6.51 プレゼン I — 最初の三十秒で、地図を配る — Epoché
この課で言えるようになること ★ 冒頭で地図を配る ことができる。 ★ 要点を三つに絞る ことができる。 ★ 結論を先に置く ことができる。 ★ 移り目と締め の言い方が使える。 前提 : 6.50 まで。 場面と話し手 ★ 社内の報告会 です。★ 十分の持ち時間 で、★ 聞くのは 別の部署の人 です。★ 中身を知らない人に話す のが前提です。 ★ 日本語の発表では、 背景から順に積み上げて最後に結論 という形が多い です。★ 英語では逆で、 結論を先に置いてから支える のがふつうです。 ★ これは 好みの差ではありません 。★ 聞く側が いつ席を立つか分からない からです——★ 途中で呼ばれても、 結論は聞いた ことになる ように作ります。 ★ 6.49 話編 で 「結論を先に、理由をうしろに」 と置きました。 ★ 発表は、 それを十分に引き延ばしたもの です。 ★冒頭で配る、三つ 何を言うか どう言うか なぜ ★ 何の話か ★ 一文で ★ 題を読み上げない ★ いくつあるか ★ 数を言う ★ 聞く側が数えられる ★ どれくらいか ★ 分で言う ★ 聞く側が待てる ★ 三つとも、 一文ずつ で足ります 。★ 合わせて 十五秒 ——★ 残りの十五秒で 結論を言います 。 ★ いちばん多い失敗は、 題を読み上げること です。★ 聞く側は すでに題を見て います ——★ 読み上げると、 最初の十秒が無駄になります 。 対話 A 話者 英文 日本語訳 学習者 Good morning. I am from the test kitchen. [1] おはようございます。試作の現場から参りました。 学習者 I will report on the first month of the new machine. [2] 新しい機械の最初の一か月について報告します。 学習者 I have three points, and I will take ten minutes. [3] 要点は三つ、十分いただきます。 学習者 In short, the machine works, but one month is too short to decide. [4] 結論から申しますと、機械は働きますが、一か月では決められません。 ★ 四行で、 名乗り・主題・地図・結論 がそろって います。★ これが 最初の三十秒 です。 ★ 四行めの In short が 結論の合図 です( 3.43 型編 )。★ そして、 できないことも一緒に言って います ——★ 「一か月では決められない」 ( 8.191 読編 )。 ★要点は、三つ ★ 四つめは、 ほとんどの人が覚えていません 。 ★ だから、 三つに絞って、残りは配り物に回します 。 いくつか 聞く側は ★ 三つ ★ 数えながら聞ける 五つ 途中で数えるのをやめる ★ 数を言わない ★ いつ終わるか分からない ★ 5.35 聞編 で 会議の議題の数 を聞き取りました。 ★ 発表でも同じ です——★ 数が配られると、 聞く側は地図を持てます 。 対話 B 話者 英文 日本語訳 学習者 That was the first point. Now the second. [5] 以上が一つめです。では二つめに移ります。 学習者 Those were my three points. I am happy to take questions. [6] 以上が三つの要点です。ご質問をどうぞ。 相手 What do you think? [7] どう思われますか? 学習者 Let me think about it. [8] 考えさせて下さい。 ★ 一行めが 移り目 です。★ 「以上が一つめ。では二つめ」 ——★ 二文で区切る のがいちばん分かりやすいです。 ★ 二行めが 締め です。★ 5.32 聞編 で 「終わりの印は二つで一組」 と置きました ——★ 「以上です」と「質問をどうぞ」。 日本語との言い方の違い 名乗りの中身がずれます。日本語では「〜部の〜と申します」と、所属と名前と肩書きを並べます。対話 A の一行めは I am from the test kitchen で、 どこから来たか しか言っていません。英語の場で聞く側が知りたいのは序列ではなく、 なぜこの人がこの話をするのか だからです。肩書きを足すより、「現場を見ている者です」と分かる一言のほうが効きます。 持ち時間を、話す側が自分で言うのも日本語と違うところです。日本語の会では時間は司会が配り、発表者が「十分いただきます」と言うことはあまりありません。英語では自分で言います。これは 自分に制約をかけて見せる 行為で、言ったからには守ることになります。守れば次の回にもう少しもらえますし、破れば地図そのものが信用されなくなります。 数の言い方も替えてください。日本語は「いくつか申し上げます」で足りますが、英語でこれをやると地図になりません。 I have three points の three が、聞く側の 指を折る合図 になります。謝辞は逆に短くします。「本日はお忙しい中」にあたる部分は一言で済ませ、空いた数秒を地図に回すほうが親切です。 よくある誤り 「〜について説明します」をそのまま移すと、前置詞が一つ余ります。 I will explain about the change → I will explain the change 。 explain は説明する対象を直に受ける動詞で、「〜について」の分を足す場所がありません。 要点の数は複数形で受けます。 I have three point → I have three points 。日本語は数を言っても語形が変わらないので、冒頭のいちばん目立つ一文でこれが落ちます。 「結論から申しますと」は直訳が効きません。 