうし で。 partez ! は「パルテ」とはっきり。 読み よみ 終え おえ たら、 原文 げんぶん の 読み上げ よみあげ と 比べ くらべ てください。 この 篇 へん のまとめ 短い みじかい 文 ぶん の 並び ならび で 物語 ものがたり は 進む すすむ 。 主語 しゅご ・ 動詞 どうし だけの 文 ぶん で、 速 はや さと 遅 おそ さが 対比 たいひ できる。 il ・ elle は 名詞 めいし の 性 せい 。 le lièvre は il 、 la tortue は elle 。 性 せい の 違い ちがい が 二 に 匹 ひき を 読み分け よみわけ させる。 toi は 強勢 きょうせい 形 けい : Toi, tu es lente. ( 際立た きわだた せる)、 Avec toi ? ( 前置 ぜんち 詞 し の 後 あと )。 ne と plus ・ ne と rien が 物語 ものがたり の 中 なか で 使わ つかわ れている。 原詩 げんし の 結び むすび は 第 だい 1 期 き の 外 そと 。 翻案 ほんあん では 既習 きしゅう 語 ご で 言い換え いいかえ た。 原詩 げんし は 6.3 で。 次 つぎ の 篇 へん へ 6.8 は 読み物 よみもの A の 最後 さいご 、「 Le vieux et ses fils 」(