3.25 比較と最上級 — 文の中でどう組むか — Epoché
この 課 か でできるようになること 比べる くらべる 相手 あいて を、 三 みっ つのやり 方 かた で 置ける おける 。 いちばんを 表す あらわす 形 かたち を、 名詞 めいし のあるときと 無い ない ときで 作れる つくれる 。 同じ おなじ くらい、を 表す あらわす 言い いい 方 かた を 使える つかえる 。 前提 ぜんてい : 3.24( 理由 りゆう ・ 目的 もくてき ・ 結果 けっか ・ 譲歩 じょうほ )。 2.11 で 比べる くらべる 形 かたち は 作れる つくれる ようになりました。この 課 か では 文 ぶん の 中 なか でどう 組む くむ か を 扱い あつかい ます。 形 かたち ではなく 組み立て くみたて の 課 か です。 型 かた の 骨格 こっかく — 比べる くらべる 相手 あいて の 置き おき 方 かた 比べる くらべる 相手 あいて の 置き おき 方 かた は 三 みっ つあります。 表 ひょう は 三 さん 行 ぎょう です。 置き おき 方 かた どんなときに 使う つかう か 注意 ちゅうい するところ 3.9 の 〜から を 表す あらわす 前置 ぜんち 詞 し を 使う つかう 相手 あいて が 一 いち 語 ご で 済む すむ とき いちばんよく 使う つかう 。あとは 対格 たいかく になる 〜より にあたる 別 べつ の 語 ご を 使う つかう 相手 あいて が 節 ふし になるとき 思っ おもっ ていたより、のような 言い いい 方 かた 二 ふた つを 並べ ならべ て 置く おく 二 ふた つのものを 対等 たいとう に 比べる くらべる とき 3.21 の 対比 たいひ の 語 ご と 組む くむ 一 ひと つ 目 め がいちばん 多く おおく 、 日常 にちじょう ではこれで 足り たり ます。 あなたより 大きい おおきい 、 去年 きょねん より 暑い あつい —— 相手 あいて が 名詞 めいし や 代 だい 名詞 めいし なら、この 形 かたち です。 二 ふた つ 目 め は、 比べる くらべる 相手 あいて が 文 ぶん になっているとき に 使い つかい ます。 思っ おもっ ていたより 難しい むずかしい 、 見える みえる より 近い ちかい 。 節 ふし が 続く つづく ので、 一 ひと つ 目 め の 前置 ぜんち 詞 し では 受け うけ られません。 いちばんを 表す あらわす 二 ふた つの 形 かたち 2.11 で「 比べる くらべる 形 かたち に 冠詞 かんし を 付ける つける だけ」と 学び まなび ました。ただし、 名詞 めいし があるかどうかで 置き おき 方 かた が 変わり かわり ます 。 表 ひょう は 三 さん 行 ぎょう です。 場面 ばめん どう 置く おく か 例 れい で 見る みる と 名詞 めいし があるとき 冠詞 かんし 、 名詞 めいし 、 冠詞 かんし 、 比べる くらべる 形 かたち の 順 じゅん いちばん 大きな おおきな 町 まち 、と 言う いう とき 名詞 めいし が 無い ない とき 冠詞 かんし 、 比べる くらべる 形 かたち だけ いちばん 大きい おおきい の、と 言う いう とき 範囲 はんい を 言い足す いいたす とき 3.9 の 〜から を 表す あらわす 前置 ぜんち 詞 し で 範囲 はんい を 置く おく この 中 なか でいちばん 大きい おおきい 、と 言う いう とき 一 ひと つ 目 め に 注意 ちゅうい してください。 冠詞 かんし が 二 に 度 ど 出 で ます。 3.10 で 扱っ あつかっ た「 冠詞 かんし を 二 に 回 かい 置い おい て 後ろ うしろ から 説明 せつめい を 足す たす 」 形 かたち と 同じ おなじ です。 比べる くらべる 形 かたち も、 名詞 めいし を 後ろ うしろ から 絞り込む しぼりこむ 働き はたらき をしている のです。 ただし、 話し言葉 はなしことば では 冠詞 かんし 、 比べる くらべる 形 かたち 、 名詞 めいし の 順 じゅん もよく 使わ つかわ れます。どちらでも 通じ つうじ ますが、 書き言葉 かきことば では 二 に 度 ど 置く おく ほうが 正しい ただしい とされます。 日本 にっぽん 語 ご ならどう 言う ゆう か 日本 にっぽん 語 ご は 比べる くらべる 相手 あいて を 「より」で 示し しめし ます 。あなたより 大きい おおきい 。ギリシア 語 ご は 前置 ぜんち 詞 し で 示す しめす ので、 語順 ごじゅん は 同じ おなじ です。ここは 楽 らく なところです。 