経験をどう集めるか――ベーコンと新しい自然の探究 — Epoché
解説 経験は、そのまま正しい答えではない ベーコンは自然の知識を人の役に立つ働きと結びつけ、誤りうる感覚を実験や器具で補おうとした。イドラとは探究を妨げる思い込みや誤りの源。人の傾向、個人の経験、言葉、学説などを吟味する。 現代心理学の検証済み分類ではない。実験なら必ず正しくなる、現代科学の全方法を一人が発明した、という意味でもない。 出典1 数えるだけでなく、比べて除く 帰納は、ここでは事例の比較と除外から一般的な原理へ進む探究。性質がある例・ない例・程度の違う例を比べ、合わない説明候補を除き、段階的に進む。 一回の比較で全ての法則が確定する万能手順ではない。 出典1 熱を調べる、本人の比較例 太陽光と月光を比べ、光だけでは熱を説明できないとして候補を除く。知識は集めた事実と推論を結び、さらに実験へ戻る探究や、人どうしの協力によって育てる。 本人の探究の紹介で、月光の熱の現代的な精密測定ではない。協力の構想を、完成した研究所の実在と取り違えない。 出典1 性質を調べる三つの比較 比較 見る例 ある例 その性質が現れる場合 ない例 似た条件でも現れない場合 程度の違い 強くなる・弱くなる場合 事例を集め、説明候補との適合を比べる。件数が多いだけで正しさが決まる表ではない。 参考文献 [1] Peltonen, Markku「Francis Bacon」。 出典