14.27 もう一度船を出す — 七十行の無韻詩 — Epoché
この篇でできるようになること ★ 長い無韻詩 を、行にとらわれず読み通せる。 ★ 主語が移る ことで詩の向きが変わるのが分かる。 ★ 不定詞を並べて閉じる 手が見える。 ★ 否定を最後に置く 働きが読める。 前提 : 特別編に門はありません。第 5 期まで済んでいれば、どこからでも読めます(目安は 3.40 まで/4.60 まで)。 読む前に ★ 特別編は どの篇から読んでもかまいません 。★ 前の篇を読んでいなくても通じるように書いてあります。 ★ これは 千八百四十二年 の詩 です。★ 話し手は 長い戦と長い帰路を終えた王 で、★ いま 島で王として暮らして います 。★ その暮らしに 耐えられない と言う のが、★ この詩の始まり です。 どちらのことか 確かめること ★ 文学のこと ★ この時代のイギリスで何が書かれていたか( 12.11 知編 ) ★ 時代のこと ★ 十九世紀の探検と科学の気分( 12.14 知編 ) ★ 読み方を先に言います。 ★ この詩は 行で切れません ——★ 70 行を 16 文で書いて いますから、★ 一文が 四行も五行も続き ます 。★ 3.34 型編 の手順で 主語と動詞を探して ください。 原文 原文は別の文書にあります(作品ページの「原文」)。★ 韻文なので 一行が一段落 です。本文は 567 語、行は 70 行、文は 16 本、一行の語数は平均 8.1 語です。 ★ 数えられた 54 行のうち 51 行が 十音節 です。★ そして 隣り合う行で音が揃うところが一度もありません ——★ 14.21 英語の名文 と同じ 無韻詩 です。 ★ 十音節・韻なしは、 英語で長く語るときの標準の形 でした。★ 芝居( 8.195 読編 )・長い詩( 14.21 英語の名文 )・この篇 ——★ どれも同じ拍 です。 全訳 原文の全訳です。この課程のために、原文に沿って訳しました。番号は原文の段落の番号で、原文と行き来できます。 何の役にも立ちはしない、無為な王である私が、 この静かな炉端で、この不毛な岩山のあいだで、 老いた妻と連れ添い、量っては分け与えているのだ、 釣り合わない掟を、未開の民に。 その民はため込み、眠り、食らい、私を知りもしない。 私は旅をやめて休むことができない。私は飲み干そう、 人生を、おりまで。いつのときも私は大いに 楽しみ、大いに苦しんできた。私を愛した者たちと ともに、またひとりで。岸の上で、また、 駆けてゆく雨雲を抜けて、雨を呼ぶヒアデスの星々が ほの暗い海を波立たせたときに。私は名ある者となった。 飢えた心を抱いて、いつもさまよい歩いたので、 多くを見、多くを知った。人々の町々と 暮らしぶり、風土、評議、政体を。 私自身も軽んじられず、そのすべてから敬われた。 そして仲間とともに戦いの喜びを飲んだ、 風の吹くトロイアの、遠く鳴り響く平原で。 私は、これまで出会ったすべてのものの一部だ。 だが、あらゆる経験は一つのアーチであり、その向こうに まだ旅したことのない世界がかすかに光る。その果ては 私が進むたびに、いつまでも、いつまでも遠のいてゆく。 立ち止まり、終わりにすることの、なんと退屈なことか、 磨かれずに錆び、使われて輝くことのないことの! まるで息をすることが生きることであるかのように。命に命を重ねても まったく足りないだろうに、私にはその一つの命さえ わずかしか残っていない。だが一時間一時間が、救い出されるのだ、 あの永遠の沈黙から。それは何かそれ以上のもの、 新しいものをもたらすものだ。そして卑しいことだろう、 三度ほどの年月のあいだ、わが身をしまい込みため込むのは。 そしてこの白髪の魂が、欲望に焦がれているのに、 知識を追い求めることを、沈みゆく星のように、 人の思考のいちばん遠い境の、その先まで。 これが私の息子、私自身のテレマコスだ。 彼に私は王笏とこの島を譲る—— 私に深く愛され、わきまえて果たすことのできる者だ、 この務めを。ゆっくりとした思慮によって和らげ、 荒々しい民を、そして穏やかな段階を経て 彼らを役に立つことと善いことに従わせる務めを。 彼にはまったく非がない。ありふれた務めの 輪の中心にいて、怠らずにふさわしく果たし、 思いやりの務めを。そして捧げてくれるだろう、 わが家の神々にふさわしい崇敬を、 私が去ったあとに。彼は彼の仕事をし、私は私の仕事をする。 あそこに港がある。船は帆をふくらませている。 あそこに暗く広い海が陰っている。わが船乗りたちよ、 私とともに骨折り、働き、考えてきた魂たちよ—— いつも陽気に迎え入れ、 雷も日の光も受け止め、立ち向かわせてきた、 自由な心と、自由な額を——おまえたちも私も年老いた。 老いにもなお、老いの誉れと骨折りがある。 死はすべてを閉ざす。だが終わりの前に何かを、 何か気高い名に値する仕事を、まだ成し遂げられるかもしれない、 神々と争った者たちにふさわしくない仕事ではないものを。 岩のあいだから灯がまたたき始める。 長い一日が暮れてゆく。ゆっくりと月がのぼる。深い海は 多くの声でうめいている。来たまえ、友よ、 新しい世界を求めるのに、遅すぎることはない。 船を押し出せ。そして整然と座り、打て、 鳴りひびく波のうねを。私の志は変わらない、 日の沈むかなたまで帆を進め、 西のすべての星々の浴み場の先まで行こうという志は、死ぬまで。 深い淵が私たちを飲み込むかもしれない。 幸福の島々にたどり着くかもしれない、 そして、かつて知っていた偉大なアキレウスに会うかもしれない。 多くが奪われても、多くが残っている。そして、 私たちはもう、昔の日々に 大地と天を動かしたあの力ではないが、私たちは、私たちであるものだ。 英雄の心の、変わらぬ一つの気性、 時と運命によって弱められても、意志は強い、 努め、求め、見いだし、そして屈しないという意志は。 語釈 帯の外の語は 73 語です。★ 三つに分かれます ——★ 海と天の語 ( mariners ・ gulfs ・ Hyades )、★ 古い名 ( Troy ・ Achilles ・ Telemachus )、★ 詰めた綴り ( Tis ・ tho ・ toil’d )です。★ 三つめは 音節を一つ減らすため で、★ 8.195 読編 の o’er と同じ仕掛け です。 語(品詞) 意味 注 Achilles en 名 アキレウス。トロイアで戦った英雄 Gleams en 動 かすかに光る A faint light gleams beneath the old cabin door at night. 夜になると、古い小屋の戸の下からかすかな光がかすかに光ります。 Hyades en 名 ヒアデス。雨をもたらすとされた星の群れ Isles en 名 島(複数)。 the Happy Isles で死者の楽土 Fishermen described distant isles hidden beyond the morning fog. 漁師たちは朝霧の向こうに隠れた遠い島々について語りました。 