言語と世界の関係――初期ヴィトゲンシュタイン — Epoché
解説 物の一覧より、結び付きに注目する 初期の『論理哲学論考』は、世界を物の集まりだけでなく、物が一定の仕方で結び付いた事実から考える。文は、そうありうる組合せを表す。 以下の本と机は、考え方を示す教材上の作例。本人の原文の例ではない。 出典1 文の意味と、真偽を分ける 「本が机の上にある」は、真偽を問える文の例。このような文を命題という。要素の組合せが、現実の可能なあり方の構造に対応すると考える。描いた状況が実際に成り立てば真、違えば偽になる。 写すとは、写真のように外見が似ることではない。偽の文も、何を表すか理解できる。 出典1 哲学は、言葉を明確にする活動 論理の命題は特定の事実を描かない。倫理や美も、事実の報告と同じ仕方で言えるかが問われる。哲学は説明を増やすだけでなく、言葉を明確にする活動となる。 倫理が無価値だという結論ではない。自らの説明も、登った後に捨てる梯子にたとえた。その読み方や後期との関係には解釈の違いがある。 出典1 同じ文でも、現実との関係で真偽が変わる 文が描く状況 実際の状況 真偽 本が机の上にある その組合せが成り立つ 真 本が机の上にある その組合せが成り立たない 偽 初期の命題の説明のための作例。全ての言葉の用途を、この表だけで説明しない。 参考文献 [1] Anat Biletzki; Anat Matar「Ludwig Wittgenstein」。 出典