5.13 物語の語りを聞く I — 語り手は止まらない — Epoché
この課で聞き取れるようになること 語りの形(過去形が続き、主語が変わらない)を知っていて、待ち受けられる。 ★聞き逃した語を 追いかけずに先へ進める 。 拾えなかったところを、あとから 前後で埋められる 。 一度目で取れなくても、二度目・三度目で取れる聞き方ができる。 前提 : 5.12 まで。 聞く前に 語りには、会話にも報せにも無い性質があります。三つ挙げます。 一つめ、 過去形が続きます 。起きたことを順に並べるので、動詞はほとんど過去形です。これは聞く側にとって 助け になります。時のことを考えなくて済むぶん、内容に耳を回せるからです。 二つめ、 主語が変わりません 。同じ人の話が何文も続くので、二文めからは主語が代名詞になります。 he ・ she は弱く短く言われるので、ほとんど聞こえません。聞こえなくてもかまいません。 誰の話かはもう分かっている からです。 三つめ、これが本題ですが、 語り手は止まりません 。一語聞き逃すと、それを追いかけているあいだに次の文が来ます。追いかけると 二文ぶん失います 。追いかけなければ一語で済みます。 捨てるほうが取れる ——これが第 3 期の聞編で身につけることです。 知っておく語 台本に出る語のうち、気をつけておきたいものを先に出します。これらは 伏せずに見えるまま にしてあります。 知っておく語 意味 この課での出どころ met 出会った( meet の過去形) 一つめの場面 needed 必要としていた 同じところ as if まるで〜のように 同じところ pointed at 〜を指さした 三つめの場面 looked back ふり返った 同じところ 聞き方 この課の聞き方は一つだけです。 聞き逃したら、そこで手を離す。 やり方を具体的に書きます。分からない語が来たら、その語を 「?」という一つの塊 として置いておきます。意味を考えません。綴りも考えません。ただ「ここに何かあった」という印だけ残して、次の語へ移ります。 聞いているとき してはいけないこと するとよいこと 分からない語が来た 意味を考える 「?」と置いて先へ 文が長くて途中で切れた 頭から組み立て直す 動詞だけ拾って先へ 聞き終わった 分からなかった語を悔やむ 分かった語を並べてみる 三行めが大事です。聞き終わったあと、 分かった語を並べてみる と、たいてい 穴が埋まります 。語りは筋が通っているので、前後が分かれば真ん中は見当がつくからです。これは 3.18 型編 で見た冠詞の話と同じで、 一文の中だけを見ていても決まらない ものが、流れの中では決まります。 そしてもう一つ。 三回聞いてください。 一回目は筋を取る。二回目は動詞を拾う。三回目は穴を埋める。一回で全部取ろうとすると、どれも取れません。 問い 台本を三回聞いてから答えてください。 台本は答えを出すまで読まないこと。 場面はいくつありますか。それぞれ誰の話ですか。 一つめの場面で、その人は語り手に何を尋ねましたか。二つ挙げてください。 一つめの場面の最後で、その人はどんなようすだったと言っていますか。 二つめの場面で、助けを求めたのは誰ですか。そして、助けようとしたのは誰ですか。 三つめの場面で、動きが三つ続きます。順に言ってください。 一回目・二回目・三回目で、取れた量はどう変わりましたか。 いちばん増えたのは何回目から何回目でしたか。 練習 台本の 3 場面を、行を押して音を聞いてから続けて 音読 する。読むときは 文と文のあいだを詰める 。語りは文の切れ目でほとんど止まらないので、一文ずつ区切って読むと本物と違う形が口に入る。3 周する。3 周目は 1 場面めを、音声に重ねて シャドーイング する。 ★ 捨てる練習 。台本を一度だけ聞き、 分からない語が来ても止まらずに 最後まで行く。そのあと、分かった語だけを紙に並べる。並べたものを見て、 穴が埋まるかどうか を試す。埋まったら、その穴は 聞き取れなくてもよかった 語だったということ。 翌日、台本をもう一度聞く。一日おくと、前日に取れなかったところが取れることがある。取れたなら、それは 耳の問題ではなく、慣れの問題 だったということ。取れないままなら、その語を語表( 4.25 語編 以降)で探す。 この課のまとめ ★ 語り手は止まらない。 会話と違って聞き返せない。 ★ 聞き逃したら手を離す。 追いかけると二文ぶん失う。捨てれば一語で済む。 分からない語は 「?」という一つの塊 として置き、意味を考えない。 語りは 過去形が続く 。時のことを考えなくて済むぶん、内容に耳を回せる。 語りは 主語が変わらない 。代名詞は聞こえなくてよい。誰の話かはもう分かっている。 聞き終わったら 分かった語を並べてみる 。たいてい穴が埋まる。 ★ 三回聞く。 一回目は筋、二回目は動詞、三回目は穴埋め。 一日おくと取れることがある。それは耳ではなく 慣れ の問題。 次の課へ 次の課は 5.14 、題は 物語の語りを聞く II — 会話文はどう聞こえるか 。物語には、地の文のあいだに 登場人物の言葉 が挟まります。文字で読めば引用符があるので一目で分かりますが、 音には引用符がありません 。では、どこからが誰の言葉なのか。英語の語り手は 声の高さと速さ でそれを示します。次の課では、その切り替わりを耳で取れるようにします。 答え 三つです。一つめは語り手がある人と出会った話、二つめは助けを求められた話、三つめは誰かが何かを指さした話です。場面の切れ目は、 主語が変わるところ で分かります。 「あなたは誰か」と「何が必要か」の二つです。どちらも 取り込んだ問い の形で( 3.20 型編 )、疑問文の語順になっていません。音で聞くと、ここは平らに流れます。問いの形なのに上がらないので、 疑問文だと思って待っていると取り逃します 。 何もかも分かっているようなようすだった、と言っています。 as if は速く言われると二語がくっついて一つの音になります。塊として覚えておくと拾えます( 5.7 聞編 )。 助けを求めたのは男のほう、助けようとしたのは女のほうです。同じ「助け」という語が三文続けて出るので、 誰から誰へ向かっているか を取り違えやすいところです。前置詞( for ・ me )が向きを決めています。 左右を見て、こちらを見て、指さした——この順です。三文とも短く、 動詞だけ拾えば筋が通ります 。語りの場面描写は、たいていこの形です。 たいていは 一回目から二回目 でいちばん増えます。一回目で筋が分かると、二回目は待ち受ける場所が分かるからです。三回目でほとんど増えなかったなら、残っているのは 知らない語 で、聞く力の問題ではありません。語表で探してください。 台本 答えを出してから読んでください。読むときは、文と文のあいだを詰めて、 一続きの語り として読むこと。 One day I met him. [1] He asked me who I was. [2] He asked me what I needed. [3] He looked as if he knew all about it. [4] He asked for help. [5] He asked me to help him. [6] She tried her best to help him. [7] He went on doing it. [8] He looked left and right. [9] She looked at me. [10] She pointed at him. [11] He looked back. [12] 参考文献 Tatoeba 文 #67169(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/67169 Tatoeba 文 #288154(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/288154 Tatoeba 文 #297446(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/297446 Tatoeba 文 #24826(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/24826 Tatoeba 文 #842906(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/842906 Tatoeba 文 #297644(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/297644 Tatoeba 文 #2826551(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/2826551 Tatoeba 文 #291469(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/291469 Tatoeba 文 #4351264(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/4351264 Tatoeba 文 #314431(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/314431 Tatoeba 文 #1174255(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/1174255 Tatoeba 文 #296209(CC BY 2.0 FR)。https://tatoeba.org/en/sentences/show/296209