いちばんを 言う いう ときも、 日本 にっぽん 語 ご は「いちばん」を 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ に 置き おき ます。ギリシア 語 ご も 冠詞 かんし と 比べる くらべる 形 かたち が 名詞 めいし の 前後 ぜんご に 来る くる ので、 感覚 かんかく としては 近い ちかい 。 難しい むずかしい のは 同じ おなじ くらい を 言う いう ときです。 日本 にっぽん 語 ご は「〜と 同じ おなじ くらい 大きい おおきい 」と 言い いい ますが、ギリシア 語 ご は 比べる くらべる 形 かたち を 使い つかい ません 。ふつうの 形容 けいよう 詞 し に、〜のように を 表す あらわす 語 ご を 添え そえ ます。 そしてもう 一 ひと つ、 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ がよくやる 誤り あやまり があります。 比べる くらべる 形 かたち に「より」にあたる 語 ご を 二 に 重 じゅう に 付け つけ てしまう ことです。ギリシア 語 ご では、 比べる くらべる 形 かたち そのものがすでに「より」の 意味 いみ を 持っ もっ ています。 前置 ぜんち 詞 し は 相手 あいて を 示す しめす だけ で、 比較 ひかく の 意味 いみ は 形容 けいよう 詞 し のほうにあります。 実 じつ 文 ぶん で 確かめる たしかめる 十 じゅう 文 ぶん あります。 訳 わけ は 本 ほん 課程 かてい で 起こし おこし た 日本 にっぽん 語 ご です。 文 ぶん 訳 わけ 見る みる ところ Είμαι καλύτερη από εσένα. [1] 私 わたくし はあなたより 優れ すぐれ ています。 一 ひと つ 目 め の 置き おき 方 かた 。 前置 ぜんち 詞 し のあとは 強形 きょうけい Είμαι η καλύτερη. [2] 私 わたくし がいちばんです。 名詞 めいし が 無い ない とき。 冠詞 かんし と 比べる くらべる 形 かたち だけ Έχεις τίποτα πιο φτηνό; [3] もっと 安い やすい ものはありますか。 名詞 めいし を 省い はぶい た 比べる くらべる 形 かたち Έχεις μεγαλύτερο αδερφό; [4] お 兄 あに さんはいますか。 年上 としうえ の。 比べる くらべる 形 かたち が 意味 いみ を 担う になう Έχει πέντε μεγαλύτερους αδερφούς. [5] あの 人 ひと には 兄 あに が 五 ご 人 にん います。 同じ おなじ 語 ご の 複数 ふくすう の 形 かたち Έχω δει χειρότερα. [6] もっとひどいものを 見 み たことがあります。 不 ふ 規則 きそく な 比べる くらべる 形 かたち 。 中性 ちゅうせい の 複数 ふくすう Έχω κάνει χειρότερα. [7] もっとひどいことをしたことがあります。 同じ おなじ 語 ご 。 動詞 どうし だけが 違う ちがう Που βρίσκεται το κοντινότερο μαγαζί; [8] いちばん 近い ちかい 店 みせ はどこにありますか。 名詞 めいし があるとき。 比べる くらべる 形 かたち が 前 まえ に 立つ たつ Δεν είναι όπως εμείς. [9] あの 人 ひと は 私 わたくし たちのような 人 ひと ではありません。 同じ おなじ くらい を 言う いう 型 かた 。 比べる くらべる 形 かたち は 使わ つかわ ない Είναι γυναίκες σαν εμάς. [10] あの 人 ひと たちは 私 わたくし たちのような 女 おんな の 人 ひと です。 同じ おなじ 組み立て くみたて 。 肯定 こうてい の 形 かたち 九 ここの つ 目 め と 十 じゅう 番 ばん 目 め に 注目 ちゅうもく してください。 比べる くらべる 形 かたち が 一 ひと つも 出 で ていません。 〜のような、という 語 ご だけで 同等 どうとう を 表し あらわし ています。 同じ おなじ くらい を 言う いう のに 比較 ひかく の 形 かたち は 要ら いら ない ——ここが 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ のつまずくところです。 よくある 誤り あやまり 誤り あやまり その 一 いち 、 比べる くらべる 意味 いみ を 二 に 重 じゅう に 出す だす 。 比べる くらべる 形 かたち そのものが「より」を 含ん ふくん でいます。 