0.6 二重字 μπ ντ γκ τσ τζ — Epoché
この 課 か でできるようになること バ・ダ・ガを 書く かく 字 じ が 無い ない ギリシア 語 ご で、その 音 おと が 二 に 字 じ で 書か かか れることを 知り しり 、 読める よめる 。 同じ おなじ 二 に 字 じ が 語頭 ごとう と 語 ご 中 ちゅう で 読み分け よみわけ られることを、 語 ご の 位置 いち から 判断 はんだん できる。 ツとヅを 書く かく 二 に 字 じ を 知り しり 、 外来 がいらい 語 ご を 正しく ただしく 読める よめる 。 前提 ぜんてい : 0.5( 残り のこり の 子音 しいん )。 0.1 の 表 ひょう を 見直す みなおす と、 奇妙 きみょう なことに 気づき きづき ます。 β はヴァ 行 ぎょう 、 δ は 舌 した を 歯 は に 当てる あてる ザ行 ざぎょう 、 γ は 喉 のど の 奥 おく の ガ行 がぎょう ——つまり、 バ・ダ・ガをそのまま 書く かく 字 じ が 一 ひと つも 無い ない 。 古典 こてん 語 ご ではこの 三 さん 字 じ がまさにその 音 おと でしたが、 二千 にせん 年 ねん のあいだに 全部 ぜんぶ こする 音 おと に 変わり かわり 、 破裂 はれつ するバ・ダ・ガは 字 じ を 失い うしない ました。そこで 現代 げんだい 語 ご は、 二 に 字 じ を 組ん くん でこの 音 おと を 書き かき ます。 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ にとって 音 おと は 難しく むずかしく ありません。バもダもガも 日本 にっぽん 語 ご にあります。 綴り つづり を 見 み て 音 おと を 思い出せる おもいだせる か が 全て すべて です。 三 みっ つの 二 に 字 じ と、その 読み よみ 読み よみ 方 かた の 規則 きそく は 一 ひと つです。 語頭 ごとう なら 破裂音 はれつおん だけ、 語 ご 中 ちゅう なら 鼻音 びおん を 前 まえ に 添える そえる 。 表 ひょう は 三 さん 行 ぎょう です。 二 に 字 じ 語頭 ごとう では、 語 ご 中 ちゅう では 例 れい の 語 ご μπ 語頭 ごとう では バ行 ばぎょう 。 語 ご 中 ちゅう ではン バ行 ばぎょう μπορώ は できる、 λάμπα は ランプ ντ 語頭 ごとう では ダ行 だぎょう 。 語 ご 中 ちゅう ではン ダ行 だぎょう ντομάτα は トマト、 πέντε は 五 ご γκ 語頭 ごとう では ガ行 がぎょう 。 語 ご 中 ちゅう ではン ガ行 がぎょう γκολ は ゴール、 αγκαλιά は 抱擁 ほうよう 五 ご という 語 ご はペンテでもペデでもなく ペンデ 。 二 に 字 じ 目 め が 濁っ にごっ て ダ行 だぎょう になり、 一 いち 字 じ 目 め がンとして 残り のこり ます。 語 ご 中 ちゅう の 鼻音 びおん は 話者 わしゃ によって 薄く うすく 、 若い わかい 世代 せだい ではほとんど 聞こえ きこえ ないこともありますが、 教材 きょうざい としては 鼻音 びおん を 添える そえる 形 かたち を 標準 ひょうじゅん にします。どちらで 言っ いっ ても 通じ つうじ ます。 語頭 ごとう でンを 添え そえ てしまうのが、 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ の 典型 てんけい 的 てき な 読み違い よみちがい です。できるという 語 ご はボロであってンボロではない。 語頭 ごとう では 一 いち 字 じ 目 め を 読み よみ ません。 二 に 字 じ 目 め を 濁ら にごら せるための 印 しるし だと 考え かんがえ てください。 もう 一 ひと つのン ガ行 がぎょう γ を 二 ふた つ 並べ ならべ た 形 かたち も、 語 ご 中 ちゅう の γκ と 同じ おなじ ン ガ行 がぎょう です。イングランドという 国名 こくめい 、 天使 てんし という 語 ご がその 例 れい で、どちらも 日本 にっぽん 語 ご のカタカナ 語 ご として 知っ しっ ている 語 ご です。 天使 てんし はエンジェルの 語源 ごげん で、 英語 えいご では 柔らかい やわらかい 音 おと になっていますが、ギリシア 語 ご では 硬い かたい ンゲのままです。この 形 かたち は 語頭 ごとう に 立た たた ないので、 読み よみ は 一通り ひととおり しかありません。 ツとヅ ツとヅも 一 いち 字 じ では 書け かけ ず、 二 に 字 じ で 書き かき ます。