自分の見方を試す――ヘーゲルの意識の経験と弁証法 — Epoché
解説 自分の確かさの基準を試す 『精神現象学』では、意識、つまり何かを知る自分のあり方が、さまざまな見方をたどる。その見方自身が頼る確かさの基準を試し、行き詰まりから次の見方を学ぶ。 全員が同じ順で育つ心理法則や、他人を言い負かす技法ではない。 出典1 ただ「このもの」を知るだけか 感覚的確信では、目の前の「このもの」を直接知っていると考える。しかし内容を捉えるにも概念、ものを捉える考えの枠が働く。だから、直接な個別だけを知るという理解が見直される。 感覚そのものが無価値だという否定ではない。ここではヘーゲルが見直しを求める理由を示している。 出典1 次へ進む理由を、内容の内側から追う 弁証法は、ここでは考えの内部の片寄りや矛盾と、捉え直す理由を追う方法。外から正反合の三枠を押し付けるのではなく、その考えがなぜ行き詰まるかを見る。 何でも三つに分ければ理解できる万能公式ではない。移行や体系には解釈の争点があり、この入口だけで全論証を証明しない。 出典2 問いと理由の見取り 検討 確かめる理由 直接の確信 ただ個別の「このもの」を知るのか 基準を試す 捉える際に概念が働いていないか 見直し 直接な個別だけ、では説明しきれない 感覚的確信の議論を短く示したもの。正反合の万能公式や、心理的成長の実証図ではない。 参考文献 [1] Redding, Paul「Georg Wilhelm Friedrich Hegel」。 出典 [2] Maybee, Julie E.「Hegel’s Dialectics」。 出典