8.134 数えて並べる — 四つの自由 — Epoché
この篇でできるようになること ★ 数えて並べる 組み立てが取れる。 ★ 同じ結びを付ける 効きめが分かる。 ★ 一語だけ変える ことに気づける。 ★ 抽象の中に物を一つ置く 働きが読める。 前提 : 8.133 まで。型は 3.40 まで。話は 6.39 まで。 読む前に ★ この篇は、四つのものを数え上げます。 ★ The first is 、 The second is 、と続きます。 ★ そして、四つとも同じ言葉で結ばれます ——★ 「世界のどこでも」。 ★ ただし、 一つだけ語が違います 。 ★ 気づけるかどうか、試してみてください。 ★ 8.133 読編 で「頭をそろえる」を読みました。 ★ ここは、 尻をそろえる 形 です。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。本文は 346 語、文は 17 本、一文の平均は 20.4 語、いちばん長い一文は 50 語です。 書き出しです。 we look forward to a world founded upon four essential human freedoms ★ 「われわれは、四つの欠かせない人間の自由の上に築かれた世界を待ち望む」。 ★ 数を先に言っています ——★ 「四つ」。 ★ 聞く人は、四つ来ると分かって聞けます。 ★ 8.107 読編 でフランクリンが「十三の徳」と数を先に出したのを思い出してください。 ★ 数を先に言うのは、 聞く人に地図を渡す こと です。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 われわれが安全なものにしようとしている未来の日々に、われわれは、四つの欠かせない人間の自由の上に築かれた世界を待ち望みます。第一は、言論と表現の自由です――世界のどこでも。第二は、すべての人が自分なりのやり方で神を礼拝する自由です――世界のどこでも。第三は、欠乏からの自由です――それは、世界の言葉に置き換えれば、すべての国に、その住民のための健全な平時の暮らしを保障する経済上の取り決めを意味します――世界のどこでも。第四は、恐怖からの自由です――それは、世界の言葉に置き換えれば、どの国も、いかなる隣国に対しても武力による侵略の行為を犯せる立場にならないほどの程度にまで、またそれほど徹底したやり方で、世界中で軍備を縮小することを意味します――世界のどこであれ。これは遠い千年王国の幻ではありません。それは、われわれ自身の時代と世代のうちに達成できる種類の世界の、確かな土台なのです。そのような世界は、独裁者たちが爆弾のとどろきとともに作り出そうとしている、いわゆる専制の新秩序の正反対のものです。その新秩序に対して、われわれはより大きな考え、すなわち道徳の秩序を対置します。よい社会は、世界支配のたくらみにも外国の革命にも、同じように恐れることなく立ち向かうことができます。アメリカの歴史の初めから、われわれは変化に携わってきました――絶えることのない平和な革命に――着実に、静かに、移り変わる状況に自らを合わせながら進んでいく革命に――強制収容所も、溝の中の生石灰もなしに。われわれが求める世界の秩序とは、友好的で文明化された社会の中で共に働く、自由な国々の協力です。この国は、その運命を、何百万という自由な男女の手と頭と心に、そして神の導きのもとでの自由への信頼に託してきました。自由とは、あらゆるところで人権が至上であることを意味します。われわれの支援は、その権利を勝ち取るため、あるいは守るために闘う人々に向けられます。われわれの強さは、目的の一致にあります。その高い理念には、勝利のほかに終わりはありえません。 語釈 帯の外の語は 22 語だけです。★ 読 E で二番目に少ない篇 です。★ 短くて、語もやさしい ——★ それでも重く響く理由を、これから見ます。 語(品詞) 意味 注 American en 形 アメリカの The American diplomat greeted every guest with a warm smile. そのアメリカの外交官は、来客全員を温かい笑顔で迎えました。 aggression en 名 攻め入ること Sudden aggression from the neighboring army forced villagers to flee overnight. 隣国からの突然の侵略に、村人たちは一夜のうちに逃げ出しました。 alike en 副 同じように The twins dressed alike for the school photograph on Monday. その双子は、月曜日の学校写真撮影で同じように服を着ました。 antithesis en 名 正反対のもの Her calm response was the complete antithesis of his anger. 彼女の冷静な返答は、彼の怒りとは正反対のものでした。 armaments en 名 軍備 The treaty required both nations to reduce their armaments gradually. その条約は、両国に軍備を徐々に減らすことを求めました。 attainable en 形 届く見こみのある Losing five kilograms in two months seemed perfectly attainable to her. 二か月で五キロ痩せることは、彼女にとって十分に届く見こみのある目標でした。 civilized en 形 文明の進んだ Visitors praised the city for its clean streets and civilized manners. 訪問者たちは、清潔な通りと文明の進んだ振る舞いを称賛しました。 destiny en 名 定め She believed that meeting him was simply her destiny. 彼女は、彼と出会ったのは単なる自分の定めだと信じていました。 dictators en 名 独裁者 Throughout history, dictators have often silenced their harshest critics. 歴史を通じて、独裁者たちはしばしば最も厳しい批判者を黙らせてきました。 ditch en 名 溝 The old car slid off the road into a muddy ditch. 古い車は道路から外れ、泥だらけの溝に滑り落ちました。 guidance en 名 導き New employees receive careful guidance from a senior mentor. 新入社員は、先輩の指導者から丁寧な案内を受けます。 