前置 ぜんち 詞 し は 相手 あいて を 示す しめす だけ です。 誤り あやまり その 二 に 、 同じ おなじ くらい に 比べる くらべる 形 かたち を 使う つかう 。 使い つかい ません。 ふつうの 形容 けいよう 詞 し に、〜のように を 添え そえ ます。 誤り あやまり その 三 さん 、いちばん のときに 冠詞 かんし を 落とす おとす 。 冠詞 かんし が 無けれ なけれ ば「もっと」の 意味 いみ にしかなりません。 いちばん と もっと を 分ける わける のは 冠詞 かんし だけ です。 広げる ひろげる — 比較 ひかく は 意見 いけん の 道具 どうぐ 3.24 で「 意見 いけん とは 支え ささえ の 構造 こうぞう を 並べる ならべる こと」と 書き かき ました。 比較 ひかく は、その 支え ささえ の 中 なか でいちばんよく 使わ つかわ れる 道具 どうぐ です。 これよりあれのほうがよい。 去年 きょねん より 今年 ことし のほうが 暑い あつい 。 意見 いけん の 多く おおく は、 比べる くらべる ことで 成り立っ なりたっ ています。 比べ くらべ ずに 言える いえる のは、 好き嫌い すききらい くらいです。 だから 5.31 の 会話 かいわ 編 へん で「 比較 ひかく と 選択 せんたく 」を 扱い あつかい 、8.8 の 意見 いけん 文 ぶん でもこの 型 かた が 中心 ちゅうしん になります。 2.11 で 形 かたち を、この 課 か で 組み立て くみたて を 覚え おぼえ たのは、そこで 使う つかう ため です。 そして 読み物 よみもの でも、 比較 ひかく は 文章 ぶんしょう の 骨 ほね になります。7.14 のテッサロニキからクレタへの 篇 へん では、 八百 はっぴゃく キロを 東京 とうきょう から 福岡 ふくおか までと 比べ くらべ て いました。 読み手 よみて が 知っ しっ ているものと 比べる くらべる —— 説明 せつめい 文 ぶん の 基本 きほん の 手 て です。 もう 一 ひと つ、 書き言葉 かきことば でだけ 出る でる 最上 さいじょう の 形 かたち があります。 語尾 ごび に 別 べつ の 音 おと を 足し たし て、 比べる くらべる 相手 あいて なしに「きわめて〜だ」と 言う いう 形 かたち です。とても 美しい うつくしい 、この 上 うえ なく 大きい おおきい 。 比べ くらべ ているのではなく、 程度 ていど が 極まっ きわまっ ていることを 言い いい ます。 この 形 かたち は 3.31 で 扱う あつかう 純正語 じゅんせいご の 名残 なごり で、 新聞 しんぶん の 見出し みだし や 改まっ あらたまっ た 文章 ぶんしょう に 出 で ます。 自分 じぶん で 作る つくる 必要 ひつよう はありません が、 読む よむ ときに 最上 さいじょう の 形 かたち と 取り違え とりちがえ ないでください。 比べる くらべる 相手 あいて が 書か かか れていなければ、たいていこちらです。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — どの 置き おき 方 かた か 次 つぎ の 日本 にっぽん 語 ご では、 三 みっ つのどの 置き おき 方 かた を 使い つかい ますか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 あなたより 大きい おおきい 思っ おもっ ていたより 難しい むずかしい 去年 きょねん より 暑い あつい あなたと 同じ おなじ くらい 大きい おおきい 練習 れんしゅう 2 — 冠詞 かんし を 置く おく か 次 つぎ の 場面 ばめん で、 冠詞 かんし を 置き おき ますか。 もっと 大きい おおきい 町 まち いちばん 大きい おおきい 町 まち もっと 安い やすい もの この 中 なか でいちばん 安い やすい もの 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 実 じつ 文 ぶん の 十 じゅう 文 ぶん を、 音声 おんせい のあとについて 声 こえ に 出し だし てください。 八 よう つ 目 め の 冠詞 かんし を、 二 ふた つとも 落とさ おとさ ずに 読む よむ こと 。いちばん 近い ちかい 店 みせ 、という 句 く には 冠詞 かんし が 二 に 度 ど 出 で ます。どちらか 落とす おとす と 意味 いみ が 変わり かわり ます。 この 課 か のまとめ 比べる くらべる 相手 あいて の 置き おき 方 かた は 三 みっ つ。 前置