8.28 The Seven Sticks — 七本の棒(McGuffey 読本) — Epoché
この篇でできるようになること たとえ話の 組み立て (具体・つなぎ・教え)が見える。 As … so … の形と、そこで起きる 倒置 が分かる。 詩は韻のために語順を変える と知り、元の語順に戻せる。 地の文にまぎれた詩を 見分けられる 。 前提 : 8.27 まで。 読む前に 題材は 七本の棒 です。七人の息子がいつも言い争っている。父が束ねた棒を出して「折れたら百ドルやる」と言う。誰も折れない。父はほどいて、一本ずつたやすく折ってみせる。——そして教えが来ます。 これは たとえ話 です。たとえ話には決まった組み立てがあります。 具体の話をしてから、それを人の世に移す 。移すところに使われる形が、この篇の一つめの山です。 気をつけるところを三つ置きます。 一つめ、 最後の二行が詩 だということです。しかも 地の文に続けて出てきます 。元の本では行を変えて組んであったのですが、本文を抜き出したときに 改行が落ちました 。 8.24 読編 で見出しが落ちたのと同じことです。どこからが詩かは、下の「構文の骨」で示します。 二つめ、 古い言い方が一つ あります。 if the bond of union be broken の be です。今なら is と書くところです。「もし〜だとしたら」という 仮の話 に使う古い形で、百年以上前の本なので残っています。 誤りではありません 。 三つめ、 百ドルの話はそれきり です。父は「折れたら百ドル」と言いますが、誰も折れないので払われません。たとえ話では、 話の道具はそこまでの役しかしません 。気にせず先へ進んでください。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。全部で 228 語、七段落です。書き出しはこうです。 A man had seven sons, who were always quarreling. 先に原文だけを、 辞書も語釈も見ずに 最後まで読んでください。読み終わったら、 どこまでが話で、どこからが教えか を自分に言ってみてください。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 ある男に七人の息子がいて、いつも言い争ってばかりいました。息子たちは学びも仕事も放り出して、仲間内で争っていました。悪い男たちが、父親が死ぬのを心待ちにしていました。財産をめぐって息子たちを争わせ、それをだまし取ろうとしていたのです。 ある日、善良な老いた父親は息子たちを周りに呼び集めました。そして、ひとつに束ねた七本の棒を前に置いて言いました。「この束を折ることができた者に、百ドル払おう」 息子たちはめいめい、力の限りをふりしぼって束を折ろうとしました。長いあいだ試しても無駄に終わり、みな、そんなことはできないと言いました。 「それなのに、息子たちよ」と父親は言いました。「これほどたやすいことはないのだ」。そして束をほどき、棒を一本ずつ、いともたやすく折ってみせました。 「ああ!」と息子たちは言いました。「そうやるのなら簡単だ。そのやり方なら誰にだってできる」 父親は答えました。「この棒がそうであるように、お前たちもそうなのだ、息子たちよ。固く一つにまとまって助け合っているかぎり、お前たちは栄え、誰もお前たちを傷つけることはできない。 「だが、まとまりの結びが断たれたら、ここで地面に折れて転がっているこの棒とまったく同じことが、お前たちにも起こるだろう」。家も、町も、国も、みな栄えているのが見られる、/まとまりという強い環で束ねられているときには。 語釈 帯の外の語は 19 語です。下に 全部 出します。 束ねる・ほどく・折る に関わる語が多いのは、たとえ話の道具がそれだからです。 語(品詞) 意味 注 ah en 間 ああ Ah, what a beautiful sunset this is! ああ、なんて美しい夕焼けでしょう。 aid en 動 助ける Volunteers rushed to aid the flood victims. ボランティアたちは洪水の被災者を助けるために駆けつけました。 anybody en 代 誰でも Anybody can join our art class this weekend. 今週末は誰でも私たちの美術教室に参加できます。 bond en 名 結び、つながり The two sisters share a close bond. その姉妹は固い絆で結ばれています。 bound en 動 束ねられた( bind の過去分詞) The old letters were bound with a red ribbon. 古い手紙の束は赤いリボンで束ねられていました。 bundle en 名 束 She carried a bundle of firewood inside the house. 彼女はまきの束を家の中へ運びました。 cheat en 動 だまして取り上げる He tried to cheat me out of my money. 彼は私からお金をだまし取ろうとしました。 ease en 名 たやすさ( with perfect ease でいともたやすく) She solved the puzzle with great ease. 彼女はそのパズルをいともたやすく解きました。 injure en 動 傷つける A careless word can injure someone's feelings deeply. 不用意な言葉は人の気持ちを深く傷つけることがあります。 nerve en 名 筋。 strain every nerve で力をふりしぼる It took real nerve for her to speak in front of everyone. みんなの前で話すには、彼女には本当の勇気が必要でした。 powerful en 形 力の強い The powerful engine roared to life instantly. その力強いエンジンはすぐに轟音を立てて動き出しました。 prosper en 動 栄える The small shop began to prosper after the renovation. その小さな店は改装後に栄え始めました。 prosperous en 形 栄えている The town grew into a prosperous city over time. その町は時とともに栄えている都市へと発展しました。 quarrel en 動 言い争う The brothers often quarrel over small things. その兄弟はささいなことでよく言い争います。 quarreling en 動 言い争っている The two boys were quarreling over a toy. 二人の男の子はおもちゃのことで言い争っていました。 