0.4 新しく作る子音 五つ — Epoché
この 課 か でできるようになること 日本 にっぽん 語 ご に 無い ない 五 いつ つの 音 おと を、 口 くち の 構え かまえ の 手順 てじゅん から 作れる つくれる 。 五 いつ つを 近い ちかい 日本 にっぽん 語 ご の 音 おと に 置き換え おきかえ てしまう 癖 くせ に 気づき きづき 、 直せる なおせる 。 置き換える おきかえる と 別 べつ の 語 ご になる 対 たい を 聞き分け ききわけ 、 言い分け いいわけ られる。 前提 ぜんてい : 0.3( 強勢 きょうせい )。 0.1 で 24 字 じ を 三 みっ つに 分け わけ たとき、いちばん 右 みぎ の 組 くみ が「 新しく あたらしく 作る つくる 子音 しいん 五 いつ つ」でした。この 課 か がその 五 いつ つです。 β ・ γ ・ δ ・ θ ・ χ 。 五 いつ つとも「こする 音 おと 」—— 口 くち のどこかを 狭め せばめ て 息 いき をこすらせて 出し だし ます。 日本 にっぽん 語 ご の 子音 しいん は「 破裂 はれつ 」(カ・タ・パ)と「はじき」(ラ)が 主 ぬし で、こする 音 おと は サ行 さぎょう と ハ行 はぎょう くらいしかありません。だから 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ は、こする 音 おと を 近く ちかく の 破裂音 はれつおん に 置き換え おきかえ てしまいます。この 課 か は、その 置き換え おきかえ を 止める とめる 課 か です。 なぜ 置き換え おきかえ てしまうのか 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ の 耳 みみ は、これらの 音 おと を 近い ちかい 日本 にっぽん 語 ご の 音 おと に 寄せ よせ て 聞き きき ます。 聞こえ きこえ たとおりに 出す だす と、ギリシア 語 ご の 耳 みみ には 別 べつ の 音 おと になります。 厄介 やっかい なのは、 置き換え おきかえ ても 意味 いみ が 通じ つうじ てしまう 場面 ばめん が 多い おおい ことです。 通じる つうじる ので 直ら なおら ず、 直ら なおら ないまま 語彙 ごい が 増える ふえる 。 字音 じおん 編 へん の 最初 さいしょ に 音 おと を 閉じる とじる 理由 りゆう は、まさにここにあります。 五 いつ つに 共通 きょうつう する 作り つくり 方 かた は「 破裂 はれつ させず、 狭め せばめ たまま 息 いき を 通す とおす 」です。タは 舌 した を 歯茎 はぐき に 付け つけ て 離し はなし ますが、その 位置 いち を 歯 は まで 持っ もっ ていって 離さ はなさ ず 、 隙間 すきま から 息 いき を 出し だし 続ける つづける 。ガは 舌 した の 奥 おく を 上あご うわあご に 付け つけ て 離し はなし ますが、 付け つけ きらず 、 隙間 すきま で 声 こえ をこすらせる。 五 いつ つとも、この「 離さ はなさ ない」 感覚 かんかく が 要点 ようてん です。 五 いつ つの 音 おと の 作り つくり 方 かた 構え かまえ は 三 みっ つ しかありません。 唇 くちびる と 歯 は 、 舌 した と 歯 は 、 喉 のど の 奥 おく 。それぞれで 声 こえ を 出す だす か 出さ ださ ないかを 切り替える きりかえる と 五 いつ つになります。 表 ひょう は 五行 ごぎょう です。 音 おと 作り つくり 方 かた やりがちな 置き換え おきかえ β ヴァ 行 ぎょう 上 うえ の 前歯 まえば を 下唇 したくちびる に 軽く かるく 当て あて 、そのまま 声 こえ を 出す だす 。 日本 にっぽん 語 ご のフの 位置 いち に 歯 は を 足し たし た 構え かまえ バ行 ばぎょう にしてしまう。 唇 くちびる だけで 閉じ とじ て 破裂 はれつ させると 別 べつ の 音 おと になる δ 舌 した を 歯 は に 当て あて た ザ行 ざぎょう まず 舌先 したさき を 上 うえ の 前歯 まえば の 裏 うら か 歯 は の 間 あいだ に 軽く かるく 当てる あてる 。 次 つぎ に 声 こえ を 出し だし ながら 息 いき を 通す とおす 。 最後 さいご まで 舌 した を 離さ はなさ ない ダ行 だぎょう にしてしまう。 離す はなす と 破裂音 はれつおん になる。 