0.7 子音の対 — b と v、s と z、ch と j — Epoché
この 課 か でできるようになること v を 下唇 したくちびる と 上 うえ の 歯 は で 出し だし 、 b と 言い分け いいわけ られる。 f も 同じ おなじ 場所 ばしょ で 出せる だせる 。 母音 ぼいん の 間 あいだ の s 一 ひと つが [z] 、 ss が [s] であることを 知り しり 、 poisson / poison を 言い分け いいわけ られる。 j ・ g の [ʒ] を、 日本語 にほんご の「じ」のように 舌 した で 止め とめ ずに 出せる だせる 。 前提 ぜんてい : 0.6( r と l ) 子音 しいん の 二 ふた つ 目 め の 課 か です。0.6 の r ほど 遠く とおく はありませんが、ここで 扱う あつかう 三 さん 組 くみ は、どれも 日本語 にほんご では 区別 くべつ しないか、 別 べつ の 作り つくり で 出し だし ている 音 おと です。 取り違える とりちがえる と poisson ( 魚 さかな )が poison ( 毒 どく )になり、 bas ( 低い ひくい )が vas ( 行く いく )になります。 三 さん 組 くみ とも、 口 くち のどこで 音 おと を 作る つくる かを 一 ひと つずつ 確かめれ たしかめれ ば 出 で ます。 つまずきの 正体 しょうたい — 唇 くちびる か 歯 は か、 止める とめる か 流す ながす か 一 ひと つ 目 め は v です。 日本語 にほんご にはこの 子音 しいん がありません。「ヴ」と 書い かい ても、 多く おおく の 人 ひと は「ブ」と 同じ おなじ 唇 くちびる の 音 おと で 読み よみ ます。フランス 語 ご の v は 下唇 したくちびる を 上 うえ の 前歯 まえば に 軽く かるく 当て あて 、その 隙間 すきま から 声 こえ を 出す だす 音 おと です。 唇 くちびる どうしを 閉じる とじる b とは 場所 ばしょ が 違い ちがい ます。 f は 同じ おなじ 場所 ばしょ で 声 こえ を 出さ ださ ない 音 おと で、 日本語 にほんご の「ふ」( 唇 くちびる だけで 出す だす )とも 違い ちがい ます。 二 ふた つ 目 め は s と z 。 音 おと そのものは 日本語 にほんご にもあります(「さ」の 子音 しいん と「ざ」の 子音 しいん )。 問題 もんだい は 綴り つづり との 対応 たいおう です。フランス 語 ご では、 母音 ぼいん と 母音 ぼいん の 間 あいだ にある s 一 ひと つは [z] と 読み よみ ます。 poison ( 毒 どく )の s は [z] 、 maison ( 家 いえ )の s も [z] 。 [s] と 読ま よま せるには ss と 二 ふた つ 書き かき ます。 poisson ( 魚 さかな )。 日本語話者 にほんごわしゃ は 綴り つづり を 見 み て「ポワソン」と 両方 りょうほう [s] で 読み よみ 、 魚 さかな を 頼む たのむ つもりで 毒 どく と 言っ いっ てしまいます。 三 みっ つ 目 め は ch と j ( g + e ・ i )。 [ʃ] は 日本語 にほんご の「し」の 子音 しいん に 近く ちかく 、そのまま 使え つかえ ます。 [ʒ] は「じ」の 子音 しいん に 近い ちかい のですが、 日本語 にほんご の「じ」は 語頭 ごとう では 舌 した が 一 いち 度 ど 口 くち の 天井 てんじょう に 付い つい て から 離れる はなれる 音 おと ( [dʑ] )です。フランス 語 ご の [ʒ] は 付け つけ ずに 流す ながす 音 おと で、 日本語 にほんご の「あじ」の「じ」( 母音 ぼいん の 間 あいだ )のほうが 近い ちかい 。 je を「ジュ」と 言う ゆう と、 頭 あたま に 小さな ちいさな [d] が 入り はいり ます。 三 さん 組 くみ の 子音 しいん の 口 くち 音 おと 口 くち 例 れい [b] b 両 りょう 唇 くちびる を 閉じ とじ て 離す はなす 。 声 こえ あり。〔 差 さ 〕「ば」と 同じ おなじ bas 、 beau 、 bon [v] v 、 w ( 一部 いちぶ ) 下唇 したくちびる を 上 うえ の 前歯 まえば に 当てる あてる 。 声 こえ あり。〔 差 さ 〕 無い ない 。