10.21 清明・端午・中秋 — 三つの節句 — Epoché
この課でできるようになること 清明・端午・中秋を、日付と行うことに分けて説明できます。 端午に伝わる屈原の話と、中秋の団円の考え方を説明できます。 食べ物や行事の経験を、中国語で短く書けます。 前提 :10.20「二十四節気と旧暦」。月と太陽の二つの基準が、行事の日付でどう働くかを見ます。 三つを並べると、暦の違いが見える 節句 日付の基準 主にすること 清明节 節気。太陽暦で四月初めごろ 墓参り、春の野遊び 端午节 旧暦五月五日 ちまき、龍舟の競漕 中秋节 旧暦八月十五日 月を眺め、家族で集まる 清明だけは、二十四節気の一つです。太陽の位置で決まるので、太陽暦の日付が毎年ほぼそろいます。端午と中秋は、月に基づく旧暦の日付です。太陽暦へ置き直すと、年によって動きます。「どれも昔からの行事だから、同じ暦の決め方だろう」と考えると、清明の特徴を見落とします。 日付を覚えるときは、数字だけを切り離さず、暦の名前も一緒に覚えます。「五月五日」と聞いて、日本のカレンダーの五月五日をすぐ思い浮かべる前に、旧暦かどうかを見ることが大切です。前の課の二階建ての暦が、具体的な行事の違いとして現れます。 清明は墓参りと春の野遊び 清明は、空気が澄み、明るくなるころという節気の名前です。この時期に、祖先の墓へ行き、掃除や供え物をする 扫墓 が行われます。先祖を思う墓参りという点では、日本のお盆と比べられます。ただし、清明は春です。名前を置き換えれば行事全体が同じになるわけではありません。 もう一つの行いが 踏青 です。青い草を踏むという字から、春の野へ出かけることを思い浮かべられます。亡くなった人を思う日であると同時に、外へ出て春を感じる日でもあります。墓参りと野遊びは、どちらか一方だけを選ぶ説明ではなく、同じ時期の二つの面です。 墓を掃くという動作を覚えれば、 扫墓 という語が単なる行事名より具体的になります。 踏青 も、ただ緑色を踏むという逐語訳で止めず、春の野に出る習慣を指す語として読みます。字の手がかりから始め、実際にすることまで結び付けます。 供え物や墓参りの方法は、地域や家庭によってさまざまです。ここでは、すべての人が同じ品物を供える、同じ手順を取るという決まりは置きません。暦の上の時期と、祖先を思う行いを押さえます。その日に春を楽しむ面も押さえます。 端午に伝わる屈原の物語 端午には、 粽子 を食べ、 龙舟 の競漕をする習慣があります。よもぎの 艾草 を戸口に掛けることもあります。食べ物、舟、草という異なるものが、一つの行事に集まっています。 端午には、楚の 屈原 にまつわる物語が伝えられています。国を思いながら遠ざけられた屈原が、川に身を投げたという話です。人々は舟を出して探した、と伝えられます。また、魚がその体を食べないように米を投げた、と伝えられます。舟で探すことを龍舟に、米を投げることをちまきに結び付けて説明します。 この話は、行事に重ねて伝えられている由来の物語です。舟の競漕や食べ物の歴史のすべてが、この一つの出来事だけで確定するわけではありません。「〜と伝えられる」という言い方を残すことが、物語を尊重しながら歴史と区別して読む助けになります。 特別編では、司馬遷の書いた屈原の伝と『離騒』を読みます。行事で聞く名前と、文章の中で出会う人物がつながります。今は長い作品の内容を先に覚えるより、ちまきと龍舟を屈原の物語へ結び付けておきましょう。 競漕の話では、スポーツで学んだ語も使えます。 比赛几点开始? [1] は「試合は何時に始まりますか」。 你看了比赛吗? [2] は「その試合を見ましたか」。舟の競漕という場面でも、始まる時刻や見たかどうかを、このような言葉で尋ねられます。舟をこぐ人は 选手 や 队员 と呼べます。岸から見る人は 观众 と呼べます。 中国の端午節は旧暦五月五日です。日本のこどもの日は太陽暦五月五日なので、数字は同じでも、毎年同じ日を指すとは限りません。 中秋は丸い月と、集まる家族 中秋は旧暦八月十五日の行事です。月を眺め、月餅を贈ったり食べたりしながら、家族が集まることを大切にします。中心にある言葉が 团圆 です。離れていた家族などが一緒になることを表します。 丸い月、丸い月餅、家族が集まる輪が、団円という考え方で結び付きます。ただし、 团圆 を「丸い物なら何でもよい」という形容詞として使うわけではありません。月の丸さに、家族が欠けずに集まる願いを重ねると、その語の役割が見えてきます。 