人ができることに注目する――センとヌスバウム — Epoché
解説 持っていることと、できること ケイパビリティとは、人が実際に何をし、どう生きられるかという実質的な機会。食べる・学ぶなど達成したことと、それを選べる機会は違う。投票できても、投票しない選択もありうる。 生まれつきの能力や、法的な許可だけではない。全員に同じ生き方の実行を求めることとも区別する。 出典1 資源を、何に変えられるか 同じ自転車があっても、身体の条件、乗り方の習得、社会の規範や道路で、移動に使えるかは異なる。資源の量だけでなく、その人が実際に何をできるかを見る。 満足だけでも測れない。厳しい生活に期待を合わせている人もいる。機会の違いを個人の努力だけへ還元しない。 出典1 何を重要とするかにも、議論がある ヌスバウムは、尊厳ある生活に必要な中心的な機会の一覧を提案し、実施には地域の違いも考慮する。センは、一般の議論なしに理論家が決める固定一覧を避け、公的な理由の検討を重んじる。 一覧は修正に開かれ、センも目的に応じ選択を行う。方法はこの二つだけでなく、誰が何を選ぶかには異論がある。この共通の枠組みだけで制度の全ては決まらない。 出典1 区別 移動の例 資源 自転車がある 実質的な機会 身体・技能・道路などの条件がそろい、乗れる 達成したこと 実際に自転車で移動した 出典の自転車例に沿う整理。資源があれば必ず達成するという因果図ではない。 参考文献 [1] Robeyns, Ingrid; Byskov, Morten Fibieger「The Capability Approach」。 出典