8.96 賢者の贈り物(2)— 落ちをさらりと言わせる — Epoché
この篇でできるようになること ★ 落ちをさらりと言わせる やり方が分かる。 ★ 語り手が目をそらす 書き方に気づける。 ★ 短編を語り手がまとめて終える 形が読み取れる。 ★ 読者だけが同時に知る 仕掛けをたどれる。 前提 : 8.95 まで。型は 3.32 まで。語は 4.48 まで。 読む前に ★ 前の篇までのこと。 デラは 髪を二十ドルで売り 、★ 二十一ドルのプラチナの時計鎖を買いました 。★ 家に帰ってこてで髪を整え、短い巻き毛の頭になっています。 この篇は、★ 七時、ジムが帰ってくるところ から始まります。 ★ ジムは、扉のところで立ち止まります。 ★ そして、デラを見つめたまま動きません。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。本文は 1031 語、文は 80 本、いちばん長い一文は 31 語です。★ wise を含む語が 9 回出ます。 ジムが立ち止まるところを見ます。 Jim stopped inside the door, as immovable as a setter at the scent of quail. ★ 「ウズラのにおいをかぎつけた猟犬のように、身じろぎもしなかった」。 ★ 犬のたとえです。 ★ 8.82 読編 でホームズが sleuth-hound にたとえられたのと同じ形 ——★ 止まった姿を、犬で書く。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 「ジムが私をもう一度よく見る前に殺してしまわなかったら」と彼女は心の中で言いました。「コニー・アイランドの踊り子みたいだって言うでしょうね。でも、どうすればよかったの——ああ、一ドル八十七セントで、いったいどうすればよかったっていうの?」 七時には、コーヒーはいれてあり、フライパンはこんろの奥で熱くなって、骨つき肉を焼くばかりになっていました。 ジムは決して遅れて帰ってくることはありませんでした。デラは時計の鎖を二つに折って手に握り、彼がいつも入ってくる扉の近くのテーブルの角に腰かけました。やがて、ずっと下の一階の階段に彼の足音が聞こえ、彼女はほんの一瞬、青ざめました。彼女には、ごくありふれた日々のことについて、声に出さない小さな祈りをとなえる癖がありました。そして今、こうささやきました。「神さま、どうか、私がまだきれいだと彼に思わせてください。」 扉が開き、ジムが入ってきて扉を閉めました。彼はやせていて、とても深刻な顔をしていました。かわいそうに、彼はまだ二十二歳でした——それなのに、家庭を背負っているのです! 新しい外套が要りましたし、手袋もありませんでした。 ジムは扉の内側で立ち止まりました。うずらのにおいをかぎつけたセッター犬のように、身じろぎもしませんでした。彼の目はデラに注がれていて、その目には彼女に読み取れない表情があり、それが彼女をおびえさせました。それは怒りでも、驚きでも、非難でも、恐怖でもなく、彼女が覚悟していたどんな感情でもありませんでした。彼はただ、その奇妙な表情を顔に浮かべて、じっと彼女を見つめていました。 デラは身をくねらせてテーブルから降り、彼に駆け寄りました。 「ジム、ねえ」と彼女は叫びました。「そんな目で私を見ないで。髪を切って売ったの。あなたに贈り物をしないでクリスマスを過ごすなんて、とてもできなかったから。髪はまた伸びるわ——気にしないわよね? どうしてもそうしなければならなかったの。私の髪はものすごく早く伸びるのよ。『メリー・クリスマス!』って言って、ジム、楽しくしましょう。あなたのためにどんなにすてきな——どんなに美しくてすてきな贈り物を用意したか、あなたは知らないのよ。」 「髪を切ったって?」とジムは苦労して尋ねました。どんなに頭を絞っても、その明らかな事実にまだたどり着けないかのようでした。 「切って、売ったの」とデラは言いました。「それでも、前と同じように私を好きでいてくれるでしょう? 髪がなくても、私は私でしょう?」 ジムは、不思議そうに部屋を見回しました。 「髪がなくなったって言うんだね?」と彼は、ほとんどぼうっとした様子で言いました。 「探さなくていいわ」とデラは言いました。「売ったのよ、ほんとうに——売って、もうないの。クリスマス・イブなのよ、あなた。やさしくして。髪はあなたのために使ったんだから。私の髪の毛は一本一本数えられていたかもしれないけれど」と、彼女は急に真剣なやさしさをこめて続けました。「あなたへの私の愛は、だれにも数えられないわ。お肉を焼きましょうか、ジム?」 ジムは、ぼうぜんとした状態からすばやく我に返ったようでした。