0.9 変調 — 三声の連続、不 と 一 — Epoché
この課でできるようになること 第三声の連続に変調を当てて読めます。 不・一 の後ろを見て、実際に読む声調を選べます。 本来の声調の表記と、聞こえた発音を書いたものを区別できます。 前提 :0.8。声母・韻母と声調を一音節ずつ確かめてきました。今回は音をつないだときに注目します。単語の本来の声調を忘れるのではなく、それを出発点に、隣の音に応じた変化を加えます。 書く声調と読む声調を分ける 隣り合う音によって、声調が決まった形に変わることを変調と呼びます。この課では第三声の連続と、打ち消しの 不 、数の 一 を扱います。何でも好きな高さに変えてよい、という意味ではありません。 多くの辞書や教科書では、本来の声調を拼音に書きます。一方、 不・一 を変調後の声調で示す教材もあります。この課は「本来の声調」と「実際の発音」を分けて示します。表を読む前に、どちらの欄なのかを確かめてください。 第三声が二つ続くとき 第三声が二つ続くと、前の音を第二声にして読みます。後ろの第三声は低く抑えます。まず前を上げ、次を低くする動きを手本で聞き、次に一まとまりとして言ってみましょう。 組み合わせ 実際の声調 例 本来の声調 実際の発音 第三声+第三声 第二声+第三声 你好 nǐ hǎo ní hǎo nǐ hǎo の記号を一つずつ見て、両方とも低く読もうとすると、つないだ発音と合いません。前の第三声は第二声に変えます。ただし、元の声調を書けという問題では、nǐ の記号を勝手に変えないでください。 この変化で、もともと違う語句が同じ声調の並びになることもあります。下の対では、「買う」の第三声だけが変わります。「埋める」は初めから第二声なので、そのままです。音だけで意味を決められないときは、話の内容を手がかりにします。 語句 本来の声調 実際の発音 意味 买马 mǎi mǎ mái mǎ 馬を買う 埋马 mái mǎ mái mǎ 馬を埋める 打ち消しの 不 は後ろの第四声を見る 不 の本来の読みは bù、第四声です。後ろに第四声が来ると、第二声の bú に変えます。この課の基本の組み合わせでは、後ろが第一声・第二声・第三声なら、第四声のまま読みます。 後ろの声調 実際の発音 例 意味 第一声 bù 不吃 食べない 第二声 bù 不来 来ない 第三声 bù 不好 よくない 第四声 bú 不是 そうではない まず後ろの字の本来の声調を思い出し、その後で前の読みを選びます。 要 は yào、第四声なので、その前の音も第二声に変わります。口の形を変えるのではなく、声の高さの動きを変える練習です。 数の一は二通りに変わる 一 の本来の読みは yī、第一声です。後ろが第一声・第二声・第三声なら、第四声の yì に変わります。後ろが第四声なら、第二声の yí に変わります。変わらない使い方も、次の表と一緒に覚えます。 使い方 実際の読み 例 意味 後ろが第一声 yì 一天 一日という期間 後ろが第二声 yì 一年 一年 後ろが第三声 yì 一本书 本一冊 後ろが第四声 yí 一样 同じだ 順番 yī 第一 第一・一番目 月日 yī 一月 一月 単独で一と読むとき、数を一つずつ読み上げるとき、順番・日付・番号として読むときは yī のままです。たとえば「一番目」では、後ろに何が続くかを見る前に、順番を言っていると判断します。すべてを後ろの音だけで機械的に変えないでください。 いつも yī と読むのも、いつも変調させるのも違います。最初に順番・日付・番号などの使い方かを確かめ、それ以外のこの課の組み合わせでは後ろの声調を見ます。判断に迷ったら、表の意味の欄へ戻ってください。 短い実文をつないで読む 次は変調を当てる短い発話です。文型の説明ではなく、発音を確かめる材料として使います。最初は本来の声調を確認し、次に実際の発音の欄を隠して読んでください。読み終えてから欄を開き、手本とも比べます。 実文 本来の声調 実際の発音 意味 你好。 [1] nǐ hǎo ní hǎo こんにちは。 不要。 [2] bù yào bú yào 要りません。 一样。 [3] yī yàng yí yàng 同じです。 一本书。 [4] yī běn shū yì běn shū 本一冊。 つづりを読むときと書き取るときでは、問われているものが違います。辞書の読みを記すなら本来の声調、聞こえた声調を記録するなら実際の発音です。間違えたときは、規則を知らなかったのか、どちらを書くかを取り違えたのかを分けて見直しましょう。 語表 語 拼音 品詞 意味 日本語との差 例文 訳 买马 mǎi mǎ 動詞句 馬を買う 我买马 私は馬を買う 埋马 mái mǎ 動詞句 馬を埋める 他埋马 彼が馬を埋める この課の中心になる 不・一・你好・不要・一样 は、上の三つの表と「短い実文をつないで読む」の表で練習します。語表には、変調によって同じ音の並びになる対を載せています。 練習 書き取りは、問いの ▶「音声を聞く」で音を聞き、字と拼音を見ずに書きます。 書き取り:次の実文を順に聞き、実際に聞こえた声調で拼音を書いてください。 不要。 一本书。 你好。 一样。 本来の声調 nǐ hǎo・bù yào・yī yàng・yī běn shū を、実際の発音の声調に書き換えてください。 実際の読みを bù または bú で書き入れてください:_ shì(そうではない)、_ yào(要らない)、_ míngbai(分からない)。 実際の読みを yī・yì・yí で書き入れてください:_ běn(本一冊の「一」)、_ yàng(同じ)、dì _(第一)。 买马/埋马 を聞き、前の音と後ろの音の声調を番号で記録してください。二つがどのような音の並びになるかも書きます。 第一 の最後の音が yī のままである理由を、日本語で一文で書いてください。 音読:「短い実文をつないで読む」の実文を、実際の発音の欄を隠して読んでください。認識された字だけでは変調ができたか確定しないので、手本の高さも聞き比べます。 この課のまとめ 第三声が二つ続くと、前を第二声にします。 打ち消しの 不 は、後ろの第四声に注意します。 一 は使い方と後ろの声調を確かめます。 本来の声調の表記と、実際の発音を分けます。 次の課へ 次の0.10では、軽く短く読む軽声と、語の終わりに r の響きが加わる儿化を学びます。 答え 不要。 [2] / 一本书。 [4] / 你好。 [1] / 一样。 [3] 。bú yào/yì běn shū/ní hǎo/yí yàng。 ní hǎo・bú yào・yí yàng・yì běn shū。後ろの本来の声調に応じて前を変えます。 bú shì・bú yào・bù míngbai。前の二つは後ろが第四声、最後は第二声です。 yì běn・yí yàng・dì yī。最後は順番なので変調しません。 どちらも2-3、mái mǎという並びです。買う方は前の第三声が変わり、埋める方は本来の第二声のままです。 例:「第一は順番を表し、一を変調させない使い方だからです」。 もっと深く — 時間のあるときに 加藤徹氏の「中国語発音学習教材 4-1 声調の変化」で、つないだ音をさらに確かめられます。 参考文献 Tatoeba 文 #4857568( 你好。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/4857568 Tatoeba 文 #13276152( 不要。 )。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/13276152 Tatoeba 文 #13275133( 一样。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/13275133 Tatoeba 文 #13274629( 一本书。 )。簡体字に改めた。Tatoeba Project, CC BY 2.0 FR. https://tatoeba.org/en/sentences/show/13274629 発音の参考:加藤徹「中国語発音学習教材 4-1 声調の変化」。