8.1 A Small Day — ある小さな一日 — Epoché
この篇でできるようになること 英語だけで書かれた 251 語の文章を、辞書を引かずに最後まで読める。 意味の塊で区切りながら、頭から順に読める(返り読みをしない)。 分からない語が 1 つも無い状態で「読み切った」経験を持つ。 前提 : 型 3.8 まで/語 4.12 まで/訳 7.2 まで。 読編「読」に入ります。この編はこの課程の主線で、全部で 216 篇あります。第 1 期の 16 篇は 統制作文 ——この課程が書いた文章です。使う語を基本語の上位 600 語に限り、型も型編で扱ったものだけにしてあります。 なぜ本物の英文から始めないのか。理由は 1 つで、 「読み切った」経験を先に持ってほしい からです。本物の英文はどれほど易しいものでも、初めのうちは 1 段落に 3 つ 4 つの知らない語が出ます。そこで辞書を引くと、読む速さが落ち、意味の塊で読む練習になりません。この篇には知らない語が 1 つもありません。だから最後まで止まらずに読めます。 読む前に 語り手はケン、二十歳。小さな町で両親と住み、家の近くの本屋で働いています。特別なことは何も起こりません。朝起きて、店を開けて、客と話し、帰って食べて、本を読んで、寝る。それだけの一日です。 この篇の主題は 「小さな日」 です。最後の段落でケンがそう言います。大きな出来事のない日を、それでよい日として語り終える——そこだけを読み取れれば十分です。 固有名詞は Ken (ケン)だけです。ほかの語はすべて第 1 期の 600 語に入っています。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。8 段落・251 語。冒頭はこう始まります。 My name is Ken. 先に原文だけを、辞書も訳も見ずに最後まで読んでください。分からないところがあっても止まらず、最後まで行ってから戻ります。それが済んでから、下の「構文の骨」と「訳」を見ます。 語釈 範囲外の語はありませんが、 知っているのに文の中で意味が動く語 を 12 だけ挙げます。これらは語編の語表にも出てくる語で、ここでは「この文ではこの意味」という形で確かめます。 part en 名詞 部分。 this part of the work で「仕事のこの部分」 I like this part of the work. この仕事のこの部分が好きです。 Luck is a part of life. [1] 運も人生のうち。 someone en 代名詞 誰か。 some + one 。特定しない人 When someone asks / about a book I know, / I can talk / for a long time. 誰かが聞くとき / わたしの知っている本について / わたしは話せる / 長いあいだ When someone asks about a book I know, I can talk for a long time. 自分の知っている本について誰かに聞かれると、長いあいだ話していられます。 watch en 動詞 じっと見る。 see (見える)・ look at (目を向ける)との差は 4.2 で Then I sit outside for a few minutes and watch the street. それから数分のあいだ外に座って、通りを見ています。 I watch TV off and on. [2] 私は時々テレビを見る。 by en 前置詞・副詞 そばを。 go by で「通り過ぎる」 There are always children, and cars, and people going by. いつも子どもがいて、車がいて、人が通り過ぎていきます。 I'm paid by the day. [3] 私は日給でもらっている。 close en 動詞 閉まる・閉める。形容詞の close (近い)は別の音 The shop closes at seven. 店は七時に閉まります。 Don't get close to me. [4] 俺に近寄るな。 take en 動詞 (時間が)かかる。 It takes about half an hour . It takes about half an hour. 三十分ほどかかります。 I had to take a cab. [5] タクシーに乗らなくちゃいけなかった。 way en 名詞 道・やり方。 on the way (帰り道で)と the only way (唯一のやり方) On the way / I think about the day: / what I did, / what I said, / what I want to do next. 帰り道で / その日について考える / 何をしたか / 何を言ったか / 次に何をしたいか On the way I think about the day: what I did, what I said, what I want to do next. 帰り道でその日のことを考えます——何をしたか、何を言ったか、次に何をしたいか。 make en 動詞 作る。 make food で「食事を作る」 I'll make up for it. [6] 今度、埋め合わせするよ。 I can't make it out. [7] 私は、それが理解できない。 go on en 句動詞 続ける。この文では「読み進める」 I do not understand every word, but I go on. 全部の語が分かるわけではありませんが、読み進めます。 I will go on a trip. [8] 私は旅行に行くつもりです。 only en 形容詞 唯一の。 the only way =ほかに道は無い My father says that this is the only way. 父は、それが唯一のやり方だと言います。 I've only used it once. [9] 一回使っただけです。 same en 形容詞 同じ。 the same (同じもの)は必ず the が付く The next day will be the same, and that is all right. 次の日も同じでしょう。それでいいのです。 It's the same to me. [10] それは、私にとって、どっちでも同じ事だ。 all right en 連語 大丈夫だ・それでよい The next day will be the same, and that is all right. 次の日も同じでしょう。それでいいのです。 構文の骨 第 1 期の読み物には スラッシュ を付けます。意味の塊の切れ目に斜線を入れ、その塊ごとに頭から意味を置いていく読み方です。 7.1 訳編 の方法を、まとまった文章で使います。第 3 期からは長い文だけ、第 4 期からは付けません。