「ヴ」を 唇 くちびる だけで 出さ ださ ない vas 、 vous 、 vin [f] f 、 ff 、 ph 下唇 したくちびる を 上 うえ の 前歯 まえば に 当てる あてる 。 声 こえ なし。〔 差 さ 〕「ふ」は 唇 くちびる だけ。 歯 は に 当てる あてる fin 、 femme 、 fille [s] s ( 語頭 ごとう ・ 子音 しいん の 隣 となり )、 ss 、 c + e ・ i 、 ç 舌先 したさき を 歯茎 はぐき に 近づけ ちかづけ 、 息 いき をこすらせる。 声 こえ なし。〔 差 さ 〕「さ」と 同じ おなじ 。 綴り つづり が 多い おおい poisson 、 ça 、 merci [z] z 、 母音 ぼいん の 間 あいだ の s 、リエゾンの s 同じ おなじ 場所 ばしょ 。 声 こえ あり。〔 差 さ 〕「ざ」と 同じ おなじ 。 s 一 ひと つが [z] になる 規則 きそく を 知る しる poison 、 maison 、 les amis [ʃ] ch 舌 した を 少し すこし 奥 おく に 引き ひき 、 唇 くちびる を 丸め まるめ て 息 いき をこすらせる。 声 こえ なし。〔 差 さ 〕「し」の 子音 しいん に 近い ちかい chat 、 chaud 、 chose [ʒ] j 、 g + e ・ i ・ y 同じ おなじ 場所 ばしょ 。 舌 した を 付け つけ ずに 流す ながす 。 声 こえ あり。〔 差 さ 〕 語頭 ごとう の「じ」は 舌 した が 付く つく 。 付け つけ ない je 、 jour 、 gens v の 作り つくり かたです。① 上 じょう の 前歯 まえば を 下唇 したくちびる の 内側 うちがわ に 軽く かるく 乗せる のせる 。②その 隙間 すきま から 息 いき を 出す だす ——これが [f] 。③ 声 せい を 足す たす ——これが [v] 。 唇 くちびる は 閉じ とじ ません。 鏡 きょう で 見 み て、 上 うえ の 歯 は が 見え みえ ていれば 正しい ただしい 形 かたち です。「ば」を 言う いう ときは 歯 は が 隠れ かくれ ます。 [ʒ] の 作り つくり かたは、「あじ」と 言っ いっ て、「あ」を 取る とる ことです。 母音 ぼいん の 間 あいだ の「じ」は 舌 した が 付か つか ずに 出 で ています。その 形 かたち のまま 息 いき を 強めれ つよめれ ば [ʃ] 、 声 こえ を 保て たもて ば [ʒ] 。 je 、 jour 、 bonjour —— 語頭 ごとう でも 同じ おなじ 形 かたち で 始め はじめ てください。 b と v ・ f と v — 綴り つづり が 変わる かわる 対 たい [b]・[f] [v] bas [ba] ( 低い ひくい ) vas [va] (きみは) 行く いく boire [bwaʀ] ( 飲む のむ ) voir [vwaʀ] ( 見る みる ) bon [bɔ̃] (よい) vont [vɔ̃] ( 彼 かれ らは) 行く いく banc [bɑ̃] (ベンチ) vent [vɑ̃] ( 風 かぜ ) beau [bo] ( 美しい うつくしい ) veau [vo] ( 子牛 こうし ) fin [fɛ̃] ( 終わり おわり ) vin [vɛ̃] (ワイン) font [fɔ̃] ( 彼 かれ らは)する vont [vɔ̃] ( 彼 かれ らは) 行く いく neuf [nœf] 新しい あたらしい ( 男性形 だんせいけい ) neuve [nœv] 新しい あたらしい ( 女性形 じょせいけい ) 最後 さいご の 対 たい は 形容 けいよう 詞 し の 男性形 だんせいけい と 女性形 じょせいけい です。0.4 の 鼻母音 びぼいん と 同じ おなじ で、 子音 しいん の 声 こえ の 有無 うむ が 性 せい を 分け わけ ています 。 neuf の [f] に 声 こえ を 足す たす と neuve の [v] になる。この 課 か の 三 さん 組 くみ は、 全部 ぜんぶ 「 声 こえ があるかないか」の 対 たい でもあります。 s と z — 綴り つづり が 変わる かわる 対 たい [s] [z] poisson [pwa.sɔ̃] ( 魚 さかな ) poison [pwa.zɔ̃] ( 毒 どく ) dessert [de.sɛʀ] (デザート) désert [de.zɛʀ] ( 砂漠 さばく ) coussin [ku.sɛ̃] (クッション) cousin [ku.zɛ̃] (いとこ) basse [bas] 低い ひくい ( 女性形 じょせいけい ) base [baz] ( 土台 どだい ) 四 よん 組 くみ とも、 ss が [s] 、 s 一 ひと つが [z] です。 