6.40 탈출기(脱出記) — Epoché
前提 ぜんてい : 6.39 まで。 この 篇 へん でできるようになること 友 とも の 手紙 てがみ 、 自分 じぶん の 返事 へんじ 、 隣人 りんじん の 声 こえ を、 呼びかけ よびかけ と 内容 ないよう から 分け わけ られる。 反語 はんご ・ 意志 いし ・ 推量 すいりょう を 読み よみ 、 縮まっ ちぢまっ た 形 かたち を 元 もと の 形 かたち に 戻せる もどせる 。 家族 かぞく の 仕事 しごと と、 家 いえ を 出る でる までの 考え かんがえ を、 本文 ほんぶん の 語 ご で 短く みじかく 述べ のべ られる。 呼びかけ よびかけ で 区切っ くぎっ て 聞き きき 、 音 おと の 変化 へんか に 注意 ちゅうい して 読める よめる 。 この 文章 ぶんしょう について 崔 さい 曙海 あけみ の『 脱出 だっしゅつ 記 き 』は、「 私 わたくし 」が 金 きん 君 くん に 家 いえ を 出 で た 理由 りゆう を 伝える つたえる 手紙 てがみ です。 先 さき に 友 とも の 手紙 てがみ を 引き ひき 、それに 返事 へんじ をする 形 かたち になっています。 金 きん 君 くん への 呼びかけ よびかけ で 立ち止まり たちどまり 、 誰 だれ の 言葉 ことば を 読ん よん でいるかを 確かめ たしかめ ましょう。 物語 ものがたり には 厳しい きびしい 飢え うえ 、 暴力 ぼうりょく 、 家族 かぞく を 失う うしなう 恐れ おそれ が 描か えがか れます。「 私 わたくし 」が 自分 じぶん の 選択 せんたく をどう 説明 せつめい するかと、 残さ のこさ れる 家族 かぞく への 思い おもい がどう 表れる あらわれる かを 分け わけ て 読み よみ ます。×× 団 だん や× 線 せん の 伏せ字 ふせじ は、その 形 かたち のまま 追い おい ます。 語釈 ごしゃく — 食べ たべ ていくための 仕事 しごと 語 ご この 文章 ぶんしょう の 意味 いみ 간도 ・ 오랑캐령 間島 まじま ・オランケ 嶺 みね 。 故郷 こきょう から 移り住む うつりすむ 土地 とち と、 途中 とちゅう で 越える こえる 峠 とうげ 。 도조 ・ 타조 定め さだめ た 額 がく を 納める おさめる 小作 こさく ・ 収穫 しゅうかく の 分け前 わけまえ を 納める おさめる 小作 こさく 。 온돌장이 ・ 삯김 ・ 삯방아 床 ゆか 暖房 だんぼう を 直す なおす 職人 しょくにん ・ 賃 ちん 仕事 しごと の 草取り くさとり ・ 賃 ちん 仕事 しごと の 穀物 こくもつ つき。 삯 は 賃金 ちんぎん を 受け うけ て 働く はたらく ことに 関わり かかわり ます。 대구어 ・ 비지 ・ 두붓물 たら・おから・ 豆腐 とうふ づくりの 汁 しる 。 物 もの を 交換 こうかん し、 豆腐 とうふ を 作っ つくっ て 売る うる 場面 ばめん の 語 ご 。 충정 ・ 충고 ・ 탈가 真心 まごころ ・ 忠告 ちゅうこく ・ 家 いえ を 離れる はなれる こと。 友 とも への 感謝 かんしゃ と、 帰れ かえれ ないという 返事 へんじ の 間 あいだ をつなぐ 語 ご 。 칩구나 ・ 애닯다 底本 ていほん の 字 じ 。ふつうは 춥구나 ・ 애달프다 。 寒 さむ さへの 声 こえ と、 切ない せつない 思い おもい を 示し しめし ます。 文法 ぶんぽう メモ — 問い とい で 強く つよく 伝える つたえる 감사치 の 치 は 하지 が 縮まっ ちぢまっ た 形 かたち です。 하 の 母音 ぼいん が 落ち おち 、 残る のこる ㅎ と ㅈ が 合わさっ あわさっ て ㅊ になります。 케 でも 同じ おなじ ように ㅎ と ㄱ が ㅋ になります。 型 かた 編 へん 22 課 か の 縮約 しゅくやく と、 型 かた 編 へん 24 課 か の 하다 の 語 ご を 結びつけ むすびつけ て 考え かんがえ ましょう。 감사치 않으랴 は「どうして 感謝 かんしゃ しないだろうか」と 問い とい 、 感謝 かんしゃ する 気持ち きもち を 強め つよめ ます。 否定 ひてい の 形 かたち を 含む ふくむ 問い とい でも、そのまま「 感謝 かんしゃ しない」という 結論 けつろん にはせず、 前 まえ の 真心 まごころ への 応答 おうとう を 読み よみ ます。 동량이 없는 집이 어디 있으랴 は「 棟梁 とうりょう のない 家 いえ がどこにあろうか」。