心と身体はどう関わるか――デカルトとエリザベト — Epoché
解説 異なるものが、どう働き合うか デカルトは心と身体を異なる実体とする。実体は、ここではそれ自体で存在するとされるもの。エリザベトは、物体でない心がどう身体を動かせるのかと問い、その結びつきの説明を求めた。 二つを区別することと、相互作用を説明することは別。相互作用は、心と身体が互いに働きかけること。最初の問いは、とくに心から身体への働きかけに向けられた。 出典1 働きかけを説明する条件 当時の因果の説明は、延長、つまり空間的な広がりと結びついていた。彼女の問いは、心と身体に適した因果の説明か、そうした説明ができる心の捉え直しを求める。デカルトの重さを使った応答にも、一貫性を問うた。 単に分からないという感想ではない。応答によって全て解決したとも、二人が同じ結論に達したとも言わない。 出典1 身体の調子と、考える力 身体の調子が思考の能力に影響する例も挙げ、考える働きが身体から完全に独立するという見方を問い直した。考える自律性と、それを支える身体の条件の両方を見る。 心を身体だけに還元したと確定しない。彼女がどの代案を採ったかには解釈上の違いがある。女性の能力が劣るという主張も事実として追認しない。 出典1 区別から残る、異なる問い 論点 確かめること 心と身体の区別 どのようなものと考えるか 心から身体への働き 異なる実体の因果をどう説明するか 身体の調子 思考の能力にどう関わるか 区別を置いただけでは働きかけの説明は終わらない。二人のやり取りに残る問題を示す。 参考文献 [1] Shapiro, Lisa「Elisabeth, Princess of Bohemia」。 出典