4.11 食事(注文) — Epoché
この課でできるようになること 店員を呼んで、飲み物と料理を注文できます。 数と量詞を組み合わせて、 一杯水 (水を一杯)のように、いくつ欲しいかを言えます。 请再给我 の形で頼み足し、 我不会喝酒 のように短く断れます。 言い切る形・ 请 で頼む形・できるかを尋ねる形の押しの強さの違いが分かり、場面に合わせて選べます。 前提 :3.16「ようすと移り変わり」。型は数と量詞、助動詞、進行の形を使います。店で使う言い方は短いものが多いので、一つずつ口に出せるようにしましょう。 请 の一字で足りる頼み方 日本語の店では、丁寧な言い方を何層も重ねます。「すみません、お水をいただけますでしょうか」のような言い方です。中国語では、ここまで層を重ねません。頼む文の頭に 请 を置けば、それで丁寧な頼みになります。層を重ねすぎると、かえって回りくどく聞こえます。 反対に、言い切っても失礼にならない場面もあります。店員を呼んで注文するときがそうです。 我要点菜 (注文します)は、日本語の感覚では強く聞こえるかもしれません。けれども、注文を受けるのは店員の仕事なので、この場ではふつうの言い方です。 つまり、言い方の丁寧さは語だけで決まるのではなく、場面と組み合わさって決まります。同じ言い切りの形でも、道で知らない人に何かを頼むときには強すぎます。日本語で丁寧さを判断する基準を、そのまま中国語に当てはめないようにしましょう。 お茶にも前提の違いがあります。日本で「お茶」と言えば、まず緑茶を思い浮かべるでしょう。中国語の 茶 は、それだけではどの茶かを決めない言い方です。種類を決めたいときは、 红茶 (紅茶)、 绿茶 (緑茶)のように字を足して言います。 丁寧にしようとして、 请问 、 可以 、 请您 のような前置きを一つの文にいくつも重ねてしまうことがあります。注文の場では、 请给我一杯水。 [1] (お水を一杯ください)で十分に丁寧です。短い形に直して言いましょう。 対話一 — 席について、飲み物を頼む レストランで席に着いた客が、店員を呼んで注文を始める場面です。店員はまず飲み物を尋ねます。客は水を頼み、勧められたお茶は紅茶にします。店員は、紅茶に砂糖を入れるかどうかを尋ねます。 話者 中国語 意味 客 服务生,我要点菜。 [2] すみません、注文をお願いします。 店員 想喝什么? [3] お飲み物は何になさいますか。 客 请给我一杯水。 [1] お水を一杯ください。 店員 你想要些茶吗? [4] お茶はいかがですか。 客 红茶,谢谢。 紅茶をお願いします。 店員 红茶里要加糖吗? [5] 紅茶にお砂糖はお入れしますか。 客 不用了,谢谢。 [6] いえ、結構です。ありがとう。 店員 好的。 かしこまりました。 この対話には、言い切る形の 我要点菜 と、 请 で頼む形の 请给我一杯水 が出てきます。どちらも注文の場では失礼になりません。お茶を勧められた客は、 红茶,谢谢 と品物の名前だけで答えています。できるかを尋ねる形は、後の「言い換えと丁寧さ」で見ます。 店員は 茶 を勧めただけなので、客は 红茶 と言って種類を決めています。 茶 だけでは種類が決まらないからです。緑茶が飲みたいなら、 绿茶 と言えば迷いません。 注文で使う 来 は「来る」の意味ではありません。「(品物を)持ってきてもらう」という意味で、 来一杯茶 は「お茶を一杯ください」に当たります。 語表と飲み物の数え方 注文の場面で繰り返し使う語です。 語 品詞 意味 日本語との差 例文 訳 点菜 動詞 (料理を)注文する 料理を選んで頼むこと 服务生,我要点菜。 [2] 店員さん、注文をお願いします。 菜单 名詞 メニュー 菜 は料理のこと 看菜单 メニューを見る 服务生 名詞 店員、ウェイター 大陸のふつうの言い方は 服务员 。 服务生 は台湾などでよく聞く 服务生,我要点菜。 [2] 店員さん、注文をお願いします。 杯 量詞 〜杯(飲み物を数える) 我能喝杯茶吗? [7] お茶を1杯いただけますか。 茶 名詞 茶 緑茶とは限らない 你想要些茶吗? [4] お茶でも飲みませんか? 红茶 名詞 紅茶 红茶里要加糖吗? [5] 紅茶にお砂糖は入れますか? 绿茶 名詞 緑茶 你喝绿茶吗? [8] 緑茶を飲みますか? 酒 名詞 酒 ワインやビールも含む酒類全般 他们喝了两瓶酒。 [9] 彼らはお酒を2本飲んだ。 糖 名詞 砂糖、あめ 砂糖もあめも指す 我们没有糖。 [10] 砂糖がないよ。 泡 動詞 (茶を)入れる 茶葉に湯を注いで浸すこと 她正在泡茶。 [11] 彼女はお茶を入れている。 この課で飲み物を数えるときは、数と名詞の間に量詞を置きます。