10.9 説明文 150 語 — 知らない人に向けて — Epoché
この課でできるようになること ★ 知らない人に向けて 書ける。 ★百五十語を 二段落 に割れる。割れ目は 読む人の問いが変わるところ 。 ★ 既知から未知へ 並べられる。 ★ 数を入れ、その意味も書ける ( 9.9 論編 )。 ★ 例を最後に一つだけ 置ける。 前提 : 10.8 まで。論は 9.10 まで。 手本 手本は 「眠り」の説明 です。 150 語、 24 文、 二段落 。行を押すと音が鳴ります。 右の列は、その文が何をしているか です。 ★ 読む相手を決めてください。 この手本は、 「眠りのことを考えたことがない人」 に向けて書いてあります。★ 相手が決まらないと、どこから始めればよいかが決まりません。 英文 日本語訳 前半 — それは何か。どれだけ要るか Night is when most people sleep. [1] 夜はたいていの人が寝る時である。 ★ 主題文 ——誰でも知っていることから Sleep is necessary to good health. [2] 睡眠は健康に必要だ。 ★ なぜ要るか Our brains control our activities. [3] 脳が私たちの活動を支配している。 支え(体のどこが休むのか) Lack of sleep is bad for the body. [4] 寝不足は体に悪い。 ★ 裏から言う ——足りないとどうなるか Children need a lot of sleep. [5] 子供たちは多くの睡眠が必要である。 誰にどれだけ要るか She usually sleeps for eight hours. [6] 彼女は普通8時間眠ります。 ★ 数 一 I sleep six hours a day on average. [7] 私の平均睡眠時間は6時間です。 ★ 数 二 ——別の人の数 How many hours of sleep do you need? [8] あなたはどれくらいの睡眠時間が必要ですか。 ★ 読む人に向ける It's necessary for us to sleep well. [9] 人は十分な睡眠が必要だ。 ★ 量より質 He sleeps by day and works by night. [10] 彼は昼眠って夜働く。 例外もあると断る ここまでで 68 語。★ ここで、読む人の問いが変わります。 「それは何か」は、もう分かりました。次に知りたいのは 「それで、自分はどうすればよいのか」 です。 英文 日本語訳 後半 — それでどうなるか。どうすればよいか If you don't sleep, you'll die. [11] 寝ないと死んじゃうよ。 ★ 二段落目の主題文 ——いちばん強いことから I can't sleep at night. [12] 不眠症です。 ★ よくある困りごと We cannot sleep well on summer nights. [13] 夏の夜は寝苦しい。 困る理由 一(季節) Don't sleep with the light left on. [14] 明かりをつけっぱなしにしたままで寝てはいけない。 ★ 手立て 一 (光) Don't sleep with the windows open. [15] 窓開けたまま寝たら駄目だよ。 手立て 二(窓) Drink less and sleep more. [16] 酒を飲むのを少なくしもっと睡眠をとりなさい。 ★ 手立て 三 (飲み物) Exercise makes your body strong. [17] 運動をすると体が強くなる。 手立て 四(体を動かす) Try to get some rest. [18] ちょっと休みなよ。 手立て 五(休む) You should get more rest. [19] もっと休みをとったほうがいい。 支え Make sure you get some sleep. [20] 睡眠をとるよう心がけなさい。 ★ 読む人に向ける I always read myself to sleep. [21] いつも本を読んでいるうちに眠ってしまう。 ★ 例は最後に一つだけ I had a good sleep last night. [22] ゆうべはよく眠れた。 その例の結果 After sleeping well, I felt much better. [23] よく眠ったらだいぶ気分がよくなった。 ★ だから何か There is nothing like sleep. [24] 睡眠ほどよいものはない。 ★ 結び 後半が 82 語。★ 前半と後半が、ほぼ同じ長さ です。★ これは偶然ではありません。 ★ 問いが二つなら、答えも二つ分いる からです。 型 ★説明文は、知らない人に向けて書く 10.6 作編 で書いた意見文は、 自分がどう思うか でした。★ 説明文は違います。 ★ 自分がどう思うかは、要りません。 要るのは、 読む人が知らないこと だけです。 ★ だから、いちばん難しいのは「相手が何を知らないか」を決めること です。★ ここを決めずに書きはじめると、文章が上から下まで同じ濃さ になります。 相手の決め方 書き出しはどうなるか ★ 何も知らない人 ★ 誰でも知っていることから始める 少し知っている人 知らないところだけを書く ★ 決めていない ★ 始まりが決まらない 手本の一文目を見てください—— Night is when most people sleep. [1] 。★ これは、誰でも知っていることです。 ★ 説明の一文目に新しいことを書いてはいけません。 ★ 読む人が「知っている」と思える足場 が先に要ります。 ★百五十語は二段落。割れ目は読む人の問いの変わり目 10.8 作編 では、 百語だから一段落 と言いました。★ 百五十語では、一段落では長すぎます。 ★ では、どこで割るか。 ★ 話題が変わるところではありません。 ★ 読む人の問いが変わるところ です。 どの段落 読む人の問い 並べ方 前半 ★ それは何か。どれだけ要るか ★ 知っていることから、知らないことへ 後半 ★ それでどうなるか。どうすればよいか ★ いちばん強いことから、手立てへ ★ 段落の頭で、問いが変わったことを知らせます。 手本の後半は If you don't sleep, you'll die. [11] で始まります。★ いきなり強い一文です。 ★ ここから話が変わる、と読む人に分かります。 ★既知から未知へ 前半の並びを、もう一度見てください。 ★ 夜は眠る時だ ——誰でも知っている。 眠りは健康に要る ——たいていの人が知っている。 ★ 足りないと体に悪い ——言われれば分かる。 八時間・六時間 ——★ 数は、たいてい知らない 。 ★ 量より質 ——ここが、いちばん新しい。 ★ 知っていることが先、知らないことが後 。★ 逆にすると、読む人は一文目でつまずきます。 これは 7.2 訳編 の 「頭から理解する」 と同じ考え方を、 書く側から見たもの です。★ 読む人は、頭から順にしか読めません。 ★ だから、頭から順に分かるように並べます。 ★数を入れる。ただし数の意味も書く 9.9 論編 で 数の読み方 を置きました。★ 書く側では、逆になります ——★ 数を一つは入れてください。 ★ 数の無い説明は、読む人に「どれくらいか」が伝わりません。 手本には She usually sleeps for eight hours. [6] と I sleep six hours a day on average. [7] の 二つ が入っています。 ★ なぜ二つか。 ★ 一つだけだと、それが決まりのように見える からです。★ 二つ並べると、人によって違うことが分かります。 ★ そして、すぐ後に「量より質」と書いてある。 ★ これが「数の意味」です。 ★例は最後に一つ 手本の例は I always read myself to sleep. [21] の 一つだけ です。★ しかも、後半のいちばん後ろ にあります。 例の位置 読む人にどう見えるか ★ 最後 ★ 説明の裏づけ 最初 ★ それが主題だと思われる ★ たくさん ★ 何の説明か分からなくなる ★ 例は強いので、置く場所で文章の重心が動きます。 ★ 説明文の重心は、例ではなく説明のほうにあってほしい。 だから、 最後に一つ です。 段落について(予告) ★ 段落の中の型 ——主題文・支持文・結び——は、 第 5 期の 10.13 作編 で本式に扱います。この課では、★ 段落を二つに割ること だけを身につけてください。 課題 説明文を百五十語 で書いてください。お題は次の三つから 一つ選んで ください。★ どれも、「知らない人に説明する」形 になっています。 自分の住む町 を、★ 来たことがない人 に説明する。 自分がやっている習い事や仕事 を、★ やったことがない人 に説明する。 ★ 読 D で読んだ篇 の一つを、 読んだことがない人 に説明する。 手順は六つです。 ★ 読む相手を一行書く。 「何を知っていて、何を知らないか」まで書く。 ★ 相手の問いを二つ 立てる。一つめが前半、二つめが後半になる。 前半に入れることを 知っている順に並べる 。★ いちばん知っていることが一文目 。 ★ 数を一つ 入れる。