5.18 会計と、誰が払うか — Epoché
この 課 か でできるようになること 勘定 かんじょう を 頼み たのみ 、 内訳 うちわけ を 確かめ たしかめ られる。 誰 だれ が 払う はらう かをめぐるギリシアの 作法 さほう を 知る しる 。 心づけ こころづけ の 扱い あつかい と、 店 みせ を 出る でる ときのあいさつができる。 前提 ぜんてい : 5.17( 薬局 やっきょく と 体調 たいちょう ) 第 だい 2 段 だん の 最後 さいご の 課 か です。 会計 かいけい の 場面 ばめん を 扱い あつかい ます。 語 ご 編 へん 8 課 か で 金 かね の 語 ご をそろえました。ここではそれを、 店 みせ を 出る でる ときに 使い つかい ます。 この 課 か で 覚える おぼえる ことの 半分 はんぶん は 語 ご ではなく 作法 さほう です。 誰 だれ が 払う はらう か、 心づけ こころづけ を 置く おく か。ギリシアの 流儀 りゅうぎ は 日本 にっぽん ともヨーロッパのほかの 国 くに とも 違い ちがい ます。 割り勘 わりかん は、ふつうではない ギリシアで 人 ひと と 食事 しょくじ をすると、 誰 だれ か 一人 ひとり が 全部 ぜんぶ 払う はらう のがふつうです。 日本 にっぽん の 割り勘 わりかん にあたる 習慣 しゅうかん が、 無い ない わけではありませんが、 若い わかい 人 ひと のあいだ 以外 いがい ではあまり 見 み ません。 誘っ さそっ た 側 がわ が 払う はらう 、 年上 としうえ が 払う はらう 、あるいは その 場 ば で 一番 いちばん 強く つよく 言い張っ いいはっ た 人 ひと が 払う はらう 。 最後 さいご のものが 実際 じっさい にはいちばん 多く おおく 、 払う はらう 権利 けんり をめぐって 言い合い いいあい になります 。 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ は 驚き おどろき ますが、これは 争い あらそい ではなく 作法 さほう です。 今回 こんかい は 私 わたくし が、と 言う いう 言い いい 方 かた を 一 ひと つ 覚え おぼえ ておいてください。そして 次 つぎ に 会っ あっ たときは 相手 あいて が 払い はらい ます。 一 いち 回 かい ごとに 清算 せいさん するのではなく、 長い ながい 付き合い つきあい の 中 なか で 釣り合い つりあい を 取る とる ——これが 9.6 で 扱う あつかう 気風 きふう とつながっています。 心づけ こころづけ は、 切り上げる きりあげる だけ ギリシアには、 決まっ きまっ た 率 りつ の 心づけ こころづけ がありません。 端数 はすう を 切り上げ きりあげ て 置い おい ていく のがふつうです。 十 じゅう 八 はち ユーロなら 二十 にじゅう ユーロ 置く おく 、というくらいの 加減 かげん です。 置か おか なくても 失礼 しつれい にはなりません。 置く おく 額 がく より、 置き おき 方 かた のほうが 大事 だいじ で、テーブルに 残し のこし て 出る でる のがきれいな 形 かたち です。 手渡し てわたし はしません。 そして 店 みせ を 出る でる ときのあいさつ。 ありがとう だけでは 足り たり ません。 また 来 き ます、あるいは よい 一日 ついたち を を 添え そえ ます。ギリシアの 店 みせ では、 来 き た 人 ひと と 店 みせ の 人 ひと が 短い みじかい 挨拶 あいさつ を 交わし かわし て 別れる わかれる ——これが 話 はなし 編 へん 第 だい 1 期 き 1 課 か で 学ん まなん だあいさつの、 実際 じっさい の 使い つかい どころです。 対話 たいわ その 一 いち — 食堂 しょくどう で、 勘定 かんじょう を 頼む たのむ 話者 わしゃ : ユイと、 店 みせ の 人 ひと 。 丁寧 ていねい な 形 かたち です。 台詞 せりふ 訳 わけ Το λογαριασμό, παρακαλώ. お 勘定 かんじょう をお 願い ねがい します。 Αμέσως. Όλα μαζί; ただ 今 いま 。ご 一緒 いっしょ でよろしいですか。 Ναι, όλα μαζί. はい、 一緒 いっしょ で。 Είκοσι δύο ευρώ. 二十 にじゅう 二 に ユーロです。 Ορίστε είκοσι πέντε. 二十 にじゅう 五 ご ユーロでどうぞ。 Τα ρέστα σας. お 釣り つり でございます。 Κρατήστε τα. 