飲み物を 杯 で頼むときは 一杯水 、 一杯茶 のように、数・量詞・名詞の順に並べます。日本語の「水一杯」とは逆で、「一杯の水」の順です。数が名詞の前に来ます。数が二のときは、量詞の前で 两 を使い、 两杯茶 と言います。 下の実文では、同じ数え方が注文の文の中で使われています。 喝杯茶 のように、動詞のすぐ後では 一 が落ちることもあります。 中国語 意味・場面 我能喝杯茶吗? [7] お茶を一杯いただけますか。できるかを尋ねる形で頼むとき。 一杯咖啡。谢谢! [12] コーヒーを一杯、お願いします。品物と数だけを言って頼むとき。 我想喝一杯咖啡。 [13] コーヒーが一杯飲みたいのですが。自分の希望として伝えるとき。 她正在泡茶。 [11] 彼女はお茶を入れているところです。お茶を入れる動作を言うとき。 你喜欢喝红酒吗? [14] 赤ワインはお好きですか。 红酒 は赤ワイン。 酒 は酒類全体を指す。 発音では、「飲む」の 喝 に気をつけましょう。第一声で高く平らに保ちます。語尾が上がると、第二声の 和 (〜と)に聞こえてしまいます。 A 読み B 読み 違い 喝 hē 和 hé A は第一声で「飲む」。B は第二声で「〜と」。高さを保つか、上げるかで語が変わる 量詞を落として、 一水 や 两茶 のように数を名詞に直接つけてしまう誤りがよくあります。数と名詞の間に 杯 を入れて、 一杯水 、 两杯茶 と直しましょう。 言い換えと丁寧さ 頼み方には、押しの強さの段があります。注文の場面ではどれを使っても失礼になりませんが、頼む中身によって選び分けます。 押しの強さ 言い方 使う場面 言い切る 服务生,我要点菜。 [2] 店員を呼んで注文を始める。この場ではふつうの言い方 请 で頼む 请给我一杯水。 [1] 品物を頼む。いちばん広く使える できるかを尋ねる 请问,可以来一杯茶吗? [15] 前置きを付けてやわらかく頼む。ふつうの注文には重く、店の決まりにないことを頼むときに向く いちばん上の言い切る形は、注文を始める合図として使います。品物を頼むときは、真ん中の 请 の形がいちばん無難です。 店のメニューにないものを頼む、量を変えてもらうなど、相手に手間をかけるときがあります。その手間が多いときほど、下の形に寄せます。 请问 は「お尋ねします」に当たる前置きで、知らない相手に話しかけるときの最初の一語として使えます。 対話二 — 頼み足す、断る 食事が進んだところで、客が水をもう少し頼みます。店員は続けてお酒やお茶を勧め、客はそれを短く断ります。 話者 中国語 意味 客 请再给我一些水。 [16] お水をもう少しください。 店員 好,马上来! [17] はい、すぐお持ちします! 店員 你喝酒吗? [18] お酒は召し上がりますか。 客 我不会喝酒。 [19] お酒は飲めないんです。 店員 你喝绿茶吗? [8] 緑茶はいかがですか。 客 我不喜欢喝茶。 [20] お茶はあまり好きではないんです。 店員 好的。 かしこまりました。 请再给我一些水。 の 再 は「もう一度・さらに」を表す語です。ここでは 一些 (少し)と組んで、「もう少しください」と頼み足しています。 请再给我 まで言えれば、後ろに欲しい物を置くだけで追加の注文になります。 断り方が二つ出てきます。 我不会喝酒 は「お酒は飲めない」と自分のことを言う形です。 我不喜欢喝茶 は、自分の好みを言って勧められた物を外す形です。勧められた物に 不行 (だめ・無理)を使うと、相手の勧めを「だめ」と退ける言い方になるので、ここでは使いません。 どちらの断りにも、長い理由は付いていません。この課では、まず短い一文で断れるように練習します。 使える言い回し 言い方 意味 いつ使うか 我准备好了。 [21] 準備ができました。 準備ができたと伝える(店に限らず使う) 请再给我一些水。 [16] お水をもう少しください。 頼み足す 你想再来杯酒吗? [22] お酒をもう一杯いかがですか。 店員や同席の人から勧められる 我不会喝酒。 [19] お酒は飲めないんです。 お酒を勧められて断る 我不喜欢喝茶。 [20] お茶はあまり好きではないんです。 好みを伝えて断る 我要咖啡,谢谢。 [23] コーヒーをください。 品物の名前を言って頼む この課で使う型 注文の会話は、すでに学んだ型の組み合わせでできています。 数と量詞 ( 型編 7課 )— この課の飲み物では数と名詞の間に量詞を置き、 杯 で数えます。この課では 请给我一杯水。 [1] がその形です。量詞は数を替えても残します。 助動詞 ( 型編 11課 )— 「できる」「してもよい」を動詞の前に置いて表します。この課では 我不会喝酒。 [19] がその形です。