彼は彼のデラを抱きしめました。十秒のあいだ、私たちは慎み深く、反対の方にある何かつまらない物を見つめていることにしましょう。週に八ドルか、年に百万ドルか——何の違いがあるでしょう? 数学者や才人に尋ねれば、間違った答えを出すでしょう。東方の三博士は高価な贈り物を持ってきましたが、その中にこれはありませんでした。この謎めいた言い切りは、あとで明らかになるでしょう。 ジムは外套のポケットから包みを取り出し、テーブルの上に放りました。 「思い違いをしないでおくれ、デル」と彼は言いました。「ぼくのことでね。髪を切ろうが、顔をそろうが、頭を洗おうが、そんなことでぼくがぼくの娘を少しでも好きでなくなるなんてことは、ないと思うよ。でも、その包みを開けてみれば、どうしてぼくが最初しばらくあんなふうだったのか、わかるかもしれないよ。」 白い、すばやい指がひもと紙を引きちぎりました。そして、うっとりとした喜びの叫び声。それから、ああ! たちまち女らしく、取り乱した涙と泣き声に変わり、このアパートの主は、ありったけのなぐさめの力をすぐに使わなければなりませんでした。 というのも、そこにあったのは、あの櫛だったのです——両脇用と後ろ用のひとそろいの櫛で、デラがブロードウェイの店の窓で長いあいだあがめるように見つめていたものでした。美しい櫛で、本物のべっこうでできていて、縁には宝石がはめこまれていました——あの美しい、今は消えてしまった髪にさすのにちょうどよい色合いでした。高価な櫛だと彼女は知っていて、手に入る望みなどまったくないまま、ただ心の中で欲しがり、焦がれていたのでした。そして今、それは彼女のものになりました。けれども、あこがれの飾りを飾るはずだった豊かな髪は、もうなかったのです。 それでも彼女は櫛を胸に抱きしめ、やがて、うるんだ目でほほえみながら顔を上げて、こう言うことができました。「私の髪はとても早く伸びるのよ、ジム!」 それからデラは、毛を焦がした子猫のように飛び上がって、「あっ、あっ!」と叫びました。 ジムは、まだ自分への美しい贈り物を見ていなかったのです。彼女はそれを開いた手のひらにのせ、いそいそと差し出しました。くすんだ貴い金属が、彼女の明るく燃えるような心を映して、きらめくように見えました。 「すてきでしょう、ジム? 町じゅう探し回って見つけたのよ。これからは、一日に百回だって時間を見なくちゃね。時計を貸して。これを付けたらどう見えるか見たいの。」 ジムは言われたとおりにはせず、長いすにどさりと倒れこみ、両手を頭の後ろに組んで、ほほえみました。 「デル」と彼は言いました。「ぼくたちのクリスマスの贈り物は、しまっておいて、しばらく取っておこうよ。今すぐ使うには、すてきすぎるからね。ぼくは、きみの櫛を買うお金を作るために、時計を売ったんだ。さあ、お肉を焼いてくれないか。」 東方の三博士は、ご存じのとおり、賢い人たち——すばらしく賢い人たちで、飼い葉おけの中のみどりごに贈り物を持ってきました。彼らが、クリスマスの贈り物をするというならわしを始めたのです。賢い人たちだったので、その贈り物もきっと賢いもので、もしかすると、同じ物が重なったときには取り替えてもらえる特典が付いていたかもしれません。そして私はここで、あるアパートに住む二人の愚かな子どもの、何の変哲もない物語を、つたない筆でお話ししてきました。二人は、最も賢くないやり方で、自分たちの家のいちばんの宝をお互いのために犠牲にしたのです。けれども、今の世の賢い人たちに最後に一言いわせてください。贈り物をするすべての人の中で、この二人こそがいちばん賢かったのです。贈り物をし、贈り物を受け取るすべての人の中で、この二人のような人こそがいちばん賢いのです。どこにいても、いちばん賢いのです。彼らこそが、東方の三博士なのです。 語釈 帯の外の語は 95 語です。★ 気持ちを言う語が多い のに気づいてください—— ecstatic ・ hysterical ・ ardent ・ terrified 。 語(品詞) 意味 注 Babe en 名 みどりご。聖書のキリスト Broadway en 名 ブロードウェイ。ニューヨークの通り Christmas en 名 クリスマス( 8.74 読編 ) Colorful lights decorated every shop window during the Christmas season. クリスマスの季節には、どの店の窓もカラフルな明かりで飾られていました。 Combs en 名 櫛(複数) Combs made of tortoise shell were once considered quite fashionable. べっこうでできた櫛は、かつてはとても粋なものと考えられていました。 