3.51 数字と変化 — 動詞で書くか、名詞で書くか — Epoché
この課でできるようになること ★ 動詞で書く形と名詞で書く形 を行き来できる。 ★ 動詞の選び方に評価が入る ことに気づける。 ★ 変わらなかったこと を書ける。 ★ 割合と実数 を書き分けられる。 前提 : 3.50 まで。 例文で見る 10 文を並べます。行を押すと音が鳴ります。 上がる → 下がる → 幅 → 変わらない の順です。 英文 日本語訳 変化の言い方 The price of rice rose by three percent. [1] 米の値段が3パーセント上がった。 ★ rose by 。 差を言う ( 3.48 型編 ) The exports increased by 30 billion dollars. [2] 輸出は300億ドル増加した。 ★ increased by 。 額で言う The output of this factory has increased by 20%. [3] この工場の生産高は20%増加している。 has increased by 。★ 現在完了+割合 The cost of living has risen. [4] 物価が上がった。 ★ has risen 。 数を言わない変化 The members decreased by 50 to 400. [5] 会員は50人減り、400人になった。 ★ by と to が一文に 。 差と、着いた先 The number of members decreased to five. [6] 会員は5人に減った。 decreased to 。★ 着いた先だけ The price of stock declined by half in a month. [7] 株価は1ヵ月のうちに半分に下がった。 ★ declined by half 。 割合を分数で The population has doubled in the last five years. [8] 人口は過去五年で二倍になった。 ★ has doubled 。 倍数は動詞にもなる The number of working women is increasing. [9] 働く女性の数は増えている。 ★ 進行形 。 いま動いている最中 They remained friends. [10] 彼らは友達のままだった。 ★ remained 。 変わらなかった 骨組み ★動詞で書くか、名詞で書くか ★ 同じことを、 二通りで書けます 。 どちらの形か どう書くか ★ 動詞で Sales rose sharply in the second quarter ★ 名詞で There was a sharp rise in sales in the second quarter ★ どちらも正しい です。★ 違いは 大きさをどう言うか です。 どちらの形か 大きさを言う語 ★ 動詞 ★ 副詞 ( sharply ・ slightly ) ★ 名詞 ★ 形容詞 ( a sharp rise ・ a slight fall ) ★ 名詞にすると、 形容詞を重ねられます ——★ a sharp and unexpected fall 。★ 副詞は重ねにくい ので、★ くわしく言いたいときは名詞 です( 3.33 型編 )。 ★ 逆に、 短く言いたいときは動詞 です。★ Sales fell. は三語 ですが、★ 名詞にすると There was a fall in sales と六語 になります。 ★ 報告書では 両方混ぜます ——★ 同じ形が続くと読みにくい からです( 3.58 型編 )。 ★動詞の選び方に、評価が入る ★ 3.48 型編 で 「数の前に置く語で評価が入る」 と置きました。 ★ 動詞も同じ です。 どの動詞 向き 入っている評価 rise / increase / grow ★ 上がる 評価を入れない jump / soar 上がる ★ 「大きく」が入る fall / decrease / decline ★ 下がる 評価を入れない plunge / slump 下がる ★ 「ひどく」が入る remain / stay ★ 変わらない 動かなかったと言う ★ rose と jumped は、 同じ数字でも別のこと を言っています。 ★ 前者は ただ上がった 、後者は 大きく上がった 。 ★ 論文では、 評価の入らない動詞 を選びます ( 3.36 型編 )。★ 大きいかどうかは 読む人が数を見て決める からです。 ★ 仕事の文書では逆で、 評価を入れた動詞のほうが伝わります ——★ 読む人は数を全部見ない からです。 ★ ただし、 入れた評価は必ず数で支える ——★ jumped と書いたら、 いくらから いくらへ をすぐ後ろに置いてください ( 9.9 論編 )。 ★変わらなかったことにも、動詞がある ★ 日本語では 書かないことが多い ところです。 どう書くか どんな感じか ★ remained stable 落ち着いていた ★ stayed at 30 その値のままだった ★ was unchanged ★ いちばん素っ気ない ★ was almost flat ★ ほとんど動かなかった ★ 例文の十番め —— They remained friends. [10] 。★ remained のうしろは 名詞や形容詞 で、★ be と同じ形 を取ります。 ★ なぜ書くのでしょうか。 ★ 書かないと、 「調べていない」と区別がつかない からです( 8.190 読編 の「欠席なし」と同じ)。 ★ 報告書では、 動かなかった項目こそ書きます ——★ 動いた項目だけ並べると、 全部が動いたように見えます 。 日本語ならどう言うか 日本語との差を三つ挙げます。 何が 日本語では 英語では 変化の言い方 動詞だけ ★ 動詞でも名詞でも書ける 大きさ 副詞(大きく・わずかに) ★ 名詞にすれば形容詞が使える 変わらないこと ★ 書かないことが多い ★ 動詞を立てて書く ★ いちばん上が、 書けるようになると大きく変わる差 です。★ 日本語は 「売上が大きく伸びた」 と動詞で言うのがふつう で、★ 「売上に大きな伸びがあった」は ぎこちなく聞こえます 。 ★ 英語では どちらも自然 です。★ だから、 日本語のまま訳すと動詞の形ばかりになります 。 ★ いちばん下も大きい です。★ 「横ばいでした」は 日本語でも言います が、★ 項目ごとに書く習慣は 英語の報告書のほうが強い です。 丁寧さの段 ★ 悪い数を伝えるとき に段が出ます。 どの段 どう書くか どんなとき ★ やわらかい ★ was slightly below last year 社外・初報 ふつう fell by four per cent 報告書 ★ 強い ★ plunged ★ 注意を引きたいとき ★ やわらげるのは 語ではなく比べる相手 でもできます ——★ 「前年比では減ったが、 二年前より高い 」。 ★ これは 嘘ではありません が、★ 8.178 読編 で見たとおり、 比べる相手は書き手が選んで います。 ★ 選んだことを 自分で分かっている のが大事 です。 よくある誤り 三つ挙げます。下の誤文は Epoché の作例です。 割合と実数の取り違え。 Sales rose by 30 per cent to 4,180 million. は正しい形です。★ rose by 4,180 million to 30 per cent のように 入れ替えると意味が壊れます 。 ★ by が 差 、 to が 着いた先 ( 3.48 型編 )。 名詞の形で前置詞を落とす。 There was a sharp rise sales. → There was a sharp rise in sales. の形に。★ 名詞にしたら in が要ります 。 remain に to be を足す。 Prices remained to be stable. → Prices remained stable. の形に。★ うしろは 形容詞そのまま です。 ★ 一つめが、 実害のいちばん大きい誤り です。★ 文としては壊れていないので、 読む人はそのまま受け取ります ( 3.48 型編 )。 ★ 確かめ方 ——★ by のうしろは 動いた分 、 to のうしろは 動いたあとの値 。★ 片方だけなら、 どちらか書いて ください。 実文で通す ★ この期の読 G で読む 四半期報告書 ( 8.191 読編 )から三つ引きます。★ 会社は架空、数はすべて仮 です。 どんな変化か 原文 形は ★ 上がった an increase of six per cent on the same quarter last year [11] ★ 名詞 ★ 下がった Operating profit was 262 million yen, down four per cent ★ 短い形 ★ 動かなかった Dry goods were almost flat ★ 形容詞 ★ 二つめの down four per cent に注意してください。 ★ 動詞がありません ——★ 報告書では、 up ・ down だけで変化を言えます 。 ★ 短いので 表や箇条書きに向きます が、★ 地の文では 動詞を使うほうが読みやすい です。 ★ 三つめは 変わらなかったこと です。★ almost flat (ほとんど横ばい) ——★ そして、 すぐ後ろに理由が書いて あります (新しい品が出ていない)。★ 動かなかった項目こそ、 理由が要ります 。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 Academic English: Vocabulary For Describing Data ABC Education (10:54, 2021) 資料を語る語彙。豪 ABC の教育チャンネル 練習 「例文で見る」の 10 文を 続けて音読 する。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。★ 数と動詞を両方とも強く言う。 ★ 二通りで書く 。「六月の来客数は前年より一割減った」を 動詞の形 と 名詞の形 で書く。 ★ 動かなかったことを書く 。自分の手元の数(勉強時間・歩数など)から 変わらなかった項目 を一つ選び、 英語で一文 書く。★ 理由も一行足す。 この課のまとめ ★ 変化は動詞でも名詞でも書ける —— rose sharply / a sharp rise 。 ★ 動詞なら副詞、名詞なら形容詞で大きさを言う ——くわしく言いたいときは名詞( 3.33 型編 )。 ★ 動詞の選び方に評価が入る —— rose と jumped は同じ数でも別のこと( 3.48 型編 )。 ★ 論文は評価の入らない動詞、仕事の文書は入れた動詞 ( 3.36 型編 )。★入れたら必ず数で支える( 9.9 論編 )。 ★ 変わらなかったことにも動詞がある —— remained ・ stayed ・ was unchanged 。 ★ 書かないと「調べていない」と区別がつかない ( 8.190 読編 )。 ★ 報告書では up ・ down だけで変化を言える ——表や箇条書き向き。地の文では動詞を使う。 ★ やわらげるのは語でも比べる相手でもできる ——選んだことを自分で分かっている( 8.178 読編 )。 次の課へ 次の課は 3.52 、 予定と約束 です。★ will ・ be going to ・ be to ・ be about to ・ be due to ——★ 五つとも未来 ですが、★ 約束の重さが違います 。 答え ★ 続けて音読したとき。 ★ 数のところで 速さが落ちる と気づいたはずです。★ 数は ゆっくり、区切って 言う ——★ 聞き手が書き取るから です( 5.38 聞編 )。 ★ 二通りで書いたとき。 ★ 動詞なら The number of visitors in June fell by ten per cent from last year. 、★ 名詞なら There was a ten per cent fall in the number of visitors in June. です。★ 名詞の形は 長くなる ——★ それでも使うのは、 形容詞を足せる から です。 ★ 動かなかったことを書いたとき。 ★ 理由を足すと、 読む価値が出ます 。 ★ 「先月と同じでした」だけでは、 読む人は次に何をすればよいか分かりません 。 ★ 「同じだった。 やり方を変えていないから 」 まで書いて、はじめて報告になります。 参考文献 Tatoeba 文 #320199(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/320199 Tatoeba 文 #324273(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/324273 Tatoeba 文 #236777(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/236777 Tatoeba 文 #442110(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/442110 Tatoeba 文 #22555(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/22555 Tatoeba 文 #22554(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/22554 Tatoeba 文 #21214(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/21214 Tatoeba 文 #270348(CC BY 2.0 FR)。htt