0.1 音節・強勢・長短の綴り — Epoché
この 課 か でできるようになること ドイツ 語 ご の 音 おと のうち、 日本語 にほんご と 同じ おなじ ところと 違う ちがう ところを 見分け みわけ 、 以後 いご の 七 なな 課 か で 何 なん を 直す なおす のか 見通せる みとおせる 。 単語 たんご を 見 み て、 強勢 きょうせい ( 強く つよく 読む よむ 音節 おんせつ )がどこに 置か おか れるかを 言える いえる 。 母音 ぼいん が 長い ながい か 短い みじかい かを、 綴り つづり だけから 判定 はんてい できる。 前提 ぜんてい : なし。ここが 最初 さいしょ の 課 か です。 この 課 か だけは、ドイツ 語 ご そのものより 先 さき に「ドイツ 語 ご の 音 おと は 日本語 にほんご からどれくらい 離れ はなれ ているか」を 確かめ たしかめ ます。 結論 けつろん から 言う いう と、 音 おと は 近く ちかく 、 格 かく と 一致 いっち が 遠い とおい のがドイツ 語 ご です。 文法 ぶんぽう の 重い おもい ところは 形 かたち 編 へん と 型 かた 編 へん で 引き受け ひきうけ ますから、 音 おん 編 へん は 八課 はっか で 音 おと を 閉じ とじ てしまいます。 閉じ とじ てしまえる 大き おおき さだからです。 日本語 にほんご と 同じ おなじ ところ、 違う ちがう ところ まず 安心 あんしん してよいことを 先 さき に 言い いい ます。ドイツ 語 ご には 日本語 にほんご と 同じく おなじく 母音 ぼいん の 長短 ちょうたん があります。「おばさん」と「おばあさん」を 聞き分け ききわけ られる 耳 みみ は、そのまま Stadt ( 町 まち )と Staat ( 国家 こっか )を 聞き分ける ききわける 耳 みみ になります。 英語 えいご 話者 わしゃ はここで 苦労 くろう しますが、あなたは 苦労 くろう しません。もうひとつ、ドイツ 語 ご の 綴り つづり は ほぼ 規則 きそく どおりに 読め よめ ます 。 英語 えいご のように 単語 たんご ごとに 読み よみ 方 かた を 覚える おぼえる 必要 ひつよう はなく、この 課 か の 規則 きそく を 覚えれ おぼえれ ば 初めて はじめて 見る みる 語 ご でも 音 おと が 決まり きまり ます。 いっぽうで、 日本語 にほんご に 無い ない 音 おと もあります。 全部 ぜんぶ で 六つ むっつ に 整理 せいり でき、それぞれに 一課 いっか を 当て あて ます。 何 なん が 日本語 にほんご では ドイツ 語 ご では 扱う あつかう 課 か 母音 ぼいん の 長短 ちょうたん ある ある。 綴り つづり で 分かる わかる この 課 か ・0.2 唇 くちびる を 丸め まるめ た「イ」「エ」( ü ö ) 無い ない ある 0.3 r と l の 区別 くべつ 、 語末 ごまつ の -er 無い ない ある。 r は 喉 のど の 奥 おく 0.4 ch の 二 ふた つの 音 おと 、 sch ・ sp ・ st 無い ない ある 0.5 語末 ごまつ で 濁音 だくおん が 澄む すむ ( 語末無声化 ごまつむせいか )、 z ・ s ・ ß ・ v ・ w 無い ない ある。 Tag の g は k で 読む よむ 0.6 子音 しいん が 三つ みっつ 四つ よっつ 連なる つらなる 、 母音 ぼいん の 前 まえ の 区切り くぎり ( 声門閉鎖 せいもんへいさ ) ほぼ 無い ない ある 0.7 強勢 きょうせい ( 強く つよく 読む よむ 音節 おんせつ ) 無い ない ( 高低 こうてい で 区別 くべつ する) ある。 原則 げんそく は 最初 さいしょ の 音節 おんせつ この 課 か 表 ひょう の 下 した 三つ みっつ —— 子音連続 しいんれんぞく ・ 語末無声化 ごまつむせいか ・ 強勢 きょうせい ——が、 日本語話者 にほんごわしゃ の 発音 はつおん を「 日本語 にほんご なまり」にする 正体 しょうたい です。 母音 ぼいん は 0.2 と 0.3 で 片づき かたづき 、 子音 しいん は 0.4 から 0.7 で 片づき かたづき ます。0.8 で 頻出 ひんしゅつ の 三十 さんじゅう 文 ぶん を 通し とおし て 読み よみ 、 音 おん 編 へん を 終え おえ ます。 