3.16 接続詞と副詞節 — and/but/because/when/if/that 節 — Epoché
この課でできるようになること 対等につなぐ形と、片方を部品にする形を見分けられる。 接続詞が節の頭にあることを使って、節の順序を入れ替えて言える。 時と条件の節で、未来のことでも現在形にできる。 that を落とせる場所と落とせない場所を区別できる。 前提 : 3.15 まで。 第 2 期の型編もこの課で終わりです。ここまでに置いてきた道具を思い出してください。現在完了は時間の幅を、助動詞は話し手の扱いを、不定詞と動名詞は動詞を名詞にする道具を、関係代名詞は名詞に文をくっつける道具を、比較はものを並べて差を言う道具を扱いました。この課で扱うのは、 文と文をそのままつなぐ 道具です。 つなぐと文が長くなります。長い文を読めるかどうかが、第 3 期以降の読み物を読めるかどうかを決めます。そして長い文を読むこつは一つだけです。 つなぎ目の語で切って、切ったところから前へ読む 。英語のつなぎ目の語は 節の頭 にあるので、そこで切ればよいことが目で見て分かります。日本語のつなぎ目は語尾にあるので、最後まで聞かないと関係が分かりません。この違いは、英語を読むときにはむしろ こちらに有利 にはたらきます。 例文で見る まず 10 文を見ます。見てほしいのは つなぎ目の語の位置 です。どの文でも、つなぎ目の語は 後ろの節の頭 にあります。6 番めと 7 番めは節が入れ替わっていて、つなぎ目の語が文の先頭に来ています。語はどれも第 2 期の範囲の中にあります。 英文 日本語訳 見るところ She walked and talked. [1] 彼女は歩きながら話した。 and は対等に並べる I looked but saw nothing. [2] 私はよく見たが、何も見えなかった。 but は逆の向きをつなぐ。これも対等 I think he did it. [3] 私は彼がやったと思うんだ。 that を落とした形。話し言葉ではこれが多い I know that it was done by him. [4] 私は彼がそれをしたのを知っている。 同じ形で that を置いたもの I don't know what it is. [5] それが何なのか分からない。 疑問詞で始まる節も、丸ごと目的語になる While you're young, you should read a lot. [6] 若いうちにたくさんの本を読むべきだ。 時の節を文の頭に置いた形 If I were you, I wouldn't do it. [7] 私だったらやらないけどなあ。 条件の節も頭に置ける Let's start as soon as he comes. [8] 彼が来たらすぐに出発しよう。 as soon as で「〜したらすぐに」 I will be gone by the time she comes back. [9] 彼女が帰ってくるまでには、私はここを去ります。 by the time で「〜するまでに」 We eat so that we can live. [10] 私たちは生きるために食べる。 so that で「〜するために」 十の文で、つなぎ方は二種類しか出ていません。対等に並べたもの(1 番め・2 番め)と、片方を部品にしたもの(残り全部)です。部品にしたほうは、 そこを外しても文が立ちます 。 骨組み この課の規則は一つです。 英語のつなぎ目の語は、節の頭に置く。 だから節の順序を入れ替えられます。日本語は前の節の語尾でつなぐので、入れ替えられません。 二種類のつなぎ方 一つめは 対等に並べる つなぎ方です。 She walked and talked. [1] は歩くことと話すことを並べ、 I looked but saw nothing. [2] は見たことと見えなかったことを逆向きに並べています。どちらも二つの節が 同じ重さ で、どちらが主役ということがありません。 I don't know and I don't want to know. [11] のように、長くつなぐこともできます。 二つめは 片方を部品にする つなぎ方です。 While you're young, you should read a lot. [6] の前半は、後半がいつのことかを言っているだけで、 外しても文は立ちます 。 If I were you, I wouldn't do it. [7] も同じで、前半は条件を言っているだけです。部品にされた側は、主役の文の一部になっています。 見分け方は簡単です。 片方を外して、残ったほうが文として立つかどうか 。立つなら部品、立たないなら対等です。対等につなぐ語は and ・ but ・ or ・ so の四つしかありません。それ以外は全部、片方を部品にする語だと思ってかまいません。 節の順序を入れ替えられる 英語のつなぎ目の語は節の頭にあるので、 節をそっくり入れ替えても関係が壊れません 。 If I were you, I wouldn't do it. [7] と I wouldn't do it if I were you. [12] は、同じことを言っていて順序だけが違います。どちらも正しく、どちらも自然です。 日本語では、これができません。「私があなただったら、それをしないでしょう」を入れ替えると「それをしないでしょう、私があなただったら」となり、話し言葉ではともかく書き言葉にはなりません。つなぎ目が 前の節の語尾 にあるからです。語尾は文の途中にしか置けないので、前の節を後ろに動かすと、つなぎ目が文の最後に落ちてしまいます。 では英語ではどちらを選ぶのか。目安があります。 言いたいことを後ろに置く 。条件を頭に置けば「もしそうなら」という前置きになり、後ろに置けば主張が先に出ます。第 10 編「作」で文章を書くときに、この選び方が効いてきます。 that 節 — 文を丸ごと目的語にする 文を丸ごと動詞の目的語にできます。 I know that it was done by him. [4] の that 以下は「彼がそれをした」という文で、それが丸ごと「知っている」の中身になっています。 そしてこの that は 落とせます 。 I think he did it. [3] には that がありません。 I think I can. [13] 、 I think he likes you. [14] も落ちた形です。話し言葉では落とすほうがふつうで、 think ・ know ・ hope の後ろではほとんど落ちます。 3.14 型編 の関係代名詞の省略と同じで、 落とせるところは落とす のが英語の癖です。 疑問詞で始まる節も、同じように丸ごと目的語になります。 I don't know what it is. [5] 、 I don't know who he is. [15] 、 I don't know if he knows it. [16] がその形です。ここで 語順に注意 が要ります。