こちらは 語頭 ごとう でも 語 ご 中 ちゅう でも 読み よみ が 変わり かわり ません。お 茶 ちゃ という 語 ご はツァイ、かばんはツァンダ—— 後半 こうはん に 別 べつ の 二 に 字 じ も 入っ はいっ ています。 暖炉 だんろ はヅァキ、ヨーグルトのソースはヅァヅィキ。 日本 にっぽん 語 ご のヅはズと 同じ おなじ 音 おと になっていますが、ギリシア 語 ご のこの 二 に 字 じ は 舌 した を 一 いち 度 ど 付け つけ てから 離す はなす ヅ です。0.5 で ザ行 ざぎょう は 舌 した を 付け つけ ないと 述べ のべ ました。こちらは 逆 ぎゃく に 付ける つける 。この 対比 たいひ で 覚え おぼえ てください。 なぜ 字 じ が 足り たり なくなったのか ここで 一 いち 度 ど 、 歴史 れきし を 挟み はさみ ます。 古典 こてん ギリシア 語 ご では β と δ と γ が、まさにバ・ダ・ガの 破裂音 はれつおん でした。ローマ 人 にん がギリシア 語 ご の 語 ご をラテン 文字 もじ に 写し うつし たとき、この 三 さん 字 じ をそのまま ビー・ディー・ジー と 書い かい たのはそのためです。 日本 にっぽん 語 ご のカタカナ 語 ご がラテン 文字 もじ 経由 けいゆ で 入っ はいっ ているので、 私 わたくし たちが 知っ しっ ている 形 かたち は 古典 こてん 語 ご の 音 おと に 近い ちかい ——ビブリオ、デモクラシー、ガンマ。 ところが 紀元 きげん 後 ご の 数百 すうひゃく 年 ねん で、この 三 みっ つがそろってこする 音 おと に 変わり かわり ました。 破裂音 はれつおん のバ・ダ・ガは、 外来 がいらい 語 ご や 擬音 ぎおん 語 ご でまた 必要 ひつよう になったのに、 書く かく 字 じ が 無い ない 。そこで、 鼻音 びおん の 字 じ を 前 まえ に 置い おい て 次 つぎ の 字 じ を 濁ら にごら せる という 書き かき 方 かた が 生まれ うまれ ました。 語 ご 中 ちゅう でンが 残る のこる のは、この 成り立ち なりたち の 名残 なごり です。 語頭 ごとう でンを 読ま よま ないのは、そこに 鼻音 びおん が 無い ない からではなく、 字 じ が 二 ふた つで 一 ひと つの 音 おと を 表す あらわす 約束 やくそく だからです。 この 事情 じじょう を 知っ しっ ておくと、 橋 はし 編 へん で 学術 がくじゅつ 語 ご の 橋 はし を 渡る わたる ときに 役立ち やくだち ます。カタカナ 語 ご のバ・ダ・ガは、ギリシア 語 ご では こする 音 おと になっている ことが 多い おおい 。ビブリオは βιβλίο でヴィヴリオ、デモクラシーは δημοκρατία でジモクラティア。 逆 ぎゃく に、 二 に 字 じ で 書い かい てある 語 ご はたいてい 近代 きんだい に 入っ はいっ た 外来 がいらい 語 ご です。 綴り つづり を 見れ みれ ば、その 語 ご が 古い ふるい のか 新しい あたらしい のかまで 見当 けんとう がつきます。 外来 がいらい 語 ご はこの 二 に 字 じ で 入っ はいっ てくる 二 に 字 じ が 最も もっとも よく 出る でる のは 外来 がいらい 語 ご です。ギリシア 語 ご に 入っ はいっ た 英語 えいご ・フランス 語 ご ・トルコ 語 ご の 語 ご は、バ・ダ・ガの 音 おと をこの 二 に 字 じ で 写し うつし ます。バー、ビール、 青 あお 、シャワー、 車庫 しゃこ —— 街 まち の 看板 かんばん で 最初 さいしょ に 読める よめる ようになるのがこの 二 に 字 じ です。 日本 にっぽん 語 ご のカタカナ 語 ご と 同じ おなじ 役目 やくめ を 持つ もつ 綴り つづり だと 考え かんがえ てください。 外来 がいらい 語 ご の 多く おおく は 語尾 ごび が 変化 へんか しません 。 青 あお という 語 ご は 男性名詞 だんせいめいし に 付い つい ても 女性名詞 じょせいめいし に 付い つい ても 形 かたち が 変わら かわら ない。 形 かたち 編 へん で 曲用 きょくよう を 覚える おぼえる とき、 外来 がいらい 語 ご は 変化 へんか しないと 一 いち 言添える いいそえる だけで 済む すむ ので、いまは 綴り つづり だけ 覚え おぼえ ておきます。 頻出 ひんしゅつ 文 ぶん で 通す とおす 二 に 字 じ を 見つけ みつけ たら、 語頭 ごとう か 語 ご 中 ちゅう かを 確かめ たしかめ てから 読ん よん でください。 