6.52 オンライン会議 — 名指しで、順番を回す — Epoché
この課で言えるようになること ★ 名指しで順番を回す ことができる。 ★ 間を埋めずに待つ ことができる。 ★ 書き込みと声を使い分ける ことができる。 ★ 読み上げて締める ことができる。 前提 : 6.51 まで。 場面と話し手 ★ 画面ごしの会議 です。★ 三人か四人 で、★ 顔は見えても 間合いが取りにくい 場面です。 ★ 対面の会議なら、 目が合った人が話し始めます 。 ★ 画面ごしでは 目が合いません ——★ だから、 だれが話すかを言葉で決める 必要があります。 ★ 日本語の会議では、 名指しは強い ことがあります——★ 「指された」と感じられる からです。★ 英語のオンライン会議では、 名指しは親切 です——★ 順番が来たことが分かるからです。 ★ この差を知らないと、 日本語話者の司会は「どなたか」と言い続けます 。★ 結果として、 いつも同じ人だけが話します 。 ★見えない相手への、四つの手 どうするか どう言うか なぜ ★ 名指しで回す ★ Alice, could you start ★ だれが話すかが決まる ★ 間を埋めない ★ 三秒待つ ★ 考えている時間かもしれない 書き込みに回す I will put it in the chat ★ 数と綴りは声より確か ★ 読み上げて締める ★ let me read back what we agreed ★ 聞き違いをその場で潰す ★ 二つめが、 いちばん難しい です。★ 画面ごしの三秒は、 対面の十秒に感じます ——★ 埋めたくなります。 ★ 6.45 話編 で 「沈黙を埋めない」 と置きました。 ★ オンラインでは もっと待ってください ——★ 相手の音声が 一拍遅れて届く こともあります。 対話 A 話者 英文 日本語訳 学習者 Can everyone hear me? Let us start. [1] 皆さん、聞こえますか。では始めます。 学習者 Alice, could you start with the schedule? [2] アリスさん、日程からお願いできますか。 相手 I see your point. [3] お話の要点は分かりました。 学習者 Thank you. Paul, anything to add? [4] ありがとうございます。ポールさん、何か足すことはありますか。 ★ 二行めが 名指し です。★ 名前を 先に 置く のが要——★ うしろに置くと、 依頼を聞いてからだれ宛てか分かります 。 ★ 四行めで 次の人に回して います。 ★ anything to add は 短くて便利 です——★ 「無い」と答えるのも楽 だからです。 ★書き込みと、声 ★ オンライン会議には 二つの道 があります ——★ 声と、書き込み 。 何を どちらで ★ 数・日付・綴り ★ 書き込み ★ 判断・意見 ★ 声 あとで見返すもの 書き込み ★ 5.36 聞編 で 「数字は一桁ずつ言い直す」 と置きました。 ★ 書き込みがあるなら、 そちらに入れるほうが確か です——★ 言い直しの手間も省けます。 対話 B 話者 英文 日本語訳 学習者 I will put the two dates in the chat. [5] 二つの日付は書き込みに入れておきます。 学習者 Before we close, let me read back what we agreed. [6] 終わる前に、決まったことを読み上げます。 相手 I agree with you. [7] 君と同意してる。 学習者 I will send the notes within the hour. [8] 議事録は一時間以内にお送りします。 ★ 二行めが 締めの読み上げ です。★ read back (読み返す) ——★ 5.39 聞編 の 言い直し と同じ働き です。 ★ オンラインでは、 聞き違いがいちばん起きます 。★ 最後に読み上げると、 その場で直せます ——★ あとで直すより ずっと安い のです。 日本語との言い方の違い いちばん大きくずれるのは相槌です。日本語の電話や会議では「はい」「ええ」を細かく入れて、聞いていることを声で示します。ところが画面ごしの回線は 一度に一人ぶんしか通しません 。相槌を声で入れると相手の声が切れ、相手は自分が止められたと思って話をやめます。 5.36 聞編 の電話では声だけが頼りでしたが、こちらには書き込みという二本めの道があります。相槌はうなずきか、書き込みの一語( agreed のような)に移してください。 呼び方も違います。日本語は「さん」を付けられるので名前を呼ぶのに抵抗がありませんが、英語では敬称の付け外しが 距離の合図 になってしまいます。安全なのは、 相手が名乗った形をそのまま使う ことです。名前だけで名乗った人は名前だけで呼び、姓を添えて名乗った人には姓を添える。迷ったら、相手が画面に出している表示の形に合わせておけば外れません。 書き込み欄の位置づけも覚えておいてください。日本語の会議の私語に近い感覚で使うと事故になります。英語圏のオンライン会議では、書き込みに残った数字や綴りが そのまま議事録に写される ことが珍しくありません( 6.48 話編 )。つまりあの欄は雑談の場ではなく、 記録の下書き です。だから数・日付・綴りをそこに入れるのが確かなのです。 よくある誤り 会議の最初の一句で、目的語が余ります。 Can you hear my voice → Can you hear me 。日本語の「私の声が聞こえますか」を一語ずつ移すと my voice が残りますが、英語は人をそのまま聞く対象にします。 意見を求める問いは、「どう」を移すところで崩れます。 How do you think about it → What do you think about it 。 