音節 おんせつ のかたち — 母音 ぼいん のまわりに 子音 しいん が 並ぶ ならぶ 日本語 にほんご の 音節 おんせつ は「 子音 しいん + 母音 ぼいん 」がほとんどで、「か」「き」のように 一 ひと つの 子音 しいん の 後 あと に 必ず かならず 母音 ぼいん が 来 き ます。ドイツ 語 ご の 音節 おんせつ は、 母音 ぼいん の 前 まえ に 最大 さいだい 三つ みっつ 、 後ろ うしろ に 最大 さいだい 四つ よっつ の 子音 しいん が 並び ならび ます。 Strumpf ( 靴下 くつした )は s・t・r の 三つ みっつ で 始まり はじまり 、m・p・f の 三つ みっつ で 終わる おわる 、 母音 ぼいん 一 ひと つの 語 ご です。 日本語話者 にほんごわしゃ はここで 子音 しいん の 間 あいだ に 母音 ぼいん を 挟ん はさん でしまい 、「シュトルンプフ」のように 音節 おんせつ が 四つ よっつ に 増え ふえ ます。ドイツ 語 ご 話者 わしゃ には 別 べつ の 語 ご に 聞こえ きこえ ます。 かたち 語 ご 日本語話者 にほんごわしゃ の 癖 くせ 母音 ぼいん だけ Uhr [uːɐ̯] ( 時計 とけい 、〜 時 じ ) 末尾 まつび の r を「ル」と 読む よむ 子音 しいん + 母音 ぼいん Tee [teː] ( 茶 ちゃ ) 問題 もんだい なし 子音 しいん + 母音 ぼいん + 子音 しいん Buch [buːx] ( 本 ほん ) 末尾 まつび に「ハ」の 母音 ぼいん を 足す たす 子音 しいん 二 ふた つ + 母音 ぼいん + 子音 しいん 二 ふた つ Stadt [ʃtat] ( 町 まち ) 「シュタット」と 四拍 よんはく に 伸びる のびる 子音 しいん 三つ みっつ + 母音 ぼいん + 子音 しいん 三つ みっつ Strumpf [ʃtʁʊmpf] ( 靴下 くつした ) 母音 ぼいん を 挟み はさみ 「シュトルンプフ」 子音 しいん + 母音 ぼいん + 子音 しいん 四つ よっつ Herbst [hɛʁpst] ( 秋 あき ) 「ヘルプスト」と 五拍 ごはく に 伸びる のびる Strumpf も Herbst も、ドイツ 語 ご 話者 わしゃ にとっては 一拍 いっぱく です。 日本語 にほんご の「ン」「ッ」のように、 母音 ぼいん を 伴わ ともなわ ない 音 おと が 続け つづけ て 出せる だせる ことを、いまは 知っ しっ ておくだけで 足り たり ます。 出し だし 方 かた の 練習 れんしゅう は 0.7 でまとめて 行い おこない ます。 強勢 きょうせい — 最初 さいしょ の 音節 おんせつ を 強く つよく 日本語 にほんご は「はし( 橋 はし )」と「はし( 箸 はし )」を 高 たか さ で 区別 くべつ します。ドイツ 語 ご は 高 たか さではなく 強 つよ さ で 区別 くべつ します。 一 ひと つの 語 ご の 中 なか で 一 ひと つの 音節 おんせつ だけを、 強く つよく ・ 長く ながく ・ 高く たかく 読み よみ 、 残り のこり は 弱く よわく 短く みじかく 読み よみ ます。これが 強勢 きょうせい です。 日本語話者 にほんごわしゃ の 発音 はつおん は 全部 ぜんぶ の 音節 おんせつ を 同じ おなじ 強 つよ さで 読む よむ ので、 平ら たいら に 聞こえ きこえ ます。 強勢 きょうせい の 音節 おんせつ を 意識 いしき して 大げさ おおげさ に 読む よむ くらいで、ちょうどよく 聞こえ きこえ ます。 強勢 きょうせい の 位置 いち は 原則 げんそく が 一 ひと つ、 例外 れいがい が 二 ふた つです。 原則 げんそく : 最初 さいしょ の 音節 おんせつ 例外 れいがい ①: be- ge- er- ver- zer- ent- で 始まる はじまる 語 ご は、その 次 つぎ の 音節 おんせつ 例外 れいがい ②: 外来語 がいらいご は 多く おおく が 最後 さいご の 音節 おんせつ 規則 きそく 語 ご 意味 いみ 原則 げんそく Vater [ˈfaːtɐ] 父 ちち 原則 げんそく Mutter [ˈmʊtɐ] 母 はは 原則 げんそく Arbeit [ˈaʁbaɪ̯t] 仕事 しごと 原則 げんそく Kuchen [ˈkuːxn̩] ケーキ 例外 れいがい ① bekommen [bəˈkɔmən] もらう 例外 れいがい ① verstehen [fɛɐ̯ˈʃteːən] 理解 りかい する 例外 れいがい ① Gesicht [ɡəˈzɪçt] 顔 かお 例外 れいがい ② Musik [muˈziːk] 音楽 おんがく 例外 れいがい ② Natur [naˈtuːɐ̯] 自然 しぜん 例外 れいがい ② Student [ʃtuˈdɛnt] 大学 だいがく 生 せい 例外 れいがい ② Universität [univɛʁziˈtɛːt] 大学 だいがく 例外 れいがい ① の 前つづり まえつづり ( be- など 六つ むっつ )は、それ 自体 じたい に 意味 いみ がなく、 必ず かならず 弱く よわく 読ま よま れます。 