翻訳して学問を組み替える――ファーラービーと学問の分類 — Epoché
解説 受け継いだ学問を、配置し直す ファーラービーは、アリストテレスに由来する学問の伝統を受け、『学問の枚挙』で諸学問を体系的な順序に置いた。まず言語を扱い、その次に論理を置く。何を扱い、どう考えるかを見渡す分類である。 本人がギリシア語原典を全て直接翻訳した、という話ではない。体系上の順序と、著作が書かれた年代の順序も別。 出典1 考え、伝える働きを分ける 論理の範囲には、弁論術や詩学も含まれた。理由から必然的な結論を示そうとする論証、問答、説得や詩の語りを、異なる働きとして考える。 現代の論理学の範囲と同じとは限らない。説得や詩は全て虚偽だ、と分類するものでもない。 出典1 観察から得る原理もある 音楽の学問では、演奏などの経験的な観察から得る原理も検討した。音楽と言葉の関係も扱い、意味を伝える働きを考えた。 学問の分類は、全分野が同じ種類の原理だけに基づくとか、分野どうしが孤立するという意味ではない。 出典1 何を扱い、どう考えるかを分ける 学問の見取り 見る働き 言語 言葉・文法などを扱う 論理と語り方 論証・問答・説得や詩を区別する 音楽 観察による原理と言葉との関係を見る 諸学問の一部を抜き出した見取り。歴史的な進歩の段階や、著作の成立順序ではない。 参考文献 [1] Therese-Anne Druart「al-Farabi」。 出典