Match’d en 動 つり合わされた Moans en 動 低くうなる The old ship moans softly whenever the tide pulls against it. 潮がその船を引くたび、古い船は低くうなります。 Subdue en 動 従わせる The general hoped to subdue the rebellion without further bloodshed. 将軍はさらなる流血なしに反乱を従わせたいと望んでいました。 Telemachus en 名 テレマコス。ユリシーズの息子 Thro en 前 through を詰めた形 The wind howled thro the narrow mountain pass all night. 風は一晩中、その狭い山道を通って吹き荒れました。 Tis en 縮約 it is を詰めた形 Sailors say 'tis unwise to leave port during a storm. 船乗りたちは嵐の間に港を出るのは賢明でないと言います。 Troy en 名 トロイア。長い戦のあった町 Unequal en 形 釣り合わない The old scale showed an unequal weight on either side. その古いはかりは、両側で釣り合わない重さを示していました。 Vext en 動 荒らした。 vexed を詰めた形 abides en 動 留まる A quiet loyalty abides in him despite all the years apart. 何年も離れていても、静かな忠実さが彼の中に留まっています。 adoration en 名 崇め敬うこと The crowd watched the young singer with quiet adoration. 群衆はその若い歌手を静かな崇め敬う気持ちで見つめました。 arch en 名 弓形。空のように弧を描くもの Sunlight passed through the stone arch above the old gate. 日の光が古い門の上の石の弓形を通り抜けました。 barren en 形 何も生まない The barren field had grown nothing since the long drought. その何も生まない畑は、長い旱魃以来何も育っていませんでした。 blameless en 形 非のない The young clerk remained blameless throughout the entire investigation. その若い書記は、調査の間ずっと非のないままでした。 bringer en 名 もたらす者 The old traveler was known as a bringer of strange news. その老いた旅人は、奇妙な知らせをもたらす者として知られていました。 crags en 名 切り立った岩 Wild goats climbed easily among the steep, rocky crags. 野生の山羊は、険しく切り立った岩の間を軽々と登りました。 dim en 形 ほのかな A dim lantern lit the narrow stairway leading below. ほのかなランタンが、下へ続く狭い階段を照らしていました。 discerning en 形 見分けの利く A discerning reader will notice the small clue hidden early on. 見分けの利く読者は、早い場面に隠された小さな手がかりに気づくでしょう。 dole en 動 少しずつ配る Each week, the baker would dole out bread to the poor. 毎週、パン屋は貧しい人々にパンを少しずつ配りました。 dull en 形 鈍い The knife had grown dull after months of heavy use. そのナイフは何か月もの激しい使用の後、鈍くなっていました。 enjoy'd en 動 味わった ere en 前 〜の前に。 before の古い語 He finished the letter ere the last candle burned out. 最後のろうそくが燃え尽きる前に、彼は手紙を書き終えました。 eternal en 形 永遠の The old inscription spoke of an eternal bond between friends. その古い刻銘は、友人たちの間の永遠の結びつきを語っていました。 foreheads en 名 額(複数) Both children wiped their sweaty foreheads after the long race. 二人の子どもは長い競走の後、汗ばんだ額をぬぐいました。 frolic en 形 陽気な・はしゃいだ The lambs' spring frolic delighted every child in the village. 子羊たちの春のたわむれは、村のすべての子どもを喜ばせました。 furrows en 名 畝。ここでは船が残す水の跡 The plow left deep furrows across the wide brown field. すきは広い茶色の畑に深い畝を残しました。 gloom en 動 暗く陰る A heavy gloom filled the house after the sad news arrived. 悲しい知らせが届いた後、深い暗がりが家を満たしました。 gulfs en 名 深い海の裂け目 Old maps warned sailors of hidden gulfs near that coastline. 古い地図は船乗りたちに、その海岸近くの見えない深い裂け目を警告していました。 hath en 動 has の古い形 This quiet valley hath seen many quiet centuries pass by. この静かな谷は、多くの静かな世紀が過ぎるのを見てきました。 hearth en 名 炉。家の中心 The family gathered close around the hearth on winter nights. 冬の夜、家族は炉の周りに集まりました。 heaven en 名 天 The old song promised a place in heaven for the kind. その古い歌は、親切な人には天に場所があると約束しました。 heroic en 形 英雄らしい The young firefighter's heroic rescue was reported across the town. その若い消防士の英雄らしい救助は、