6.30 메밀꽃 필 무렵(そばの花の咲くころ) — Epoché
前提 ぜんてい : 6.29 まで。 この 篇 へん でできるようになること 昔話 むかしばなし と 身の上 みのうえ 話 はなし に 共通 きょうつう する 場所 ばしょ や 動作 どうさ を 挙げ あげ 、 二人 ふたり の 関係 かんけい を 示す しめす 手がかり てがかり を 説明 せつめい できる。 会話 かいわ で 相手 あいて に 何 なん を 伝え つたえ 、 何 なん を 求め もとめ ているかを 読み よみ 、 同じ おなじ 用件 ようけん を 習っ ならっ た 丁寧 ていねい な 形 かたち で 言える いえる 。 月夜 つきよ に 見える みえる ものと 聞こえる きこえる ものを、 韓国 かんこく 語 ご で 書き かき 出せる だせる 。 この 文章 ぶんしょう について 李 り 孝 たかし 石 せき の 小説 しょうせつ です。 市 し を 回る まわる 反物 たんもの 売り うり のホ 生 せい 員 いん は、チョ 先達 せんだつ と 若い わかい トンイとともに、 次 つぎ の 市 し へ 向かい むかい ます。 昼 ひる の 酒場 さかば での 争い あらそい が、 夜道 よみち での 話 はなし と 出会い であい へ 変わっ かわっ ていきます。 ホ 生 せい 員 いん は、 昔 むかし ポンピョンの 水車 すいしゃ 小屋 こや で 出会っ であっ た 娘 むすめ の 話 はなし を 繰り返し くりかえし ます。トンイは、 父 ちち を 知ら しら ずに 育っ そだっ た 身の上 みのうえ を 話し はなし ます。 二 ふた つの 話 はなし の 接点 せってん を、 自分 じぶん で 拾っ ひろっ てみましょう。 語釈 ごしゃく — 市 し から 山道 さんどう へ 語 ご 本文 ほんぶん での 意味 いみ 장 ・ 장돌뱅이 ・ 드팀전 市 し ・ 市 し を 回る まわる 行商 ぎょうしょう 人 にん ・ 反物 たんもの を 売る うる 商い あきない 。 생원 ・ 선달 ここでは 男性 だんせい を 立て たて て 呼ぶ よぶ 呼称 こしょう 。ホ 生 せい 員 いん 、チョ 先達 せんだつ と 人物 じんぶつ を 区別 くべつ する。 봉평 ・ 대화 ・ 제천 ポンピョン・テファ・ 堤 つつみ 川 かわ 。 市 し の 場所 ばしょ と 昔話 むかしばなし の 場所 ばしょ を 追う おう 。 나귀 ・ 채찍 ・ 왼손잡이 ロバ・ 鞭 むち ・ 左利き ひだりきき 。 最後 さいご の 動作 どうさ につながる 語 ご 。 메밀 ・ 달빛 ・ 방울소리 ソバ・ 月明かり つきあかり ・ 鈴 すず の 音 おと 。 目 め と 耳 みみ から 夜道 よみち を 読む よむ 。 허위적거리다 ・ 해깝게 底本 ていほん の 字 じ 。ふつうは 허우적거리다 ・ 가볍게 。もがく・ 軽々 けいけい と。 文法 ぶんぽう メモ — 言葉 ことば の 向き むき を 読む よむ ホ 生 せい 員 いん とチョ 先達 せんだつ は、 同 どう 業 ぎょう 者 しゃ としてくだけた 調子 ちょうし で 話し はなし ます。ホ 生 せい 員 いん からトンイへの 言葉 ことば には 年長 ねんちょう 者 しゃ の 立場 たちば も 出 で ます。トンイは 丁寧 ていねい に 答え こたえ ています。 誰 だれ から 誰 だれ へ、 説明 せつめい ・ 質問 しつもん ・ 誘い さそい ・ 指示 しじ のどれを 向け むけ ているかを 読み よみ ましょう。 中年 ちゅうねん の 男 おとこ どうしの 会話 かいわ で、- 요 の 付か つか ない 文末 ぶんまつ の- 네 ( 덥네 )は 하게 体 からだ の 言い切り いいきり で、「 暑い あつい な」と 読み よみ ます。 日本 にっぽん 語 ご の「ね」の 響き ひびき に 引か ひか れて、 型 かた 編 へん 21 課 か の 発見 はっけん の- 네요 (〜ですね)と 同じ おなじ に 読ま よま ないようにします。 文末 ぶんまつ に 来 き て 相手 あいて に 向け むけ た- 게 ( 어서 오게 )は 하게 体 からだ の 命令 めいれい で、 해요 体 からだ なら- 세요 です。 크게 말하다 の- 게 は「〜ように」で、 後ろ うしろ の 動詞 どうし を 説明 せつめい します。 文 ぶん がそこで 終わる おわる かどうかで 見分け みわけ ます。 中年 ちゅうねん の 男 おとこ どうしの 会話 かいわ は 하게 体 からだ です。 