how は「どんな方法で考えるか」を聞く形になってしまいます。名指しで回すときにいちばん使う一文なので、ここだけは形で覚えてください。 相槌を声で入れるときも、形に注意してください。 I am understanding → I see 。 understand は状態を表す動詞で、進行形にすると「いま分かりかけている」という別の意味になります。短いほうが回線にも優しいです。 言い換えと丁寧さ だれも答えない言い方 答えが返る言い方 ★ Any thoughts ★ Alice, what do you think ★ Is everyone all right with this ★ Paul, are you all right with this Please speak up Let us go around, starting with Alice ★ 右はどれも 名前が入って います。 ★ 名前が無いと、 だれの番か決まりません 。 ★ いちばん下の 順に回す やり方は、★ 全員が一度は話す ので、★ 8.183 読編 の 「全員が出し切る」 にいちばん近い です。 言い回し 英文 日本語訳 オンラインで使う五つ Can you hear me? [9] 僕の声は届いていますか。 ★ 聞こえますか I see your point. [3] お話の要点は分かりました。 ★ 言いたいことは分かりました I agree with you. [7] 君と同意してる。 ★ 同意します Thank you very much. [10] どうもありがとうございます。 ★ ありがとうございます That's all I want to say. [11] 私が言いたいのはそれだけです。 ★ 言いたいのはそれだけ ★ いちばん上は、 会議の最初に必ず言う 一句 です。★ 答えが返ってこなければ、 音が出ていません ——★ 先に分かるほうがよい です。 この課で使う型 型の名 この課での出方 戻る課 依頼 Alice, could you start with the schedule 3.49 型編 予定 I will send the notes within the hour 3.52 型編 提案 let me read back what we agreed 3.54 型編 問い anything to add 3.2 型編 練習 対話 A・B を音読 する。3 周する。★ 名前のあとで 一拍置く 。 ★ 名指しに直す 。 Any thoughts のような問いを三つ書き、 名前を入れた形 に直す。 ★ 三秒待つ 。問いを一つ言ってから 声に出して三つ数える 。★ どれくらい長く感じるかを書く。 ★ 読み上げを作る 。最近の打ち合わせで決まったことを 三行で読み上げる形 にしてみる(英語でよい。 6.48 話編 )。 この課のまとめ ★ 画面ごしでは目が合わない ——だれが話すかを言葉で決める。 ★ 日本語では名指しは強いが、英語のオンライン会議では親切 ——順番が来たと分かるから。 ★ 名前は先に置く ——うしろだと、依頼を聞いてから宛先が分かる。 ★ 間を埋めない ——画面ごしの三秒は対面の十秒に感じる( 6.45 話編 )。 ★ 数・日付・綴りは書き込み、判断は声 ( 5.36 聞編 )。 ★ 終わりに読み上げて締める ——聞き違いをその場で潰す( 5.39 聞編 )。 ★ 順に回すやり方が、全員が出し切るのにいちばん近い ( 8.183 読編 )。 次の課へ 次の課は 6.53 、 雑談と関係作り —— 第 7 期の話編の最後 です。★ いちばん軽く見えて、 いちばん難しい ——★ 何を話してよく、何を話さないか です。 答え ★ 音読したとき。 ★ 名前のあとの一拍が 相手の準備の時間 だと気づいたはずです。★ 名前を言われてから、 音声を入れる 人もいます ——★ 一拍は、そのための時間 です。 ★ 名指しに直したとき。 ★ 直すと 一語増えるだけ なのに気づいたはずです。★ 手間はほとんどかかりません が、★ 返ってくる答えの数が 大きく変わります 。 ★ 三秒待ったとき。 ★ とても長く感じます 。★ 実際には、 相手は二秒めに口を開こうとして います ——★ こちらが二秒で埋めると、 相手の言葉が消えます 。 ★ 読み上げを作ったとき。 ★ 三行に収まりましたか。 ★ 収まらないなら、 決まったこと以外が混ざって います ( 8.190 読編 )——★ 経緯や理由は 議事録の本文 に回し、★ 読み上げは 決定だけ です。 参考文献 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Tatoeba 文 #63850(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/63850 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Epoché の作例です。 Tatoeba 文 #257058(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/257058 Epoché の作例です。 Tatoeba 文 #250795(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/250795 Tatoeba 文 #1839560(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1839560 Tatoeba 文 #3594010(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/3594010