幸福をどう数えるか――ベンサムと功利主義 — Epoché
解説 行為や制度を、帰結から見る 功利主義は、行為や制度が生む幸福への影響から評価する考え。ベンサムは快楽と苦痛の釣り合いを重んじ、自分だけでなく影響を受ける人々を考えた。 幸福を金銭的な利益とだけ同じにしない。善意からの行為でも、帰結の評価は別である。 出典1 強さ・長さ・人数も比べる 幸福計算では、快苦の強さ、持続、確かさ、時間的な近さに加え、その後の快苦や、影響される人数も見る。下表はその観点の整理。 理想的な計算のモデル。毎回完全な数値が得られるわけではなく、本人も厳密に実行する難しさを認めた。 出典1 少数者の苦痛を、落とさない 多数の幸福だけを数えて少数者を犠牲にすれば、社会全体の幸福を損なうと本人も問題視した。苦しむ能力から、動物の扱いも考えた。 多数の賛成だけが正しさではない。一方、幸福や功利の意味の曖昧さ、政策原理としての危険には批判もあり、比較の難問が全て解けたわけではない。 出典1 快楽や苦痛を比べる観点 観点 見ること 強さ・持続 どれほど強く、長く続くか 確かさ・近さ どれほど見込まれ、いつ起こるか 多産性 同種の快苦が続く見込み 純粋性 反対の快苦を伴わない見込み 範囲 何人に影響するか 観点の整理であり、人の幸福に実測済みの点数を付ける表ではない。 参考文献 [1] James E. Crimmins「Jeremy Bentham」。 出典