8.4 日記を書く — 二つの過去を自分で選ぶ — Epoché
この 課 か で 書ける かける ようになること 一 いち 日 にち のことを、 二 ふた つの 過去 かこ を 使い分け つかいわけ て 書ける かける 。 骨 ほね と 背景 はいけい を 分け わけ て、 日記 にっき を 組み立て くみたて られる。 自分 じぶん の 書い かい た 文 ぶん の 相 そう を、 自分 じぶん で 点検 てんけん できる。 前提 ぜんてい : 8.3( 依頼 いらい のメールを 書く かく )。 第 だい 2 期 き の 作文 さくぶん の 最後 さいご の 課 か です。 日記 にっき を 書き かき ます。この 編 へん でいちばん 手ごわい てごわい 課 か です。 3.11 で 学ん まなん だ 二 ふた つの 過去 かこ を、 今度 こんど は 自分 じぶん で 選ば えらば なければならない からです。 読む よむ ときは、 選ば えらば れた 形 かたち を 受け取る うけとる だけでした。 書く かく ときは 違い ちがい ます。 一文 かずふみ ごとに、どちらかを 決め きめ なければ 書き進め かきすすめ られません。 日本 にっぽん 語 ご には 中立 ちゅうりつ の 形 かたち があるので、この 決断 けつだん は 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ にとって 新しい あたらしい 経験 けいけん です。 骨 ほね と 背景 はいけい に 分ける わける 3.11 の 終わり おわり に 書い かい た 分け わけ 方 かた を、そのまま 使い つかい ます。 物語 ものがたり の 骨 ほね は 一 いち 回 かい きりの 過去 かこ 、 背景 はいけい は 続い つづい ていた 過去 かこ 。 日記 にっき に 当てはめる あてはめる と、こうなります。 骨 ほね は、その 日 ひ に 起き おき たこと。 起き おき た、 出かけ でかけ た、 会っ あっ た、 食べ たべ た、 帰っ かえっ た。 順 じゅん に 並べ ならべ ていくと、その 日 ひ の 筋 すじ になります。 背景 はいけい は、そのときどうだったか。 暑かっ あつかっ た、 混ん こん でいた、 疲れ つかれ ていた、 雨 あめ が 降っ ふっ ていた。 骨 ほね のあいだに 挟む はさむ と、その 日 ひ の 様子 ようす になります。 書き かき 方 かた の 順序 じゅんじょ としては、 まず 骨 ほね だけを 書い かい てください。 起き おき た、 行っ いっ た、 食べ たべ た、 帰っ かえっ た。それから、そのあいだに 背景 はいけい を 挟ん はさん でいく。 この 順 じゅん で 書く かく と、 相 そう の 選択 せんたく を 二 に 度 ど に 分け わけ られます。 いっぺんに 決めよう きめよう とするより 楽 らく です。 手本 てほん — ある 一 いち 日 にち 表 ひょう は 十 じゅう 行 ぎょう です。 右 みぎ の 欄 らん が、その 文 ぶん が 骨 ほね か 背景 はいけい かを 示し しめし ています。 文 ぶん 訳 わけ 骨 ほね か 背景 はいけい か Χθες ξύπνησα νωρίς. 昨日 きのう は 早く はやく 起き おき ました。 骨 ほね 。 一 いち 回 かい きりの 出来事 できごと Έκανε πολλή ζέστη. とても 暑かっ あつかっ たです。 背景 はいけい 。 一 いち 日 にち じゅう 続い つづい た 状態 じょうたい Πήγα στην αγορά. 市場 しじょう へ 行き いき ました。 骨 ほね 。 行っ いっ て 着い つい た Είχε πολύ κόσμο. 人 ひと がたくさんいました。 背景 はいけい 。そのあいだ 続い つづい ていた 様子 ようす Αγόρασα ντομάτες και ψωμί. トマトとパンを 買い かい ました。 骨 ほね 。 買い かい 終え おえ た 出来事 できごと Μετά συνάντησα τη Μαρία. そのあとマリアに 会い あい ました。 骨 ほね 。 会っ あっ た、という 一点 いってん Πίναμε καφέ και μιλούσαμε. コーヒーを 飲み のみ ながら 話し はなし ていました。 背景 はいけい 。