取っ とっ ておいてください。 Ευχαριστούμε πολύ. Καλή συνέχεια! どうもありがとうございます。よい 一日 ついたち を。 この 対話 たいわ は 全部 ぜんぶ が 本 ほん 課程 かてい の 書き下ろし かきおろし です。 二 ふた つ 目 め の ご 一緒 いっしょ で は、 別々 べつべつ に 払う はらう かどうかを 尋ね たずね ています。 七 なな つ 目 め の 取っ とっ ておいてください が 心づけ こころづけ の 置き おき 方 かた で、 切り上げ きりあげ た 分 ぶん をそのまま 渡す わたす 形 かたち です。 八 よう つ 目 め の よい 一日 ついたち を は、 店 みせ を 出る でる 人 ひと に 言う いう 決まっ きまっ たあいさつで、 字義 じぎ は よい 続き つづき を です。 対話 たいわ その 二 に — 友だち ともだち と、どちらが 払う はらう かで 言い合う いいあう 話者 わしゃ : ユイと、ギリシアの 友だち ともだち 。 親しい したしい 形 かたち です。 台詞 せりふ 訳 わけ Εγώ πληρώνω σήμερα. 今日 きょう は 私 わたくし が 払う はらう よ。 Όχι, εγώ. Εσύ πλήρωσες την άλλη φορά. いや、 私 わたくし が。この 前 まえ あなたが 払っ はらっ たでしょう。 Δεν πειράζει. 気 き にしないで。 Άσε, το έχω. いいから、 私 わたくし に 任せ まかせ て。 Εντάξει, την επόμενη φορά εγώ. 分かっ わかっ た、じゃあ 次 つぎ は 私 わたくし が。 Σύμφωνοι! 決まり きまり ね。 Ευχαριστώ πολύ. ありがとう。 Τίποτα. とんでもない。 この 対話 たいわ も 書き下ろし かきおろし です。 一 ひと つ 目 め と 二 ふた つ 目 め で、 主語 しゅご の 強形 きょうけい の 代 だい 名詞 めいし が 置か おか れていることに 注意 ちゅうい してください。 形 かたち 編 へん 9 課 か で 学ん まなん だとおり、 主語 しゅご を 置く おく だけで 強調 きょうちょう になります。ここでは 私 わたくし が、いや 私 わたくし が と 言い合っ いいあっ ているので、 強形 きょうけい が 必要 ひつよう なのです。 四 よん つ 目 め の 私 わたくし に 任せ まかせ て は、 直訳 ちょくやく すれば それを 持っ もっ ている です。 この 課 か で 使う つかう 型 かた — 既習 きしゅう の 復習 ふくしゅう 表 ひょう は 五行 ごぎょう です。この 課 か の 台詞 せりふ に 出 で ている 型 かた を 並べ ならべ ました。 型 かた どこで 学ん まなん だか この 課 か での 出 で 方 かた 主語 しゅご の 強形 きょうけい の 代 だい 名詞 めいし 形 かたち 編 へん 9 課 か 私 わたくし が、いや 私 わたくし が。 置く おく だけで 強調 きょうちょう になる 二 ふた つの 過去 かこ 型 かた 編 へん 11 課 か この 前 まえ 払っ はらっ た、で 一 いち 回 かい きりの 過去 かこ が 出る でる 命令 めいれい の 形 かたち 型 かた 編 へん 15 課 か 取っ とっ ておいて、いいから。 頼み たのみ も 譲り ゆずり も 命令 めいれい の 形 かたち 数 すう と 金 きん 型 かた 編 へん 17 課 か 二十 にじゅう 二 に ユーロ、 二十 にじゅう 五 ご ユーロ。ユーロは 形 かたち が 変わら かわら ない 未来 みらい の θα と 時 とき の 言い いい 方 かた 型 かた 編 へん 12 課 か 次 つぎ は 私 わたくし が、で これからのこと を 言う ゆう 語釈 ごしゃく この 課 か で 新しく あたらしく 出 で た 語 ご です。 左 ひだり が 語 ご 、 右 みぎ が 意味 いみ と 使い つかい どころです。 語 ご 意味 いみ 注 ちゅう λογαριασμός (ο) el 勘定 かんじょう 、 会計 かいけい 。 語 ご 編 へん 8 課 か で 覚え おぼえ た 語 ご 。 銀行 ぎんこう 口座 こうざ も 同じ おなじ 語 ご Το λογαριασμό, παρακαλώ. お 勘定 かんじょう をお 願い ねがい します。 Κρατήστε τα el 取っ とっ ておいてください。 持つ もつ を 表す あらわす 別 べつ の 動詞 どうし の 命令 めいれい の 形 かたち Κρατήστε τα. 取っ とっ ておいてください。 