strained en 動 ふりしぼった( strain の過去形) He strained every muscle to lift the heavy rock. 彼は重い岩を持ち上げるために全身の筋肉をふりしぼりました。 union en 名 一つにまとまっていること The union of the two teams brought great success. 二つのチームが一つにまとまったことは大きな成功をもたらしました。 untied en 動 ほどいた( untie の過去形) She untied the knot with careful fingers. 彼女は注意深い指でその結び目をほどきました。 vain en 形 むだな( in vain でむだに) He searched in vain for his lost keys. 彼はなくした鍵をむだに探し回りました。 構文の骨 ★たとえ話の組み立て この篇は三つの部分でできています。 部分 どこ 何をしているか 具体の話 一つめから五つめの段落 棒を折らせてみせる。人の世の話はまだ出ない つなぎ As it is with these sticks, so is it with you, my sons. 棒の話を人の話へ 渡す一文 教え 六つめと七つめの段落 まとまっていれば栄え、割れれば折れる たとえ話は、どれもこの三つでできています。大事なのは つなぎの一文 です。ここを見落とすと、 棒の話がいつ人の話になったか が分からなくなります。 つなぎの形を覚えてください。 As 〜, so 〜 。「〜がそうであるように、〜もそうだ」。この形を見たら、 左が具体、右がその移し先 です。 ★ so のあとは主語と動詞がひっくり返る つなぎの一文を、よく見てください。 As it is with these sticks, so is it with you, my sons. うしろ半分が so is it になっています。 so it is ではありません。 主語と動詞がひっくり返って います。 ふつうの語順 この篇の語順 so it is with you so is it with you 主語 it が先 動詞 is が先 英語は、 文の頭に so のような語を置くと、そのあとで主語と動詞を入れ替える ことがあります。入れ替えるのは「ここは前を受けている」という合図で、 前の文とのつながりを強めます 。 読むときのこつは簡単です。 ひっくり返っていたら、頭の中で戻す 。 so is it は so it is 。それだけで意味が取れます。 ★詩は韻のために語順を変える 最後の二行は詩です。地の文に続けて出てきますが、ここからが詩です。 Home, city, country, all are prosperous found, When by the powerful link of union bound. 二つの行の終わりを見てください—— found と bound 。 音が揃っています 。これが 韻 で、英語の詩の骨です。 そして、韻を踏ませるために 語順が動いています 。元に戻すとこうなります。 詩の語順 ふつうの語順 all are prosperous found all are found prosperous When by the powerful link of union bound when they are bound by the powerful link of union 一行目は found を いちばん後ろへ送って います。二行目は bound を後ろへ送り、ついでに they are を落としています。どちらも 行の終わりに韻の語を置くため です。 だから詩を読むときの手順は決まります。 まず行の終わりの語を見て、韻を確かめる。次に、その語を元の位置に戻して意味を取る 。この二段で読めば、詩は怖くありません。 意味はこうです——「家も、町も、国も、みな栄えていると分かる。一つにまとまるという強い環で束ねられているときには」。棒の束の話が、そのまま人の世に重ねられています。 訳 第 2 期の読み物に 文ごとの訳は付けません 。段落ごとの要旨だけを置きます。 段落 その段落が言っていること 一つめ ある男に七人の息子がいて、いつも言い争っていた。学びも仕事も放って争う。悪い者たちは父の死を待ち、争わせて財産をだまし取ろうとしていた 二つめ ある日、父は息子たちを呼び、束ねた七本の棒を前に置いて言った。「この束を折れた者に百ドル払おう」 三つめ めいめいが力をふりしぼったが、長く試したあげく、誰にもできないと口をそろえた 四つめ 「それなのに」と父は言った。「これほどたやすいことはない」。そして束をほどき、一本ずつ、いともたやすく折ってみせた 五つめ 「ああ」と息子たちは言った。「そのやり方なら簡単だ。誰にでもできる」 六つめ 父は答えた。「この棒がそうであるように、お前たちもそうなのだ。固く一つにまとまり、助け合っているかぎり、お前たちは栄え、誰もお前たちを傷つけられない」 七つめ 「だが、まとまりの結びが断たれたら、地面に折れて転がっているこの棒と同じことになる」。——家も町も国も、まとまりという強い環で束ねられているとき、栄えていると分かる(ここが詩) 音読 この篇は 三つの部分で読み方を変えて ください。 具体の話(一つめから五つめ)は ふつうの語り で。 つなぎの一文は ゆっくり、区切って 。ここで話が移るからです。 教えと詩は 低く、落ち着いて 。急がないでください。 詩の二行は、 行の終わりを立てて 読んでください。 found と bound です。ここを立てると 韻が耳に聞こえます 。英語の詩は、目で見るものではなく 耳で聞くもの です。声に出さないと、韻は分かりません。 なお、詩の行の切れ目は found, のうしろです。そこで 一度切って ください。地の文のように続けて読むと、二行の詩だと分かりません。 この篇で使う型 型の名 この篇での出方 戻る課 関係代名詞 the one who can break this bundle 。人を絞る 3.13 型編 関係代名詞 II seven sticks, which were bound together 。コンマで挟む添え書き 3.14 型編 比較 nothing is easier to do 。打ち消し + 比較級で「いちばん」を言う 3.15 型編 助動詞 I none can injure you ・ anybody could do it in that way 3.10 型編 不定詞と動名詞 Each one strained every nerve to break the bundle 3.12 型編 接続詞と副詞節 So long as you hold fast together 。条件の枠 3.16 型編 三つめに注意してください。 nothing is easier to do は、字のとおりには「これより易しいものは何も無い」です。 打ち消しと比較級を組むと、最上