5.16 味と感想 — Epoché
この 課 か でできるようになること 食べ たべ たものの 感想 かんそう を、いくつかの 言い いい 方 かた で 表せる あらわせる 。 褒め ほめ 方 かた に 段 だん があることを 知り しり 、 場面 ばめん で 使い分け つかいわけ られる。 苦手 にがて なものを、 角 かど を 立て たて ずに 伝え つたえ られる。 前提 ぜんてい : 5.15(タベルナで 注文 ちゅうもん する) 感想 かんそう を 言う いう 課 か です。4.4 で 味 あじ の 語 ご を、 型 かた 編 へん 10 課 か で 形容 けいよう 詞 し の 一致 いっち を 学び まなび ました。ここではそれを、 人 ひと に 向け むけ て 言い いい ます。 感想 かんそう は 言わ いわ ないと 失礼 しつれい になる 場面 ばめん があります。ギリシアの 家 いえ に 招か まねか れたとき、 料理 りょうり を 褒め ほめ ないのは 黙っ だまっ て 否定 ひてい するのと 同じ おなじ です。だから、 褒め ほめ 方 かた をいくつか 用意 ようい しておく 値打ち ねうち があります。 褒め ほめ 方 かた には 段 だん がある おいしい を 表す あらわす 語 ご は 一 ひと つではありません。 三 みっ つの 段 だん があります。 いちばん 軽い かるい のが 良い よい です。ふつうに 満足 まんぞく したときに 使い つかい ます。 次 つぎ が おいしい で、 語 ご 編 へん 4 課 か で 覚え おぼえ た ノスタルジー と 同じ おなじ 語根 ごこん の 語 ご 。 故郷 こきょう を 思わ おもわ せる 味 あじ 、という 含み ふくみ があります。いちばん 強い つよい のが 素晴らしい すばらしい で、これは 料理 りょうり そのものより 作っ つくっ た 人 ひと に 向け むけ た 褒め ほめ 方 かた です。 家 いえ に 招か まねか れたときは、いちばん 強い つよい 段 だん を 使っ つかっ てください。 作っ つくっ た 人 ひと が 目 め の 前 まえ にいるからです。 食堂 しょくどう では 真ん中 まんなか の 段 だん でちょうどよい。 段 だん を 間違え まちがえ ても 失礼 しつれい にはなりませんが、 家 いえ では 惜しま おしま ないほうがよいのがギリシアの 作法 さほう です。 苦手 にがて なものは、 味 あじ のせいにしない 食べ たべ られないものがあるとき、どう 言う ゆう か。ここは 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ が 気 き を 使う つかう ところです。 ギリシア 語 ご では、 好き すき ではない と 言う いう より 食べ たべ ない と 言う いう ほうが 角 かど が 立ち たち ません。 話 はなし 編 へん 第 だい 1 期 き 6 課 か で 覚え おぼえ た 好き すき だ の 否定 ひてい は、 味 あじ を 評価 ひょうか している 響き ひびき になります。 食べ たべ ない は 自分 じぶん の 側 がわ の 事情 じじょう を 言っ いっ ているだけなので、 料理 りょうり を 否定 ひてい しません。 そしてもう 一 ひと つ、 おなかがいっぱいです という 言い いい 方 かた を 覚え おぼえ てください。ギリシアでは 何 なん 度 ど もすすめられます。 断る ことわる のに 理由 りゆう は 要ら いら ず、この 一言 ひとこと で 足り たり ます。 すすめる 側 がわ も、 断ら ことわら れることを 織り込ん おりこん でいます。 対話 たいわ その 一 いち — 食堂 しょくどう で、 料理 りょうり の 感想 かんそう を 言う ゆう 話者 わしゃ : ユイと、 店 みせ の 人 ひと 。 丁寧 ていねい な 形 かたち です。 台詞 せりふ 訳 わけ Πώς είναι το φαγητό; お 料理 りょうり はいかがですか。 Πολύ νόστιμο! とてもおいしいです。 Χαίρομαι. Θέλετε κάτι άλλο; うれしいです。ほかに 何 なん かいかがですか。 Το ψάρι είναι λίγο αλμυρό. 魚 さかな は 少し すこし 塩気 しおけ が 強い つよい ですね。 Α, συγγνώμη. Να το αλλάξω; ああ、 失礼 しつれい しました。お 取り替え とりかえ しましょうか。 Όχι, όχι. Είναι εντάξει. いえいえ。これで 大丈夫 だいじょうぶ です。 Το κρασί; ワインはいかがですか。 