10.24 提案を通す — 数・反論・記録 — Epoché
この課でできるようになること ★ 数に、名前と日付を付けられる 。 ★ 反論を、自分で先に置ける 。 ★ 条件を、記録に書き入れさせられる 。 ★ 決定を、一行で残せる 。 前提 : 10.23 まで。論は 9.24 まで。読は 8.192 まで。語は 4.76 まで。 手本 ★ 手本は、 8.190 読編 の議事録 です。★ 一時間五分で三つが決まりました。 ★ その五つの手を取り出します。 一 — 数に、名前を付ける ★ 8.188 読編 の編者は、五十年ぶんの賃金の話をこう書きます。 In the United States wages have risen, with an additional gain in lower prices [1] ★ 「合衆国では賃金が上がり、値が下がったぶんの追加の得もあった」。 ★ このあとに、 だれの調べか が続きます。 どう書くか 会議でどうなるか ★ 「市場は伸びています」 ★ 「どこの数ですか」と問われる ★ 「だれの、いつの調べで」 ★ 次の問いに進める ★ 提案書に数を入れるときは、 名前と日付を一緒に 運んでください ( 9.22 論編 )。 ★ 出どころを書く一行で、 会議が五分短くなります 。 二 — 反論を、先に置く ★ 議事録の第 2 節で、委員がいちばん怖いことを問います。 A member asked what happens if the heating element fails in the first year [2] ★ 「一年めに加熱部が壊れたらどうなるか、と委員が問うた」。 ★ 答えは、 条文をその場で読み上げる でした。 Kenji Sato read out the terms [2] どう答えるか 何が起きるか ★ 「大丈夫です」 ★ 同じ問いが次の会でも出る ★ 条文を読み上げる ★ 問いが閉じる ★ 9.19 論編 で「反論は自分で連れてくる」と置きました。 ★ 仕事では、 連れてくるだけでなく答えの紙も持ってゆきます 。 ★三 — 条件を、記録に書き入れさせる ★ ここが、この課でいちばん大事なところ です。★ 議長は、 答えを聞いて終わりにしません 。 The chair asked that this date be written into the equipment record [2] ★ 「この日付を設備の記録に書き入れるように、と議長が求めた」。 ★ 理由も、その場に書いてあります ——★ 納品の日と保証の始まる日が違い、 すでに一度混乱を起こした から。 どこまでやるか 半年後どうなるか ★ 会議で確認する ★ だれも覚えていない ★ 議事録に書く ★ 探せば出てくる ★ 設備の記録に書き入れる ★ その機械を見た人が必ず見る ★ 三つめが、 いちばん強い です。 ★ 記録は、 探される場所に置いてはじめて効きます 。 四 — 決定を、一行にする Decision: an engineer from the maker will join for the first two days [2] ★ 「決定——製造元の技師が最初の二日間、加わる」。 ★ だれが、何を、いつ ——★ 一行に三つ 入っています( 9.24 論編 )。 ★ 提案した側が この一行を書いて渡す のが、いちばん速い です。★ 書かなければ、 書く人の言葉で残ります 。 五 — 次の会の議題に、載せる Prepare the June agenda, with the second unit as the first item [2] ★ 「六月の議題を用意する。二台めを最初の項目として」。 ★ 今回決まらなかったことが、 次の会の一番目 に指定されています ( 9.24 論編 )。 ★ 「次回また」ではなく、 「次回の一番目」 ——★ 順番まで決めると、 時間切れで流れません 。 型 ★ 提案を通す五つの手 を、 順に 置きます。 どの手か いつやるか 何を持ってゆくか 一 数に名を付ける ★ 書くとき ★ 出どころの一行 二 反論を先に置く ★ 書くとき ★ 答えの紙(条文・見積もり) 三 条件を書き入れさせる ★ 会議で ★ どこに書くかの指定 四 決定を一行にする ★ 会議の終わりに ★ だれが・何を・いつ 五 次の議題に載せる ★ 会議の終わりに ★ 順番の指定 会議で使う言い回し どんな形か どの手か These figures are from …, dated … ★ 一 Let me read out the terms ★ 二 Could we have that written into … ★ 三 So the decision is that … ★ 四 Could we put that first on the June agenda ★ 五 ★ 三つめと五つめは、 3.49 型編 の頼みの型 です。 ★ Could we …? —— 相手にやらせるのではなく、一緒にやる形 ——★ 会議で通りやすい言い方 です( 6.48 話編 )。 課題 ★ 10.23 作編 で書いた提案書を、 通す形 に直します。 ★ 数に名前を付ける 。★ 提案書の中の数をすべて挙げ、 出どころと日付 を付ける。 ★ 付けられない数は、 消す 。 ★ 反論を三つ書き出し、 答えの紙 をそろえる 。★ 紙が無い反論には、 「確かめて次回お答えする」 と書く。 ★ 書き入れさせたい条件を一つ決める 。★ どこに書き入れるか(議事録/設備の記録/契約)まで決める。 ★ 決定の一行を、先に書く 。★ だれが・何を・いつ 。★ 会議に持ってゆく。 ★ 議事録の一節を書く 。★ 自分の提案が通ったとして、 第 4 節と第 7 節 を書く( 9.24 論編 )。 ★ 百二十〜百八十語。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 Reports: Recommendations AUT literacy for assessments (1:21, 2018) 勧告の書き方を 1 分半で。オークランド工科大学 練習 「手本」に引いた四文(数/反論/書き入れ/決定)を 続けて音読 する。