Coney en 名 コニー。 Coney Island は遊び場のある島 Dell en 名 デル。デラの愛称 Della en 名 デラ( 8.95 読編 ) Eve en 名 前夜。 Christmas Eve でクリスマスの前夜 They gathered around the fire on New Year's Eve. 彼らは大晦日の夜、火のまわりに集まりました。 Jim en 名 ジム( 8.95 読編 ) Merry en 形 楽しい。 Merry Christmas の一部 The children laughed and sang a merry song by the fire. 子どもたちは笑いながら、火のそばで楽しい歌を歌いました。 Oh en 間 ああ Oh, I completely forgot to mail that important letter. ああ、その大事な手紙を出すのを完全に忘れていました。 adorned en 動 飾った Fresh flowers adorned every table at the wedding reception. 披露宴のすべてのテーブルは、生花で飾られていました。 adornments en 名 飾り(複数) Simple adornments of ribbon decorated the little wooden box. リボンの簡素な飾りが、その小さな木箱を彩っていました。 alas en 間 ああ( 8.74 読編 ) Alas, the last train had already left the station. ああ、最終電車はもう駅を出たあとでした。 anyhow en 副 とにかく( 8.80 読編 ) The rain was heavy, but they went out anyhow. 雨は激しかったのですが、とにかく彼らは外に出かけました。 ardent en 形 燃えるような She remained an ardent supporter of the small local school. 彼女は、その小さな地元の学校の燃えるような支持者であり続けました。 assertion en 名 言い切り His bold assertion surprised everyone seated around the table. 彼の思い切った言い切りは、テーブルを囲む皆を驚かせました。 awfully en 副 ものすごく The soup smelled awfully good after the long cold walk. その長い寒い散歩のあと、そのスープはものすごく良い香りがしました。 bosom en 名 胸 She pressed the old photograph gently against her bosom. 彼女は、その古い写真をそっと胸に押し当てました。 chops en 名 骨つき肉(複数) The butcher trimmed the fat from the lamb chops. 肉屋は、その骨つき羊肉から余分な脂身を取り除きました。 chorus en 名 コーラス。 chorus girl は踊り子 The whole chorus sang beautifully during the final scene. そのコーラス全員が、最後の場面で美しく歌いました。 chronicle en 名 記録( 8.77 読編 ) The old book was a chronicle of the town's early years. その古い本は、その町の初期の年月についての記録でした。 couch en 名 長いす( 8.95 読編 ) He fell asleep on the couch while reading his newspaper. 彼は新聞を読みながら、長いすの上で眠り込んでしまいました。 coveted en 形 焦がれていた The award had long been coveted by every young artist. その賞は、若い芸術家なら誰もが長い間焦がれていたものでした。 craved en 動 切に欲しがった After the long hike, she craved a warm cup of tea. その長い山歩きのあと、彼女は温かいお茶を切に欲しがりました。 curiously en 副 けげんそうに The cat looked curiously at the strange new toy. その猫は、その奇妙な新しいおも