しばらく 続い つづい たこと Γύρισα σπίτι στις έξι. 六 ろく 時 じ に 家 いえ へ 帰り かえり ました。 骨 ほね 。 帰り着い かえりつい た Ήμουν κουρασμένη. 疲れ つかれ ていました。 背景 はいけい 。 状態 じょうたい なので 選ぶ えらぶ 余地 よち が 無い ない Κοιμήθηκα νωρίς. 早く はやく 寝 ね ました。 骨 ほね 。その 日 ひ の 最後 さいご の 出来事 できごと 骨 ほね だけを 拾う ひろう と、 起き おき た、 行っ いっ た、 買っ かっ た、 会っ あっ た、 帰っ かえっ た、 寝 ね た —— 六 むい つです。これがこの 日 ひ のあらすじです。 背景 はいけい の 四 よん つを 取り除い とりのぞい ても、 話 はなし は 通じ つうじ ます。 逆 ぎゃく に 背景 はいけい だけを 拾う ひろう と、 暑かっ あつかっ た、 混ん こん でいた、 話し はなし ていた、 疲れ つかれ ていた 。 何 なん が 起き おき たかは 分かり わかり ませんが、どんな 日 ひ だったかは 伝わり つたわり ます。 二 ふた つの 過去 かこ は、 二 ふた つの 違う ちがう ことを 語っ かたっ ている のです。 迷っ まよっ たときの 三 みっ つの 目安 めやす それでも 迷う まよう 文 ぶん があります。そのときの 目安 めやす を 三 みっ つ。 一 ひと つ、 終わっ おわっ たかどうかを 考える かんがえる 。 終わり おわり がはっきりしていれば 一 いち 回 かい きり、していなければ 続い つづい ていた 過去 かこ です。 二 ふた つ、 日本 にっぽん 語 ご で「〜ていた」と 言える いえる かを 試す ためす 。 言える いえる なら 続い つづい ていた 過去 かこ です。ただし、 言える いえる からといって 必ず かならず そうとは 限り かぎり ません。 三 みっ つ、その 文 ぶん が 無く なく ても 話 はなし が 通じる つうじる かを 見る みる 。 通じる つうじる なら 背景 はいけい 、 通じ つうじ ないなら 骨 ほね です。 これがいちばん 確か たしか な 目安 めやす です。 骨 ほね を 抜く ぬく と 話 はなし が 飛び とび ますが、 背景 はいけい を 抜い ぬい ても 筋 すじ は 残り のこり ます。 AI への 頼み たのみ 方 かた 相 そう の 点検 てんけん は、AI がいちばん 役 やく に 立つ たつ ところです。ただし 頼み たのみ 方 かた が 要り いり ます。 「 相 そう の 選択 せんたく だけ 見 み てください。ほかは 見 み なくてけっこうです」 と 絞っ しぼっ てください。 全部 ぜんぶ 見 み てもらうと、 語尾 ごび や 冠詞 かんし の 細かい こまかい 指摘 してき に 埋もれ うずもれ ます。 そして 「なぜそちらなのかを 説明 せつめい してください」 。 直っ なおっ た 形 かたち だけもらっても、 次 つぎ に 自分 じぶん で 選べる えらべる ようになりません。 理由 りゆう を 聞く きく ことが、この 課 か の 目的 もくてき そのもの です。 もう 一 ひと つ。 「どちらでもよい 文 ぶん はありますか」 と 尋ねる たずねる と、 面白い おもしろい 返事 へんじ が 来 き ます。 実際 じっさい 、どちらでも 成り立つ なりたつ 文 ぶん はあります。そのときは 書き手 かきて が 何 なん を 見せ みせ たいか で 決まり きまり ます。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 骨 ほね と 背景 はいけい を 分ける わける 次 つぎ の 文 ぶん は、 骨 ほね と 背景 はいけい のどちらですか。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 八 はち 時 じ に 家 いえ を 出 で た 雨 あめ が 降っ ふっ ていた 電車 でんしゃ が 混ん こん でいた 友だち ともだち に 手紙 てがみ を 書い かい た 練習 れんしゅう 2 — 骨 ほね だけで 書く かく 昨日 きのう 一日 ついたち のことを、 骨 ほね だけ 六 ろく 文 ぶん で 書い かい てください。 