Πολύ καλό, ευχαριστώ. とてもよいです、ありがとうございます。 この 対話 たいわ は 全部 ぜんぶ が 本 ほん 課程 かてい の 書き下ろし かきおろし です。 四 よん つ 目 め に 注意 ちゅうい してください—— 不満 ふまん を 言う いう ときも 少し すこし を 添え そえ ます。この 一 いち 語 ご があるだけで、 文句 もんく ではなく 感想 かんそう になります。 五 いつ つ 目 め の 取り替え とりかえ ましょうか は 3.13 の 節 ふし を 使っ つかっ た 申し出 もうしで の 形 かたち です。 対話 たいわ その 二 に — 家 いえ に 招か まねか れて、 料理 りょうり を 褒める ほめる 話者 わしゃ : ユイと、 招い まねい てくれた 家 いえ の 人 ひと 。 親しい したしい 形 かたち です。 台詞 せりふ 訳 わけ Πάρε κι άλλο. もっと 取っ とっ てね。 Ευχαριστώ, είναι υπέροχο! ありがとうございます、 素晴らしい すばらしい です。 Σου αρέσει; 気 き に 入っ はいっ た。 Πολύ. Το έφτιαξες εσύ; とても。ご 自分 じぶん で 作ら つくら れたのですか。 Ναι, με τη μητέρα μου. ええ、 母 はは と 一緒 いっしょ に。 Πάρε λίγο ακόμα! もう 少し すこし 取っ とっ て。 Δεν μπορώ άλλο. Χόρτασα. もう 食べ たべ られません。おなかがいっぱいです。 Λίγο μόνο! ほんの 少し すこし だけ。 この 対話 たいわ も 書き下ろし かきおろし です。 一 ひと つ 目 め 、 六 むい つ 目 め 、 八 よう つ 目 め に 注意 ちゅうい してください—— 三 さん 度 ど すすめられています。 ギリシアではこれがふつう で、 一 いち 度 ど で 引き下がる ひきさがる ほうが 珍しい めずらしい 。 七 なな つ 目 め の おなかがいっぱいです は 4.4 の 食べる たべる とは 別 べつ の 専用 せんよう の 動詞 どうし で、この 場面 ばめん でいちばん 使う つかう 一 いち 語 ご です。 この 課 か で 使う つかう 型 かた — 既習 きしゅう の 復習 ふくしゅう 表 ひょう は 五行 ごぎょう です。この 課 か の 台詞 せりふ に 出 で ている 型 かた を 並べ ならべ ました。 型 かた どこで 学ん まなん だか この 課 か での 出 で 方 かた 形容 けいよう 詞 し の 一致 いっち 型 かた 編 へん 10 課 か おいしい、 塩気 しおけ が 強い つよい 。 主語 しゅご の 性 せい と 数 かず に 合わせ あわせ て 動く うごく 好き すき だ の 言い いい 方 かた 型 かた 編 へん 16 課 か 気 き に 入っ はいっ た、で 好か すか れる 側 がわ が 主語 しゅご になる 法 ほう 助 じょ 動詞 どうし と 節 ふし 型 かた 編 へん 14 課 か 取り替え とりかえ ましょうか、で 節 ふし が 申し出 もうしで になる 命令 めいれい の 形 かたち 型 かた 編 へん 15 課 か 取っ とっ て、で すすめる ときの 命令 めいれい が 出る でる 程度 ていど の 副詞 ふくし 型 かた 編 へん 10 課 か とても、 少し すこし 。 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ に 置い おい て 強 つよ さを 加減 かげん する 語釈 ごしゃく この 課 か で 新しく あたらしく 出 で た 語 ご です。 左 ひだり が 語 ご 、 右 みぎ が 意味 いみ と 使い つかい どころです。 語 ご 意味 いみ 注 ちゅう νόστιμος el おいしい。 語 ご 編 へん 4 課 か で 覚え おぼえ た 語 ご 。ノスタルジー と 同じ おなじ 語根 ごこん Πολύ νόστιμο! とてもおいしいです。 υπέροχος el 素晴らしい すばらしい 。1.3 の υπερ - + 抜きん出る ぬきんでる 。 作っ つくっ た 人 ひと への 褒め ほめ 方 かた Ευχαριστώ, είναι υπέροχο! ありがとうございます、 素晴らしい すばらしい です。 αλμυρός el 塩気 しおけ の 強い つよい 。4.4 の αλάτι ( 塩 しお )と 同じ おなじ 語根 ごこん Το ψάρι είναι λίγο αλμυρό. 魚 さかな は 少し すこし 塩気 しおけ が 強い つよい ですね。 γλυκός el 甘い あまい 。 