5.27 演説 — 覚えて帰ってもらうための形 — Epoché
この課で聞き取れるようになること ★ 三点構造 を聞き取れる。 ★ 対句 に、意味より先に音で気づける。 ★ 同じ語で始めるくり返し を追える。 ★ 演説が講義よりやさしい理由 が言える。 前提 : 5.26 まで。知は 12.12 まで。 聞く前に ★ 二つの演説を聞きます。 誰の演説か いつ どんな場面か ★ リンカーン 1863 年 ★ 戦場に作った墓地で ★ ケネディ 1961 年 ★ 大統領に就く日に ★ 百年ちかく離れています。 ★ それでも、使っている道具は同じ です。★ それが、この課で聞くもの です。 12.12 知編 で 「フランクリン・独立宣言・リンカーンは次の期で読む」 と置きました。★ ここが、その最初の一歩 です。★ 読むのは読 E( 8.105 読編 以降) ですが、★ 先に耳で通しておきます。 ★演説の三つの道具 どの道具か 何をするか なぜ効くか ★ 三つ並べる ★ 三点構造 ★ 二つだと物足りず、四つだと覚えられない ★ 対句 前半と後半をひっくり返す ★ 音で気づく ★ 同じ語で始める くり返しの頭 ★ 次が来ると分かる ★ いちばん強いのは、三つ並べる形 です。★ 二つだと物足りず、四つだと覚えられません。 ★ 台本の三段目を聞いてください。 ★ pay ・ bear ・ meet ・ support ・ oppose 。 ★ ここは五つ並んでいます。 ★ だから、これは「覚えさせる」ための並びではありません ——★ 「際限が無い」と言うための並び です。 ★対句は、音で気づく 台本の二段目の一文目——★ 「世界は、我々がここで言うことをほとんど心に留めず、長く覚えてもいないだろう。しかし、彼らがここで した ことは、決して忘れられない」。 前半 後半 何が入れかわったか ★ 我々が言う ★ 彼らがした ★ 主語と動詞の両方 忘れる ★ 決して忘れない 否定 ★ 意味を取る前に、音で気づけます。 ★ 同じ長さの形が二つ並んだら、対句 です。★ そして、対句の後半にいちばん言いたいことが来ます。 ★演説は、講義よりやさしい ★ 意外に思うかもしれません。 ★ 語は難しいのに、聞き取りやすい のです。 どちらか くり返すか 聞き逃したとき ★ 講義 ( 5.25 聞編 ) ★ くり返さない ★ 戻れない ★ 演説 ★ くり返す ★ 次のくり返しで拾える ★ 演説では、同じことが二度三度言われます。 ★ 一度目で分からなくても、二度目で分かります。 ★ だから、聞き取りの練習の入り口としては、演説がよい のです。 知っておく語 聞き方 三度聞きます。 ★ 一度目は、くり返しだけ を聞く。★ 同じ語が二度以上出たところ に印を付ける。 ★ 二度目は、三つ並んでいるところ を探す。★ いくつ並んでいるかも数える。 ★ 三度目に、意味 を聞く。★ くり返しの中でいちばん強いところ を一つ選ぶ。 ★ 演説では、話し手が「ここが大事だ」と音で教えてくれます。 ★ くり返したところが、それ です。★ だから、三度目はくり返しを手がかりに聞けます。 問い 台本を聞いて、答えてください。 ★ 一段目の一文目は、何年前の話から始まるか。 ★ そして、なぜその数え方をしたのか。 ★ 二段目の一文目で、何と何が入れかわっているか。 ★ 三段目の二文目に、動詞がいくつ並んでいるか。 ★ 三段目の三文目は、なぜこんなに短いのか。 ★ 二人の演説に、共通する語が一つあります。 ★ それは何か。 動画で見る この課の内容に近い解説動画です。押すと再生されます(再生は YouTube に接続します)。「画面に固定して見る」を押すと、本文を読みながら見られます。 How to use rhetoric to get what you want - Camille A. Langston TED-Ed (4:29, 2016) 説得の三つの型(エトス・パトス・ロゴス)。TED-Ed 練習 台本を 三度聞く 。★ 上の「聞き方」の順で 。 ★ 一段目の一文目を、そらで言えるまで音読する。 ★ この一文は、英語圏でいちばん有名な一文の一つ です。 ★ 三段目の二文目を、動詞のところで区切って音読する。 ★ 区切るほど、並びが聞こえます。 日本語の演説やあいさつを一つ思い出し、★ 三つ並べているところを探す。 ★ 日本語にも、同じ道具があります。 この課のまとめ ★ 演説は、覚えて帰ってもらうために作られている。だからくり返す。 ★ 三点構造 ——二つだと物足りず、四つだと覚えられない。 ★ 五つ以上並ぶときは、覚えさせるためではなく「際限が無い」と言うため (ケネディ)。 ★ 対句は、意味より先に音で気づける。 ★同じ長さの形が二つ並んだら対句。 ★ 対句の後半に、いちばん言いたいことが来る (リンカーン)。 ★ 演説は講義よりやさしい ——★くり返すので、一度目で分からなくても二度目で拾える。 ★ くり返したところが「ここが大事だ」の合図。 ★ 百年離れた二つの演説が、同じ道具を使っている。 次の課へ 次の課は 5.28 、 科学のニュース です。★ 8.104 読編 で読んだ記事を、こんどは耳で聞きます。 ★ 読んだものを聞くのは、ずるではありません。 ★ この課では、数を聞き取ります ——★ 意味を知っているぶん、数だけに耳を向けられます。 答え 「問い」の五つの答えです。 ★ 八十七年前 です。★ 「二十が四つと七年前」という数え方 をしています。★ 聖書の言い方 です。★ わざと古い数え方をすることで、話に重みを持たせています。 ★ ふつうに言えば eighty-seven years ago です。 ★ 「我々が言う」と「彼らがした」 です。★ 主語と動詞の両方が入れかわっています。 ★ そして、後半に強い否定(決して忘れない)が来ます。 ★ 対句の後半に、いちばん言いたいことが来る ——★ その見本 です。 ★ 五つ です——払う・負う・出会う・支える・立ち向かう。★ 三点構造ではありません。 ★ 五つ並べると、「まだ続きそうだ」と聞こえます。 ★ それが狙い です。 ★ 直前が長いから です。★ 長い並びのあとに短い一文を置くと、そこで止まります。 ★ 音の上の区切り です。★ 10.8 作編 で「いちばん強い観点を最後に」と置きました。 ★ 演説では、いちばん短い一文が最後に来ます。 ★ dedicate (ささげる) です。★ リンカーンは五回使い、ケネディは pledge (誓う)で受けています。 ★ どちらも「自分たちが何をするか」を言う語 です。★ 演説は、聞き手に何かをさせるために作られています。 台本 答えを出してから読んでください。★ 原文のまま です。 Four score and seven years ago our fathers brought forth, on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal. [1] Now we are engaged in a great civil war, testing whether that nation, or any nation so conceived and so dedicated, can long endure. [1] We are met on a great battle-field of that war. [1] The world will little note, nor long remember what we say here, but it can never forget what they did here. [1] It is for us the living, rather, to be dedicated here to the unfinished work which they who fought here have thus far so nobly advanced. [1] We observe today not a victory of party but a celebration of freedom, symbolizing an end as well as a beginning, signifying renewal as well as change. [2] Let every nation know, whether it wishes us well or ill, that we shall pay any price, bear any burden, meet any hardship, support any friend, oppose any foe to assure the survival and the success of liberty. [2] This much we pledge—and more. [2] 参考文献 原文の出所: Abraham Lincoln, Gettysburg Address (Bliss copy, 1864)。パブリックドメイン。English Wikisource から。原文は 1 字も変えていない。https://en.wikisource.org/ 原文の出所: John F. Kennedy, Inaugural Address (1961)。アメリカ合衆国政府の制作物・パブリックドメイン。English Wikisource から。原文は 1 字も変えていない。https://en.wikisource.org/