節の中は疑問文ではないので、主語と動詞をひっくり返しません。訊いているのではなく、知らないと言っているだけだからです。 同格の that — こちらは落とせない 名詞の後ろに that 節を置いて、その名詞の中身を言うことがあります。 Don't forget the fact that smoking is bad for your health. [17] の that 以下は、どんな事実なのかを説明しています。日本語の「〜という」にあたる形です。 We must take into account the fact that he is young. [18] も同じ形です。 この that は 落とせません 。落とすと、名詞の後ろにいきなり別の文が始まることになり、 3.13 型編 の関係代名詞と見分けがつかなくなります。見分け方は一つ、 that の後ろの文に穴が空いているかどうか 。関係代名詞なら主語か目的語の場所が空いていますが、同格の that の後ろは 完全な文 です。 時・条件・理由・目的の節 片方を部品にする語は数が多いので、意味の束で覚えるのが速く済みます。 時 を言う語。 He was going to leave the house when she came. [19] の when 、 While you're young, you should read a lot. [6] の while 、 Let's start as soon as he comes. [8] の as soon as 、 I will be gone by the time she comes back. [9] の by the time です。 as soon as は「〜したらすぐに」、 by the time は「〜するまでには」。どちらも塊で覚えてかまいません。 条件 を言う語は if が中心です。 Do it if you can. [20] のように短く使えます。 理由 を言う語は because のほかに Since you say so. [21] の since 、 As they didn't know the way, they soon got lost. [22] の as があります。 since と as は 相手も知っている理由 のときに使い、 because は 新しく伝える理由 のときに使います。 逆 を言う語は Though it was very late, he went on working. [23] の though 。 目的 を言うのは We eat so that we can live. [10] の so that で、 Come nearer so that I can see your face. [24] のように「〜できるように」と言うときによく出ます。 3.12 型編 で見た in order to と同じ意味ですが、後ろに文が来る点が違います。 ★時・条件の節では、未来のことでも現在形 ここがこの課でいちばん大きな落とし穴です。 Let's start as soon as he comes. [8] の後半は、まだ来ていない未来のことを言っています。それなのに動詞は現在形です。 I will be gone by the time she comes back. [9] も、 I'll come as soon as I can. [25] も同じ。 時と条件を言う節の中では、未来のことでも現在形 にします。 なぜそうなるのか。時や条件の節は 出来事そのものを言っていない からです。「彼が来たら」は、彼が来ることを伝えているのではなく、 いつのことかという枠 を示しているだけです。枠には時間がありません。だから時の印を付けません。主役の文のほうには、ちゃんと未来の印が付いています。一つの文に 時の印は一つあれば足りる ——そう考えると納得しやすくなります。 ただし、これは時と条件の節だけの話です。 I don't know if he knows it. [16] の if は「〜かどうか」で、条件ではありません。こちらは未来のことなら未来の形になります。 「もし〜なら」なら現在形、「〜かどうか」ならふつうどおり ——この二つを分けてください。 日本語ならどう言うか 同じところから入ります。 日本語にも文をつなぐ仕組みがあります。 「〜ので」「〜たら」「〜ても」「〜ように」——意味の種類は英語とほとんど同じだけそろっています。ずれるのは つなぎ目の置き場所 と、そこから出てくる 順序の自由さ です。 語尾か、頭か つなぐ意味 日本語では 英語では もし〜なら 〜たら(前の節の語尾) if + 節(節の頭) 〜なので 〜ので(前の節の語尾) because + 節(節の頭) 〜だけれど 〜けれど(前の節の語尾) though + 節(節の頭) 日本語の側は三行とも 前の節の最後 に付いています。英語の側は三行とも 後ろの節の最初 にあります。位置が正反対なので、日本語の順で組み立てるとつなぎ目の語を置く場所が見つからなくなります。英語で書くときは、 どちらの節を先に言うかを決めてから 、部品にするほうの節の頭に語を置いてください。 日本語に無い区別 — 一つの文に時の印は一つ 日本語では「彼が来たら出発しよう」の「来たら」に、未来のことだという印は付いていません。英語も同じで、時・条件の節には未来の印を付けません。 ここは実は日本語と同じ なのですが、学校で「未来のことは will 」と習うので、節の中にも入れてしまいます。日本語の感覚に戻れば、むしろ自然に外せます。 日本語に無い区別 — 接続詞は片側だけ 日本語は「〜だけれど、しかし」「〜なので、だから」のように、 両側に印を置ける 言い方をします。日常の話し言葉ではごくふつうです。英語では どちらか一方だけ です。 though を置いたら but は置きません。 because を置いたら so は置きません。二つ置くと、読み手はつなぎ目が二つあると受け取って混乱します。 丁寧さの段 この節は毎課置きます。日本語話者の英語には丁寧さの段が一段しかない、という実測があるからです。この課の道具は、断りの角を取るのに効きます。 理由の節を足すか、言い切りを避けるか で、同じ「できません」が違って届きます。下の四つは、どれも 今はできない ことを伝えています。 英文 日本語訳 どんな相手に I won't be able to do that. [26] 僕はそれが出来ないだろう。 言い切る。親しい相手 I won't be able to make it. [27] 欠席させて下さい。 頼む形にする。理由は言わない I don't know if she will go there with me. [28] 彼女が僕といっしょにそこへ行くかどうかわからない。 分からないと言って余地を残す I don't know if there's time. [29] 時間があるか分かりません。 自分ではなく状