4.1 名詞文 — 「です」に当たる語が無い — Epoché
この 課 か でできるようになること 名詞 めいし を 2 つ 並べ ならべ て 文 ぶん を 作れる つくれる 。 1 語 ご 目 め が 定まっ さだまっ た 語 ご 、2 語 ご 目 め が 定まっ さだまっ ていない 語 ご という 条件 じょうけん を 説明 せつめい できる。 同じ おなじ 2 語 ご でも、 定冠詞 ていかんし の 付け つけ 方 かた で 文 ぶん にも 句 く にもなることを 見分け みわけ られる。 前提 ぜんてい : 3.12(フスハーと 方言 ほうげん の 地図 ちず 、そして 国際 こくさい 語 ご ) 並べる ならべる だけで 文 ぶん になる アラビア 語 ご の 文 ぶん には 2 種類 しゅるい あります。 名詞 めいし で 始まる はじまる 文 ぶん と、 動詞 どうし で 始まる はじまる 文 ぶん です。この 課 か から 4.9 課 か まで、 名詞 めいし で 始まる はじまる 文 ぶん を 扱い あつかい ます。 動詞 どうし で 始まる はじまる 文 ぶん は 4.10 課 か からです。 名詞文 めいしぶん のいちばん 大きな おおきな 特徴 とくちょう は、 「です」に 当たる あたる 語 ご が 無い ない ことです。 英語 えいご なら is や are が 要り いり 、 日本語 にほんご なら「です」「である」が 要り いり ますが、アラビア 語 ご の 現在 げんざい 形 かたち には 対応 たいおう する 語 ご がありません。 名詞 めいし を 2 つ 並べる ならべる だけで 文 ぶん になります。 「その 家 いえ は 大きい おおきい 」は、その 家 いえ 、 大きい おおきい 、と 並べる ならべる だけ。「 私 わたくし は 日本人 にほんじん です」は、 私 わたくし 、 日本人 にほんじん 、と 並べる ならべる だけ。 日本語話者 にほんごわしゃ にとって、これほど 楽 らく な 入口 いりぐち はありません。 ただし、 並べれ ならべれ ば 何 なん でも 文 ぶん になるわけではありません。 条件 じょうけん があります。 1 語 ご 目 め は 定まっ さだまっ た 語 ご 、2 語 ご 目 め は 定まっ さだまっ ていない 語 ご でなければなりません。0.8 課 か で 扱っ あつかっ た 定冠詞 ていかんし とタンウィーンの 対立 たいりつ が、ここで 働き はたらき ます。 この 条件 じょうけん を 守ら まもら ないと、 文 ぶん ではなく 句 く になります。「その 大きい おおきい 家 いえ 」という、 文 ぶん ではないひとかたまりの 名詞 めいし です。 同じ おなじ 2 語 ご でも、 定冠詞 ていかんし の 付け つけ 方 かた ひとつで 文 ぶん にも 句 く にも 変わる かわる ——ここがこの 課 か の 勘所 かんどころ です。 なお 過去 かこ 形 かたち には「です」に 当たる あたる 語 ご があります。3.9 課 か で 出 で てきた「〜であった」という 動詞 どうし で、4.15 課 か で 扱い あつかい ます。 無い ない のは 現在 げんざい 形 かたち だけです。 型 かた の 骨組み ほねぐみ 骨組み ほねぐみ は 2 語 ご です。1 語 ご 目 め を 主語 しゅご 、2 語 ご 目 め を 述語 じゅつご と 呼び よび ます。 1 語 ご 目 め ( 主語 しゅご ) 2 語 ご 目 め ( 述語 じゅつご ) 読み よみ 方 かた と 意味 いみ الْبَيْتُ كَبِيرٌ アル・バイトゥ・カビールン。その 家 いえ は 大きい おおきい الْكِتَابُ جَدِيدٌ アル・キターブ・ジャディードゥン。その 本 ほん は 新しい あたらしい أَنَا يَابَانِيٌّ アナー・ヤーバーニーユン。 私 わたくし は 日本人 にほんじん です هَذَا بَيْتٌ ハーザー・バイトゥン。これは 家 いえ です الطَّالِبُ مِصْرِيٌّ アッ・ターリブ・ミスリーユン。その 学生 がくせい はエジプト 人 にん です 1 語 ご 目 め には 定冠詞 ていかんし が 付い つい ているか、 代 だい 名詞 めいし か、 指示詞 しじし が 来 き ます。どれも 「 定まっ さだまっ ている」 という 点 てん で 共通 きょうつう しています。2 語 ご 目 め には 定冠詞 ていかんし が 付か つか ず、タンウィーンが 付き つき ます。 