お酒を断るときによく使います。 進行の形 ( 型編 16課 )— 動詞の前に置いて、いましているところだと表します。この課では 她正在泡茶。 [11] がその形です。お茶を入れる動作の途中を言っています。 練習 店で注文する 次の場面に合う言い方を、それぞれ二つから選んでください。(1)店員を呼んで注文を始める: 我要点菜 / 请问,可以…吗? (2)メニューにない料理を作ってもらえないか頼む: 我要… / 请问,可以…吗? (3)紅茶が飲みたい: 茶 / 红茶 空欄に数や量詞を入れ、文の意味を日本語で書いてください。(1) 请给我一_水。 (2) 我能喝_茶吗? (3) 请给我( )( )红茶 (紅茶を二杯ください) 次の四つの場面で言う中国語を書いてください。①店員を呼んで注文を始める ②水を一杯頼む ③緑茶を二杯頼む ④水をもう少し頼む 酒 ・ 绿茶 ・ 糖 をそれぞれ勧められたときの短い断りを、 我不会… ・ 我不喜欢… ・ 不用了 のような形で中国語で一つずつ書いてください。理由は付けません。 前の課の語 打算 (〜するつもり)・ 通常 (ふだん)・ 准备 (準備する)を一つずつ使い、店での注文についての文を中国語で三つ書いてください。この課の実文の形を下敷きにして構いません。 店員の問いを一つずつ聞き、客として中国語で答えてください。 想喝什么? 红茶里要加糖吗? 対話一を、客と店員の役に分けて声に出して読みます。 喝 は第一声で高く平らに保ち、第二声の 和 に聞こえないようにします。 戻り語 1 問に、前の課の語が三つ(3.16・3.15・3.14 から一つずつ)あります。語ごとに中国語の文を一つ書きます。食事や店の話題に寄せられる語は、寄せて書いてみましょう。 变化 ( 語編 16課 )・ 想法 ( 語編 15課 )・ 进行 ( 語編 14課 )を一つずつ使って、語ごとに中国語の文を書いてください。 改变 ( 語編 16課 )・ 主意 ( 語編 15課 )・ 完成 ( 語編 14課 )を一つずつ使って、語ごとに中国語の文を書いてください。 成为 ( 語編 16課 )・ 意见 ( 語編 15課 )・ 结束 ( 語編 14課 )を一つずつ使って、語ごとに中国語の文を書いてください。 称为 ( 語編 16課 )・ 理解 ( 語編 15課 )・ 继续 ( 語編 14課 )を一つずつ使って、語ごとに中国語の文を書いてください。 出现 ( 語編 16課 )・ 相信 ( 語編 15課 )・ 接受 ( 語編 14課 )を一つずつ使って、語ごとに中国語の文を書いてください。 この課のまとめ 頼む文は頭に 请 を置けば丁寧になります。丁寧さを層で重ねる必要はありません。 店員を呼んで注文を始めるときは、言い切っても失礼になりません。言い方の丁寧さは場面と組み合わさって決まります。 手間をかける頼みほど、できるかを尋ねる形に寄せます。 この課の飲み物では数と名詞の間に量詞を置き、 杯 で数えます。 茶 は種類を決めないので、欲しい種類は字を足して言います。 この課では、勧めを短い一文で断る練習をしました。 次の課へ 次の 4.12「食事(味と感想)」では、出てきた料理の味について言い、好みや感想を伝えられるようにします。 答え (1) 我要点菜 。注文を始める場では、言い切る形がふつうです。(2) 请问,可以…吗? 。店に手間をかける頼みなので、できるかを尋ねる形に寄せます。(3) 红茶 。 茶 だけでは種類が決まりません。 (1) 杯 。 请给我一杯水。 [1] (お水を一杯ください)。(2) 杯 。 我能喝杯茶吗? [7] (お茶を一杯いただけますか)。動詞のすぐ後なので、 一 が落ちた形です。(3) 两 と 杯 。 请给我一杯水。 [1] と同じ形で、数を 两 、物を 红茶 に替えた 请给我两杯红茶 になります。量詞の前では二を 两 で言います。 ① 服务生,我要点菜。 [2] ② 请给我一杯水。 [1] ③ 请给我一杯水 の 一杯水 を 两杯绿茶 に替えて、 请给我两杯绿茶 と言います。 ④ 请再给我一些水。 [16] ①は言い切る形、②〜④は 请 で頼む形です。 酒 : 我不会喝酒。 [19] 绿茶 : 我不喜欢喝茶。 [20] 糖 : 不用了,谢谢。 [6] (または 不用加糖 )。三つとも長い理由を付けずに、短く断っています。勧められた物に …不行 を使うと「だめ」と退ける言い方になるので、ここでは使いません。 見本 打算 : 我想喝一杯咖啡。 [13] の 想 を 打算 に替えると、 我打算喝一杯咖啡 (コーヒーを一杯飲むつもりです)になります。 通常 : 你喝绿茶吗? [8] に答える形で、 我通常喝绿茶 (ふだんは緑茶を飲みます