1.2 英語との対応規則 — Epoché
この 課 か でできるようになること 英語 えいご とドイツ 語 ご の 間 あいだ で 子音 しいん が 規則 きそく 的 てき にずれている ことを 知り しり 、 Wasser と water 、 Apfel と apple を 同じ おなじ 語 ご として 見 み られる。 五 いつ つの 対応 たいおう 規則 きそく ( p と pf / f 、 t と z / s 、 k と ch 、 d と t 、th と d )を 使っ つかっ て、 初めて はじめて 見る みる ドイツ 語 ご の 語 ご から 英語 えいご の 語 ご を 推測 すいそく できる。 中学 ちゅうがく 英語 えいご で 覚え おぼえ た 語 ご のうち、どれがドイツ 語 ご にそのまま 橋 はし になるかを 見通せる みとおせる 。 前提 ぜんてい : 1.1( 日本語 にほんご の 中 なか のドイツ 語 ご 96 語 ご ) 1.1 の 橋 はし は 96 語 ご でした。この 課 か の 橋 はし はもっと 太い ふとい 。 英語 えいご とドイツ 語 ご は 同じ おなじ 祖先 そせん から 分かれ わかれ た 言語 げんご で、 基本 きほん の 語彙 ごい の 多く おおく を 共有 きょうゆう しています。ただし、そのまま 同じ おなじ 形 かたち ではなく、 子音 しいん が 一定 いってい の 規則 きそく でずれています 。この 規則 きそく を 知る しる と、 中学 ちゅうがく 英語 えいご の 語彙 ごい —— water 、 apple 、 book 、 day 、 ten 、 make ——がドイツ 語 ご の 中 なか に 見え みえ てきます。 日本語話者 にほんごわしゃ は 英語 えいご を 経由 けいゆ してドイツ 語 ご に 近づく ちかづく ことになりますが、それが 最も もっとも 短い みじかい 道 みち です。 なぜ 英語 えいご とドイツ 語 ご は 似 に て 見え みえ ないのか 英語 えいご の water とドイツ 語 ご の Wasser 、 apple と Apfel 、 ten と zehn 、 make と machen 。 並べる ならべる と 似 に ていますが、 初めて はじめて 見 み たときには 別 べつ の 語 ご に 見え みえ ます。 理由 りゆう は、ドイツ 語 ご の 側 がわ で 紀元 きげん 500 年 ねん から 800 年 ねん ごろに 子音 しいん の 変化 へんか が 起き おき た からです( 第 だい 二 に 次 じ 子音 しいん 推移 すいい と 呼ば よば れます)。 英語 えいご はこの 変化 へんか を 受け うけ なかったので、 古い ふるい 子音 しいん を 保っ たもっ ています。 変化 へんか は 数 すう 種類 しゅるい だけで、しかも 規則 きそく 的 てき です。だから 逆向き ぎゃくむき にたどれば、ドイツ 語 ご の 語 ご から 英語 えいご の 語 ご がほぼ 機械 きかい 的 てき に 出 で てきます。 この 規則 きそく は、 単語 たんご を 丸 まる 暗記 あんき するより 強い つよい 道具 どうぐ です。 Pfeffer という 語 ご を 見 み て「p が pf になっている。 英語 えいご なら pepper 」と 読めれ よめれ ば、 辞書 じしょ を 引く ひく 前 まえ に 意味 いみ の 見当 けんとう がつきます。すべての 語 ご に 当てはまる あてはまる わけではありませんが、 身の回り みのまわり の 基本 きほん 語 ご —— 体 たい ・ 家族 かぞく ・ 食べ物 たべもの ・ 数 すう ——ほどよく 当てはまり あてはまり ます。 五 いつ つの 対応 たいおう 規則 きそく 左 ひだり の 欄 らん に 英語 えいご の 子音 しいん と、それに 当たる あたる ドイツ 語 ご の 子音 しいん を 並べ ならべ ます。 語頭 ごとう か 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ かで、ドイツ 語 ご の 側 がわ の 形 かたち が 変わり かわり ます。 