8.9 The Four Seasons — 天気と季節 — Epoché
この篇でできるようになること 英語だけで書かれた 309 語の文章を、辞書を引かずに最後まで読める。 天気の it と、何かを指す it を、原文の中で見分けられる。 天気は it を主語にしても、天気そのものを主語にしても言えることが分かる。 309 語を 1 分あたり 120 語(2 分 34 秒)で読み切れる。 前提 : 8.8 まで。 読編「読」の第 9 篇です。語り手は 8.1 読編 〜 8.7 読編 と同じケン。こんどは天気と季節の話で、309 語あります。第 1 篇は 251 語でしたから、58 語ぶん長くなりました。第 16 篇では 350 語ほどになります。 この篇で宣言した帯の外の語は 14 語です。うち 9 語が題の語—— weather (1,068 番)・ season (750 番)・ spring (1,332 番)・ summer (654 番)・ winter (1,328 番)・ rain (1,232 番)・ snow (1,950 番)・ cold (867 番)・ hot (885 番)。残りの 5 語( river ・ park ・ bridge ・ mountain ・ coat )は 8.3 読編 と 8.4 読編 で宣言した町と持ち物の語をそのまま引き継いだものです。同じ町・同じ人の話を続けているので、宣言の数は篇が進んでも増えつづけません。 宣言した 14 語は、これまででいちばん多い数です(8.4 の 9 語を上回りました)。けれども減らしようがありません。 天気と季節については、いちばん先に要る語がまるごと帯の外にあります。 同じことは 5.6 聞編 でも数えました。あちらは聞く側の課で、 weather ・ spring ・ rain ・ cold ・ hot の五語を先に渡す形を取りました。この篇は読む側なので、四つの季節と雪も足して 9 語を宣言します。 帯の中に何が残っているかを見ると、落ち方の筋が見えます。この篇に出てくる、一年と一日を区切る語は 8 語。どれも帯 600 の中にあります—— time 49 番・ year 58 番・ day 85 番・ month 209 番・ night 270 番・ light 349 番・ morning 434 番・ air 542 番。 入れ物のほうは中に残り、その入れ物を満たす天気の名前だけが外へ落ちる のです。 8.5 読編 で見た「どの分野の文章にも顔を出す語ほど上に来る」という並び方が、ここでも同じ形で起きています。だから、宣言した語さえ渡してしまえば、あとは帯の中の year ・ month ・ day ・ night と前置詞だけで、一年ぶんの話が最初から最後まで書けます。 宣言した 14 語の顔ぶれも見ておきます。「カタカナとの差」の欄が埋まっている 11 語は カタカナの相棒が語彙表に載っている語 です。欄が「—」の 3 語は、相棒が載っていないというだけで、耳になじみが無いという意味ではありません。CEFR-J でも 13 語がいちばんやさしい A1 に置かれていて、外れているのは season の一語(B1)だけです。春・夏・秋・冬そのものはやさしい語で、それを一つにまとめて呼ぶ語のほうが後から要る——そういう並びになっています。 summer en 帯の順位 654 番 カタカナとの差 サマー → ●○ (3 拍を 2 音節に) Summer is long and very hot. 夏は長くて、とても暑いです。 Summer is coming to an end. [1] 夏は終わりに近づいている。 park en 帯の順位 657 番 カタカナとの差 パーク → ● (3 拍を 1 音節に) The park is open again, and the students who read at the back of my shop want to sit outside. 公園がまた開いて、店のうしろのほうで本を読む生徒たちは外にすわりたがります。 People come over the bridge to the park to look at the mountains, and after that some of them come into my shop. 人々は橋を渡って公園へ山を見に来て、そのあと何人かはわたしの店に入ってきます。 season en 帯の順位 750 番 カタカナとの差 シーズン → ●○ (4 拍を 2 音節に) There are four seasons in my town, and they are not the same. わたしの町には四つの季節があり、どれも同じではありません。 The rainy season has set in. [2] 梅雨に入った。 cold en 帯の順位 867 番 カタカナとの差 コールド → ● (4 拍を 1 音節に) Then the cold comes down from the mountains. そのあと、寒さが山から下りてきます。 Winter is cold and long. 冬は寒くて長いです。 hot en 帯の順位 885 番 カタカナとの差 ホット → ● (3 拍を 1 音節に) It is not hot yet, and I still wear my black coat. まだ暑くはなくて、わたしはあの黒い上着をまだ着ています。 The air does not move between the mountains, and it is hot at night too. 山にはさまれて空気が動かず、夜も暑いままです。 weather en 帯の順位 1,068 番 カタカナとの差 — The mountains stand close on both sides, so the weather here changes often. 山が両側に迫って立っているので、ここの天気はよく変わります。 My father says that this town keeps its own weather under the mountains. 父は、この町は山の下に自分だけの天気をかかえている、と言います。 river en 帯の順位 1,176 番 カタカナとの差 リバー → ●○ (3 拍を 2 音節に) The snow on the mountains goes, and for a month the river runs high and full. 山の雪が消え、ひと月のあいだ川は水かさを増して流れます。 I keep the door of the shop open all day, but I do not go down to the river until the light goes. 店の戸は一日じゅう開けたままにしますが、明かりが消えるまで川へは下りていきません。 