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。 ★ Could we have that written into the record を そらで言えるまで 音読する。 ★ written into の 二語をつなげて 読んでください。 ★ 自分の書いた決定の一行を、 声に出して読む 。 ★ 一息で読めないなら、 決定が二つ 入っています ——★ 割ってください。 AI への頼み方 ★ 会議の前に、 反論を出させる のがいちばん効きます。 ★ 自分では、 自分の提案の弱みが見えません 。 何を頼むか 頼み方の型 ★反論を順に出させる 「この提案に、 決める立場の人が出しそうな反論 を五つ、★ 出そうな順に 挙げてください」 ★出どころの無い数を指させる 「この文書の数のうち、 出どころと日付が書かれていないもの を挙げてください」 ★決定の一行を検めさせる 「この一行に、 だれが・何を・いつまでに がそろっていますか。★ 足りないものを挙げて ください」 ★ 一つめの「出そうな順に」が要点 です。★ 順を指定しないと、 思いつきやすい反論 から出ます ——★ 会議で先に出るのは、 いちばん答えやすい反論 です。 ★ そして、 五つ挙げさせて三つ備える ——★ 全部に備えると、 提案書が反論集になります 。 自己点検表 点検すること 合格の目安 ★出どころの無い数 無い ★数の日付 ある 反論の数 ★ 三つ書き出した ★答えの紙 三つともある/無いと書いた ★書き入れさせたい条件 一つ決めた ★書き入れる場所 決めた ★決定の一行 一息で読める ★決定の三要素 だれが・何を・いつ 議事録の語数 ★ 百二十〜百八十語 ★決まらなかったことの節 ある 第 7 期の作編、四つ この期の四課で書いたものを、まとめておきます。 どの課 何を書いたか 何語か 10.21 作編 ★ メール四通 三百八十〜五百七十語 10.22 作編 ★ 報告書 ★ 四百〜五百語 10.23 作編 ★ 提案書 三百五十〜四百五十語 この課 ★ 改訂と議事録 百二十〜百八十語 ★ 第 6 期までの作編は、 学術の文章の部品 を作る期でした。 ★ 第 7 期は、 決める人に渡す文書 です。 ★ 四つに共通しているものが、一つあります。 どの課も、何を書いたか どこに出たか ★ 期限と、その理由 10.21 作編 ★ 動かなかったもの 10.22 作編 ★ 待つ費用 10.23 作編 ★ 決まらなかったこと この課 ★ 四つとも、 時のこと です。 ★ 仕事の文書が学術の文章といちばん違うのは、ここ です——★ 読む人が、 いつまでに決めるか を知りたがっている。 この課のまとめ ★ 通すとは、記録に残ること 。会議で「よい」と言われただけでは、半年後に残らない。 ★ 数には名前と日付を付ける 。付けられない数は消す( 9.22 論編 )。 ★ 反論には、答えの紙を持ってゆく 。「大丈夫です」では、同じ問いが次の会でも出る。 ★ 条件は、探される場所に書き入れさせる ——議事録より、設備の記録のほうが強いことがある。 ★ 決定の一行は、提案した側が書いて渡す 。書かなければ、書く人の言葉で残る。 ★ 決定の一行には、だれが・何を・いつ ( 9.24 論編 )。 ★ 次の会の「一番目」まで指定する 。順番を決めないと、時間切れで流れる。 ★ Could we …? で頼む 。相手にやらせるのではなく、一緒にやる形( 6.48 話編 )。 ★ 反論は五つ挙げさせて、三つ備える 。全部に備えると、提案書が反論集になる。 ★ 第 7 期の四課は、どれも「時」を書いた ——期限の理由・動かなかったもの・待つ費用・決まらなかったこと。 次の課へ 作編の第 7 期はここで終わりです。★第 7 期の学習順では、作の次は 商 です。次の課は 11.13 、 第 10 編「商」の第 7 期のはじめ です。★ ここまでで、 書くもの はそろいました。 ★ 商編では、 それを使う場 を見ます ——★ 相手の国のやり方、値段の話、断り方、そして 英語が母語でない人どうしの英語 。 答え 「課題」の五つについての答えです。 ★ 出どころを付けられない数は、 思ったより多い はずです。 ★ 「だいたい三割」のような数は、 どこかで聞いた数 です。 ★ 消すのが惜しければ、 「社内の聞き取りによるおおよその数」 と書いてください ——★ それも出どころ です。 ★ 答えの紙が無い反論が一つ残るのは、 ふつう です。 ★ そのときは、 「確かめて次回お答えする」 と先に書いておく ——★ 会議で言うより、 書いてあるほうが効きます 。 ★ 「調べていない」ことを先に言った人は、 ほかのことは調べたのだ と思われます。 ★ 書き入れる場所を考えると、 だれが見る記録か で決まると分かります。 ★ 半年後にその条件を いちばん必要とする人 が見る場所 ——★ 手本では、機械を見る人でした。 ★ 議事録は、 探しに行かないと出てきません 。 ★ 決定の一行を先に書くと、 自分の提案がぼやけている と分かることがあります。 ★ 「検討を進める」としか書けないなら、 それは決定ではありません 。 ★ 10.23 作編 の第 1 節に戻って、 決めてほしいことを書き直して ください。 ★ 議事録を書いてみると、 第 7 節(決まらなかったこと) がいちばん書きにくい はずです。 ★ 自分の提案が通ったところを書いているのに、 通らなかった部分を書く から です。★ けれども、 そこが次の提案の入口 です ——★ 手本では、二台めの機械が 六月の議題の一番目 になりました。 参考文献 原文の出所: John Stuart Mill『Principles of Political Economy』(1848), 第 4 篇, "mill_political_economy"。パブリックドメイン(Project Gutenberg)。原文は 1 字も変えていない。https://www.gutenberg.org/ebooks/30107 原文の出所: Epoché, "会議の議事録と行動項目"。Epoché の作。CC BY 4.0。https://epoche.app/