対応 たいおう 例 れい 英語 えいご の 語 ご p は pf ( 語頭 ごとう ) Pfeffer 、 Pfund 、 Pflanze pepper 、 pound 、 plant p は f / ff ( 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ ) Apfel 、 Schiff 、 offen 、 helfen apple 、 ship 、 open 、 help t は z (ツ)( 語頭 ごとう ) zehn 、 Zunge 、 Zeit 、 Zahn ten 、 tongue 、 tide 、 tooth t は s / ss / ß ( 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ ) Wasser 、 essen 、 besser 、 Straße 、 Fuß 、 das water 、 eat 、 better 、 street 、 foot 、 that k は ch ( 語中 ごちゅう ・ 語末 ごまつ ) machen 、 Buch 、 Milch 、 brechen 、 Koch make 、 book 、 milk 、 break 、 cook d は t (どこでも) Tag 、 Tochter 、 Tür 、 gut 、 alt 、 kalt 、 Bett 、 Brot day 、 daughter 、 door 、 good 、 old 、 cold 、 bed 、 bread th は d (どこでも) das 、 Ding 、 Bruder 、 Bad 、 danken 、 denken 、 drei that 、 thing 、 brother 、 bath 、 thank 、 think 、 three 規則 きそく は「 英語 えいご の p・t・k」が「ドイツ 語 ご では 摩擦 まさつ 音 おん ( f ・ s ・ ch )か 破擦 はさつ 音 おん ( pf ・ z )になる」というものと、「 英語 えいご の d・th」が「ドイツ 語 ご では 一段 いちだん 硬い かたい t・d になる」というものの 二 に 組 くみ です。 前者 ぜんしゃ は 音 おと が 擦れる すれる 方向 ほうこう へ、 後者 こうしゃ は 音 おと が 硬く かたく なる 方向 ほうこう へ 動い うごい た、と 覚える おぼえる と 混同 こんどう しません。 das と that では、 両方 りょうほう が 同時 どうじ に 起き おき ています(th が d に、t が s に)。 もう 一 ひと つ、 子音 しいん の 変化 へんか ではありませんが、 綴り つづり のずれに 規則 きそく があるものが 二 ふた つあります。 英語 えいご の y や w に 対し たいし てドイツ 語 ご の g ( Tag / day 、 Weg / way 、 Garten / yard 、 gestern / yesterday )、 英語 えいご の v・f に 対し たいし てドイツ 語 ご の v ( Vater / father 、 vier / four 、 voll / full )。 音 おん 編 へん 6 課 か で 見 み たとおり、この v は「フ」と 読み よみ ます。 変わら かわら なかった 子音 しいん — そのまま 読める よめる 語 ご 上 うえ の 規則 きそく に 関わら かかわら ない 子音 しいん ( m 、 n 、 l 、 r 、 h 、 s 、 語頭 ごとう の b ・ g ・ k )は、 英語 えいご とほぼ 同じ おなじ 形 かたち で 残っ のこっ ています。 母音 ぼいん の 綴り つづり が 少し すこし 違う ちがう だけで、 見れ みれ ば 分かる わかる 語 ご が 多い おおい 。 ドイツ 語 ご 英語 えいご Haus house Hand hand Finger finger Land land Winter winter Garten garden Katze cat Nacht night Schule school Wort word Maus mouse Arm arm Name name Wind wind Sommer summer Mutter mother Herz heart Licht light Salz salt Welt world Nacht / night と Licht / light は、 英語 えいご の gh がかつて 読ま よま れていた 音 おと ( 奥 おく の ch )をドイツ 語 ご がまだ 保っ たもっ ている 例 れい です。 英語 えいご の 綴り つづり の gh が「なぜ 書く かく のに 読ま よま ないのか」の 答え こたえ がドイツ 語 ご にあります。 Katze / cat 、 Herz / heart 、 Salz / salt は t が z (ツ)になる 規則 きそく が 語末 ごまつ で 効い きい た 形 かたち です。 