自分で切れるようになるからです。 スラッシュを入れた英文 塊ごとの日本語 I live / in a small city / with my mother and my father. 住んでいる / 小さな町に / 母と父と I work / in a book shop / near my house. 働いている / 本屋で / 家の近くの People come in, / look at the books / and ask me questions. 人が入ってくる / 本を見る / そしてわたしに質問する When someone asks / about a book I know, / I can talk / for a long time. 誰かが聞くとき / わたしの知っている本について / わたしは話せる / 長いあいだ On the way / I think about the day: / what I did, / what I said, / what I want to do next. 帰り道で / その日について考える / 何をしたか / 何を言ったか / 次に何をしたいか 切れ目は 5 か所に入ります——前置詞の前、接続詞の前、関係詞の前、不定詞の前、長い主語の後ろ。上の 5 文はどれもこの規則で切れています。塊の中では語順を入れ替えず、塊の単位で日本語を置いていくのがこの読み方です。 訳 段落ごと、文ごとの対訳です。 先に自分で読んでから 見てください。 段落 英文 日本語訳 第 1 段落 My name is Ken. わたしの名前はケンです。 (同じ段落) I am twenty years old. 二十歳です。 (同じ段落) I live in a small city with my mother and my father. 小さな町に、母と父と住んでいます。 (同じ段落) Our house is old, but I like it. うちは古いですが、気に入っています。 第 2 段落 I get up at six. 六時に起きます。 (同じ段落) I do not eat much in the morning. 朝はあまり食べません。 (同じ段落) I have some water and go out. 水を飲んで、出かけます。 第 3 段落 I work in a book shop near my house. 家の近くの本屋で働いています。 (同じ段落) I open the shop at nine. 九時に店を開けます。 (同じ段落) People come in, look at the books and ask me questions. お客さんが入ってきて、本を見て、わたしに質問します。 (同じ段落) I like this part of the work. この仕事のこの部分が好きです。 (同じ段落) When someone asks about a book I know, I can talk for a long time. 自分の知っている本について誰かに聞かれると、長いあいだ話していられます。 第 4 段落 At one I stop and eat. 一時に手を止めて食べます。 (同じ段落) Then I sit outside for a few minutes and watch the street. それから数分のあいだ外に座って、通りを見ています。 (同じ段落) There are always children, and cars, and people going by. いつも子どもがいて、車がいて、人が通り過ぎていきます。 第 5 段落 The shop closes at seven. 店は七時に閉まります。 (同じ段落) I walk home. 歩いて帰ります。 (同じ段落) It takes about half an hour. 三十分ほどかかります。 (同じ段落) On the way I think about the day: what I did, what I said, what I want to do next. 帰り道でその日のことを考えます——何をしたか、何を言ったか、次に何をしたいか。 第 6 段落 At home my mother is making food. 家では母が食事を作っています。 (同じ段落) My father reads the news. 父はニュースを読んでいます。 (同じ段落) We eat together at eight and talk about our day. 八時に一緒に食べて、その日のことを話します。 第 7 段落 After that I read for an hour. そのあと一時間、本を読みます。 (同じ段落) I have a long book about the war. 戦争についての長い本を持っています。 (同じ段落) I do not understand every word, but I go on. 全部の語が分かるわけではありませんが、読み進めます。 (同じ段落) My father says that this is the only way. 父は、それが唯一のやり方だと言います。 第 8 段落 I go to my room at eleven. 十一時に自分の部屋へ行きます。 (同じ段落) The next day will be the same, and that is all right. 次の日も同じでしょう。それでいいのです。 (同じ段落) Some days are big and some days are small. 大きな日もあれば、小さな日もあります。 (同じ段落) This one was small, and it was good. この日は小さな日で、よい日でした。 音読 訳を見たあと、もう一度 原文だけ に戻ります。今度は声に出して読みます。手順は 3 つ。 段落を押して読み上げを聞く。文の切れ目と、強く言われている語に耳を向ける。 1.7 音編 の内容語です。 聞きながら声を重ねる(シャドーイング)。段落ごとに 3 回。 文字を隠して(読書コントロールの「聞き取り」を入れて)聞き、そのあと文字を戻して自分で読む。 全部で 251 語です。慣れたら 2 分を目安に読み切ってください。1 分あたり 125 語で、これが第 1 期の目標の速さです。 0.1 門編 で決めた「同じ文を 3 度音読する」をこの篇でも使います。 この篇で使う型 この篇に出てくる型は、型編で扱ったものだけです。分からない文があれば、下の課へ戻ります。 文の型 この篇のどこに出るか 戻る課 現在形 全体(語り手の一日を現在形で語る) 3.1 型編 疑問と否定 第 2 段落 I do not eat much /第 7 段落 I do not understand 3.2 型編 冠詞 a