13.9 第 5 期の地図 — 一文が長くなった — Epoché
この課で復習すること 第 5 期で 何を積んだか を、自分で言える。 短文 20 を 三つの入口 (読む・聞く・言う)で通せる。 ★ できていないところ を、門の前に見つけておく。 第 6 期に何が来るかを知る。 前提 : 13.8 まで。この期の全課。 学びの地図 第 5 期は 82 課 ありました。編ごとに並べます。 どの編か 課の範囲 何をしたか 型 3.33 型編 〜 3.40 型編 ( 8 課) 名詞化から節の圧縮まで——学術文の骨 語 4.49 語編 〜 4.56 語編 ( 8 課) ★NAWL 480 語——学術の語 聞 5.25 聞編 〜 5.29 聞編 ( 5 課) 講義・演説・科学のニュース・質疑 話 6.33 話編 〜 6.39 話編 ( 7 課) 討論・三分の発表・司会 訳 7.9 訳編 〜 7.10 訳編 ( 2 課) 学術文の和訳と、英訳 読 8.105 読編 〜 8.136 読編 ( 32 課) ★読 E——随筆・演説・科学・自伝 論 9.11 論編 〜 9.15 論編 ( 5 課) ★人に渡す——出どころ・限界・地図 作 10.13 作編 〜 10.16 作編 ( 4 課) 要旨・引用の付け直し・反論・節のある文章 商 11.1 商編 〜 11.6 商編 ( 6 課) ★新しい編——仕事で使う英語 知 12.13 知編 〜 12.15 知編 ( 3 課) アメリカ・十九世紀イギリス・いまの学術英語 復 13.9 復編 〜 13.10 復編 ( 2 課) この課と、次の課の門 ★ この期から、編が一つ増えています。 商編 です( 11.1 商編 〜 11.6 商編 )。仕事で使う英語だけを集めた編で、★ ここまでの編とは目的が違います 。読編も論編も作編も、 自分の理解を深めるため のものでした。★ 商編は、相手に動いてもらうため のものです。 ★数で見る 何を どれだけ 語表に足した語 ★ 480 語 (NAWL) 読んだ篇 32 篇 読んだ語数 ★ 35996 語 読んだ文の数 1433 文 ★一文の平均の長さ ★ 25.1 語 ★ 数はすべて、この課を組み立てるたびに数え直しています。 語表から、原文から。 書き写した数ではありません 。 ★第 4 期と比べる — ここがこの期のいちばん大きな変化 何を 第 4 期(読 D) 第 5 期(読 E) 篇の数 32 篇 ★ 32 篇 (同じ) 語数 30888 語 ★ 35996 語 文の数 1976 文 ★ 1433 文 (減っている) 一文の長さ 15.6 語 ★ 25.1 語 ★ 篇の数は同じなのに、語数は増え、文の数は減りました。 これが何を意味するかは、一行でしか言えません——★ 一文が長くなった ということです。 ★ 第 4 期でも「一文が長くなった」と書きました。 しかし、 あのときの長さと、この期の長さは種類が違います 。第 4 期の長い文は、 出来事がつながって長くなった文 でした——誰かが何かをして、そのあとどうなって、というつながりです。★ この期の長い文は、考えが入れ子になって長くなった文 です。 入れ子というのは、 文の中に文がはまっている ということです。「〜ということが、〜という理由で、〜だと考えられている」——★ 日本語でこう書くと、読みにくいと言われます。 ★ 英語の学術文では、これが普通の長さ です。 だから、この期の型編は 長い文をほどく道具 から始まりました。★ 3.34 型編 で、長い文は「主語と動詞だけ探す」と決めました。 ★ あれは読み方の技ではなく、長い文の作られ方そのもの です。★ 骨は一組しかなく、残りは全部その骨にぶら下がっています。 前の期からできるようになったこと 第 4 期の終わりには 第 5 期の終わりには ★大人向けの小説と、今日の記事を読む ★ 随筆・演説・科学の講義・自伝を読む 疑う——別の説明・事実と意見・数・問い ★ 人に渡す——出どころ・限界・地図 百二十〜二百語を、読む人に合わせて書く ★ 四百語を、節に分けて書く 語り、議論し、電話会議に出る ★ 討論し、三分で発表し、会を進行する (仕事の英語は、まだやっていない) ★ 会議・依頼・悪い知らせ・議事メモ・交渉 ★ いちばん大きく変わったのは、「人に渡す」ことを覚えたところ です。 第 3 期の論編は 組み立てる 期でした( 9.3 論編 〜 9.6 論編 )。第 4 期は 疑う 期でした( 9.7 論編 〜 9.10 論編 )。★ 第 5 期は、組み立てて疑ったものを、他人が使える形にして手渡す期 です( 9.11 論編 〜 9.15 論編 )。 ★ この順は、入れかえられません。 ★ 組み立てられない人が疑っても何も出ず、疑っていないものを渡すと、渡された人が迷惑します。 ★ 出どころを書くのも、限界を書くのも、自分のためではなく、受け取る人が先へ進めるようにするため です( 9.11 論編 ・ 9.12 論編 )。 作編も同じところへ来ました。第 4 期は 読む人を選ぶ 練習でした。★ 第 5 期は、読む人が 途中で迷わない ように作る練習 です——要旨を先に置き( 10.13 作編 )、出どころを付け直し( 10.14 作編 )、反論に答え( 10.15 作編 )、節に見出しを付ける( 10.16 作編 )。 短文 20 この期までの語だけでできた二十文です。★ 型編 第 5 期の八つの形を一巡 し、論編・商編・訳編で使った形も入れてあります。 三つの入口 から通してください—— 読む・聞く・言う 。まずは読むところからです。 英文 日本語訳 どの形か The discovery of electricity changed our history. [1] 電気の発見が私たちの歴史を変えた。 ★ 名詞化 — 「発見した」を「発見」という名詞にして主語に立てた( 3.33 型編 ) His success resulted from hard work. [2] 彼の成功は、彼の勤勉の結果から生じた。 名詞化 + 因果 — 名詞が主語、動詞が原因を言う( 3.33 型編 ・ 3.39 型編 ) What person who understands music could say that his playing is good? [3] 音楽のわかる人で誰が彼の演奏を良いと言えるだろうか。 ★ 長い一文 — 主語と動詞を探してから読む( 3.34 型編 ) There seem to be few people who can solve that math problem. [4] その数学の問題を解ける人は少ないようにおもえる。 ★ seem + 関係詞 — ヘッジと長い主語が重なっている ( 3.36 型編 ・ 3.34 型編 ) He is considered to be one of the interested parties. [5] 彼は利害関係者の1人と考えられている。 ★ 受動 II — 誰がそう考えたのかを書かない( 3.35 型編 ) She is said to be in love with him. [6] 彼女は彼に恋をしていると言われている。 受動 II — 「言われている」。言った人は出てこない( 3.35 型編 ) She appears to have few friends. [7] 彼女にはあまり友人がいないようだ。 ★ ヘッジ — 「らしい」。言い切らずに幅を残す( 3.36 型編 ) Heat is a form of energy. [8] 熱はエネルギーの一種である。 ★ 定義の文型 — 類 (エネルギー)を先に言う( 3.37 型編 ) This is a kind of animal that lives in the sea. [9] これは海に住む動物の一種である。 定義の文型 — 類 + 種差 (海にいる)( 3.37 型編 ) She seemed very happy in contrast to the man. [10] 彼女はその男と違ってとても幸せそうだった。 ★ 対照 — 二つを並べて違いを出す( 3.38 型編 ) You are young. I, on the other hand, am very old. [11] 君は若い、それに反し私はかなり年をとっている。 対照の副詞 — 文と文のあいだに置く( 3.38 型編 ) This policy resulted in a great rise in prices. [12] この政策は結局物価の高騰を引き起こした。 ★ 因果 — 原因のほうを主語にした ( 3.39 型編 ) This is a condition caused by aging. [13] 老化現象の一種です。 因果 + 受動 — 「〜によって起こる」( 3.39 型編 ・ 3.35 型編 ) He stopped working due to health concerns. [14] 彼は健康上の問題で仕事を中断した。 due to — 理由を句で足す( 3.39 型編 ) Having seen him before, I knew him at once. [15] 以前会った事があったので、すぐに彼がわかった。 ★ 節の圧縮 — 主語と接続詞を落とした ( 3.40 型編 ) After thinking about it some more, I changed my mind. [16] 私はあらためて考えて気持ちを変えた。 節の圧縮 — 接続詞は残し、主語だけ落とす( 3.40 型編 ) According to what I heard, they have broken up. [17] 私の聞いたところによると、彼らは別れそうだ。 ★ 出どころを示す — 誰から聞いたのかを頭に置く( 9.11 論編 ) It is not clear whether he is wise or not. [18] 彼が賢いのかどうかはっきりしない。 ★ 限界を書く — 「はっきりしない」と書ける( 9.12 論編 ) Would you mind coming earlier next time? [19] 次回はもっと早く来ていただけませんか。 仕事の依頼 — 相手に断る余地を残した形( 11.2 商編 ) The discovery of truth should remain the single aim of science. [20] 真理の発見はいつまでたっても科学の唯一の目的であらねばならない。 ★ 学術の一文 — 名詞化が主語、 should が主張( 7.9 訳編 ) ★ 一番目の文を見てください。 ★ 主語が「発見」という名詞です。 ★ もとは「誰かが電気を発見した」という文 でした。★ それを一語にたたんで、文の頭に置いた のが名詞化です( 3.33 型編 )。 ★ たたむと、「誰が」が消えます。 ★ 消えるのが不便なのではなく、消したいから使う のです。★ 誰が発見したかは、この文で言いたいことではないから です。 ★ 五番目と六番目は、対にして読んでください。 ★ どちらも「誰がそうしたのか」を書いていません。 名詞化は 動作を名詞に変えて 消し、受動は 動詞の形を変えて 消します。★ やり方は違いますが、消しているものは同じ です( 3.33 型編 ・ 3.35 型編 )。 ★ 七番目と十八番目も、対です。 ★ どちらも「言い切っていない」 のですが、★ 言い切らない場所が違います ——★ 一方は 中身 に幅を持たせ、もう一方は 分かっていないこと自体 を書いています。 ★ 後者のほうが強い文 です。★ 分からないと書ける人は、分かるところをはっきり書けます ( 3.36 型編 ・ 9.12 論編 )。 ★ 十五番目を声に出してみてください。 ★ 頭の Having には、主語も接続詞もありません。 ★ 「前に会ったことがあったので」の「私が」と「ので」が、両方落ちています。 ★ 落ちたぶんは、うしろの文から補って読みます ( 3.40 型編 )。 ★ 右の列を隠して読んでみてください。 形の名前を思い出せなくてもかまいません。 意味が取れれば通り です。 取れなかった文があったら、 右の列の課に戻って ください。★ ここで見つけておくのが、この課の目的 です。門の前に見つかれば、直せます。 書き取り 5 上の二十文から 五文 を選びました。★ 行を押して音を聞き、本文を見ずに書き取って ください。 英文 日本語訳 書き取る五文 Heat is a form of energy. [8] 熱はエネルギーの一種である。 音だけを聞いて書き取る Having seen him before, I knew him at once. [15] 以前会った事があったので、すぐに彼がわかった。 音だけを聞いて書き取る This policy resulted in a great rise in prices. [12] この政策は結局物価の高騰を引き起こした。 音だけを聞いて書き取る She is said to be in love with him. [6] 彼女は彼に恋をしていると言われている。 音だけを聞いて書き取る According to what I heard, they have broken up. [17] 私の聞いたところによると、彼らは別れそうだ。 音だけを聞いて書き取る ★ この五文の難しさは、第 4 期とは別のところにあります。 第 4 期は 文が長くて覚えていられない のが難所でした。★ この五文は長くありません。 ★ 短いのに、聞いただけでは区切りが分からない のです。 たとえば三番目。★ resulted in は、続けて言うと一語のように聞こえます。 ★ 五番目の頭も同じで、 According to は ひとかたまりで鳴ります 。 ★ だから、意味の切れ目で区切ってください。 ★ 音の切れ目では区切れません。 5.25 聞編 からの聞編で、 講義を聞きながら区切りを取る 練習をしまし