From the conclusion → In short 。日本語の「結論から」は順序を指しますが、英語の conclusion は文書の終わりの節を指す語で、そこから始めると言っても合図になりません( 3.43 型編 )。 言い換えと丁寧さ 聞き手に重い言い方 軽い言い方 ★ As I said in the beginning ★ To go back to the first point ★ This is very important ★ If you remember one thing, it is this I do not have time for that I have put that in the handout ★ いちばん上は、 「さっき言ったのに」 と聞こえることがあります 。★ 右に替えると、 ただ戻っているだけ になります。 ★ 真ん中は、 強調の語をくり返すより効きます 。★ very important を三度言うと、 どれが大事か分からなくなります 。 言い回し 英文 日本語訳 発表で使う五つ What do you think? [7] どう思われますか? ★ どう思いますか Let me think about it. [8] 考えさせて下さい。 ★ 考えさせてください That's all I want to say. [9] 私が言いたいのはそれだけです。 ★ 言いたいのはそれだけ Let's get started. [10] 始めましょう。 ★ 始めましょう Thank you very much. [11] どうもありがとうございます。 ★ ありがとうございます ★ 二つめは、 質疑で答えられないとき に使います 。★ 「分かりません」より 「確かめて、あらためて」 のほうが実務的 です( 6.47 話編 )。 この課で使う型 型の名 この課での出方 戻る課 談話標識 In short / Now the second 3.43 型編 予定 I will take ten minutes 3.52 型編 譲歩 the machine works, but one month is too short 3.16 型編 数量 I have three points 3.48 型編 練習 対話 A・B を音読 する。3 周する。★ 四行を 三十秒で 言い切る。 ★ 冒頭を作る 。自分の仕事か勉強から題を一つ選び、 名乗り・主題・地図・結論 の四文を英語で書く。 ★ 三つに絞る 。伝えたいことを五つ書き出し、 三つに削る 。★ 削った二つをどこへ回すか も書く。 ★ 移り目を作る 。 That was the first point と同じ働きの言い方を 三つ 書く。 この課のまとめ ★ 最初の三十秒で地図を配る ——何の話か・いくつあるか・どれくらいかかるか、そして結論。 ★ 題を読み上げない ——聞く側はすでに題を見ている。 ★ 結論を先に置く ——途中で呼ばれても結論は聞いたことになるように作る( 6.49 話編 )。 ★ In short が結論の合図 ( 3.43 型編 )。★できないことも一緒に言う( 8.191 読編 )。 ★ 要点は三つ ——四つめは覚えられない。残りは配り物へ。 ★ 数を配ると、聞く側は数えながら聞ける ( 5.35 聞編 )。 ★ 終わりの印は二つで一組 ( 5.32 聞編 )。 ★ very important を三度言うと、どれが大事か分からなくなる。 次の課へ 次の課は 6.52 、 電話・オンライン会議 II です。★ 5.36 聞編 で 電話会議を聞きました 。 ★ こんどは 自分が進行します ——★ 見えない相手に、 どう順番を回すか 。 答え ★ 三十秒で言い切ったとき。 ★ 速くなりすぎた のではないでしょうか。★ 四文で三十秒なら、 一文七秒 ——★ 十語前後の文を ゆっくり 言う速さ です。★ 冒頭は いちばんゆっくり でよい のです。 ★ 冒頭を作ったとき。 ★ 結論の一文が いちばん難しい はずです。★ 書けないなら、 まだ結論が出ていない ——★ それも一つの発見 です( 8.191 読編 )。 ★ 三つに絞ったとき。 ★ 削った二つの行き先は 配り物・質疑・次回 のどれかです。★ 「言わない」ではなく 「別の場所に置く」 と考えると、削りやすくなります( 6.46 話編 )。 ★ 移り目を三つ作ったとき。 ★ That is the first point ・ So much for the first point ・ Let us turn to the second などです。★ 共通しているのは 「終わった」と「始まる」を両方言う こと ——★ 片方だけだと、 つながって聞こえます 。 参考文献 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Tatoeba 文 #914029(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/914029 Tatoeba 文 #869514(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/869514 Tatoeba 文 #3594010(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/3594010 Tatoeba 文 #442919(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/442919 Tatoeba 文 #1839560(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1839560