月餅の中身は、地域や作り方によって違います。木の実や蓮の実の餡、塩漬け卵の黄身など、いろいろな種類があります。丸い形のイメージは、ひとつの味だけを指すものではありません。贈り物としてやりとりされることも、中秋の暮らしの一部です。 月には、 嫦娥 が昇った話や、兎が薬をつく話もあります。日本にも月の兎の話がありますが、餅をつく姿として親しまれています。同じ月を見上げる話が伝わっても、そこで何をしていると語るかには違いが生まれます。 家族がその日に集まれなくても、離れた場所で同じ月を見るという思い方があります。団円を、実際に全員が一か所にいるという事実だけでなく、集まりたいという願いとも結び付けて読みます。そうすると、行事や詩の言葉が理解しやすくなります。 团圆 は団子の名前ではありません。月餅という食べ物の名は 月饼 です。食べ物の丸さと、家族が集う意味が重なっているのであって、二語が同じ物を指すわけではありません。 七夕と重陽、日本との違い 七夕 は旧暦七月七日です。織女と牽牛が会う物語に結び付き、中国では恋人たちの行事としても親しまれています。日本の七夕と同じ物語につながっていても、短冊などの習慣まで同じではありません。日本の七夕の日付にも地域による違いがあります。 重阳节 は旧暦九月九日です。高い所へ登るなどの習慣があり、年長者を敬うことや長寿にも結び付きます。 九 と 久 は同じ音なので、長く続くことを願う意味が重なります。数の形と音の両方が、行事の理解を助けます。 A 読み B 読み 違い 清明節 せいめいせつ お盆 おぼん 墓参りの面は似るが、時期や行い全体は同じでない 端午節 たんごせつ こどもの日 こどものひ 旧暦五月五日と太陽暦五月五日 中秋節 ちゅうしゅうせつ 十五夜の月見 じゅうごやのつきみ 同じ旧暦の月を祝っても、月餅と団子など食べ物が違う 中国の七夕 たなばた 日本の七夕 たなばた 物語を共有しつつ、恋人の行事や短冊など異なる形がある 比べるときは、「同じ」か「違う」かの一語で済ませず、暦、食べ物、物語、家族との関わりのどこを比べるかを決めます。一つの面が似ていても、ほかの面まで同じとは限りません。もとにつながりがある行事も、伝わった土地で別の形に育っていきます。 語表 中国語 意味 清明节 清明節 扫墓 墓を掃除し墓参りする 踏青 春の野へ出かける 端午节 端午節 粽子 ちまき 龙舟 龍舟 中秋节 中秋節 月饼 月餅 团圆 離れていた家族などが集うこと 七夕 七夕 重阳节 重陽節 屈原 屈原 艾草 よもぎ 嫦娥 嫦娥 清明节・扫墓・端午节・粽子・龙舟・中秋节・月饼・团圆 を▶で聞き、すぐ同じ高さで言ってください。行事名と、その日にする動作や食べ物を一組にします。 練習 音読: 清明节 ・ 扫墓 ・ 端午节 ・ 粽子 ・ 龙舟 ・ 中秋节 ・ 月饼 ・ 团圆 を、▶の手本に続けて読んでください。行事名と、その日にする動作や食べ物を一組にして言います。 清明の墓参り、端午の食べ物、競漕の舟、中秋の食べ物を、中国語で書いてください。 中秋を過ごす場面で、月を見る、月餅を食べる、家族で集まる、の三つを短い中国語で書いてください。 月餅を食べた経験があることと、ちまきは食べた経験がないことを、 过 で書いてください。主語は省いてかまいません。経験を表す文 她经历过许多困难。 [3] の動詞と内容を、食べ物の経験に替えます。否定には 没 を使います。 競漕に勝った後の一言を、主語を「私たち」にして書いてください。勝つことを言う 赢 を使います。 汤姆胜利了。 [4] の 胜利 を使う言い方とも比べます。 你看了比赛吗? [2] の「試合」を「龍舟の試合」に替えてください。 清明・端午・中秋・七夕・重陽の日付と主な行いを組にしてください。どの暦を使うかも書きます。 清明だけ太陽暦の日付がほぼそろう理由を説明してください。端午はどの人物とつながるか、ちまきと舟の由来の話も添えます。 戻り語 前の語編(3.20〜3.22)で学んだ語を使って書きます。最初の二問は龍舟の競漕です。「私たちのチームが龍舟の試合に勝った」のような文を書いてみましょう。続く問いでは、節句の休みの過ごし方や、学校の語を使います。答えの見本には、この課までに習っていない形を含む文もあります。 比赛 ・ 赢 ・ 观众 を使い、それぞれ中国語の文を一つ書いてください。 输 ・ 胜利 ・ 选手 を使い、それぞれ中国語の文を一つ書いてください。 果汁 ・ 可乐 ・ 香蕉 を使い、それぞれ中国語の文を一つ書いてください。 