そして、★ その数が何を意味するか をすぐ後ろに書く。 後半は いちばん強い一文 から始める。 ★ 例を一つだけ 、 いちばん最後 に置く。 一つめが、この課の山です。★ 相手を決めずに書くと、自分が分かった順に書いてしまいます。 ★ そして、自分が分かった順は、たいてい読む人には逆順 です。★ 自分は、難しいところから先に覚えた からです。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 How to write an article Bristol Council: Employment, Skills \u0026 Learning (2:30, 2019) 説明の記事の書き方。ブリストル市の公的な学習支援 練習 手本の 24 文を、行を押して音を聞いてから 続けて音読 する。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。★ 段落の切れ目で、息をひと呼吸ぶん置いて 読む。割れ目が耳に残ります。 ★ 前半だけを読んで止まってみる。 ★ 「それで?」と思えたら 、前半は正しく終わっています。 何も思わなければ 、前半で言い切ってしまっています。 ★ 例の文(最後から三つめ)を一文目に移して 読んでみる。★ 読書の話に聞こえる はずです。例を前に出すと主題がすり替わる、という証拠です。 AI への頼み方 説明文は、★ 自分が分かっていることほどうまく説明できない 書きものです。★ 知っていることは、省いても気づけない からです。頼み方を三つ置きます。 何を頼むか 頼み方の型 ★飛んでいるところを探させる 「この説明を読んで、 前の文から次の文へ飛んでいるところ を挙げてください。 知らない人には分からない ところだけを」 ★問いに直させる 「この文章を、 読む人の問い に直してください。問いが三つ以上出たら、そう言ってください」 知っている前提を挙げさせる 「この説明は、 読む人が何を知っている前提 で書かれていますか。箇条書きで」 ★ 二つめが効きます。 ★ 問いが三つ以上出たら、段落が二つでは足りていません。 ★ どれかを落とすか、三段落に割るか です。★ 百五十語で三段落は、一段落五十語——短すぎます。 ★ だから、落とすほうを選びます。 三つめは、 自分では絶対に見えないもの を出させる頼み方です。★ 「前提」は、書いた本人には見えません。 ★ 見えていたら、書いています。 自己点検表 点検すること 合格の目安 語数 百四十〜百六十語 段落の数 ★ 二つ ★前半と後半の語数の差 三十語以内 ★一文目に書いた新しいこと ゼロ ★入れた数 一つ以上 ★数の意味を書いた文 一つ以上 例の数 ★ 一つ ★例の位置 いちばん最後 自分の意見を書いた文 ★ ゼロ ★ 最後の行に注意してください。 ★ 説明文に意見は要りません。 ★ 次の課( 10.10 作編 )では、逆に意見を書きます。 ★ 二つを分けて練習するのは、混ぜると両方とも弱くなる からです。 この課のまとめ ★ 説明文は、知らない人に向けて書く。 自分がどう思うかは要らない。 ★ いちばん難しいのは「相手が何を知らないか」を決めること。 決めないと、文章が上から下まで同じ濃さになる。 ★ 一文目に新しいことを書かない。 読む人が「知っている」と思える足場が先に要る。 ★ 百五十語は二段落。割れ目は読む人の問いが変わるところ。 話題の変わり目ではない。 ★ 既知から未知へ。 読む人は頭から順にしか読めない( 7.2 訳編 )。 ★ 数を一つ入れ、その意味もすぐ後ろに書く ( 9.9 論編 )。数を二つ並べると、人によって違うことが伝わる。 ★ 例は最後に一つだけ。 前に出すと、それが主題だと思われる。 ★ 自分が分かった順は、たいてい読む人には逆順。 難しいところから先に覚えたから。 AI には 「読む人の問いに直して」 と頼む。★問いが三つ以上出たら、どれかを落とす。 次の課へ 次の課は 10.10 、 賛否の段落 です。★ この課では意見を書きませんでした。 ★ 次の課では、意見だけを書きます。 しかも、★ 反対意見に触れてから 書きます( 9.7 論編 )。★ 説明と意見を分けて練習したのは、このためです。 答え よくある失敗を四つ 置きます。 ★ 一文目が、いちばん言いたいこと。 説明文でそれをやると、★ 読む人は一文目で置いていかれます。 一文目は 足場 です。★ 言いたいことは、後半の頭か、いちばん最後 に置きます。 段落が話題で割れている。 前半が「眠りとは」、後半が「夢とは」。★ これは、二つの説明文を並べただけ です。★ 後半は、前半を読んだ人が