ここでは 家族 かぞく を 支える ささえる 人 ひと を 家 いえ の 柱 はしら にたとえています。 問いかけ といかけ は、 相手 あいて に 考え かんがえ を 受け止め うけとめ させる 形 かたち です。 건설하리라 は、 自分 じぶん の 理想 りそう を 実現 じつげん しようという 決意 けつい です。 부인치는 못하리라 は、 相手 あいて が 否定 ひてい できないだろうという 見込み みこみ 。 誰 だれ について 何 なん を 決め きめ 、 何 なん を 予測 よそく するのかを 文脈 ぶんみゃく で 分け わけ ます。 탈출케 하였으며 は「 家 いえ を 出る でる ようにさせ、」、 알릴 뿐이다 は「 知ら しら せるだけだ」、 될는지 は「なるだろうか」。 最後 さいご の 넘치누나 は「 胸 むね にあふれているなあ」と 感情 かんじょう を 言い表し いいあらわし ます。 読み よみ どころ — 働く はたらく ことと 責め せめ られること 友 とも は「 賛成 さんせい できない」、 書き手 かきて は「 受け取れ うけとれ ない」「 忠告 ちゅうこく に 従え したがえ ない」と 返し かえし ます。 同じ おなじ 不 ふ 可能 かのう の 形 かたち でも、 断っ ことわっ ている 対象 たいしょう が 違い ちがい ます。 行頭 ぎょうとう の 引用 いんよう の 印 しるし は 友 とも の 声 こえ だけでなく、 自分 じぶん の 昔 むかし の 理想 りそう や、 隣人 りんじん の 嘲り あざけり にも 付き つき ます。 印 しるし に 加え くわえ 、 呼び名 よびな と 前後 ぜんご の 説明 せつめい で 話者 わしゃ を 確かめ たしかめ ます。 蜜柑 みかん の 皮 かわ を 見 み たとき、 妻 つま への 疑い うたがい は、 自分 じぶん を 責める せめる 思い おもい に 変わり かわり ます。 豆腐 とうふ づくりでは、 石臼 いしうす を 回す まわす 体 からだ の 苦し くるし さと、 汁 しる がうまく 固まら かたまら ない 日 ひ の 家族 かぞく の 落胆 らくたん がつながります。 薪 たきぎ の 場面 ばめん では、 高い たかい 岩 いわ を 利用 りよう しなければ 二人 ふたり とも 荷 に を 運べ はこべ ない。その 細か こまか な 動作 どうさ が、 暮らし くらし の 重 おも さを 示し しめし ます。 「 私 わたくし 」は 勤勉 きんべん なら 報わ むくわ れるという 格言 かくげん を、 自分 じぶん たちの 暮らし くらし で 疑い うたがい 、 制度 せいど への 批判 ひはん へ 進み すすみ ます。しかし 家 いえ を 出る でる 選択 せんたく を 説明 せつめい し 終え おえ ても、 家族 かぞく への 情 じょう は 残り のこり ます。 論 ろん を 言い切る いいきる ことと、 苦しみ くるしみ が 消える きえる ことの 違い ちがい を 最後 さいご の 一行 いっこう で 確かめ たしかめ ましょう。 6.31〜6.40 の 読み物 よみもの を 振り返る ふりかえる と、 三 さん 人称 にんしょう の 叙述 じょじゅつ 、 一 いち 人称 にんしょう 、 枠 わく の 中 なか の 語り かたり 、 断章 だんしょう 、 手紙 てがみ がありました。6.37はPを 三 さん 人称 にんしょう で 語り かたり 、6.39は「 私 わたくし 」が 語り かたり ます。 語る かたる 位置 いち が 変わる かわる と、 読者 どくしゃ に 見える みえる ものも 変わり かわり ます。 対訳 たいやく 金 きん 君 くん 。 数 すう 度 ど の 手紙 てがみ は 喜ん よろこん で 受け取っ うけとっ た。しかし 私 わたくし は 一 いち 度 ど も 返事 へんじ を 書け かけ なかった。もちろん 君 きみ の 衷情 ちゅうじょう には 私 わたくし も 感謝 かんしゃ を 捧げる ささげる が、その 衷情 ちゅうじょう を 私 わたくし は 受け取る うけとる ことができない。 ―― 朴 ぼく 君 くん 。 私 わたくし は 君 きみ の 脱 だつ 家 いえ に 賛成 さんせい できない。 陰険 いんけん な 異域 いいき に 老い おい た 母 はは と 幼い おさない 妻子 さいし を 捨て すて て 出 で た 君 きみ の 行動 こうどう を、 私 わたくし は 賛成 さんせい できない。 朴 ぼく 君 くん 。 帰れ かえれ 。 