ザ行 ざぎょう にしてしまうと 舌 した が 歯茎 はぐき に 残る のこる θ 舌 した を 歯 は に 当て あて た サ行 さぎょう ゼルタと 同じ おなじ 構え かまえ で、 声 こえ を 出さ ださ ずに 息 いき だけ 通す とおす 。 英語 えいご の think の 頭 あたま と 同じ おなじ 音 おと サ行 さぎょう にしてしまう。 舌 した が 歯 は まで 届い とどい ていない γ 喉 のど の 奥 おく の ガ行 がぎょう ガを 言う いう 直前 ちょくぜん で 止め とめ 、 舌 した の 奥 おく と 上あご うわあご の 間 あいだ に 隙間 すきま を 残す のこす 。 声 こえ を 出し だし ながら 息 いき をこすらせる ガ行 がぎょう にしてしまう。 付け つけ て 離す はなす と 破裂音 はれつおん になる χ 喉 のど の 奥 おく の ハ行 はぎょう ガマと 同じ おなじ 隙間 すきま で、 声 こえ を 出さ ださ ずに 息 いき だけ 強く つよく こすらせる。うがいの 直前 ちょくぜん のような 感じ かんじ ハ行 はぎょう にしてしまう。 息 いき が 弱い よわい 。あるいはクにして 破裂 はれつ させてしまう ゼルタとシータは 同じ おなじ 構え かまえ の、 声 こえ のある 音 おと と 無い ない 音 おと です。ガマとヒも 同じ おなじ 関係 かんけい です。ヴィータだけが 唇 くちびる と 歯 は の 構え かまえ で、 対 たい になるのは 既に すでに 使える つかえる ファ 行 ぎょう の 音 おと です。 エとイの 前 まえ で 変わる かわる 二 ふた つ γ と χ は、 後ろ うしろ の 母音 ぼいん で 音 おと が 変わり かわり ます。アとオとウの 前 まえ では 喉 のど の 奥 おく でこすり、エとイの 前 まえ では 舌 した が 前 まえ に 寄っ よっ て、ガマは ヤ行 やぎょう 、ヒは 日本 にっぽん 語 ご のヒに 近く ちかく なります。 表 ひょう は 二 に 行 ぎょう です。 音 おと アとオとウの 前 まえ では エとイの 前 まえ では γ ガマ 喉 のど の 奥 おく の ガ行 がぎょう 。 γάλα は 牛乳 ぎゅうにゅう 、 γόμα は 消し けし ゴム ヤ行 やぎょう になる。 γέρος は 老人 ろうじん 、 γιατί は なぜ χ ヒ 喉 のど の 奥 おく の ハ行 はぎょう 。 χώρα は 国 くに 、 χαρά は 喜び よろこび 日本 にっぽん 語 ご のヒと 同じ おなじ 。 χέρι は 手 て 、 όχι は いいえ 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ には、ここに 近道 ちかみち があります。 日本 にっぽん 語 ご のヒは、 実 じつ はハと 違う ちがう 場所 ばしょ で 作ら つくら れるこする 音 おと で、ギリシア 語 ご のヒがエとイの 前 まえ で 取る とる 音 おと とほぼ 同じ おなじ です。いいえという 語 ご のヒは、 日本 にっぽん 語 ご のヒをそのまま 使え つかえ ます。そしてガマのエとイの 前 まえ の 音 おと は ヤ行 やぎょう なので、なぜという 語 ご はヤティ、0.1 のこんにちはという 挨拶 あいさつ はヤ・サスと 読み よみ ます。 この 二 ふた つは 新しく あたらしく 作ら つくら なくてよい 音 おと です。 作る つくる べきなのは、アとオとウの 前 まえ の 喉 のど の 奥 おく の 二 ふた つと、 唇 くちびる と 歯 は のヴァ 行 ぎょう 、 舌 した と 歯 は の 二 ふた つ。 実質 じっしつ は 五 いつ つのうち 三 みっ つの 構え かまえ です。 音 おと が 変われ かわれ ば 語 ご が 変わる かわる 五 いつ つの 音 おと を 近い ちかい 音 おと に 置き換える おきかえる と 別 べつ の 語 ご になる 対 たい です。どれも 日常 にちじょう の 語 ご なので、 聞き分け ききわけ と 言い分け いいわけ の 練習 れんしゅう に 使い つかい ます。 表 ひょう は 五行 ごぎょう です。 対 たい になる 二 に 語 ご こする 音 おと か、 破裂 はれつ させるかで、どう 変わる かわる か θα と τα こする 音 おと なら「〜だろう」の 未来 みらい の 印 しるし 。 破裂 はれつ させると 中性 ちゅうせい 複数 ふくすう の 冠詞 かんし δίνω, ντύνω こする 音 おと なら「 与える あたえる 」。 破裂 はれつ させると「 服 ふく を 着せる きせる 」 γόμα, κόμμα こする 音 おと なら「 消し けし ゴム」。 