この 課程 かてい のカタカナ 表記 ひょうき は、1.5 課 か の 決まり きまり どおり 文 ぶん の 終わり おわり で 語尾 ごび を 落とし おとし た 形 かたち で 書き かき ます。 上 うえ の 表 ひょう では 骨組み ほねぐみ を 見せる みせる ために 語尾 ごび も 書い かい てありますが、 実際 じっさい に 読む よむ ときは 最後 さいご の 語 ご の 語尾 ごび を 落とし おとし ます。 実際 じっさい の 文 ぶん で 見る みる 母語 ぼご 話者 わしゃ が 書い かい た 実際 じっさい の 文 ぶん で 見 み ます。どれも 2 語 ご か 3 語 ご の 短い みじかい 名詞文 めいしぶん です。 文 ぶん 意味 いみ 組み立て くみたて هذا أخي. [1] これは 私 わたくし の 兄弟 きょうだい です。 指示詞 しじし と、 所有 しょゆう の 語尾 ごび が 付い つい た 名詞 めいし أنا أبوك. [2] 私 わたくし はあなたの 父 ちち です。 代 だい 名詞 めいし と、 所有 しょゆう の 語尾 ごび が 付い つい た 名詞 めいし أنا أجنبي. [3] 私 わたくし は 外国 がいこく 人 にん です。 代 だい 名詞 めいし と、 定まっ さだまっ ていない 名詞 めいし الجو بارد جدا. [4] とても 寒い さむい です。 その 天気 てんき 、 寒い さむい 、とても、の 3 語 ご الجو حار اليوم. [5] 今日 きょう は 暑い あつい です。 その 天気 てんき 、 暑い あつい 、 今日 こんにち 、の 3 語 ご البيت الجديد هنا. [6] その 新しい あたらしい 家 いえ はここです。 句 く と 述語 じゅつご 。1 語 ご 目 め が 2 語 ご でできている 天気 てんき を 言う いう 文 ぶん が 2 つあります。アラビア 語 ご では 「その 天気 てんき は 暑い あつい 」 という 形 かたち で 言い いい 、 日本語 にほんご の「 今日 きょう は 暑い あつい 」とは 組み立て くみたて が 違い ちがい ます。 天気 てんき を 表す あらわす 語 ご が 主語 しゅご に 立つ たつ のが 決まり きまり です。 最後 さいご の 文 ぶん では、1 語 ご 目 め が「その 新しい あたらしい 家 いえ 」という 2 語 ご のかたまりになっています。 主語 しゅご は 1 語 ご でなくてもよい のです。この 作り つくり 方 かた は 4.6 課 か で 扱い あつかい ます。 日本語 にほんご ならどう 言う いう か 日本語 にほんご と 並べる ならべる と、アラビア 語 ご の 名詞文 めいしぶん がどれだけ 単純 たんじゅん かが 分かり わかり ます。 日本語 にほんご は「その 家 いえ は 大きい おおきい です」と 言い いい ます。 主語 しゅご の 後ろ うしろ に 助詞 じょし の「は」が 付き つき 、 文末 ぶんまつ に「です」が 付き つき ます。 日本語 にほんご では 2 つの 部品 ぶひん が 足さ たさ れている わけです。 アラビア 語 ご には、そのどちらもありません。 助詞 じょし に 当たる あたる ものは 無く なく 、「です」に 当たる あたる 語 ご も 無い ない 。 ただ 2 語 ご を 並べる ならべる だけ です。 そのぶん、 語 ご の 側 がわ に 印 しるし が 付き つき ます。1 語 ご 目 め には 定冠詞 ていかんし 、2 語 ご 目 め にはタンウィーン。 日本語 にほんご が 語 ご と 語 ご のあいだに 助詞 じょし を 置く おく のに 対し たいし 、アラビア 語 ご は 語 ご そのものに 印 しるし を 付ける つける ——この 違い ちがい が、この 編 へん を 通じ つうじ て 何 なん 度 ど も 出 で てきます。 英語 えいご を 学ん まなん だ 人 ひと には、be 動詞 どうし が 無い ない ことのほうが 驚き おどろき でしょう。ロシア 語 ご やヘブライ 語 ご にも 同じ おなじ 仕組み しくみ があり、 世界 せかい の 言語 げんご では 珍しい めずらしい ことではありません。 