自由を守る理由――ミルの幸福と個人 — Epoché
解説 快楽の量だけでなく、質も考える ミルは幸福への帰結を重んじつつ、知的な活動などの快楽に質の優位を認めた。両方をよく知る人が、より不満を伴っても一方を選ぶことを理由とする。 高学歴者の好みなら正しいという判定ではない。質の違いと快楽主義の整合には、解釈上の難点がある。 出典1 正しい意見も、理由を理解する 抑えられた意見にも真理があるかもしれない。正しい意見でも、反論に向き合わなければ独断になる。言論の自由は、何を信じるかだけでなく、その理由を自分で考える力を支える。 全ての意見が同じだけ正しい、という意味ではない。 出典1 多様な生き方が、選ぶ力を育てる 自由な思考や生き方の試みは、自分の人生の計画を考え、選び直す能力を育てる。邪魔されない自由と、その能力を育てる教育などの条件が関わる。 好き勝手なら何でもよいという意味ではない。 出典1 不快と危害、介入の条件を分ける 他者への危害は自由を制限する理由になるが、単に不快に感じることとは区別する。危害があっても、介入が必ず正当化されるわけではない。 本人は成熟した能力を持つ人へ適用を限り、植民地支配を認める除外も設けた。その歴史的な限界まで現代の正しさとして追認しない。 出典1 自由を守る理由と、制限を考える条件 見る点 理由・条件 言論 真理を検討し、理由を理解する 生き方 自分で計画を考え、選び直す 制限 単なる不快と危害を区別する 介入 危害があるだけで十分とはしない 自由の価値と、個別の介入の正当化を分ける見取り。 参考文献 [1] David Brink「Mill’s Moral and Political Philosophy」。 出典