破裂 はれつ させると「 政党 せいとう 」または「コンマ」 χώρα, ώρα こする 音 おと があれば「 国 くに 」。 息 いき が 弱く よわく て 消える きえる と「 時間 じかん 」 χαλί, καλή こする 音 おと なら「 敷物 しきもの 」。 破裂 はれつ させると「よい」の 女性 じょせい 形 けい 与える あたえる という 語 ご と 着せる きせる という 語 ご は、 綴り つづり の 母音 ぼいん が 違い ちがい ますが 音 おと は 同じ おなじ イなので、 耳 みみ では 子音 しいん だけが 手がかり てがかり です。 二 に 字 じ を 組ん くん で 書く かく 破裂音 はれつおん の 綴り つづり は 第 だい 0.6 課 か で 扱い あつかい ます。 国 くに と 時間 じかん はどちらも 会話 かいわ で 頻出 ひんしゅつ なので、 息 いき を 強め つよめ に 出す だす 癖 くせ をここで 付け つけ ます。 頻出 ひんしゅつ 文 ぶん で 通す とおす 五 いつ つの 音 おと に 印 しるし を 付け つけ ながら 読ん よん でください。 訳 わけ は 本 ほん 課程 かてい で 起こし おこし た 日本 にっぽん 語 ご です。 文 ぶん 訳 わけ 見る みる ところ Τι θέλεις; [1] 何 なん がほしいの。 ほしいという 動詞 どうし の 頭 あたま 。 舌 した を 歯 は に 当て あて たまま 離さ はなさ ない Τα θέλεις; [2] それら、ほしい。 破裂 はれつ する 音 おと とこする 音 おと が 並ぶ ならぶ 。 差 さ を 耳 みみ で 確かめる たしかめる Έχω δουλειά. [3] 仕事 しごと があるんだ。 喉 のど の 奥 おく のこする 音 おと と、 舌 した を 歯 は に 当てる あてる 音 おと が 一 いち 文 ぶん に Δεν ήθελα γάλα. [4] 牛乳 ぎゅうにゅう はほしくなかった。 この 課 か の 音 おと が 一 いち 文 ぶん に 三 みっ つ 入っ はいっ ている Ήπια γάλα. [5] 牛乳 ぎゅうにゅう を 飲ん のん だ。 牛乳 ぎゅうにゅう という 語 ご の 頭 あたま は、 喉 のど の 奥 おく の ガ行 がぎょう Δε γελάω. [6] 笑っ わらっ てないよ。 笑う わらう という 動詞 どうし の 頭 あたま は、エの 前 まえ なので ヤ行 やぎょう Αναρωτιόμαστε γιατί. [7] なぜだろう、と 私 わたくし たちは 思う おもう 。 なぜという 語 ご の 頭 あたま は、イの 前 まえ なのでヤ Δίκιο έχεις. [8] 君 きみ の 言う いう とおりだ。 持つ もつ という 動詞 どうし のヒは、イの 前 まえ なので 日本 にっぽん 語 ご のヒ Δεν έχεις καρδιά. [9] 君 きみ には 心 こころ が 無い ない 。 舌 した を 歯 は に 当てる あてる 音 おと が 二 ふた つ、 喉 のど の 奥 おく の 音 おと が 一 ひと つ Δεν έχεις πυρετό. [10] 熱 ねつ は 無い ない よ。 この 課 か の 音 おと を 三 さん 種類 しゅるい とも 通す とおす 日本 にっぽん 語 ご 話者 わしゃ の 近道 ちかみち 五 いつ つのうち 二 ふた つ、つまりエとイの 前 まえ のガマとヒは、 日本 にっぽん 語 ご のヤとヒで 済む すむ と 述べ のべ ました。もう 一 ひと つの 近道 ちかみち は、 舌 した を 歯 は に 当てる あてる 二 ふた つを サ行 さぎょう と ザ行 ざぎょう から 作ら つくら ず、タ 行 いき と ダ行 だぎょう から 作る つくる ことです。タを 言う いう 直前 ちょくぜん で 舌 した を 歯 は に 当て あて 、 離さ はなさ ずに 息 いき を 通す とおす 。サから 作る つくる と 舌 した が 歯茎 はぐき に 留まり とまり 、いつまでもサのままになります。 舌 した の 位置 いち を 前歯 まえば まで 持っ もっ ていく、というただ 一 いち 点 てん の 違い ちがい です。 喉 のど の 奥 おく のヒは、 日本 にっぽん 語 ご のハより 息 いき を 強く つよく 出し だし ます。 声 こえ を 足せ たせ ばガマになります。 日本 にっぽん 語 ご のガを 言う いう つもりで、 舌 した の 奥 おく を 上あご うわあご に 付け つけ きらない 。 鏡 きょう は 要り いり ません。 手のひら てのひら を 口 くち の