日本語 にほんご アラビア 語 ご 何 なん が 足さ たさ れているか その 家 いえ は 大きい おおきい です الْبَيْتُ كَبِيرٌ アル・バイトゥ・カビール 助詞 じょし の「は」と、 文末 ぶんまつ の「です」 私 わたくし は 学生 がくせい です أَنَا طَالِبٌ アナー・ターリブ 助詞 じょし の「は」と、 文末 ぶんまつ の「です」 これは 本 ほん です هَذَا كِتَابٌ ハーザー・キターブ 助詞 じょし の「は」と、 文末 ぶんまつ の「です」 アラビア 語 ご の 側 がわ が 短い みじかい のが 目 め で 見 み て 分かり わかり ます。 2 語 ご で 済む すむ ものを、 日本語 にほんご は 4 つの 部品 ぶひん で 言っ いっ ている ということです。 よくある 誤り あやまり 「です」に 当たる あたる 語 ご を 探し さがし て 入れ いれ てしまう。 英語 えいご の be 動詞 どうし に 当たる あたる 語 ご を 入れよう いれよう とする 人 ひと がいますが、 現在 げんざい 形 かたち には 存在 そんざい しません。 過去 かこ 形 かたち の「〜であった」を 現在 げんざい の 意味 いみ で 使う つかう のも 誤り あやまり です。 2 語 ご 目 め に 定冠詞 ていかんし を 付ける つける 。 付ける つける と 文 ぶん ではなく 句 く になります。「その 家 いえ 、その 大きい おおきい 」と 並べる ならべる と「その 大きい おおきい 家 いえ 」という 名詞 めいし のかたまりになり、 文 ぶん として 成立 せいりつ しません。 聞い きい た 相手 あいて は 続き つづき を 待ち まち ます。 1 語 ご 目 め を 定まっ さだまっ ていない 語 ご にする。 「 家 いえ 、 大きい おおきい 」と 並べ ならべ ても 文 ぶん になりません。これも 句 く として「 大きい おおきい 家 いえ 」と 受け取ら うけとら れます。 1 語 ご 目 め は 必ず かならず 定まっ さだまっ た 語 ご です。 文 ぶん と 句 く を 見分ける みわける 同じ おなじ 2 語 ご が、 定冠詞 ていかんし の 付け つけ 方 かた で 文 ぶん にも 句 く にもなります。この 違い ちがい は 実際 じっさい に 読む よむ ときに 何 なん 度 ど も 出 で てくるので、ここで 確かめ たしかめ ておきます。 見分け みわけ 方 かた は 単純 たんじゅん です。 2 語 ご 目 め に 定冠詞 ていかんし が 付い つい ていれば 句 く 、 付い つい ていなければ 文 ぶん 。これだけです。 無母音 むぼいん の 文章 ぶんしょう では、タンウィーンは 書か かか れません。しかし 定冠詞 ていかんし は 字 じ として 書か かか れるので、 この 見分け みわけ は 無母音 むぼいん でもできます 。 読む よむ ときの 大きな おおきな 手がかり てがかり です。 並び ならび 文 ぶん か 句 く か 意味 いみ الْبَيْتُ كَبِيرٌ アル・バイトゥ・カビール 文 ぶん その 家 いえ は 大きい おおきい الْبَيْتُ الْكَبِيرُ アル・バイトゥル・カビール 句 く その 大きい おおきい 家 いえ الْكِتَابُ جَدِيدٌ アル・キターブ・ジャディード 文 ぶん その 本 ほん は 新しい あたらしい الْكِتَابُ الْجَدِيدُ アル・キターブル・ジャディード 句 く その 新しい あたらしい 本 ほん 見分ける みわける のは 2 語 ご 目 め の 定冠詞 ていかんし の 有無 うむ だけ です。1 語 ご 目 め はどちらも 定冠詞 ていかんし つきで 同じ おなじ 形 かたち をしています。 練習 れんしゅう 練習 れんしゅう 1 — 文 ぶん か 句 く かを 見分ける みわける 次 つぎ の 並び ならび は 母音記号 ぼいんきごう なしで 書い かい てあります。 文 ぶん ですか、 句 く ですか。 意味 いみ も 答え こたえ てください。 答え こたえ はこの 課 か の 最後 さいご にあります。 البيت كبير الطالب الجديد أنا طالب الكتاب القديم هذا مكتب 練習 れんしゅう 2 — 音読 おんどく 次 つぎ の 5 つの 名詞文 めいしぶん は、 実際 じっさい の 文章 ぶんしょう と 同じ おなじ 無母音 むぼいん の 姿 すがた で 書い かい てあります。 声 こえ に 出し だし て 読ん よん でください。 文 ぶん の 終わり おわり では 語尾 ごび を 落とし おとし ます。1 語 ご 目 め と 2 語 ご 目 め のあいだで 少し すこし 間 あいだ を 取る とる と、 名詞文 めいしぶん らしく 聞こえ きこえ ます。 البيت