inhabitants en 名 住む人(複数) The island's inhabitants welcomed the shipwrecked sailors with great kindness. その島の住民たちは、難破した船員たちを心から親切に迎えました。 lime en 名 石灰 Workers spread lime over the field to reduce soil acidity. 作業員たちは、土壌の酸性度を下げるために畑に石灰をまきました。 millennium en 名 千年王国(はるか先の理想の世) Scientists predicted the glacier would vanish within a single millennium. 科学者たちは、その氷河が一千年のうちに消えると予測しました。 peaceful en 形 平和な The lake looked peaceful under the soft evening light. その湖は、柔らかな夕方の光の下で静かで穏やかに見えました。 peacetime en 名 平時 During peacetime, the factory produced furniture instead of weapons. 平時には、その工場は武器の代わりに家具を製造していました。 perpetual en 形 絶え間ない The waterfall produced a perpetual roar that never seemed to stop. その滝は、決して止まることのない絶え間ない轟音を立てていました。 steadily en 副 手を止めずに The nurse worked steadily through the night without a single break. その看護師は、一度も休むことなく一晩中手を止めずに働きました。 supremacy en 名 ずばぬけて上にあること The champion's supremacy in the ring remained unquestioned for years. そのチャンピオンは、何年にもわたってリングで誰もが認めるずばぬけた優位を保ちました。 thorough en 形 徹底した The inspector gave the old building a thorough examination yesterday. その検査官は昨日、古い建物を徹底的に検査しました。 tyranny en 名 圧制 The rebels vowed to end the tyranny of the corrupt king. 反乱者たちは、腐敗した王による圧制を終わらせると誓いました。 worship en 動 あがめる・礼拝する Families gathered at the temple for morning worship every Sunday. 家族たちは、毎週日曜日の朝の礼拝のために寺院に集まりました。 ★四つを、数えて並べる ★ 四つの自由を並べます。 何番目か 何の自由か 説明が付くか ★ 第一 ★ 言論と表現の自由 ★ 付かない ★ 第二 ★ 各人が自分のやり方で神を拝む自由 ★ 付かない ★ 第三 ★ 欠乏からの自由 ★ 付く ★ 第四 ★ 恐怖からの自由 ★ 付く ★ 前の二つは、名を言うだけで終わります。 ★ 後の二つには、 「世界の言葉に訳せば」 という但し書きが付きます。 which, translated into world terms, means economic understandings ★ 「世界の言葉に訳せば、それは経済上の了解を意味する」。 ★ 欠乏からの自由が、各国の住民に健やかな平時の生活を保障する経済の取り決めだ、と言い換えられます。 説明が要らないもの 説明が要るもの ★ 言論・信仰 ★ すでに憲法に書いてある ★ 欠乏・恐怖 ★ 新しい。何を指すか決める必要がある ★ 9.3 論編 で「定義する — X とは何か」と置きました。 ★ ここは、 新しい語にだけ定義を付ける という使い分け です。★ 全部に説明を付けると、四つの重さが揃ってしまいます。 ★同じ結びを、四つに付ける ★ 四つとも、ダッシュのあとに同じ句が置かれます。 everywhere in the world ★ 「世界のどこでも」。 ★ 四語です。 結びが無いと 結びがあると ★ 自国の話に聞こえる ★ 世界の話だと分かる ★ 四つが別々に聞こえる ★ 四つで一組だと分かる ★ 覚えにくい ★ 四回聞くので、耳に残る ★ 一九四一年一月 です。★ アメリカはまだ戦争に入っていません。 ★ それでも「世界のどこでも」と言っています ——★ この四語が、この演説をいまも読ませています。 ★一語だけ、変える ★ ここが、この篇の山です。 ★ 四つめの結びだけ、語が違います。 何番目か 結びの語 ★ 第一・第二・第三 ★ everywhere in the world ★ 第四 ★ anywhere in the world ★ everywhere と anywhere ——★ 一語だけの違いです。 どちらか どういう意味か ★ everywhere ★ あらゆる場所で、それがある ★ anywhere ★ どの場所であれ、そこで ★ 四つめの自由は、 「いかなる国も、どの隣国に対しても武力の攻撃を行える位置に立たない」 ところまで軍備を減らすこと です。 ★ だから、 everywhere ではなく anywhere になります ——★ 「どこかで一か所でも」起きてはならない、という言い方 です。 ★ 3.31 型編 で「小さな語に芯がある」と置きました。 ★ ここは、 四つそろえた形の中で一語だけ変える という、いちばん見つけにくい技 です。 ★ 読むときの手になります ——★ くり返しの形を見つけたら、 くり返されていない箇所 を探す。 ★ そこに、書き手がいちばん考えたことがあります。 ★抽象の中に、物を一つ置く ★ この篇は、ほとんど抽象の語でできています ——★ 自由・秩序・道徳・協力。 ★ けれども、一か所だけ物が出ます。 without the concentration camp or the quick-lime in the ditch ★ 「収容所も、溝に撒かれた生石灰も無しに」。 前後は何か ここは何か ★ 抽象の語 ★ 目に見える物 ★ 穏やかな言い方 ★ 遺体を処理する石灰 ★ アメリカの歴史は「絶え間ない平和な革命」だった と言ったすぐあとに、この二つが置かれます。 ★ 言っていないことを、読む人が補います ——★ ほかの国では、この二つがあった。 ★ 8.106 読編 で「時代の説明を、道具立てに置き換える」と置きました ——★ 腰かけの裏に紐で留めた聖書。 ★ ここも同じです ——★ 抽象の議論に、物を一つ落とす。 訳 どのあたり 要旨 起 われわれが守ろうとする未来に、四つの欠かせない人間の自由の上に築かれた世界を待ち望む。第一は言論と表現の自由——世界のどこでも。 承 第二は各人が自分のやり方で神を拝む自由——世界のどこでも。第三は欠