意味と指示を分ける――フレーゲ — Epoché
解説 同じ金星でも、新しい発見になる 「明けの明星」と「宵の明星」は、どちらも金星を指す。それでも、両者が同じ天体だと知ることは新しい情報になる。同じものを指すだけでは、この違いを説明しきれない。 同じ天体だという発見は、単に二つの語を眺めただけで得られるものではない。 出典1 指すものと、捉え方を分ける フレーゲは、表現が指す対象と、その対象の捉え方である意義を区別した。朝に見える星として捉えることと、夕方に見える星として捉えることは異なる。 ここでは、名前が何を指すかと、どう理解されるかを分ける。 出典1 信じている内容では、置換に注意する 「ジョンはマーク・トウェインが作家だと信じる」を、同じ人物の別名サミュエル・クレメンズへ替えると、真偽が変わる場合がある。ジョンが二つの名前の同一人物を知らないためだ。 これは教材用の名前の例。フレーゲは信念を報告する文の中では、表現が通常の意義を指すと説明した。 出典1 同じ対象、違う捉え方 表現 指す対象 捉え方 明けの明星 金星 朝に見える星 宵の明星 金星 夕方に見える星 対象の同一性と、表現の情報価値を分ける表。 参考文献 [1] Edward N. Zalta「Gottlob Frege」。 出典