早く はやく 家 いえ へ 帰れ かえれ 。 君 きみ の 父母 ふぼ と 妻子 さいし が 異域 いいき の 路頭 ろとう でさまよっているのを、 私 わたくし は 目 め の 前 まえ に 見る みる ようだ。 彼 かれ らが 頼れる たよれる ところは、ただ 君 くん の 懐 ふところ しかない。 君 きみ は 彼 かれ らを 救わ すくわ ねばならないはずだ。 君 きみ は 君 きみ の 家庭 かてい において 棟梁 とうりょう である。 棟梁 とうりょう のない 家 いえ がどこにあろうか。わずかな 苦痛 くつう で 家 いえ を 捨て すて て 出る でる ということは、 意志 いし が 固い かたい という 朴 ぼく 君 くん としては、あまりにも 薄弱 はくじゃく なしわざである。 君 きみ は×× 団 だん に 身 み を 投じ とうじ て× 線 せん に 立っ たっ たという 話 はなし を、 先日 せんじつ 、 黄 こう 君 くん から 聞き きき はしたが、そうだとしても 私 わたくし はそれを 是認 ぜにん できない。 家族 かぞく を 生かせ いかせ ない 力 ちから で、どうして 社会 しゃかい を 救えよう すくえよう 。 朴 ぼく 君 くん 。 私 わたくし は 君 きみ が 帰る かえる ことを 衷情 ちゅうじょう から 願う ねがう 。 君 きみ の 家族 かぞく が 人々 ひとびと の 足 あし の 下 もと で 踏みつけ ふみつけ られることを 思う おもう とき。 君 きみ の 胸 むね とてどうして 安らか やすらか であろうか。 金 きん 君 くん 。 君 きみ はこういう 言葉 ことば を 手紙 てがみ ごとに 書い かい たね。 私 わたくし は 君 きみ の 意 い をよく 分かっ わかっ た。 私 わたくし の 愛する あいする 私 わたくし の 家族 かぞく のために 同情 どうじょう してくれる 君 きみ に、 私 わたくし がどうして 感謝 かんしゃ しないだろうか。 情 じょう の 深い ふかい 友 とも の 忠告 ちゅうこく に、 私 わたくし はいつも 泣い ない た。しかしその 忠告 ちゅうこく を 聞く きく ことはできない。 聞か きか ないことが 君 きみ には 苦痛 くつう になるだろうか。 憤怒 ふんど になるだろうか。 私 わたくし にとっては 幸福 こうふく であるかもしれないからである。 金 きん 君 くん 。 私 わたくし も 人間 にんげん である。 情愛 じょうあい のある 人間 にんげん である。 私 わたくし の 命 いのち のような 私 わたくし の 家族 かぞく が 蹂躙 じゅうりん されることを、 私 わたくし がどうして 思わ おもわ ないだろうか。 私 わたくし の 苦痛 くつう を、 第 だい 三 さん 者 しゃ としては 万 まん 分 ぶん の 一 いち でも 感じる かんじる ことができないだろう。 私 わたくし はいまから、 私 わたくし が 脱 だつ 家 いえ した 理由 りゆう を 君 きみ に 話そう はなそう と 思う おもう 。これについて 同情 どうじょう するか 非難 ひなん するかは 君 きみ の 自由 じゆう である。 私 わたくし はただ、こうであるということを 君 きみ に 知ら しら せるだけである。 私 わたくし はこれを、 君 きみ でなければ 他 ほか の 人 ひと にでも 知ら しら せずにはいられない 衝動 しょうどう を 受ける うける からである。 しかし 私 わたくし は 断言 だんげん する。 君 きみ も 人間 にんげん なのだから、 私 わたくし の 言う いう ことを 否認 ひにん することはできないだろう。 金 きん 君 くん 。 私 わたくし が 故郷 こきょう を 離れ はなれ たのは 五 ご 年 ねん 前 まえ である。これは 君 きみ も 知っ しっ ている 事実 じじつ だ。 私 わたくし はそのとき、 母 はは と 妻 つま を 連れ つれ て 出 で た。 私 わたくし が 故郷 こきょう を 離れ はなれ て 間島 まじま へ 行っ いっ たのは、あまりにも 切迫 せっぱく した 生活 せいかつ にしなびた 身 み が、 新しい あたらしい 力 ちから を 得 え られるかと 思っ おもっ て 新しい あたらしい 希望 きぼう を 抱き いだき 、 新しい あたらしい 世界 せかい を 憧れ あこがれ て 出 で たのだということも、 君 きみ の 知っ しっ ている 事実 じじつ だ。 ―― 間島 まじま は 天府 てんぷ の 金湯 きんとう である。 肥え こえ た 土地 とち が