沙发 ・ 空调 ・ 班级 を使い、それぞれ中国語の文を一つ書いてください。 经验 ・ 留学 ・ 功课 を使い、それぞれ中国語の文を一つ書いてください。 この課のまとめ 清明は太陽の節気、端午と中秋は旧暦の日付で決まります。清明には墓参りと野遊び、端午には屈原に結び付く物語、中秋には団円の願いがあります。日本との比較では、暦と行いを分けて見ましょう。 次の課へ 次の10.22「食 — 八大菜系と、食卓の作法」では、地域の料理と食卓の言葉を見ます。味の違いと、円卓でのふるまいを結び付けます。 答え 扫墓・粽子・龙舟・月饼 。 看月亮。 吃月饼。 家人团圆。 吃过月饼。 没吃过粽子。 我们赢了! 試合に勝った喜びの一言としては、これが自然です。 我们胜利了。 とも言えますが、「勝利した」に近い改まった響きになります。 你看了龙舟比赛吗? 清明は太陽の節気で四月初めごろ、墓参りと野遊び。端午は旧暦五月五日、ちまきと龍舟。中秋は旧暦八月十五日、月見と月餅。七夕は旧暦七月七日、織女と牽牛の物語や恋人の行事。重陽は旧暦九月九日、高所へ登ることや長寿に結び付きます。 清明は太陽の位置による二十四節気の一つだからです。端午には屈原を舟で探し、魚からその体を守るため米を投げたという話が伝わり、龍舟とちまきに結び付けられています。 例: 我们赢了龙舟比赛。 / 我们终于赢了。 / 岸上有很多观众。 例: 这次龙舟比赛我们输了。 / 我们希望下次取得胜利。 / 那些选手划得很快。 我喝了很多果汁。 [5] 他们喝可乐。 [6] 那个,是香蕉。 [7] 我坐在沙发上。 [8] 我们的车配备了空调。 [9] 新的班级怎么样? [10] 他经验丰富。 [11] 她决定到国外留学。 [12] 我厌倦了功课。 [13] 参考文献 Tatoeba 文 #2605636( 比赛几点开始? )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/2605636 Tatoeba 文 #834409( 你看了比赛吗? )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/834409 Tatoeba 文 #337235( 她经历过许多困难。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/337235 Tatoeba 文 #4956754( 汤姆胜利了。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/4956754 Tatoeba 文 #8891567( 我喝了很多果汁。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/8891567 Tatoeba 文 #7835069( 他们喝可乐。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/7835069 Tatoeba 文 #13605607( 那个,是香蕉。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/13605607 Tatoeba 文 #347220( 我坐在沙发上。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/347220 Tatoeba 文 #785127( 我们的车配备了空调。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/785127 Tatoeba 文 #8756332( 新的班级怎么样? )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/8756332 Tatoeba 文 #348923( 他经验丰富。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/348923 Tatoeba 文 #604482( 她决定到国外留学。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/604482 Tatoeba 文 #926788( 我厌倦了功课。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/926