3.5 否定 nicht/kein — Epoché
この 課 か でできるようになること 日本語 にほんご の「〜ない」 一 ひと つに 対し たいし て、ドイツ 語 ご が nicht と kein の 二 ふた つを 当てる あてる ことを 知り しり 、 名詞 めいし なら kein 、それ 以外 いがい なら nicht と 使い分け つかいわけ られる。 nicht を 文 ぶん のどこに 置く おく か—— 文末 ぶんまつ が 原則 げんそく 、 否定 ひてい したい 語 ご の 直前 ちょくぜん で 部分 ぶぶん 否定 ひてい ——を 実 じつ 文 ぶん で 見 み て、 自分 じぶん の 文 ぶん に 当てはめ あてはめ られる。 nichts ・ niemand ・ nie と、 否定 ひてい の 問い とい への doch を 使える つかえる 。 前提 ぜんてい : 3.4( 疑問 ぎもん 文 ぶん ) 2.2 で kein ( 名詞 めいし の 否定 ひてい )を 表 ひょう にしました。この 課 か で 否定 ひてい を 全部 ぜんぶ そろえます。 日本語 にほんご の 否定 ひてい は 動詞 どうし の 語尾 ごび (〜ない) 一 いち か所 かしょ で 済み すみ ますが、ドイツ 語 ご は 何 なん を 否定 ひてい するかで 語 ご が 変わり かわり 、しかも 置く おく 場所 ばしょ に 規則 きそく があります。 学習 がくしゅう 者 しゃ の 否定 ひてい 文 ぶん の 誤り あやまり は、ほとんどがこの 二 に 点 てん —— nicht か kein か、そして nicht をどこに 置く おく か——に 集まり あつまり ます。 型 かた の 骨格 こっかく — nicht と kein ドイツ 語 ご 日本語訳 にほんごやく 型 かた Ich brauche es nicht. [1] いらないです。 nicht が 文末 ぶんまつ 。 動詞 どうし を 否定 ひてい Das ist nicht gut. [2] これはダメだよ。 nicht が 形容 けいよう 詞 し の 前 まえ Ich habe kein Auto. [3] 私 わたくし は 車 くるま を 持っ もっ ていません。 kein が 名詞 めいし の 前 まえ ( 形 かたち 編 へん 2 課 か ) Ich brauche kein Geld. [4] お 金 かね はいらない。 kein が 無 む 冠詞 かんし の 名詞 めいし の 前 まえ 否定 ひてい するもの 語 ご と 置く おく 場所 ばしょ 例 れい 名詞 めいし ( 無 む 冠詞 かんし ・ ein 付き つき ) kein 名詞 めいし の 前 まえ ( 冠詞 かんし の 位置 いち ) kein Auto 、 keine Zeit 動詞 どうし ・ 文 ぶん 全体 ぜんたい nicht 文末 ぶんまつ ( 動詞 どうし の 後ろ うしろ 、 目的 もくてき 語 ご の 後ろ うしろ ) Ich brauche es nicht. 形容 けいよう 詞 し ・ 副詞 ふくし ・ 場所 ばしょ nicht その 語 ご の 直前 ちょくぜん nicht gut 、 nicht hier 定冠詞 ていかんし ・ 所有冠詞 しょゆうかんし つきの 名詞 めいし nicht その 名詞 めいし 句 く の 直前 ちょくぜん nicht das Auto 、 nicht mein Auto まず kein か nicht か。 否定 ひてい される 語 ご が、 無 む 冠詞 かんし か ein 付き つき の 名詞 めいし なら kein 。それ 以外 いがい —— 動詞 どうし 、 形容 けいよう 詞 し 、 副詞 ふくし 、そして 定冠詞 ていかんし や 所有冠詞 しょゆうかんし の 付い つい た 名詞 めいし ——は nicht 。 Ich habe ein Auto. の 否定 ひてい は Ich habe kein Auto. 、 Das ist mein Auto. の 否定 ひてい は nicht mein Auto 。 名詞 めいし の 前 まえ に ein が 立てる たてる 場所 ばしょ なら kein 、 立て たて ない 場所 ばしょ なら nicht 、と 言い いい 換えることもできます。 nicht をどこに 置く おく か nicht の 位置 いち は、 日本語話者 にほんごわしゃ が 最も もっとも 迷う まよう ところです。 原則 げんそく は 二 ふた つで 足り たり ます。 ① 文 ぶん 全体 ぜんたい を 否定 ひてい するときは、できるだけ 後ろ うしろ ( 文末 ぶんまつ )に 置く おく 。 Ich brauche es nicht. (それは 要ら いら ない)、 Ich kenne ihn nicht. ( 彼 かれ を 知ら しら ない)、 Ich sehe ihn nicht. ( 彼 かれ が 見え みえ ない)。 日本語 にほんご の「〜ない」が 文末 ぶんまつ にあるのと 同じ おなじ 位置 いち です。 目的 もくてき 語 ご ( es ・ ihn )の 後ろ うしろ に nicht が 来る くる ことに 注意 ちゅうい してください。 英語 えいご の don't のように 動詞 どうし の 前 まえ には 置き おき ません。 ② 特定 とくてい の 語 ご だけを 否定 ひてい するときは、その 語 ご の 直前 ちょくぜん に 置く おく 。 Das ist nicht gut. (それは 良く よく ない—— gut を 否定 ひてい )、 Sie ist nicht hier. ( 彼女 かのじょ はここにいない—— hier を 否定 ひてい )、 Sie ist nicht groß. ( 彼女 かのじょ は 背 せ が 高く たかく ない)。 形容 けいよう 詞 し ・ 副詞 ふくし ・ 場所 ばしょ ・ 定冠詞 ていかんし つきの 名詞 めいし は、この 形 かたち で 否定 ひてい します。 文末 ぶんまつ に「 動詞 どうし の 一部 いちぶ 」が 来る くる とき(3.11 の 分離動詞 ぶんりどうし 、3.12 の 助 じょ 動詞 どうし と 原形 げんけい )は、 nicht はその 直前 ちょくぜん です—— Er kann nicht schwimmen. ( 彼 かれ は 泳げ およげ ない)、 Ich kann nicht schlafen. ( 眠れ ねむれ ない)。 ①と②の 違い ちがい が 意味 いみ を 変える かえる ことがあります。 Ich arbeite heute nicht. ( 今日 きょう は 働か はたらか ない—— 文 ぶん 全体 ぜんたい の 否定 ひてい )と Ich arbeite nicht heute. ( 今日 きょう ではなく 別 べつ の 日 ひ に 働く はたらく —— heute だけの 否定 ひてい )。 後者 こうしゃ は「 今日 きょう ではなく、 明日 あす 」と 続く つづく 言い いい 方 かた で、 nicht の 直後 ちょくご の 語 ご だけが 打ち消さ うちけさ れています。 日本語 にほんご で「 今日 きょう は 働か はたらか ない」と「 今日 きょう じゃなくて 働く はたらく 」を 分ける わける のと 同じ おなじ 区別 くべつ です。 日本語 にほんご ならどう 言う いう か 日本語 にほんご の 否定 ひてい は 一 いち か所 かしょ —— 動詞 どうし の 語尾 ごび ——に 集まり あつまり ます。「 車 くるま を 持っ もっ ていない」「 良く よく ない」「ここにいない」「 今日 きょう は 働か はたらか ない」。すべて「〜ない」。ドイツ 語 ご では、その「ない」が 何 なん にかかっているかを 語 ご の 選択 せんたく と 位置 いち で 示す しめす ことになります。だから 日本語 にほんご から 訳す やくす ときは、「ない」を 見 み たら 二 ふた つ 問い とい ます。① 打ち消し うちけし ているのは 名詞 めいし か(なら kein )、それ 以外 いがい か(なら nicht )。② 文 ぶん 全体 ぜんたい か(なら 文末 ぶんまつ )、 一 いち 語 ご だけか(ならその 語 ご の 前 まえ )。 日本語話者 にほんごわしゃ に 有利 ゆうり なのは、①の 文末 ぶんまつ の nicht が 日本語 にほんご の「〜ない」と 同じ おなじ 位置 いち にあることです。 Ich kenne ihn nicht. 「 私 わたくし は・ 知っ しっ ている・ 彼 かれ を・ない」。 語順 ごじゅん どおりに 読み下せ よみくだせ ば 日本語 にほんご になります。 英語 えいご の I don't know him. のように 否定 ひてい が 動詞 どうし の 前 まえ に 割り込む わりこむ のと 違い ちがい 、ドイツ 語 ご の 否定 ひてい は 文 ぶん の 終わり おわり で 落とす おとす 。 日本語 にほんご の 文 ぶん の 作り つくり 方 かた に 近い ちかい 。 不利 ふり なのは kein です。 