10.19 図表の説明文 — 読み方を、先に渡す — Epoché
この課でできるようになること ★ 標題に入れる四つ が言える。 ★ 説明文の四つの仕事 で書ける。 ★ 数を並べ直さない ことができる。 ★ 解釈を説明文に入れない ことができる。 前提 : 10.18 まで。論は 9.20 まで。読は 8.168 まで。型は 3.48 まで。 手本 手本は 「表の説明文の骨」 です。★ 四つの部分から、要になる文だけを抜いてあります —— 65 語、 9 文。行を押すと音が鳴ります。 英文 日本語訳 一 — 読み方を渡す The results were as follows. [1] 結果は次の通りだった。 ★ 結果の導入 The figures in this table are shown in thousands. [2] この表の数値は千単位で示されている。 ★ 単位 ——千単位だと断る The figures add up to 230. [3] 数字は合計で230となる。 ★ 合計 ——分母になる数 ★ 二文めと三文めが、この課のいちばんの要 です。★ 単位と合計 ——★ これが無いと、 数字が何を意味するか分かりません 。 ★ shown in thousands —— 千単位で示されている 。 ★ 表に 230 と書いてあっても、 二十三万 かもしれません。 英文 日本語訳 二 — 目立つ点を指す The number of cars driven in the city has increased. [4] 市内を走る自動車の数が増えた。 ★ 向き ——増えた( 3.48 型編 ) This is twice as large as that. [5] これはあれの2倍の大きさがある。 ★ 倍数 で比べる Compared with yours, my car is small. [6] 君の車と比べれば、ぼくの車は小さい。 ★ 比べる相手 を先に置く ★ 三文とも 比べ方 です ——★ 向き(増えた)、倍数(二倍)、相手(〜と比べて)。 ★ 3.48 型編 で置いた前置詞が、ここで効きます。 英文 日本語訳 三 — 例外と注記 Except for this mistake, this is a good report. [7] この間違いを別にすればこの報告書はよくできている。 ★ 〜を除けば ——例外を先に外す Please note that we have quoted the lowest possible price. [8] 最も低い見積価格をご提示していることをご理解ください。 ★ 注意書き の形 ★ 例外は、 見つけた人に言われる前に書きます 。 ★ 書いておけば 知っていたことになり 、書かなければ 見落としたことになります 。 英文 日本語訳 四 — 言えないこと I cannot say. [9] 何とも言えない。 ★ 言えないと書く ( 9.18 論編 ) ★ 一文で足ります。 ★ ここで 解釈に踏み込まない のが作法 です( 9.18 論編 )。 型 ★標題に入れる、四つ 何を入れるか 入れないとどうなるか ★ 何を ★ 何の数か分からない ★ 誰について ★ 誰に当てはまるか分からない ★ いつ ★ いまの話かどうか分からない ★ 単位 ★ 桁を間違える ★ 標題は、 一文で、動詞が無くてかまいません 。 ★ 英語の論文では、 名詞句で書く のがふつう です( 3.46 型編 )。 ★ そして、置く場所が決まっています ( 9.18 論編 )——★ 表は上、図は下 。 ★説明文は、図表と同じことを書かない ★ いちばん多い失敗は、 表の数字を全部文にする ことです。 どう書くか 読む人はどうするか ★ 数を並べ直す ★ 説明文を読み飛ばす ★ 読み方と目立つ点を書く ★ 説明文を先に読む ★ 図表があるのは、 数を全部見せるため です。 ★ 説明文があるのは、 どう見ればいいか渡すため です。 ★ だから、説明文に書く数は 二つか三つ で足ります ——★ いちばん大きいの、いちばん小さいの、そして 例外 。 ★何を主語にするか どんな主語か どんなときに使うか ★ 表や図 ★ 読み方を渡すとき ★ 数や物 ★ 目立つ点を指すとき ★ 自分 ★ 言えないことを書くとき ★ The table shows のように 表を主語にする のは、英語の学術文でふつうの形 です。★ 12.15 知編 で「書き手が消えるまで」を見ました ——★ ここは、 表が語る 形 です。 ★ けれども、 三つめだけは自分を主語にします 。 ★ 「この表からは言えない」は、 表の言い分ではなく書き手の判断 だから です。 ★解釈は、説明文に入れない ★ 9.18 論編 で「結果に『だから』を書かない」と置きました。 ★ 図表の説明文は、 結果の節の一部 です。 どちらの文か どこに置くか ★ 二〇一〇年から二倍になった ★ 説明文 ★ 制度が変わったからだ ★ 議論 ★ 混ぜると、 図表まで疑わしく見えます 。 ★ 数は動かないのに、読み方が一つに決められてしまう からです。 課題 ★ 表か図を一つ作り、 標題と説明文 を書いてください。 ★ 10.17 作編 で書いた抄録のもとになった調べ から作ると、★ 材料を探さずに済みます。 ★ 表か図かを決める 。★ 値を読ませたいなら表、形を見せたいなら図 ( 9.18 論編 )。 ★ 標題を一文 。★ 何を・誰について・いつ・単位 の四つを入れる。★ 表は上、図は下。 ★ 読み方を二文 。★ 単位と、分母になる数 。 ★ 目立つ点を二文 。★ 数は三つまで。 ★ 例外を一文 。★ 無ければ「無い」と確かめる ——★ 探さずに「無い」と書かないこと。 ★ 言えないことを一文 。★ ここだけ自分を主語にする。 ★ 目安は 80 〜 120 語 です。★ 表の数字を四つ以上書いていたら、 並べ直しています 。 練習 「手本」の九文を 続けて音読 する。3 周する。★ 2 周目は、部分ごとに区切って 読む。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。 ★ The figures in this table are shown in thousands. [2] を そらで言えるまで 音読する。★ 単位を断る一文 です。★ これを忘れると、読む人は桁を間違えます。 ★ Except for this mistake, this is a good report. [7] と Please note that we have quoted the lowest possible price. [8] を 続けて 音読する。★ 例外と注記は、 いつも組で出ます 。 AI への頼み方 図表の説明文は、 AI に点検させると効きます 。★ 書いた本人は、 図表を見ながら読んでしまう から です。頼み方を三つ置きます。 何を頼むか 頼み方の型 ★説明文だけで読ませる 「この説明文だけを読んで、 表がどんな形か を書いてください。★ 表は見せません 」 ★並べ直しを出させる 「この説明文から、 表を見れば分かること を全部抜き出してください」——★ 抜いたぶんが要らない ★解釈を出させる 「この説明文のうち、 数が支えていない文 を挙げてください」 ★ 一つめが、 いちばん残酷でいちばん役に立ちます 。 ★ 返ってきた形が自分の表と違っていたら、 読み方を渡せていません 。 ★ そして、 渡せている説明文は図表が無くても意味が通ります ——★ 10.17 作編 の抄録と同じ です。★ 図表は、本文から切り離されて回されることがあります。 自己点検表 点検すること 合格の目安 語数 ★ 八十〜百二十語 ★標題の四つ 全部ある ★単位 書いてある ★分母になる数 書いてある 説明文の中の数 ★ 三つまで ★例外 書いたか、無いと確かめた ★解釈の文 無い ★置き場所 表は上、図は下 この課のまとめ ★ 図表は、説明文が無いと読めない。 読む人が三手で読めるように、先に渡しておく。 ★ 標題に入れる四つ ——何を/誰について/いつ/ 単位 。 ★ 説明文は図表と同じことを書かない。 数を並べ直すと、説明文が読み飛ばされる。 ★ 説明文に書く数は二つか三つ ——いちばん大きいの、いちばん小さいの、そして 例外 。 ★ 例外は、見つけた人に言われる前に書く。 書けば知っていたことになり、書かなければ見落としたことになる。 ★ 主語は使い分ける ——読み方を渡すときは表や図、目立つ点は数や物、 言えないことだけ自分 。 ★ 解釈は説明文に入れない。 混ぜると、動かないはずの数まで疑わしく見える。 ★ 渡せている説明文は、図表が無くても意味が通る。 次の課へ 次の課は 10.20 、 第 6 期の作編の最後 です。★ 定義と分類のエッセイ ——★ 9.3 論編 の定義と 9.4 論編 の分類を、 一本の文章 にします。 ★ そして、 9.20 論編 の十二の型で 自分の文章を検めます 。 答え 「課題」で迷いやすいところの答えです。 ★ 表か図かで迷ったら、 読む人が何をするか を考えてください。 ★ ある一つの値を探しに来るなら表、 全体の傾きを見に来るなら図 です。 ★ 両方させたいなら、 両方載せてかまいません ——★ ただし、 どちらを先に見てほしいか を説明文で言ってください。 ★ 四つのうち、 「いつ」がいちばん落ちます 。 ★ 書いているときは いまの話に決まっている と思っている からです。★ けれども、 読まれるのは何年もあと かもしれません。 ★ 分母が書けないことがあります。 ★ 割合だけを計算した 場合です。★ そのときは、 もとの数に戻ってください ——★ 「六割」は、 五人のうち三人 かもしれません。 ★ 分母が小さいほど、 割合で書くと誤解されます 。 ★ 数を三つに絞ると、 何を選ぶかで迷います 。 ★ 迷ったら、 いちばん自分が驚いた数 を選んでください ——★ 読む人も、たいてい同じところで驚きます。 ★ 「探さずに『無い』と書かない」と書いたのには理由があります。 ★ 9.16 論編 の隙間の三つで、「誰もやっていない」が危ないと置きました。 ★ 図表の例外も同じ です——★ 「例外は無い」は、 全部見たときにだけ書けます 。 ★ 言えないことが思いつかないときは、 9.18 論編 の三つを当ててみてください ——★ 目盛りの下は切っていないか、分母は書いたか、ばらつきは書いたか。 ★ どれか一つは必ず当てはまります。 参考文献 Tatoeba 文 #238609(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/238609 Tatoeba 文 #57433(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/57433 Tatoeba 文 #271024(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/271024 Tatoeba 文 #246183(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/246183 Tatoeba 文 #55962(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/55962 Tatoeba 文 #17084(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/17084 Tatoeba 文 #59889(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/59889 Tatoeba 文 #243697(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/243697 Tatoeba 文 #3530447(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/3530447