訳 わけ は 本 ほん 課程 かてい で 起こし おこし た 日本 にっぽん 語 ご です。 文 ぶん 訳 わけ 見る みる ところ Δεν μπορώ. [1] できない。 できるという 語 ご は 語頭 ごとう なので バ行 ばぎょう 。ボロと 読む よむ Έλα αν μπορείς. [2] できたら 来 き て。 前 まえ の 語 ご がンで 終わる おわる ので、 少し すこし ンボに 寄る よる Έκανα μπάνιο. [3] 風呂 ふろ に 入っ はいっ た。 風呂 ふろ という 語 ご も 語頭 ごとう なので バ行 ばぎょう Πίνει μπύρα. [4] 彼女 かのじょ はビールを 飲む のむ 。 ビールという 外来 がいらい 語 ご も 語頭 ごとう なので バ行 ばぎょう Παίζεις μπάλα; [5] サッカーやる。 ボールという 外来 がいらい 語 ご 。 語尾 ごび が 変化 へんか しない Κόλλα πέντε! [6] ハイタッチ。 五 ご という 語 ご は 語 ご 中 ちゅう なのでンデ Μένω κοντά. [7] 近く ちかく に 住ん すん でいる。 近く ちかく にという 語 ご も 語 ご 中 ちゅう なのでンダ Είμαι άντρας. [8] 私 わたくし は 男 おとこ だ。 男 おとこ という 語 ご も 語 ご 中 ちゅう 。アンドラスと 読む よむ Έβαλα γκολ. [9] ゴールを 決め きめ た。 ゴールという 外来 がいらい 語 ご は 語頭 ごとう なので ガ行 がぎょう Ήπια τσάι. [10] お 茶 ちゃ を 飲ん のん だ。 お 茶 ちゃ という 語 ご のツ。 語末 ごまつ は 二 に 音 おん に 分け わけ て 読む よむ 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ の 近道 ちかみち バ・ダ・ガの 音 おと そのものは 日本 にっぽん 語 ご にあるので、この 課 か で 作る つくる 音 おと はありません。 困る こまる のは 読む よむ 側 がわ だけ—— 二 に 字 じ を 見 み て、 一 いち 字 じ ずつ 読みかける よみかける 癖 くせ です。 近道 ちかみち は、この 二 に 字 じ を 一 ひと つの 字 じ として 目 め に 焼き付ける やきつける ことです。 三 みっ つの 二 に 字 じ を、それぞれ 英語 えいご のビー・ディー・ジーの 字 じ だと 見なせ みなせ ば、 迷い まよい は 消え きえ ます。 もう 一 ひと つ。 語 ご 中 ちゅう のンバ・ンダ・ンガは、 日本 にっぽん 語 ご の「ん」の 後ろ うしろ に 濁音 だくおん が 来 き たときの 音 おと とほぼ 同じ おなじ です。かんばん、こんど、まんが—— 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ はこの 三 みっ つの 音 おと を、 意識 いしき せずに 正しく ただしく 出し だし ています。 五 ご という 語 ご のンデは、こんどの「んど」の 口 くち で 出せ だせ ます。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 語頭 ごとう か 語 ご 中 ちゅう か 次 つぎ の 語 ご の 二 に 字 じ は、 語頭 ごとう ですか 語 ご 中 ちゅう ですか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 μπάνιο ( 風呂 ふろ ) πέντε ( 五 ご ) γκολ (ゴール) άντρας ( 男 おとこ ) Αγγλία (イングランド) ντομάτα (トマト) 練習 れんしゅう 2 — 読む よむ 次 つぎ の 語 ご をカタカナで 書い かい てください。 二 に 字 じ を 一 ひと つの 音 おと として、 語頭 ごとう と 語 ご 中 ちゅう の 規則 きそく を 当てる あてる こと。 τσάντα (かばん) τζάκι ( 暖炉 だんろ ) εντάξει (オーケー) μπαμπάς (パパ) κοντά ( 近く ちかく に) αγκαλιά ( 抱擁 ほうよう ) 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 二 に 字 じ の 破裂音 はれつおん と、 一 いち 字 じ の 破裂音 はれつおん の 対 たい です。 前者 ぜんしゃ は 濁り にごり 、 後者 こうしゃ は 濁り にごり ません。 判定 はんてい 機能 きのう が 使える つかえる 環境 かんきょう では 判定 はんてい にかけ、まだの 環境 かんきょう では 聞い きい て