対等 たいとう な 大人 おとな への、ややくだけた 丁寧 ていねい さの 文体 ぶんたい で、 文末 ぶんまつ の 形 かたち で 働き はたらき が 分かり わかり ます。ホ 生 せい 員 いん が 若い わかい トンイにもこの 文体 ぶんたい を 使う つかう のは、 一人前 いちにんまえ の 大人 おとな として 扱っ あつかっ ているしるしです。 働き はたらき 하게 体 からだ の 文末 ぶんまつ 短い みじかい 例 れい 해요 体 からだ 平叙 へいじょ ( 言い切り いいきり ) - 네 비가 오네 비가 와요 疑問 ぎもん - 나 ・- ㄴ가 어디 가나? 어디 가요? 勧誘 かんゆう - 세 같이 먹세 같이 먹어요 命令 めいれい - 게 이리 앉게 이리 앉으세요 地 ち の 文 ぶん や 会話 かいわ の 書き言葉 かきことば の 形 かたち は、 次 つぎ の 意味 いみ で 読み よみ ます。- 건만 は「〜のに」で、 今 いま の- 지만 ・- 는데 。- 렷다 は「〜だろうな」と 念 ねん を 押す おす 推量 すいりょう 。- 려니와 は「〜もさることながら」。- 기가 바쁘게 は「〜するやいなや」で、 読 どく 編 へん 第 だい 3 期 き 9 課 か で 見 み た- 기가 무섭게 と 同じ おなじ 働き はたらき です。 同じ おなじ 用件 ようけん を 現代 げんだい の 丁寧 ていねい な 文 ぶん にするときは、 型 かた 編 へん 16 課 か の 걷다 と 덥다 の 不 ふ 規則 きそく にも 注意 ちゅうい します。 誘う さそう 形 かたち と、 相手 あいて にしてもらう 形 かたち は、 誰 だれ が 行動 こうどう するかで 選び えらび ます。 対訳 たいやく 夏 なつ の 市 し というのは、はなからだめなもので、 日 ひ はまだ 空 そら の 真ん中 まんなか にあるのに、 市 し はもうさびしく、 暑い あつい 日差し ひざし が、 広げ ひろげ た 店 みせ の 日よけ ひよけ の 下 もと で 背筋 せすじ をじりじりと 焼く やく 。 村 むら の 人 ひと たちはあらかた 帰っ かえっ たあとで、 売れ残っ うれのこっ た 薪 たきぎ 売り うり の 一団 いちだん が 道ばた みちばた でぐずぐずしているが、 石油 せきゆ を 一 いち 瓶 びん 買っ かっ て 魚 さかな の 数 すう 匹 ひき も 買え かえ ば 気 き がすむこの 手合い てあい を 当て あて にして、いつまでも 粘っ ねばっ ているわけにはいかない。しつこく 飛ん とん でくるハエの 群れ むれ も、いたずら 小僧 こぞう どもも、うっとうしい。あばた 面 めん で 左利き ひだりきき の 反物 たんもの 売り うり 、ホ 生 せい 員 いん は、とうとう 同業 どうぎょう のチョ 先達 せんだつ に 話 はなし を 持ちかけ もちかけ てみた。 「そろそろしまうか?」 「いい 考え かんがえ だ。ポンピョンの 市 し で、 一 いち 度 ど だってたっぷり 稼い かせい だことがあったかね。 明日 あす のテファの 市 し でひと 稼ぎ かせぎ しなくちゃな。」 「 今夜 こんや は 夜通し よどおし 歩か あるか なきゃならんだろう?」 「 月 がつ が 出る でる だろうな?」 ちゃりんちゃりんと 音 おと をさせて、チョ 先達 せんだつ がその 日 ひ 稼い かせい だ 金 かね を 勘定 かんじょう するのを 見 み て、ホ 生 せい 員 いん は 杭 くい から 広い ひろい 日よけ ひよけ を 外し はずし 、 並べ ならべ ておいた 品物 しなもの を 片づけ かたづけ はじめた。 木綿 もめん の 反物 たんもの と 絹 きぬ の 荷 に が、 柳 りゅう 行李 こうり 二 ふた つにぎっしり 詰まっ つまっ た。むしろの 上 うえ には、 布 ぬの の 切れ端 きれはし が 散らかっ ちらかっ て 残っ のこっ た。ほかの 連中 れんちゅう も、もうあらかた 店 みせ をたたんでいた。 要領 ようりょう よく 先 さき に 発つ たつ 一団 いちだん もあった。 干物 ひもの 売り うり も、 鋳掛け いかけ 屋 や も、 飴売り あめうり も、 生姜 しょうが 売り うり も、 姿 すがた が 見え みえ なかった。 明日 あす はチンブとテファに 市 し が 立つ たつ 。 連中 れんちゅう はそのどちらかへ、 夜通し よどおし 六、七十 ろくしちじゅう 里 り の 夜道 よみち をとぼとぼ 歩か あるか なければならない。 