逆 ぎゃく に auf- an- aus- のような 前つづり まえつづり は 意味 いみ を 持ち もち 、 強勢 きょうせい を 取り とり ます( aufstehen [ 起きる おきる ]は auf が 強い つよい )。この 二種類 にしゅるい の 前つづり まえつづり は 型 かた 編 へん 3.11 の「 分離動詞 ぶんりどうし 」で 文法 ぶんぽう としても 効い きい てきます。 音 おと のうえでは「 弱く よわく 読む よむ 六つ むっつ 」を 覚える おぼえる だけで、 強勢 きょうせい の 位置 いち はほぼ 外れ はずれ ません。 もう 一 ひと つ 覚え おぼえ ておくと 便利 べんり なのは、 強勢 きょうせい のある 音節 おんせつ では 母音 ぼいん の 長短 ちょうたん がはっきり 現れ あらわれ 、 強勢 きょうせい の 無い ない 音節 おんせつ では 曖昧 あいまい になる、ということです。 Vater の -er は「エル」ではなく、 口 くち を 軽く かるく 開け あけ た「ア」に 近い ちかい 弱い よわい 音 おと です(0.4 で 扱い あつかい ます)。 長い ながい か 短い みじかい かは、 綴り つづり で 分かる わかる ここがこの 課 か の 芯 しん です。ドイツ 語 ご の 母音 ぼいん は 一 ひと つ 一 ひと つに 長い ながい 読み よみ と 短い みじかい 読み よみ があり、 どちらで 読む よむ かは 綴り つづり が 教え おしえ てくれます 。 規則 きそく は 六つ むっつ で、 上 うえ から 順 じゅん に 当てはめ あてはめ ます。 ① 母音 ぼいん の 後ろ うしろ の h は「 伸ばす のばす 印 しるし 」。 読ま よま ない — 綴り つづり は 母音 ぼいん + h ② 同じ おなじ 母音 ぼいん を 二 ふた つ 重ねる かさねる と 長い ながい — 綴り つづり は aa ee oo ③ ie は 長い ながい 「イー」。e は 読ま よま ない — 綴り つづり は ie ④ 母音 ぼいん の 後ろ うしろ の 子音 しいん が 一 ひと つ なら 長い ながい — 綴り つづり は 母音 ぼいん + 子音 しいん 一 ひと つ(+ 母音 ぼいん ) ⑤ 同じ おなじ 子音 しいん を 二 ふた つ 重ねる かさねる と、その 前 まえ の 母音 ぼいん は 短い みじかい ( ck は kk 、 tz は zz の 書き換え かきかえ ) — 綴り つづり は 母音 ぼいん + 子音 しいん 二 に 重 じゅう ⑥ 母音 ぼいん の 後ろ うしろ に 違う ちがう 子音 しいん が 二 ふた つ 以上 いじょう 並ん ならん でも 短い みじかい — 綴り つづり は 母音 ぼいん + 子音 しいん + 子音 しいん 規則 きそく 語 ご 意味 いみ ① 母音 ぼいん + h Bahn [baːn] 鉄道 てつどう ① 母音 ぼいん + h Sohn [zoːn] 息子 むすこ ① 母音 ぼいん + h Zahl [tsaːl] 数 すう ② 母音 ぼいん 二 に 重 じゅう Staat [ʃtaːt] 国家 こっか ② 母音 ぼいん 二 に 重 じゅう Tee [teː] 茶 ちゃ ② 母音 ぼいん 二 に 重 じゅう Boot [boːt] ボート ③ ie の 綴り つづり Miete [ˈmiːtə] 家賃 やちん ③ ie の 綴り つづり Bier [biːɐ̯] ビール ③ ie の 綴り つづり vier [fiːɐ̯] 4 ④ 子音 しいん 一 ひと つ Name [ˈnaːmə] 名前 なまえ ④ 子音 しいん 一 ひと つ Ofen [ˈoːfn̩] オーブン ④ 子音 しいん 一 ひと つ Tag [taːk] 日 ひ ⑤ 子音 しいん 二 に 重 じゅう Mutter [ˈmʊtɐ] 母 はは ⑤ 子音 しいん 二 に 重 じゅう Bett [bɛt] ベッド ⑤ 子音 しいん 二 に 重 じゅう Katze [ˈkatsə] 猫 ねこ ⑥ 違う ち