語 ご 編 へん 4 課 か で 覚え おぼえ た 語 ご 。 菓子 かし の 意味 いみ にもなる χορταίνω el おなかがいっぱいになる。 草 くさ を 表す あらわす 語根 ごこん から。 牧草 ぼくそう で 満ちる みちる 、が 元 もと の 意味 いみ χαίρομαι el うれしい、 喜ぶ よろこぶ 。5.1 のあいさつと 同じ おなじ 語根 ごこん φτιάχνω el 作る つくる 、こしらえる。アオリスト έφτιαξα 。 料理 りょうり にも 物 もの にも 使う つかう πικάντικος el 辛い つらい 、ぴりっとした。4.4 の πικρός ( 苦い にがい )とは 別 べつ の 語 ご 使える つかえる 言い回し いいまわし この 課 か で 覚える おぼえる と、そのまま 口 くち から 出せる だせる 形 かたち が 四 よん つあります。 一 ひと つ、 とてもおいしいです 。 二 に 語 ご です。 食堂 しょくどう でも 家 いえ でも、これを 言え いえ ば 場 ば が 和み なごみ ます。 二 ふた つ、 素晴らしい すばらしい です 。 一 いち 語 ご です。 家 いえ に 招か まねか れたときは、この 段 だん を 使っ つかっ てください。 三 みっ つ、 少し すこし 塩気 しおけ が 強い つよい です 。 少し すこし を 添える そえる だけで、 文句 もんく ではなく 感想 かんそう になります。 四 よん つ、 おなかがいっぱいです 。 一 いち 語 ご です。 三 さん 度 ど すすめられたときの、いちばん 角 かど の 立た たた ない 断り ことわり 方 かた です。 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ がやりがちな 言い いい 方 かた やりがちな 言い いい 方 かた なぜ 通じ つうじ にくいか 正しい ただしい 形 かたち 家 いえ で 料理 りょうり を 褒め ほめ ない 黙っ だまっ て 否定 ひてい するのと 同じ おなじ に 受け取ら うけとら れる いちばん 強い つよい 段 だん で 褒める ほめる 苦手 にがて なものを 好き すき ではない と 言う ゆう 味 あじ を 評価 ひょうか している 響き ひびき になる 食べ たべ ない と、 自分 じぶん の 側 がわ の 事情 じじょう で 言う ゆう 一 いち 度 ど 断っ ことわっ て 引き下がる ひきさがる と 思う おもう ギリシアでは 三 さん 度 ど すすめるのがふつう 断り ことわり 方 かた を 一 ひと つ 用意 ようい しておく 三 みっ つ 目 め は 文化 ぶんか の 違い ちがい です。 すすめる 側 がわ は、 断ら ことわら れることを 織り込ん おりこん でいます。 三 さん 度 ど すすめるのは 礼儀 れいぎ であって、 押しつけ おしつけ ではありません。だから 三 さん 度 ど 断っ ことわっ ても 失礼 しつれい になりません。 そして 褒め ほめ 方 かた について。 ギリシアでは、 料理 りょうり を 褒める ほめる ことは 作っ つくっ た 人 ひと を 褒める ほめる ことです。 日本 にっぽん 語 ご では 料理 りょうり と 作り手 つくりて を 分け わけ て 言え いえ ますが、ギリシア 語 ご ではほとんど 分け わけ ません。 知 ち 編 へん で 扱う あつかう φιλότιμο —— 名誉 めいよ を 愛する あいする 気風 きふう ——と、ここはつながっています。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — どの 段 だん で 褒める ほめる か 次 つぎ の 場面 ばめん では、 三 みっ つの 段 だん のどれを 使い つかい ますか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 食堂 しょくどう でふつうに 満足 まんぞく した 家 いえ に 招か まねか れて、 作っ つくっ た 人 ひと が 目 め の 前 まえ にいる 屋台 やたい で 軽く かるく 食べ たべ た 友だち ともだち の 母親 ははおや の 手 て 料理 りょうり 練習 れんしゅう 2 — 角 かく の 立た たた ない 言い いい 方 かた 次 つぎ のことを、 角 かど を 立て たて ずに 言う ゆう にはどうしますか。 この 料理 りょうり は 苦手 にがて だ 塩気 しおけ が 強 つよ すぎる もう 食べ たべ られない 取り替え とりかえ なくてよい 練習 れんしゅう 3 — 音読 おんどく 二 ふた つの 対話 たいわ