日本語話者 にほんごわしゃ の 近道 ちかみち — 中学 ちゅうがく 英語 えいご を 読み替える よみかえる 日本語話者 にほんごわしゃ は 英語 えいご を 経由 けいゆ してドイツ 語 ご に 近づく ちかづく 、と 最初 さいしょ に 言い いい ました。 具体 ぐたい 的 てき には、 次 つぎ の 手順 てじゅん で 読み よみ ます。①ドイツ 語 ご の 語 ご を 見 み て、 子音 しいん を 上 うえ の 規則 きそく で 英語 えいご 側 がわ へ 戻す もどす 。② 母音 ぼいん は 大まか おおまか に 合わせる あわせる ( au はおおむね ou 、 ei は i か o 、 ie は ee か ea )。③ 出 で てきた 英語 えいご の 語 ご の 意味 いみ を 当てる あてる 。 Pflanze は pf を p に 戻し もどし て plant 。 Zunge は z を t に 戻し もどし て tongue 。 Tochter は t を d に、 ch を gh に 戻し もどし て daughter この 手順 てじゅん は、 読む よむ ときの 推測 すいそく の 道具 どうぐ であって、 話す はなす ときに 英語 えいご をドイツ 語 ご に「 変換 へんかん 」する 道具 どうぐ ではありません。 当てはまら あてはまら ない 語 ご ( Hund / dog 、 Frau / woman 、 Kopf / head )も 多く おおく 、 意味 いみ がずれた 語 ご ( 次 つぎ の 1.3)もあります。それでも、 初めて はじめて 見る みる 語 ご の 半分 はんぶん くらいに 見当 けんとう がつく のは、 他 た の 言語 げんご では 得 え られない 利点 りてん です。 読 よみ 編 へん の 読み物 よみもの で 知ら しら ない 語 ご に 出会っ であっ たとき、 辞書 じしょ より 先 さき にこの 規則 きそく を 試し ためし てください。 文 ぶん の 中 なか で 聞く きく 規則 きそく の 効い きい た 語 ご を 実 じつ 文 ぶん で 聞き きき ます。 英語 えいご の 語 ご を 思い浮かべ おもいうかべ ながら 聞く きく と、 音 おと のずれが 耳 みみ で 分かり わかり ます。 ドイツ 語 ご 日本語訳 にほんごやく Ich trank Wasser. [1] 私 わたくし は 水 みず を 飲み のみ ました。 Dieser Apfel ist groß. [2] そのリンゴは 大きい おおきい 。 Tu noch etwas Pfeffer hinein. [3] もう 少し すこし こしょうを 利か きか せなさい。 Schließ das Buch. [4] 本 ほん を 閉じ とじ て。 Das ist meine Tochter. [5] これは 娘 むすめ です。 Er hat zehn Kühe. [6] 彼 かれ は 牛 うし を 十 じゅう 頭 とう 飼っ かっ ている。 Zeig mir deine Zunge. [7] 舌 した を 見せ みせ てください。 Bring deinen Bruder mit! [8] お 兄 あに さん 連れ つれ てきてね。 Das Schiff sinkt. [9] 船 ふね が 沈ん しずん でいく。 Im Garten war niemand. [10] 庭 にわ には 誰 だれ もいなかった。 Ich trank Milch. [11] 私 わたくし は 牛乳 ぎゅうにゅう を 飲み のみ ました。 Darf ich helfen? [12] 手伝っ てつだっ ていい? Backst du Brot? [13] パンを 焼き やき ますか? Das Bad ist frei! [14] お 風呂 ふろ 空い あい てるよ。 Wasser ( water )、 Apfel ( apple )、 Pfeffer ( pepper )、 Buch ( book )、 Tochter ( daughter )、 zehn ( ten )、 Zunge ( tongue )、 Bruder ( brother )、 Schiff ( ship )、 Garten ( garden )、 Milch ( milk )、 helfen ( help )、 Brot ( bread )、 Bad ( bath )。 十 じゅう 四 よん 文 ぶん に 十 じゅう 四 よん の 橋 はし があります。 この 課 か の 語 ご 語 ご ( 冠詞 かんし ・ 複数 ふくすう ・ 品詞 ひんし ) 意味 いみ 注 ちゅう der Pfeffer de — 名詞 めいし こしょう 日本語 にほんご との 差 さ pepper 。 pf は