全部 ぜんぶ が 一 いち 回 かい きりの 過去 かこ になります。 練習 れんしゅう 3 — 背景 はいけい を 挟む はさむ 練習 れんしゅう 2 の 六 ろく 文 ぶん のあいだに、 背景 はいけい を 四 よん 文 ぶん 挟ん はさん でください。 全部 ぜんぶ が 続い つづい ていた 過去 かこ になります。 合わせ あわせ て 十 じゅう 文 ぶん の 日記 にっき ができます。 練習 れんしゅう 4 — 音読 おんどく 書い かい た 十 じゅう 文 ぶん を、 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 骨 ほね の 文 ぶん は 速く はやく 、 背景 はいけい の 文 ぶん はゆっくり 読む よむ こと 。 読み分け よみわけ られれば、 選択 せんたく が 正しく ただしく できています。 読み分け よみわけ にくい 文 ぶん があれば、そこが 迷っ まよっ たところです。 この 課 か のまとめ 読む よむ ときは 受け取る うけとる だけだが、 書く かく ときは 一文 かずふみ ごとに 相 そう を 決める きめる 。 骨 ほね は 一 いち 回 かい きりの 過去 かこ 、 背景 はいけい は 続い つづい ていた 過去 かこ 。 3.11 の 分け わけ 方 かた をそのまま 使う つかう 。 書く かく 順序 じゅんじょ は まず 骨 ほね だけ、それから 背景 はいけい を 挟む はさむ 。 選択 せんたく を 二 に 度 ど に 分け わけ られる。 骨 ほね だけであらすじになり、 背景 はいけい だけでどんな 日 ひ だったかが 伝わる つたわる 。 二 ふた つは 違う ちがう ことを 語っ かたっ ている 。 迷っ まよっ たら その 文 ぶん が 無く なく ても 話 はなし が 通じる つうじる か を 見る みる 。いちばん 確か たしか な 目安 めやす 。 AI には 相 そう だけ 見 み てもらい、 理由 りゆう を 聞く きく 。 直っ なおっ た 形 かたち だけでは 次 つぎ に 選べ えらべ ない。 次 つぎ の 課 か へ これで 第 だい 2 期 き の 作文 さくぶん は 終わり おわり です。8.5 からは 第 だい 3 期 き で、 礼状 れいじょう と 描写 びょうしゃ と 物語 ものがたり に 進み すすみ ます。 書く かく ことは、そこから 読み手 よみて を 意識 いしき する 段 だん に 入り はいり ます。 答え こたえ 練習 れんしゅう 1 文 ぶん 骨 ほね か 背景 はいけい かと、その 理由 りゆう 八 はち 時 じ に 家 いえ を 出 で た 骨 ほね 。 出 で た、という 一点 いってん の 出来事 できごと だから 雨 あめ が 降っ ふっ ていた 背景 はいけい 。そのあいだ 続い つづい ていた 状態 じょうたい だから 電車 でんしゃ が 混ん こん でいた 背景 はいけい 。これも 続い つづい ていた 様子 ようす 友だち ともだち に 手紙 てがみ を 書い かい た 骨 ほね 。 書き上げ かきあげ た 出来事 できごと だから 練習 れんしゅう 2 と 3 の 答え こたえ の 例 れい 答え こたえ は 一 ひと つではありません。 手本 てほん の 十 じゅう 文 ぶん が、そのまま 一 ひと つの 例 れい になっています。 骨 ほね の 六 ろく 文 ぶん —— 起き おき た、 行っ いっ た、 買っ かっ た、 会っ あっ た、 帰っ かえっ た、 寝 ね た——のあいだに、 暑かっ あつかっ た、 混ん こん でいた、 話し はなし ていた、 疲れ つかれ ていた、の 四 よん 文 ぶん が 挟まっ はさまっ ています。 ここで 一 ひと つ 気づい きづい てほしいことがあります。 手本 てほん の 七 なな つ 目 め だけ、 背景 はいけい なのに 二 ふた つの 動詞 どうし が 並ん ならん でいます。 飲ん のん でいた、 話し はなし ていた。 同時 どうじ に 続い つづい た 二 ふた つのことなので、どちらも 続く つづく 過去 かこ です。 背景 はいけい は 重ね かさね られる —— 骨 ほね はそうはいきません。 参考 さんこう 文献 ぶんけん この 課 か に 引用 いんよう はありません。 例 れい はすべて 書き下ろし かきおろし です。