市 し の 広場 ひろば は 宴 えん のあとの 裏庭 うらにわ のように 散らかり ちらかり 、 酒場 さかば ではけんかが 始まっ はじまっ ていた。 酔っぱらい よっぱらい の 悪態 あくたい にまじって、 女 おんな の かん高い かんだかい 声 こえ が 裂ける さける ように 響い ひびい た。 市 し の 日 ひ の 夕方 ゆうがた は、 決まっ きまっ て 女 おんな の わめき声 わめきごえ で 始まる はじまる のだ。 「 生 なま 員 いん 、とぼけても、みんな 知っ しっ てるぞ……。 忠 ただし 州 しゅう 屋 や のことさ。」 女 おんな の 声 こえ でふと 思い出し おもいだし たように、チョ 先達 せんだつ はにやりと 笑う わらう 。「 絵 え に 描い えがい た 餅 もち だよ。 若い わかい 連中 れんちゅう を 相手 あいて にしたんじゃ、 張り合い はりあい になりゃしない。」 「そうでもないさ。 若い わかい 連中 れんちゅう がのぼせあがってるのも 事実 じじつ は 事実 じじつ だが、そうは 言っ いっ ても、ほら、あのトンイさ、いつの 間 あいだ にか 忠 ちゅう 州 しゅう 屋 や をものにしたらしいんだ。」 「 何 なん だって、あの 青二才 あおにさい が? 品物 しなもの で 釣っ つっ たんだろう。まじめなやつだと 思っ おもっ ていたのに。」 「そっちの 道 みち ばかりは 分から わから んよ……。 考え かんがえ てないで 行っ いっ てみようじゃないか。おれがおごるよ。」 あまり 気 き が 進ま すすま ないのを、ついて 行っ いっ た。ホ 生 せい 員 いん は 女 おんな とは 縁 えん が 遠かっ とおかっ た。あばた 面 めん をさらして 言い寄る いいよる 度胸 どきょう もなかったが、 女 おんな のほうから 思い おもい を 寄せ よせ てきたこともなく、さびしくねじけた 半生 はんせい だった。 忠 ただし 州 しゅう 屋 や のことを 考え かんがえ ただけで、 年がい としがい もなく 顔 かお が 赤く あかく なり、 足もと あしもと が 震え ふるえ 、その 場 ば ですくみあがってしまう。 忠 ちゅう 州 しゅう 屋 や の 門 もん を 入り はいり 、 酒 さけ の 席 せき で 本当 ほんとう にトンイに 出くわし でくわし たときには、どういうはずみか、かっと 腹 はら が 立っ たっ てしまった。 膳 ぜん の 上 うえ に 赤い あかい 顔 かお を 上げ あげ て、いっぱしに 女 おんな とふざけあっているのを 見 み て、 我慢 がまん できなくなったのだ。あいつめ、いっぱしの 女たらし おんなたらし だが、みっともない。くちばしの 黄色い きいろい 若造 わかぞう が、 昼間 ひるま から 酒 さけ を 食らっ くらっ て 女 おんな といちゃついている。 市 し の 商人 しょうにん の 恥さらし はじさらし ばかりして 回る まわる やつだ。そのざまで、おれたちと 肩 かた を 並べよう ならべよう というつもりか。トンイの 前 まえ に 立ちふさがる たちふさがる なり、 叱りつけ しかりつけ た。 余計 よけい なお 世話 せわ だと 言わ いわ んばかりに、じっとこちらを 見返す みかえす 上気 じょうき した 目 め にぶつかると、はずみで 横っ面 よこっつら を 一 いち 発 はつ 張ら はら ずにはいられなかった。トンイもかっとなって、むっと 立ちあがり たちあがり はしたが、ホ 生 せい 員 いん は 少し すこし もひるまず、 思っ おもっ ていたことを 残ら のこら ずまくしたてた。 「どこで 拾わ ひろわ れて 育っ そだっ た 悪たれ あくたれ かは 知ら しら んが、おまえにも 親 おや はいるだろう。そのみっともないざまを 見 み たら、さぞ 喜ぶ よろこぶ だろうよ。 商売 しょうばい というのは 身 み を 入れ いれ てやるもんだ、 女 おんな なんぞ 何 なん だ。 出 で て 行け いけ 、さっさと 消えろ きえろ 。」 けれども、 ひと言 ひとこと も 言い返さ いいかえさ ずに、 力なく ちからなく 出 で ていく 姿 すがた を 見る みる と、かえってかわいそうに 思え おもえ てきた。まだよく 知り しり もしない 間柄 あいだがら なのに、やりすぎたのではないかと、 胸 むね がひやりとした。 出 で 過ぎ すぎ たことをしたものだ、 同じ おなじ 酒 さけ の 客 きゃく なのに、いくら 若い わかい といっても、 息子 むすこ ほどの 年 とし の 者 もの をつかまえて 殴っ なぐっ て 叱りつける しかりつける ことはないだろうに。 忠 ただし