Καλή συνέχεια el よい 一日 ついたち を。よい 続き つづき を、が 字義 じぎ 。 店 みせ を 出る でる 人 ひと に 言う ゆう Ευχαριστούμε πολύ. Καλή συνέχεια! どうもありがとうございます。よい 一日 ついたち を。 Δεν πειράζει el 気 き にしないで、かまいません。 断り ことわり にも 慰め なぐさめ にも 使う つかう Δεν πειράζει. 気 き にしないで。 Σύμφωνοι el 決まり きまり だ、 賛成 さんせい だ。4.5 の 同意 どうい する と 同じ おなじ 語根 ごこん Σύμφωνοι! 決まり きまり ね。 φιλοδώρημα (το) el 心づけ こころづけ 。 友 とも + 贈りもの おくりもの 。 決まっ きまっ た 率 りつ は 無い ない χωριστά el 別々 べつべつ に。 割り勘 わりかん にするときの 一 いち 語 ご Άσε el いいから、 放っ ほうっ ておいて。2.7 の 残す のこす の 命令 めいれい の 形 かたち Άσε, το έχω. いいから、 私 わたくし に 任せ まかせ て。 使える つかえる 言い回し いいまわし この 課 か で 覚える おぼえる と、そのまま 口 くち から 出せる だせる 形 かたち が 四 よん つあります。 一 ひと つ、 お 勘定 かんじょう をお 願い ねがい します 。 二 に 語 ご です。 手 て を 挙げ あげ てこれを 言え いえ ば、 勘定 かんじょう 書 しょ が 来 き ます。 二 ふた つ、 取っ とっ ておいてください 。 二 に 語 ご です。 心づけ こころづけ を 置く おく 、いちばん 自然 しぜん な 言い いい 方 かた です。 三 みっ つ、 今日 きょう は 私 わたくし が 。 三 さん 語 ご です。 主語 しゅご を 置く おく のが 要点 ようてん で、 置か おか ないと 強調 きょうちょう になりません。 四 よん つ、 よい 一日 ついたち を 。 二 に 語 ご です。 店 みせ を 出る でる ときに 言え いえ ば、 必ず かならず 同じ おなじ 言葉 ことば が 返っ かえっ てきます。 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ がやりがちな 言い いい 方 かた やりがちな 言い いい 方 かた なぜ 通じ つうじ にくいか 正しい ただしい 形 かたち 割り勘 わりかん を 当然 とうぜん と 思う おもう ギリシアでは 誰 だれ か 一人 ひとり が 払う はらう のがふつう 今日 きょう は 私 わたくし が、と 言える いえる ようにしておく 決まっ きまっ た 率 りつ の 心づけ こころづけ を 計算 けいさん する 率 りつ は 決まっ きまっ ていない 端数 はすう を 切り上げ きりあげ て 置く おく ありがとう だけで 店 みせ を 出る でる あいさつを 添える そえる のが 習わし ならわし よい 一日 ついたち を、を 添える そえる 一 ひと つ 目 め について。 払う はらう 権利 けんり をめぐる 言い合い いいあい は、 争い あらそい ではなく 作法 さほう です。 相手 あいて に 払わ はらわ せてしまったと 気 き に 病む やむ 必要 ひつよう はありません。 次 つぎ に 会っ あっ たときに 自分 じぶん が 払え はらえ ば、それで 釣り合い つりあい ます。 そして、この 考え かんがえ 方 かた は 9.6 で 扱う あつかう φιλότιμο —— 名誉 めいよ を 愛する あいする 気風 きふう ——の 一部 いちぶ です。 一 いち 回 かい ごとの 清算 せいさん ではなく、 長い ながい 付き合い つきあい の 中 なか で 釣り合い つりあい を 取る とる 。 金 かね の 話 はなし ではなく、 関係 かんけい の 話 はなし なのです。4.8 で 値段 ねだん と 名誉 めいよ が 同じ おなじ 語 ご だったことを 思い出し おもいだし てください。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 会計 かいけい で 言う いう こと 次 つぎ の 場面 ばめん で、 何 なん と 言い いい ますか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 勘定 かんじょう を 頼む たのむ お 釣り つり を 心づけ こころづけ にする 今日 きょう は 自分 じぶん が 払う はらう と 言う ゆう 店