3.39 因果の文型 — 原因を主語にする — Epoché
この課でできるようになること ★ 原因を主語にした文 を読める・書ける。 ★ result in と result from の 向き が分かる。 ★ because と because of を使い分けられる。 ★ 因果の強さ を選べる( 3.36 型編 )。 前提 : 3.38 まで。論は 9.10 まで。訳は 7.8 まで。 例文で見る 10 文を並べます。行を押すと音が鳴ります。 右の列は、何が起きているか です。 英文 日本語訳 何が起きているか His efforts led to good results. [1] 彼の努力が好成績に結びついた。 ★ 原因が主語 。「努力が、好成績に導いた」 This policy resulted in a great rise in prices. [2] この政策は結局物価の高騰を引き起こした。 同じ形。★ resulted in (原因 → 結果) Nothing has resulted from his efforts. [3] 彼の努力は水泡に帰した。 ★ 向きが逆 。 resulted from (結果 → 原因) As a result of the war, many people died. [4] その戦争の結果として、多くの人が亡くなった。 ★ As a result of 。 原因を前置きにする He stopped working due to health concerns. [5] 彼は健康上の問題で仕事を中断した。 ★ due to 。 うしろは名詞 This money will allow me to buy a car. [6] このお金のおかげで車が買えます。 ★ 金が主語 。「このお金のおかげで買える」 What do you think caused him to lose his job? [7] 何故彼は失業したと思いますか。 ★ cause + 人 + to 。 いちばん強い What was it that caused you to change your mind? [8] 君の心を変えさせたのは何でしたか。 同じ形。★ 強調構文の中に入っている This is a condition caused by aging. [9] 老化現象の一種です。 ★ 過去分詞で原因を後ろに付ける This has come about through several causes. [10] このことはいくつかの原因があって起こった。 ★ 原因が複数あるとき 骨組み ★原因を主語にする ★ これが、この課でいちばん大事なところ です。 例文の一つめ—— His efforts led to good results. [1] 。★ 直訳すると「彼の努力が、よい結果へ導いた」。 ★ 日本語では、こうは言いません。 どちらの言語か 誰が主語になるか たとえば 日本語 ★ 人 ★ 彼は努力して、よい結果を出した 英語 ★ 原因そのもの His efforts led to good results 7.6 訳編 で 「無生物主語」 を扱いました。★ あそこでは訳す側から見ましたが、こちらは書く側 です。 ★ なぜ、この形が学術で多いのか。 ★ 3.35 型編 と同じ理由 です——★ 人が文から消えるから です。 ★ 「私たちは、この政策が物価を上げたと考える」ではなく、 ★ 「この政策が、物価の高騰を引き起こした」。 ★ 後者には、考えている人がいません。 ★ だから、読むときは「誰がそう言っているのか」を戻してください ( 9.8 論編 ・ 12.10 知編 )。 ★前置詞一つで、向きが逆 どの形 どちらが原因か どちらへ進むか A results in B ★ A が原因、B が結果 ★ 前へ進む A results from B ★ A が結果、B が原因 ★ 後ろへ戻る A leads to B A が原因、B が結果 前へ進む A is caused by B A が結果、B が原因 後ろへ戻る ★ result in と result from は、一字違いで逆 です。 例文の二つめと三つめを見比べてください。★ 二つめは「政策 → 物価」、三つめは「何も無い ← 努力」。 ★ 矢印の向きが逆 です。 ★ 覚え方 ——★ in は中へ入る(結果へ進む)、 from は出どころ(原因へ戻る)。 ★名詞を取るか、節を取るか どの語 うしろに何が来るか たとえば because ★ 節 (主語 + 動詞) because it rained because of ★ 名詞 because of the rain due to 名詞 ★ because of より堅い ★ 日本語話者がいちばん外すところ です。★ 日本語の「〜ので」「〜のために」は、うしろが名詞でも節でも同じ形 だからです。 ★ 見分け方は簡単です ——★ うしろに動詞があるかどうか。 ★ あれば because 、なければ because of か due to 。 ★因果の強さ どの語 強さ 何を言っているか cause ★ いちばん強い ★ そうなると言い切る lead to / result in まんなか そうなる筋道がある be associated with ★ いちばん弱い ★ 一緒に起きているだけ ★ 3.36 型編 のヘッジと同じ です。★ 証拠の強さに、言い方を合わせます。 ★ いちばん下が大事 です。★ 一緒に起きていることと、一方が他方を起こすことは、別 です( 9.9 論編 )。 ★ 数を見ただけでは、どちらかは分かりません。 ★ だから、学術の文は be associated with で止めることが多い のです。 ★ 読むときは、この止め方を見逃さないでください。 ★ 「関連がある」と書いてあるものを「原因だ」と読むのは、読み手の側の飛躍 です。 日本語ならどう言うか ★ 日本語は、原因を後ろに置きます。 日本語 英語 どちらが先か 雨 だったので 、中止になった because it rained ★ 日本語は原因が先 中止になった。 雨のためだ due to the rain どちらも結果が先 努力 が 実を結んだ His efforts led to ★ 英語は原因が主語 ★ 一行目と二行目で、日本語の順が違います。 ★ 英語も同じで、原因を先に置くことも後に置くこともできます。 ★ 決めるのは、どちらを新しい話にするか です( 10.9 作編 の「既知から未知へ」)。★ 原因が新しいなら、後ろに置きます。 ★ 三行目だけが、日本語に無い形 です。★ ここを書けるようになると、英語の文が急に英語らしくなります。 丁寧さの段 ★ 原因を言うことは、しばしば責任を言うことです。 ★ だから、形の選び方が丁寧さになります。 英文 日本語訳 どう効くか He stopped working due to health concerns. [5] 彼は健康上の問題で仕事を中断した。 ★ 原因を名詞で置く 。★ 誰のせいとも言わない This has come about through several causes. [10] このことはいくつかの原因があって起こった。 ★ 原因を複数にする 。一人のせいにしない Nothing has resulted from his efforts. [3] 彼の努力は水泡に帰した。 ★ 結果から言う 。★ 原因はうしろ Well, you may be right. [11] なるほど、君の言うとおりかもしれない。 認めてから、別の原因を出す( 10.10 作編 ) ★ 二つめが、実務でよく使う形 です。★ 「いくつかの原因で、そうなった」。 ★ 一つに絞らないことで、人を責めない形になります。 ★ ただし、 6.24 話編 で置いたとおり、自分の非を言うときは絞ってください。 ★ 「いくつかの原因で」と言うと、逃げに聞こえます。 よくある誤り 三つ挙げます。下の誤文は Epoché の作例です。 because of のうしろに節を置く。 because of it rained → because it rained の形に。★ うしろに動詞があるなら of は要りません。 result in と result from を取り違える。 The rain resulted from the flood. → The rain resulted in the flood. の形に。★ 洪水が雨を降らせたことになってしまいます。 関連を因果として書く。 Reading books causes good grades. → Reading books is associated with good grades. の形に。★ 一緒に起きているだけかもしれません ( 9.9 論編 )。 実文で通す 8.104 読編 は、 因果の見本市 です。★ 強さの違う言い方が、一篇に全部入っています。 原文 どの形か 強さ the causes for this include [12] ★ 原因を並べる まんなか blames reductions in habitat and climate change ★ 団体が責める ★ 強い。ただし団体の判断 has been disappearing because of dry weather because of + 名詞 まんなか might have slowed breeding ★ ヘッジ付き ( 3.36 型編 ) ★ 弱い any temperatures above 42.2 degrees Celsius will kill the insects ★ 言い切り ★ いちばん強い ★ いちばん下を見てください。 ★ ここだけ will で言い切っています。 ★ なぜか。 ★ 「この温度をこえると死ぬ」は、実験で確かめられるから です。★ 一方、「去年の熱波が繁殖を遅らせたかもしれない」は、確かめられていません。 ★ 同じ記事の中で、確かめられたことと確かめられていないことが言い方で分けられています。 ★ これが、報道と学術に共通する作法 です。 8.103 読編 にも一つあります—— in an effort to better prepare them to succeed in future educational and professional activities [13] 。★ 「〜するために」。 ★ これは原因ではなく目的 です。★ 目的は、まだ起きていないことを指します。 練習 「例文で見る」の 10 文を 続けて音読 する。3 周する。3 周目は音声に重ねて シャドーイング する。 ★ 二つめと三つめを続けて読み、矢印の向きを手で書く。 ★ in と from のところで向きが変わります。 ★ 「実文で通す」の五つを、強い順に並べ直す。 ★ 自分のことを一つ、原因を主語にして英語で書く。 ★ 「私は〜したので〜になった」を、「〜が、私を〜にした」に直す。 この課のまとめ ★ 英語は原因を主語にできる。日本語はできない ( 7.6 訳編 )。★ここを書けるようになると、英語の文が急に英語らしくなる。 ★ 原因を主語にすると、考えている人が文から消える ( 3.35 型編 と同じ理由)。★だから読むときは「誰がそう言っているのか」を戻す( 12.10 知編 )。 ★ 前置詞一つで向きが逆 —— result in (原因→結果)/ result from (結果→原因)。★ in は中へ、 from は出どころ。 ★ because は節、 because of ・ due to は名詞。 ★うしろに動詞があるかどうかで決める。 ★ 因果にも強さの段がある —— cause > lead to > be associated with 。 ★ 一緒に起きていることと、一方が他方を起こすことは別 ( 9.9 論編 )。★「関連がある」を「原因だ」と読むのは読み手の飛躍。 ★ 原因を先に置くか後に置くかは、どちらが新しい話かで決める ( 10.9 作編 )。 ★ 8.104 読編 は、確かめられたことだけを言い切っている。 ★同じ記事の中で、言い方が使い分けられている。 ★ 「〜するために」は原因ではなく目的 ——まだ起きていないことを指す。 次の課へ 次の課は 3.40 、 節の圧縮 です。★ 第 5 期の型編の最後 になります。★ 3.33 型編 では、文を一語にたたみました。 ★ 次の課では、節をひとかたまりにたたみます —— 分詞構文・同格・ with 構文 。★ これで、学術の文の部品がそろいます。 答え 「練習」の四つの答えです。 ★ 原因が主語の文は、動詞のところが山になります。 ★ led to 、 resulted in 。 ★ そこを強く読むと、矢印が聞こえます。 ★ 二つめは「政策 → 高騰」、三つめは「無 ← 努力」。 ★ 手で書いてみると、二度と取り違えません。 ★ 目で覚えるより、手で覚えるほうが速いところ です。 ★ 強い順に ——五つめ(言い切り)/二つめ(団体が責める)/一つめ・三つめ(まんなか)/四つめ(ヘッジ付き)。★ 二つめは強い言い方ですが、「団体が」と書いてあるので記事自身は引き受けていません ( 12.10 知編 )。 ★ たとえば ——「私は毎日読んだので、速く読めるようになった」を★ 「毎日読んだことが、私を速い読み手にした」 に。★ 日本語にすると不自然ですが、英語では自然 です。★ 不自然に感じるうちは、まだ日本語で考えています。 参考文献 Tatoeba 文 #287214(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/287214 Tatoeba 文 #45959(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/45959 Tatoeba 文 #287229(CC BY 2.0 FR)。https://tatoe