日本語 にほんご の「デザート」は 英語 えいご 経由 けいゆ なので [z] ですが、フランス 語 ご の dessert は ss で [s] 。 逆 ぎゃく に「 砂漠 さばく 」の désert が [z] です。 綴り つづり を 見 み て 決め きめ てください。 ch と j — 綴り つづり が 変わる かわる 対 たい [ʃ] [ʒ] chou [ʃu] (キャベツ) joue [ʒu] ( 頬 ほお ) chant [ʃɑ̃] ( 歌 うた ) gens [ʒɑ̃] ( 人々 ひとびと ) cache [kaʃ] ( 彼 かれ は) 隠す かくす cage [kaʒ] (かご) bouche [buʃ] ( 口 くち ) bouge [buʒ] ( 彼 かれ は) 動く うごく cher [ʃɛʀ] ( 高い たかい ) gère [ʒɛʀ] ( 彼 かれ は) 管理 かんり する 文 ぶん の 中 なか で 聞く きく 文 ぶん IPA 意味 いみ Fais voir. [1] [fɛ.vwaʀ] 見せ みせ て。 Vous entrez ? [2] [vu.zɑ̃.tʀe] 入り はいり ますか。 C'est vrai ? [3] [sɛ.vʀɛ] それ 本当 ほんとう ? Viens vite ! [4] [vjɛ̃.vit] 早く はやく おいで。 Je suis une femme. [5] [ʒə.sɥi.zyn.fam] 私 わたくし は 女性 じょせい です。 Il fait beau. [6] [il.fɛ.bo] 晴れ はれ ています。 Il fait chaud. [7] [il.fɛ.ʃo] 暑い あつい です。 Le chat dort. [8] [lə.ʃa.dɔʀ] 猫 ねこ が 眠っ ねむっ ている。 Autre chose ? [9] [otʀ.ʃoz] 他 ほか に 何 なん かありますか。 On va manger ? [10] [ɔ̃.va.mɑ̃.ʒe] 食事 しょくじ にしませんか。 Je n'abandonne jamais. [11] [ʒə.na.bɑ̃.dɔn.ʒa.mɛ] 私 わたくし は 決して けっして あきらめません。 Ce sont des gens. [12] [sə.sɔ̃.de.ʒɑ̃] これらは 人間 にんげん だ。 Je suis un garçon. [13] [ʒə.sɥi.zœ̃.gaʀ.sɔ̃] 私 わたくし は 少年 しょうねん です。 C'est mon sac. [14] [sɛ.mɔ̃.sak] 私 わたくし のかばんです。 Elle a un joli visage. [15] [ɛ.la.œ̃.ʒo.li.vi.zaʒ] 彼女 かのじょ はかわいい 顔 かお をしている。 Sors de la classe. [16] [sɔʀ.də.la.klas] 教室 きょうしつ から 出 で て 行き いき なさい。 Comment va ta femme ? [17] [ko.mɑ̃.va.ta.fam] 奥 おく 様 さま はお 元気 げんき ですか。 Elle a dix enfants. [18] [ɛ.la.di.zɑ̃.fɑ̃] 彼女 かのじょ には 十 じゅう 人 にん の 子供 こども がいる。 Bon voyage ! [19] [bɔ̃.vwa.jaʒ] よいご 旅行 りょこう を。 Je suis une femme. と Je suis un garçon. では、 suis の 語末 ごまつ の s が 次 つぎ の 母音 ぼいん につながって [z] になります(リエゾン。1.4 で 扱い あつかい ます)。 Elle a dix enfants. の dix も 同じ おなじ で、 [di.zɑ̃.fɑ̃] と [z] が 現れ あらわれ ます。 母音 ぼいん の 間 あいだ に 来 き た s ・ x は [z] ——この 規則 きそく は 語 ご の 中 なか でも 語 ご の 境目 さかいめ でも 同じ おなじ です。 Elle a un joli visage. は [ʒ] が 二 ふた つと、 母音 ぼいん の 間 あいだ の s が 一 ひと つ。 visage を「ヴィサージュ」と 読ま よま ないでください。 日本語話者 にほんごわしゃ の 近道 ちかみち 三 さん 組 くみ のうち、 音 おと そのものが 新しい あたらしい のは [v] だけ です。 [f] は