日本語 にほんご には「 名詞 めいし を 否定 ひてい する 冠詞 かんし 」が 無く なく 、「 車 くるま を 持っ もっ ていない」を「 無い ない 車 くるま を 持っ もっ ている」とは 決して けっして 言い いい ません。だから kein は 理屈 りくつ で 覚える おぼえる より、 Ich habe kein Auto. 、 Ich habe keine Zeit. 、 Ich habe keinen Hunger. のような 型 かた を 丸 まる ごと 覚える おぼえる ほうが 早い はやい 。 haben + kein + 名詞 めいし で「〜が 無い ない 」。 もう 一 ひと つ、 答え こたえ 方 かた のずれがあります。 否定 ひてい の 問い とい Hast du keine Angst? ( 怖く こわく ないの?)に、 日本語 にほんご では「はい( 怖く こわく ない)」「いいえ( 怖い こわい )」と、 問い とい に 合わせ あわせ て 答え こたえ ます。ドイツ 語 ご では 事実 じじつ に 合わせ あわせ て 答え こたえ 、しかも「いや、 怖い こわい 」には 専用 せんよう の 語 ご Doch. があります。 Nein. は「 怖く こわく ない」、 Doch. は「いや、 怖い こわい 」。 日本語 にほんご の「はい」を Ja と 訳す やくす と、 逆 ぎゃく の 意味 いみ になる 場面 ばめん です。 よくある 誤り あやまり 誤り あやまり 正しい ただしい 形 かたち なぜ Ich habe nicht Zeit. Ich habe keine Zeit. ( 時間 じかん がありません。) 無 む 冠詞 かんし の 名詞 めいし は kein Ich nicht kenne ihn. Ich kenne ihn nicht. 文 ぶん 全体 ぜんたい の 否定 ひてい は 文末 ぶんまつ 。 動詞 どうし の 前 まえ に 置か おか ない Das ist gut nicht. Das ist nicht gut. 形容 けいよう 詞 し は 直前 ちょくぜん で 否定 ひてい Er kann schwimmen nicht. Er kann nicht schwimmen. 文末 ぶんまつ の 原形 げんけい の 直前 ちょくぜん kein das Auto das Auto nicht 定冠詞 ていかんし つきの 名詞 めいし は nicht ( kein は 付か つか ない) 広げる ひろげる — nichts ・ niemand ・ nie と、 二 に 重 じゅう 否定 ひてい をしない 「 何 なん も〜ない」「 誰 だれ も〜ない」「 決して けっして 〜ない」は、それぞれ 一 いち 語 ご で 言い いい ます。 nichts ( 何 なん も)、 niemand ( 誰 だれ も)、 nie ( 決して けっして )。 Da ist nichts. (そこには 何 なん も 無い ない )、 Da war niemand. ( 誰 だれ もいなかった)、 Er lügt nie. ( 彼 かれ は 決して けっして 嘘 うそ をつかない)。これらの 語 ご 自体 じたい が 否定 ひてい なので、 nicht を 重ね かさね ません 。 日本語 にほんご の「 何 なん も〜ない」は「 何 なん も」と「ない」の 二 ふた つで 一 ひと つの 否定 ひてい ですが、ドイツ 語 ご は nichts だけで 済み すみ 、 nichts nicht とは 言い いい ません。 Das macht nichts. (かまわないよ=それは 何 なん も 作ら つくら ない)は、この 課程 かてい の 会話 かいわ 編 へん で 何 なん 度 ど も 出る でる 言い いい 回しです。 否定 ひてい を 強める つよめる には gar nicht ( 全然 ぜんぜん 〜ない)、 überhaupt nicht (まったく〜ない)、まだなら noch nicht (まだ〜ない)。 Das ist überhaupt nicht schlecht. ( 全然 ぜんぜん 悪く わるく ないよ)。 副詞 ふくし は nicht の 前 まえ に 付き つき ます。 この 課 か で 使う つかう 型 かた — 形 かたち 編 へん ・ 型 がた 編 へん の 復習 ふくしゅう ein の 仲間 なかま の 語尾 ごび ( 形 かたち 編 へん 2 課 か )— kein Auto ( 中性 ちゅうせい 4 格 よんかく 、 語尾 ごび なし)、 keine Zeit ( 女性 じょせい 4 格 よんかく