rain en 帯の順位 1,232 番 カタカナとの差 レーン → ● (3 拍を 1 音節に) In the morning it is clear, and by night it rains. 朝は晴れていて、夜になるころには雨が降っています。 It rains for days, and then the hot days come back. 何日も雨が降り、そのあとまた暑い日がもどってきます。 mountain en 帯の順位 1,245 番 カタカナとの差 マウンテン → ●○ (5 拍を 2 音節に) People come over the bridge to the park to look at the mountains, and after that some of them come into my shop. 人々は橋を渡って公園へ山を見に来て、そのあと何人かはわたしの店に入ってきます。 Then the cold comes down from the mountains. そのあと、寒さが山から下りてきます。 winter en 帯の順位 1,328 番 カタカナとの差 — Every year I say the same thing about winter: that it is too long. 毎年わたしは冬について同じことを言います——長すぎる、と。 In winter, it snows a lot. [3] 冬は雪が多いよ。 spring en 帯の順位 1,332 番 カタカナとの差 スプリング → ● (5 拍を 1 音節に) Spring comes late. 春は遅れて来ます。 I feel spring in the air. [4] 春らしくなってきましたね。 bridge en 帯の順位 1,546 番 カタカナとの差 ブリッジ → ● (4 拍を 1 音節に) People come over the bridge to the park to look at the mountains, and after that some of them come into my shop. 人々は橋を渡って公園へ山を見に来て、そのあと何人かはわたしの店に入ってきます。 What a long bridge it is! [5] それは何と長い橋だろう。 coat en 帯の順位 1,863 番 カタカナとの差 コート → ● (3 拍を 1 音節に) I stood at the door of the shop in my black coat and watched it fall. わたしは黒い上着を着て店の戸口に立ち、それが降るのを見ていました。 I gave my coat a brush. [6] 私は上着にブラシをかけた。 snow en 帯の順位 1,950 番 カタカナとの差 — The snow closes the road to the next city, and few people are out on the street. 雪が隣の市への道をふさぎ、通りに出ている人はほとんどいません。 My mother says that she wants to live in a place where it does not snow. 母は、雪の降らない土地に住みたい、と言います。 読む前に 語り手はケン、二十歳。山にはさまれた小さな市で母・父と三人で住み、駅から川へ下りていく通りの本屋で働いています( 8.1 読編 〜 8.7 読編 の続きです)。店は週に六日開いていて、休みは日曜だけ。母は町の学校の先生、父は隣の市の会社へ電車で通っています。 起こることはこれだけです。町の一年が春から冬へ一めぐりする。春に山の雪が消えて川の水かさが増し、夏は山にはさまれて空気が動かず、秋は雨がやんで人が山を見に来て、冬は雪が隣の市への道をふさぐ。そして最後の段落だけ、話が昨夜の一日へ降ります。 はじめの 5 段落は 一年のどこかではなく、毎年そうなること を語っています。だから動詞は今の形のままです。最後の段落で初めて過ぎた形が出てきて( snowed ・ stood ・ watched )、話が一夜に絞られます。この篇には過ぎた形が 5 語、それも最後の段落にしか出てきません。 読みどころは 主語の席 です。日本語は「寒い」「雨だ」「晴れている」と、主語を言わずに天気を言えます。英語はそれができません。文には主語の席があり、空けたままにできないからです。そこで、指すもののない it を置きます。この篇には天気の it が 7 か所出てきます。いっぽう、ふつうに何かを指す it も 2 か所あります。読みながら、その it が何を指しているのかを一つずつ考えてみてください。指す先が見つからなければ、それが天気の it です。使われている型は型編の 8 課の範囲だけです。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。6 段落・24 文・309 語で、どの段落も四文ずつです。冒頭はこう始まります。 There are four seasons in my town, and they are not the same. 先に原文だけを、辞書も訳も見ずに最後まで読んでください。分からないところがあっても止まらず、最後まで行ってから戻ります。それが済んでから、下の「語釈」「構文の骨」「訳」を見ます。この順を守ってください。訳を先に見ると、訳を読んで英語を読まない癖がつきます。 語釈 この篇に範囲外の語は 0 語です。下の 14 語は 知っているのに文の中で意味が動く語 で、どれも帯 600 の中にあります。「この文ではこの意味」という形で確かめてください。 same en 形容詞 同じ。 they are not the same は「四つの季節はどれも同じではない」。最後の段落の the same thing は「毎年おなじ文句」で、こちらは繰り返しのほう There are four seasons in my town, and they are not the same. わたしの町には四つの季節があり、どれも同じではありません。 Every year I say the same thing about winter: that it is too long. 毎年わたしは冬について同じことを言います——長すぎる、と。 clear en 形容詞 濁りが無い。 it is clear は空の話で「晴れている」、 the air is clear は空気の話で「澄んでいる」。カタカナの「クリア」は課題を片づけるという意味で使うことが多いが、この語の芯は濁りが無いほう In the fall the rain stops and the air is clear. 秋になると雨がやみ、空気が澄みます。 I need to clear my head. [7] アタマ、スッキリさせなきゃ。 run en 動詞 (川が)流れる。 th